会計事務所・税理士事務所のCRM活用ガイド|顧問先管理をHubSpotでどう設計するか

この記事の結論

「顧問先の情報が、会計ソフトと担当者のExcelと紙のファイルに分かれている」「所長しか把握していない話が多く、担当交代のたびに引き継ぎで時間を使う」——会計事務所・税理士事務所の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。

ブログ目次

記事の内容を、そのまま実務に落とし込みたい方向け

HubSpotゴールドパートナーのStartLinkが、HubSpot導入・AI活用・CRM整備・業務効率化までをまとめて支援しています。記事で気になったテーマを、そのまま相談ベースで整理できます。


「顧問先の情報が、会計ソフトと担当者のExcelと紙のファイルに分かれている」「所長しか把握していない話が多く、担当交代のたびに引き継ぎで時間を使う」——会計事務所・税理士事務所の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。

会計事務所のCRMとは、新規開拓の営業管理と、既存顧問先の年間業務の進行管理を、同じデータ構造の上に載せる仕組みのことです。一般的な事業会社のCRMと決定的に違うのは、受注してからの関係が長期間続き、しかも毎年ほぼ同じ業務サイクルが繰り返される点にあります。ここを設計に織り込まないと、「新規案件の管理はできるが、顧問先の状況はやはり担当者に聞かないと分からない」という状態になります。

この記事では、HubSpotを例に会計事務所のCRM設計の型を整理します。「顧客管理をデジタル化しましょう」で終わらせず、会計システムに残すべき領域まで線を引いてお伝えします。

会計事務所・税理士法人で所内の業務管理や顧客管理の仕組みづくりを担当されている方、担当者ごとに分散した情報を集約したい方に向けた内容です。次の4点がわかります。

  • 顧問先・関与先・担当者をどう3層で持つか ── グループ関与や複数法人を抱える顧問先を、会社オブジェクトの階層で表現する方法を示します
  • 月次・決算・年末調整が並走する年間業務の載せ方 ── 営業のパイプラインとは別の管理軸が必要になる理由を説明します
  • 顧問料の改定と請求をどう管理するか ── 契約金額を上書きせず履歴として残す設計にします
  • 守秘義務を踏まえた権限設計 ── 誰がどのレコードを見られるかを、担当・チーム単位でどう絞るかを整理します

読み終える頃には、自社の顧問先情報をどこまでCRMに載せ、どこを会計システムに残すかの判断軸が固まるはずです。ぜひ最後までご確認ください。


会計事務所の情報が分散する構造的な理由

まず、なぜ会計事務所で顧客情報が集約されにくいのかを整理します。

会計システムが「顧客管理システム」を兼ねてしまっている

会計事務所には、顧問先ごとの会計データという確固たるマスターが既にあります。そのため「顧客の情報は会計ソフトを見れば分かる」という感覚になりがちです。しかし会計システムが持っているのは仕訳と決算のデータであり、「誰から紹介された顧問先か」「何を相談されているか」「顧問料をいつ改定したか」といった関係性の情報は入っていません。この差分が、担当者の頭の中とExcelに溜まります。

担当者ごとに業務が完結している

会計事務所の業務は、顧問先ごとに担当者が張り付く形が一般的です。この構造自体は品質面で合理的ですが、情報共有の必然性が生まれにくく、共有の仕組みを作らない限り属人化が進みます。担当者が休んだときに他の人が代わりに答えられるかが、情報が集約されているかどうかの実務的な判定基準になります。

業務量が季節で大きく偏る

3月決算法人の申告が5月に集中するように、業務量には明確な波があります。繁忙期に新しいシステムへの入力を求めても定着しません。逆に言えば、繁忙期にこそ役に立つ形(進捗が一覧で見える、資料の未着が分かる)で設計しないと、使われないまま終わります。

なお、税理士登録者数は82,297人、税理士法人の届出数は5,304(2026年6月末現在、日本税理士会連合会「税理士登録者数」 2026年8月1日確認)とされ、法人化と組織化が進む一方で、個人事務所も多数存在する市場です。事務所の規模によって最適な仕組みは変わるため、他所の設計をそのまま持ってきても合わないという前提を持っておくことをおすすめします。


顧問先・関与先・担当者を3層で持つデータ設計

ここからは具体的なデータ構造に入ります。まず全体像を図で示します。

会計事務所のCRMデータモデル例。会社オブジェクトを親子で持ち、コンタクト・取引(新規開拓と年間業務)・契約のカスタムオブジェクトを関連付けた構成図

これは特定の事務所の実装ではなく、会計事務所でよく出てくる要素を一般化した設計例です。HubSpotの標準機能で組める構成として整理しています。

第1層:顧問先グループ(会社の親レコード)

同族経営で複数の法人を持つ顧問先や、資産管理会社を併せ持つケースは珍しくありません。これらを別々の会社レコードとして持つと、「このグループ全体でいくらの顧問料をいただいているか」が出せません。

HubSpotの会社オブジェクトには親子関係を設定できます。グループの親会社を上位に置き、関与している各法人を子として紐づけると、グループ単位の集計と法人単位の管理を両立できます。

第2層:関与先(個々の法人・個人事業主)

実際に契約し、業務を行う単位です。ここに持たせるのは、決算月、事業年度、業種、資本金、関与の範囲(記帳代行の有無、給与計算の有無、税務顧問のみか)、担当者、担当税理士、といった業務設計に直結する情報です。

会計データそのものは持ちません。試算表の数値や仕訳をCRMに入れると、会計システムとの二重管理になり、必ずどちらかが古くなります。

第3層:関与先の関係者(コンタクト)

社長、経理担当者、他士業(社労士・司法書士)、金融機関の担当者。これらをコンタクトとして持ち、関与先との関連付けにラベルを付けて役割を表現します。関連付けラベルの利用にはProfessional以上のサブスクリプションが必要とされています(HubSpotナレッジベース「レコードを関連付ける」 2026年8月1日確認)。

役割をラベルで持つ理由は、同じ人が複数の関与先に登場するためです。たとえばグループの社長は、複数の法人それぞれに対して立場を持ちます。役割をコンタクトのプロパティーに持たせると、この多重性が表現できません。

3層に分けると何ができるようになるか

見たいこと 3層構造だからできること
グループ全体の顧問料 親会社レコードから子会社の取引を合算して集計できます
決算月ごとの業務量 関与先の決算月プロパティーで、月別の申告件数を出せます
担当者の受け持ち状況 担当者ごとの関与先件数と顧問料合計を一覧で確認できます
紹介元の貢献度 紹介者のコンタクトから、紹介で獲得した関与先をたどれます

新規開拓と年間業務は別の管理軸で持つ

会計事務所のCRM設計で最も判断が分かれるのが、既存顧問先の年間業務をどう管理するかです。

営業パイプラインと業務パイプラインを分ける

新規開拓(問い合わせ〜面談〜提案〜契約)は、一般的な営業パイプラインで管理できます。一方、既存顧問先の月次・決算・年末調整は「営業案件」ではありません。にもかかわらず取引パイプラインで管理する価値があるのは、期日と担当者を持ち、ステージで進捗が表現でき、遅延を検知できるという構造が業務管理と相性が良いためです。

ただし、この2つを同じパイプラインに入れると、新規の受注見込みレポートに決算業務が混ざります。パイプラインは必ず分けてください。

年間業務をどう単位化するか

業務 取引の作り方 備考
決算・申告 事業年度ごとに1件 決算月から逆算した期日を持たせます
月次監査・記帳 月ごとに1件、または年間で1件+月次のタスク 件数が多くなるため、事務所の規模で判断します
年末調整 年ごとに1件 対象人数を持たせると工数見積もりに使えます
個人の確定申告 年ごとに1件 関与先とは別に個人のコンタクトへ紐づけます
スポット業務(相続・組織再編など) 都度1件 顧問料とは別の収益として区別します

月次業務を毎月1件の取引にすると、100件の顧問先で年間1,200件になります。事務所の規模によっては、タスク管理で足りることもあります。まず決算・申告だけを取引で管理し、必要になったら月次を足す進め方が現実的です。決算業務のステージ設計は決算期進行のパイプライン設計で詳しく扱っています。

年間の業務カレンダーを可視化する

会計事務所の年間業務カレンダー図。決算月ごとに申告期限が分散し、年末調整・確定申告の繁忙期と重なる構造を月別に示した図

決算月が分散していれば業務は平準化されますが、実際には特定の月に偏ります。関与先の決算月をプロパティーで持っておけば、月別の申告件数が集計でき、担当者の割り当てを事前に調整できます。採用や外部委託の判断も、この数字があるかどうかで精度が変わります


顧問料の管理と改定履歴

会計事務所の収益は、顧問料という継続契約が中心です。ここをどう持つかで、経営数値の見え方が変わります。

契約金額を上書きしない

顧問料を関与先のプロパティーに「月額顧問料」として持たせると、改定のたびに上書きされ、履歴が消えます。「いつ、いくらから、いくらに改定したか」が分からなくなると、値上げ交渉の再現性が失われます。

商品項目(ラインアイテム)や契約用のオブジェクトを使い、契約期間と金額をセットで持つ設計にすると、改定は新しい行の追加として表現できます。過去の金額は残ったまま、現在の契約金額が集計できる状態になります。

顧問料以外の収益を区別する

決算料、年末調整、記帳代行、スポット相談。これらを顧問料と合算してしまうと、月次の安定収益がいくらなのかが分かりません。収益の種類をプロパティーで区別しておくと、経営判断に使える数字になります。

会計システムとの線引き

情報 置き場所の推奨 理由
契約中の顧問料と改定履歴 CRM 交渉と経営判断に使う情報のため
請求書の発行・入金消込 会計システム 会計の正が二重になると監査で困るため
関与先の試算表・決算数値 会計システム CRMに入れると必ず古くなるため
面談記録・相談内容 CRM 担当交代時の引き継ぎに直結するため

会計システムとの接続の考え方はHubSpotとfreeeの連携CRMと会計システムの連携設計で整理しています。


守秘義務を踏まえた権限設計

士業事務所でCRMを導入するとき、必ず論点になるのが権限です。

会計事務所の権限設計図。所長は全件、チームリーダーはチーム担当分、担当者は自分の担当関与先のみを閲覧できる3階層の構成を示した図

「全員が全部見られる」で始めない

CRMは情報共有のためのツールですが、士業事務所では全件が全員に見える状態が適切とは限りません。顧問先の財務情報や相続の相談内容は、担当外のスタッフが日常的に閲覧すべき情報ではありません。

HubSpotではチームとユーザー権限で、レコードの閲覧範囲を「自分が担当するもののみ」「自分のチームのもの」「すべて」といった単位で制御できます。権限の設計方法はHubSpotの権限・チーム管理で詳しく扱っています。

設計の起点は「担当が外れたとき」

権限設計で迷ったら、「担当が外れた関与先の情報を、その人はいつまで見られるべきか」を考えると整理できます。この問いに答えると、担当ベースの権限にするか、チームベースにするかがほぼ決まります。

記録は残す、閲覧は絞る

権限を絞ることと、記録を残さないことは別です。面談記録や相談内容は必ずCRMに残し、閲覧できる範囲だけを制御する。この形にしておくと、担当者が退職しても事務所に情報が残る状態になります。属人化を解消したいという目的と、守秘義務への配慮は両立できます。


新規開拓をCRMで回す

最後に、集客・受注側の設計にも触れておきます。

紹介と検索の両輪を同じ仕組みに載せる

会計事務所の新規獲得は、既存顧問先や金融機関からの紹介が中心という事務所が多い一方、Webからの問い合わせも無視できない規模になっています。紹介と検索を別々に管理すると、どちらにどれだけ投資すべきかの判断ができません

紹介については、紹介者をコンタクトとして持ち、紹介で生まれた案件に関連付けることで、誰からの紹介が成約につながっているかが見えます。感謝の連絡や情報提供を、記憶ではなくデータに基づいて回せるようになります。

面談から契約までのステージ

問い合わせ/初回面談/提案・見積提示/契約条件の調整/受任、といった5〜6ステージが扱いやすい粒度です。士業の場合、受任の可否には利益相反や品質面の判断が入るため、「受任辞退」のステージを明示的に持たせておくと、失注との区別ができます。無形サービスを提供する業種に共通する設計の考え方はプロフェッショナルサービス業のHubSpot活用でも扱っています。

受任後の立ち上がりまでを設計に含める

契約して終わりではなく、会計データの引き継ぎ、税務代理権限証書の提出、システムのアカウント設定といった立ち上げ業務があります。ここを取引のステージに含めるか、別の業務パイプラインに送るかは事務所によって変わります。新規獲得のレポートを正確に保ちたい場合は、受任時点でクローズし、立ち上げは別パイプラインに移すほうが数字が読みやすくなります。


事務所経営で見たい数字をレポートにする

データ構造を整える目的は、最終的に判断に使える数字を出すことにあります。会計事務所の場合、次の4つが実務でよく使われます。

見たい数字 必要なデータ 判断につながること
担当者別の関与先件数と顧問料合計 関与先の担当者プロパティー+顧問料 担当の偏りと、増員・再配分の必要性
決算月別の申告件数 関与先の決算月プロパティー 繁忙期の重なりと、事前の割り当て調整
顧問料の改定状況 契約の期間と金額の履歴 長期間据え置きの関与先の洗い出し
新規獲得の経路別内訳 取引の獲得経路プロパティー 紹介と検索のどちらに注力するかの判断

「長期間据え置き」を機械的に見つける

顧問料の改定は、話を切り出しにくいこともあり後回しになりがちです。契約の開始日と金額を履歴として持っていれば、「直近の改定から一定年数が経過している関与先」を条件で抽出できます。個別の記憶ではなく一覧で見ることで、交渉の対象を選ぶ手間がなくなります。

属人化していた情報を数字にする

「あの関与先は最近やり取りが減っている」といった感覚は、最終接触日で数字にできます。担当者が把握していることを事務所全体で見える形にしておくと、担当交代や退職があっても引き継ぎが可能になります。レポートの作り方はHubSpotレポート・ダッシュボード設計で扱っています。

段階的に導入する進め方

ここまでの数字を出せる状態にするために、一度にすべてを載せると繁忙期に破綻します。現実的な順序を整理します。

段階 やること この段階で得られること
第1段階 関与先・関係者の整備、決算月と担当者の登録 担当別の受け持ち状況と、月別の申告件数が見えます
第2段階 決算業務パイプラインの運用開始、権限の設定 進捗と遅延が可視化され、朝礼での確認が不要になります
第3段階 顧問料の履歴管理、新規開拓パイプライン、レポート整備 改定交渉と獲得経路の判断が数字でできるようになります

決算集中期に新しい運用を始めると、ほぼ確実に定着しません。比較的余裕のある時期に第1段階を終え、件数の少ない決算月で試してから広げる進め方をおすすめします。

展開の順序としては、全スタッフに一斉展開するより、まず所長・マネージャー層が一覧を見る用途で使い始めるほうが立ち上がりが早くなります。上が見ている状態ができてから入力を依頼するほうが、現場の納得感も違います。入力する人と、活用する人を分けて考えるという原則は、事務所でも同じです。


会計事務所でAIをどこまで使えるか

HubSpotのAI機能についても触れておきます。会計事務所の実務で効きやすいのは、問い合わせの一次対応、面談記録の要約とタスク化、案内文の作成といった領域です。

HubSpotでは、既成のエージェントとカスタムエージェント、エージェント型ワークフローを一か所で管理する「Agent Hub」が提供されており、Marketing Hub / Sales Hub / Service Hub / Data Hub / Content Hub / Smart CRM の Professional・Enterprise で利用できるとされています(HubSpotナレッジベース「Agent Hubについて理解する」 2026年8月1日確認)。

一方で、限界も明確です。税務判断や個別具体的な税務相談への回答をAIに任せることは、専門家責任の観点から適切ではありません。AIに任せられるのは、一次受付と記録の整理までというのが現実的な線です。Webサイトのチャットで税務相談に回答させるような使い方は、事務所の信用に直結するリスクがあります。AI全体の考え方はAgent Hubの全体像で扱っています。


よくある質問

会計事務所のCRM設計について、ご相談の場でよくいただく質問をまとめました。

Q1. 会計ソフトの顧問先マスターがあります。CRMにも顧問先を入れると二重管理になりませんか。

持つ情報を分ければ二重管理にはなりません。会計システムは会計データの正として使い、CRMには「関係性と進行」——紹介元、面談記録、顧問料の改定履歴、業務の進捗——を持たせます。同じ項目を両方で更新する設計にしないことが要点です。顧問先名や決算月といった基本情報は、どちらを正とするかを決めたうえで片方向に連携させる形が扱いやすくなります。

Q2. 士業向けの業務管理システムがあります。HubSpotを使う意味はありますか。

業務の進捗管理だけが目的であれば、業界特化のシステムのほうが機能が揃っていることは正直にお伝えします。CRMを使う価値が出るのは、新規開拓・紹介の管理、Webからの問い合わせ対応、メール配信、既存顧問先への追加提案までを1か所でつなげたい場合です。逆に、新規獲得をほぼ紹介だけで賄っており、業務管理も既存システムで回っているのであれば、無理に導入する必要はありません。

Q3. 顧問先の担当者が退職したときの引き継ぎに、CRMは役立ちますか。

面談記録・メールのやり取り・相談内容がCRMに残っていれば、後任は過去の経緯を自分で追えます。逆に、それらが担当者のメールボックスとメモにしかない場合、CRMを入れただけでは引き継ぎは楽になりません。引き継ぎに効くかどうかは、日々の記録が残る運用になっているかで決まります。記録を残す手間を減らすため、メール連携と面談メモのテンプレート化を先に整えることをおすすめします。

Q4. スタッフ全員にアカウントが必要ですか。

閲覧・入力する人の数だけ必要になります。まずは所長・マネージャー層と、顧客対応を行う担当者から始め、内勤スタッフには必要に応じて広げる進め方が現実的です。全員に配って全員に入力を求めると、繁忙期に破綻します。入力する人と、活用する人を分けて考えるほうが定着します。

Q5. どのプランから始めるべきですか。

契約情報をカスタムオブジェクトで独立させる必要があるかどうかで変わります。顧問料を取引の商品項目として持つ設計であれば、Professionalの範囲で営業パイプラインと業務パイプラインの分離、関連付けラベル、権限のチーム制御まで組めます。カスタムオブジェクトはMarketing Hub / Sales Hub / Service Hub / Data Hub / Content Hub の各Enterprise、および Smart CRM Enterprise・Revenue Hub Enterprise で利用できる機能とされています(出典 2026年8月1日確認)。プランから決めるのではなく、必要なデータ構造を先に描いてから確認する順序をおすすめします。


まとめ

会計事務所のCRMは、新規開拓の管理だけでは足りません。要点を整理します。

  • 情報が分散する原因は、会計システムが顧客管理を兼ねていると錯覚すること。会計データと関係性の情報は別物です
  • 顧問先・関与先・関係者の3層で持つ。会社の親子関係を使うと、グループ単位と法人単位の管理を両立できます
  • 営業パイプラインと業務パイプラインは分ける。決算業務を営業案件と同じ場所に置くと、受注見込みのレポートが使えなくなります
  • 顧問料は上書きせず履歴として持つ。改定の経緯が残ると、値上げ交渉に再現性が生まれます
  • 権限は絞り、記録は残す。守秘義務への配慮と属人化の解消は両立できます

最初の一歩としておすすめしたいのは、「所長が把握していて、他の人が把握していない顧問先情報を5つ書き出す」ことです。紹介の経緯なのか、社長の個人的な事情なのか、過去の値上げ交渉の顛末なのか。その5つが、CRMに最初に載せるべき項目です。網羅的な項目定義から始めるより、確実に価値が出ます。

そのうえで、まずは関与先・関係者・決算業務の3つで1本の線を通し、動き始めてから月次業務・新規開拓・権限の細分化を足していく。この段階的な進め方が事務所に残ります。

自社の顧問先管理をどう設計するか具体的に検討したい場合は、StartLinkの無料相談でご相談ください。現状の運用をうかがったうえで、設計の方向性をご提案します。


株式会社StartLinkは、事業推進に関わる「販売促進」「DXによる業務効率化(ERP/CRM/SFA/MAの導入)」などのご相談を受け付けております。 サービスのプランについてのご相談/お見積もり依頼や、ノウハウのお問い合わせについては、無料のお問い合わせページより、お気軽にご連絡くださいませ。

関連キーワード:

サービス資料を無料DL

著者情報

7-1

今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。