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多くの企業で、営業活動を管理するためにHubSpotのようなCRM(顧客関係管理)ツールを導入し、会計処理のためにfreee会計のようなクラウド会計ソフトを利用しています。しかし、これらのツール間でデータが連携されておらず、手作業での二重入力や転記が発生しているケースも少なくありません。
株式会社StartLinkは、HubSpot特化のCRMコンサルティング会社として、100社以上のHubSpot CRMプロジェクト支援実績と、HubSpotを軸とした経営基盤DX支援の知見に基づき、HubSpotと会計システム(freee会計など)との連携による販売管理システムの構築支援を提供しています。この記事では、HubSpotとfreee会計を連携させて販売管理業務をシームレスに行う方法について、業務担当者の皆様に向けて詳細に解説します。
本記事は「AI × CRMで企業価値を上げる設計思想|経営者が知るべきAI CRM戦略」シリーズの一部です。
本記事はStartLinkの「AI活用完全ガイド」関連記事です。
この記事でわかること
- 販売管理業務とは?なぜシステム連携が必要なのか?の基本的な考え方と実務での活用ポイント
- パターン①:HubSpot+カスタムコードでfreeeとAPI連携(フルカスタム型)の基本的な考え方と実務での活用ポイント
- パターン②:HubSpotとfreeeの連携アプリ「Sync for freee」を利用する(アプリ導入型)の基本的な考え方と実務での活用ポイント
- どちらのHubSpot-freee会計の連携パターンを選ぶべきか?の基本的な考え方と実務での活用ポイント
本記事では、HubSpotの活用における重要なポイントを体系的にまとめています。導入前の検討段階から運用改善まで、どのフェーズにいる方にも参考になる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
販売管理業務とは?なぜシステム連携が必要なのか?
「販売管理」とは、営業活動の開始から、見積もり、受注、納品、請求、そして入金までの売上に関連する一連の業務を指します。
これらの業務でHubSpotとfreee会計の連携が必要な理由はシンプルです。
営業活動の結果としてHubSpotに登録された「取引・受注情報」は、最終的に「請求・売上・入金」という会計データとしてfreee会計に記録されるからです。
連携されていない場合、次のような非効率が発生します。
・HubSpotで受注
・会計側で請求書を再作成
・freee会計に手入力
・入金状況を別管理
これは典型的な“二重管理構造”です。
システムを連携させることで、以下のメリットが得られます。
・業務効率化:転記・再入力作業の削減
・人的ミスの削減:金額・税区分・取引先情報の入力ミス防止
・リアルタイム把握:請求・入金状況をCRM側でも即時確認
・ガバナンス向上:データの整合性を保った運用
販売管理から会計までを一気通貫でつなぐことは、経営基盤DXの重要テーマです。
パターン①:HubSpot+カスタムコードでfreeeとAPI連携(フルカスタム型)
このパターンでは、HubSpotを基幹システムとして位置づけ、HubSpotの内部で販売管理業務の多くを完結させます。具体的には、HubSpotのData Hubのカスタムコード機能を活用して、請求ロジックの実装、請求書データの生成、そしてfreee会計へのデータ連携(API連携)を行います。
主な機能構成
- 請求ロジック実装: Data Hubのカスタムコードで記述
- 請求書データ生成: カスタムオブジェクト「請求」などを利用して管理
- freee会計へのAPI連携: freee APIを利用して直接データを送信

メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 自社独自の複雑な業務フロー(特殊な締め処理や合算、按分計算���ど)に完全対応可能 | 構築・運用コストが高く、開発期間が長い |
| HubSpot内で画面や操作を完結させやすい | エンジニアによる継続的な保守・コード管理(メンテナンス)が必要 |
| HubSpot内で情報が一元管理されるため、データの整合性を担保しやすい | APIの仕様変更時などに改修コストが発生する |
この方式は、標準的な機能では対応しきれない複雑な商流を持つ企業に適しています。「自社のオペレーションを変えずにシステムを合わせたい」場合や、「完全に自動化されたバックグラウンド処理を行いたい」場合には、このフルカスタム型が唯一の選択肢となりますが、初期投資とメンテナンス体制の確保が課題となります。
パターン②:HubSpotとfreeeの連携アプリ「Sync for freee」を利用する(アプリ導入型)
引用:Sync| HubSpot-freee連携アプリ - 営業と経理をつなぐ
このパターンでは、HubSpotとfreee会計を繋ぐために開発された既製のコネクタアプリ「Sync for freee」を利用する方法です。一から開発を行うのではなく、あらかじめ用意された連携機能を利用するため、導入のハードルが低く、シンプルな運用が可能になります。
※「Sync for freee」は、HubSpot上の「コンタクト」「会社」「取引」情報を、ボタン操作一つでfreee会計の「取引(売上・請求)」や「請求書」として連携するアプリケーションです。
システム構成(概要)
構成としては非常にシンプルです。HubSpotにアプリをインストールし、マッピング設定を行うだけで連携が開始できます。
- HubSpot:顧客・案件・商品管理
- Sync for freee:データ変換・マッピング・連携処理
- freee会計/freee請求書:請求・売上・入金管理
主な機能と特徴
- ワンクリック連携:HubSpotの取引画面にあるカードから、freeeの取引登録や請求書作成が可能です。
- マッピングの柔軟性:HubSpotのプロパティとfreeeの項目(勘定科目、税区分、部門タグなど)を紐付けることができます。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 開発不要で即日〜数日で利用開始が可能 | アプリの仕様に業務フローを合わせる必要がある |
| 構築コストが圧倒的に安く、月額利用料のみで済む | 非常に特殊な計算ロジックや、複雑な承認フローには対応しきれない場合がある |
| メンテナンスはアプリ提供ベンダーが行うため、自社での保守負担がない | |
| 継続運用のしやすさ(属人性が低く、マニュアル運用可能) |
この方式は、「まずは低コストで連携を実現したい」「標準的な販売プロセスなので、アプリの仕様に合わせて業務を効率化したい」という企業に最適です。
Sync for freeeでのHubSpotとfreee会計の連携方法
Sync for freeeは、HubSpotの「取引」「会社」「商品項目」をfreee会計の値とマッピングを行い、freee見積書・請求書とfreee取引を作成することができます。Sync for freeeは、日常的に会計知識(勘定科目など)を使わないユーザーがメインで利用することを想定して設計されているため、請求書などの入力時に直接勘定科目を入力する仕組みにはなっておらず、あくまで販売管理側の業務に最適な仕組みになっています。

連携設定と権限
- freee会計/請求書との連携設定は、HubSpotの「連携アプリ」メニューから「Sync for freee」を選択して行います。
- 連携には、freee会計側で以下いずれかのユーザー権限が必要です:
連携アプリへのアクセス権

連携設定とカスタマイズ

freee会計には様々な項目があり、それぞれの項目をHubSpotと連携するかどうかや、どのプロパティと連携するかどうかというところを設定することが可能です。
例えば、
- 税区分コードを「課税売上10%」
にしたり、
- 勘定科目を「売上高」
として連携したりという設定ができますので、HubSpotから取引データを連携する際にどのような設定項目で連携したいかというところをカスタマイズしていただくことが可能です。
様々な連携ツールがありますが、ここまで項目を多くカスタマイズできたり、マッピングを詳細化できる機能はないため、HubSpotをご利用されているユーザーにとってはかなり心強いアプリになると思います。
データ連携のタイミング
Sync for freeeアプリをインストールすると、取引のオブジェクトの中にHubSpotからfreee取引を作成したり、freee見積書、請求書を作成するボタンが出てきますので、こちらを押していただければ実行することが可能です。
請求書については月次請求があるものについては、「Xヶ月ごと」など商品項目で指定した頻度で請求書を作ることも可能ですし、有料プランにすると自動的に毎月更新用のfreee取引が作られるという設定も可能です��で、月次の管理がより効率的になります。
毎月、手動でfreee取引を作成している、または連携されている企業様はかなり業務効率の削減につながると思います。

freeeの取引先とHubSpotの会社データの同期について
freeeの取引先とHubSpotの会社データを同期し、同じ会社の粒度で管理するというところを、今まで二重管理が必要でした。
こちらが、このアプリによって会社名が完全一致した場合に同期することが可能ですので、HubSpotとfreeeで一意な会社データを管理することができるようになりました。また、双方のデータを同期する機能もあるので、例えば、freee取引先にある住所をHubSpotの会社に同期するということも気軽にできるようになり、データクレンジングの機能としても使うことができます。

どちらのHubSpot-freee会計の連携パターンを選ぶべきか?
HubSpotとfreee会計の連携方法は、企業の状況によって最適なものが異なります。
・パターン①(HubSpot内完結)
・パターン②(Sync for freee連携)
の主な違いを比較検討し、自社に合った方式を選択することが重要です。
当社のおすすめとしては、そこまで自社の請求業務に対してカスタマイズ性が必要ないのであれば、Sync for freeeとHubSpotを連携する形が良いかと思っております。というのも、自社でのメンテナンスや運用面でカバーができるので、エラー等も起きにくいという点もあります。また、「Syncでの連携仕様に対して業務を合わせる」という形になるので、ある程度制約のある中で業務を決められるということもメリットかと思っております。
パターン比較表(簡易比較)
| 項目 | パターン①(カスタムコード開発) | パターン②(Sync for freeeアプリ) |
|---|---|---|
| 初期コスト | 高(数十万〜数百万円 / 開発費) | なし |
| ランニングコスト | HubSpot Data Hub Pro費用 + 保守費 | アプリ月額利用料 |
| 導入スピード | 遅(要件定義〜開発に数ヶ月) | 速(インストール即日) |
| 柔軟性・カスタマイズ | 極めて高い(どんなロジックも実装可) | 標準的(設定範囲内での変更) |
| メンテナンス | 自社またはベンダーによるコード管理が必要 | アプリベンダーが実施(自動更新) |
| 適している企業 | 特殊な商習慣がある、または大企業 | 一般的な商流の中小・スタートアップ企業 |
推奨される選び方
【パターン②:Sync for freee(アプリ)がおすすめな企業】
- なるべく初期投資を抑えて、スピーディーに連携を始めたい。
- 販売プロセスは比較的シンプルで、標準的な請求業務フローに合わせることができる。
- 社内にエンジニアがおらず、システム保守の手間を減らしたい。
- 「まずは連携してみたい」というスモールスタートを希望している。
【パターン①:カスタムコード(開発)がおすすめな企業】
- 日割計算や複雑な合算請求など、独自の計算ロジックが必須である。
- freee以外のシステムとも複雑にデータを突き合わせる必要がある。
- アプリの仕様に業務を合わせることが難しく、現行のオペレーションを維持したい。
よくある質問(FAQ)
Q1: HubSpotとfreee会計/請求書の連携方法2選とは何ですか?
HubSpotとfreee会計/請求書の連携方法2選とは、企業が販売管理業務とは?なぜシステム連携が必要なのか?を体系的に理解し、実務に活かすための考え方・手法です。本記事では基本から応用まで実践的に解説しています。
Q2: HubSpotとfreee会計/請求書の連携方法2選のメリットは何ですか?
HubSpotとfreee会計/請求書の連携方法2選に取り組むことで、業務の効率化・意思決定の精度向上・組織全体の生産性改善が期待できます。特に中小企業では、限られたリソースで最大の成果を出すために重要です。
Q3: HubSpotとfreee会計/請求書の連携方法2選を始めるにはどうすればよいですか?
まずは現状の課題を整理し、優先順位をつけることが第一歩です。本記事で紹介しているフレームワークやステップを参考に、スモールスタートで取り組むことをおすすめします。
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まとめ:まずは「Sync for freee」でスモールスタート、必要に応じてカスタムへ
HubSpotとfreee会計の連携は、手作業によるミスをなくし、経理・営業双方の生産性を高めるための確実な投資です。
アプローチとしては、まず「Sync for freee」のような連携アプリで、低コスト・短期間での連携を試してみることを推奨します。多くの企業にとって、アプリが提供する標準機能で十分な業務改善効果が得られます。「アプリの仕様に合わせて業務フローを整理する」こと自体が、属人化を排したシンプルな業務体制を作るきっかけにもなるからです。
一方で、事業が拡大し、より高度で複雑な自動化が必要になった段階で、Data Hubを用いたカスタム開発へ移行するというステップを踏むのが、最もリスクの少ないDXの進め方と言えるでしょう。
StartLinkが提供できる価値
株式会社StartLinkは、HubSpotとfreee会計の連携において、「アプリの提供」と「カスタム開発」の両方に対応できる数少ないパートナーです。
- Sync for freee(アプリ)の提供
自社プロダクトとして「Sync for freee」を開発・提供しています。HubSpotの仕様を熟知したプロが作ったアプリで、手軽に連携を実現します。
- 高度なカスタムコード開発
アプリではカバーしきれない複雑な要件に対しては、HubSpot Data Hubを用いたカスタム開発支援を行います。150社以上の支援実績に基づき、貴社の業務に完全にフィットするシステムを構築します。
- 業務設計からのコンサルティング
単なるツールの導入ではなく、「どの業務を自動化すべきか」「どうすれば二重入力をなくせるか」といった業務フローの整理から伴走支援します。
「自社にはどっちが合っているかわからない」という場合でも、まずは現状の課題をお聞かせください。貴社のフェーズと予算に合わせて、最適な連携プランをご提案いたします。
HubSpot導入のご相談
StartLinkでは、150社以上の支援実績をもとに、HubSpotの導入設計から運用定着まで一貫してサポートしています。CRM・SFA・MAの活用にお悩みの方は、お気軽に無料相談をご利用ください。
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。
