士業のHubSpot活用法|顧問先管理・案件進捗・紹介管理をCRMで一元化

HubSpotワークフロー自動化画面
この記事の結論

「顧問先の契約情報がExcelに散在していて、更新時期の把握が漏れてしまう」「紹介元との関係管理が属人化している」「案件ごとの進捗を事務所全体で共有できていない」——こうした課題を抱えている士業事務所は少なくありません。

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記事の内容を、そのまま実務に落とし込みたい方向け

HubSpot導入、AI活用、CRM整備、業務効率化までをまとめて支援しています。記事で気になったテーマを、そのまま相談ベースで整理できます。


「顧問先の契約情報がExcelに散在していて、更新時期の把握が漏れてしまう」「紹介元との関係管理が属人化している」「案件ごとの進捗を事務所全体で共有できていない」——こうした課題を抱えている士業事務所は少なくありません。

士業(弁護士・税理士・社労士・行政書士・司法書士等)におけるHubSpot活用とは、顧問先管理、案件進捗管理、紹介ネットワーク管理といった士業特有のビジネスプロセスをCRMで一元化し、事務所の業務効率化と顧客満足度の向上を実現することです。

この記事では、士業事務所がHubSpotを導入する際の設計思想と、具体的な活用パターンを解説します。

本記事は「カスタマーサクセス部門のHubSpot活用法|オンボーディング・ヘルススコア・解約防止」シリーズの一部です。 この分野の体系的な情報は業界別HubSpot活用ガイドでまとめています。

本記事はStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。


この記事でわかること

  • 士業に適したHubSpotの活用領域 — HubSpotの機能を最大限に活かすための設計と運用のポイントを解説します。
  • 顧問先管理・契約管理の設計方法 — 士業向けに追加すべきプロパティの例です。
  • 案件パイプラインの設計 — 自社の状況に合わせた戦略の組み立て方を、フレームワークとともにお伝えします。
  • 紹介元ネットワークの管理 — 士業にとって「紹介」は最大の顧客獲得チャネルです。
  • セミナー・コンテンツマーケティングの活用 — 実際の活用シーンを交えて、実務で再現できるレベルで解説します。
  • よくある質問(FAQ) — はい、税理士事務所や弁護士事務所、社労士事務所でHubSpotを活用している事例は増えています。

HubSpot・営業・CRMの取り組みを検討されている方に、


士業にHubSpotが向いている理由

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SECTION 02
士業にHubSpotが向いている理由

士業のビジネスモデルには、CRMが効果を発揮するポイントが多くあります。

士業の業務 現状の課題 HubSpotでの解決策
顧問先管理 Excel/紙で管理、契約更新の漏れ コンタクト・会社 + カスタムプロパティで一元管理
案件管理 案件ごとの進捗が個人のノートに閉じている パイプラインで全体可視化
紹介管理 紹介元・紹介先の関係が記録されていない 関連付け機能で紹介ネットワークを構造化
見込み客フォロー セミナー参加者へのフォローが手動 ワークフロー + シーケンスで自動化
コンテンツ発信 ブログ・メルマガの運用が止まっている Content Hub + Marketing Hubで効率的に運用

スプレッドシートで管理されている場合だと手動での変更が多くなってしまいますし、情報が分散するとどうしても漏れが出てきます。HubSpotに集約すれば、過去のやり取りや契約状況が一覧で確認できるようになります。


顧問先管理・契約管理の設計

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SECTION 03
顧問先管理・契約管理の設計

カスタムプロパティの設計

士業向けに追加すべきプロパティの例です。

会社オブジェクト(顧問先):

プロパティ名 種類 用途
顧問契約種別 ドロップダウン 顧問(月額)/ スポット / 未契約
月額顧問料 数値 顧問料金
契約開始日 日付 契約起算日
契約更新日 日付 次回更新のリマインド用
決算期 ドロップダウン 1月〜12月
業種 ドロップダウン 顧問先の業種分類
従業員数 数値 規模感の把握
担当パートナー ユーザー選択 事務所内の担当者
紹介元 会社選択 紹介してくれた会社・個人

項目は最小限にするのが大事です。よくあるSFAのあるあるで、全然使っていない項目が大量にあったりしますが、項目が少ない方が集中できるので、まずは本当に必要な項目だけに絞り込んでください。

契約更新リマインドの自動化

ワークフローを使って、契約更新日の30日前に自動リマインドを送信する仕組みを構築します。

  1. 契約更新日の30日前→担当パートナーに通知メール
  2. 契約更新日の14日前→更新手続きの確認タスクを自動作成
  3. 契約更新日の7日前→未更新の場合、上位者にエスカレーション

案件パイプラインの設計

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SECTION 04
案件パイプラインの設計

士業向けパイプライン例

士業の案件は、受任から完了まで一定のフローがあります。業種によって異なりますが、以下は一般的な設計例です。

税理士・会計事務所向け:

ステージ 定義 必須プロパティ
相談受付 初回相談の申し込みを受けた 相談内容、紹介元
初回面談 面談を実施し、課題をヒアリング 面談日、課題の概要
提案・見積もり サービス内容と費用を提案 見積金額、サービス内容
受任 正式に依頼を受けた 受任日、契約形態
対応中 業務を遂行中 進捗メモ
完了・納品 業務完了、成果物の納品 完了日
顧問契約移行 スポット案件から顧問契約に移行 月額顧問料

弁護士事務所向け:

ステージ 定義
法律相談 初回の法律相談
受任検討 受任の可否を検討中
受任 委任契約締結
調査・準備 証拠収集、書面作成等
交渉・手続中 相手方との交渉、裁判手続き
解決・完了 案件の解決、完了

企業様によって案件の種類やフローは異なるので、自社の業務プロセスに合わせてカスタマイズしてください。


紹介ネットワークの管理

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SECTION 05
紹介ネットワークの管理

士業にとって「紹介」は最大の顧客獲得チャネルです。紹介元・紹介先の関係をHubSpotで構造化して管理することで、紹介ネットワークの可視化と強化が可能になります。

関連付けによる紹介管理

HubSpotの関連付け機能を使って、以下のリレーションを構築します。

紹介元(会社/コンタクト)
    ↕ 関連付け(ラベル: 紹介元)
顧問先(会社)
    ↕ 関連付け
案件(取引)

紹介元別のレポート

ダッシュボードで紹介元ごとの実績を可視化します。

レポート 内容
紹介元別・紹介件数 どの紹介元から何件の紹介があったか
紹介元別・受任率 紹介案件の受任転換率
紹介元別・売上貢献 紹介経由の売上合計
紹介元との最終接触日 関係維持のためのフォロー対象を特定

紹介してくれた方への定期的なお礼や情報提供を、ワークフローで自動化することもできます。例えば、紹介案件が受任に至った場合にお礼メールを自動送信する、年末年始に紹介元リスト全体にごあいさつメールを配信する、といった施策です。


セミナー・コンテンツマーケティングの活用

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SECTION 06
セミナー・コンテンツマーケティングの活用

セミナー管理

士業事務所がセミナー(例: 相続税対策セミナー、労務管理セミナー)を開催する場合、HubSpotのマーケティングイベント機能で管理できます。

  1. LP作成: Content HubでセミナーLPを作成
  2. フォーム設置: 申込フォームをLPに設置
  3. 自動返信: 申込完了→確認メール + リマインドメール(1日前)を自動送信
  4. セミナー後フォロー: 参加者にシーケンスでフォローメール + 個別相談の案内
  5. ROI分析: セミナー経由のリード数→面談数→受任数をファネル分析

ブログ・メルマガの活用

税制改正、法改正、判例解説など、士業ならではの専門コンテンツをブログで発信し、メルマガで定期配信する仕組みをContent Hub + Marketing Hubで構築できます。

  • 顧問先向け: 業界ニュース、法改正のポイント、実務Tips
  • 見込み客向け: よくある相談事例、セミナー案内

こうした制作作業を内製できるのがHubSpotの良い点です。専門家としての知見を発信することで、信頼性の構築と新規問い合わせの獲得を両立できます。


まとめ

  • 士業のHubSpot活用は、顧問先管理、案件パイプライン、紹介ネットワーク管理の3つを柱として設計するのが効果的です
  • まずは顧問先情報のCRM登録と、案件パイプラインの構築から始めてください
  • 契約更新のリマインドワークフローを追加するだけでも、更新漏れの防止に大きな効果があります
  • CRMにデータが蓄積されるほど、紹介元の分析や案件の傾向把握が精度を増し、事務所経営の意思決定に活かせるようになります
  • スモールスタートで始めて、段階的に活用範囲を広げていただければなと思います

あわせて、製造業のHubSpot活用法不動産業界のHubSpot活用法製造業の展示会リード管理なども参考にしていただければと思います。


よくある質問(FAQ)

Q1. 士業でHubSpotを使っている事務所は実際にありますか?

はい、税理士事務所や弁護士事務所、社労士事務所でHubSpotを活用している事例は増えています。特に顧問先管理と案件管理のCRM化、セミナー集客のMA活用が主な利用パターンです。

Q2. 士業の案件管理には専用ツール(例: MyKomon等)とHubSpotのどちらが良いですか?

案件の進捗管理だけであれば専用ツールの方が特化した機能を持っています。一方で、マーケティング(集客→ナーチャリング→面談化)からCRM(顧客管理・紹介管理)、コンテンツ発信まで一気通貫で管理したい場合はHubSpotが適しています。両方を併用してiPaaSで連携する方法もあります。

Q3. 小規模事務所(1〜3名)でもHubSpotを使うメリットはありますか?

あります。Starterプランは月1,800円から利用でき、顧問先管理、案件パイプライン、基本的なメール配信が可能です。Excelでの管理から脱却するだけでも業務効率は上がりますし、事務所の成長に合わせて段階的に機能を拡張できます。

Q4. 顧客の機密情報をHubSpotに入れても大丈夫ですか?

HubSpotはSOC 2 Type II認証を取得しており、データの暗号化やアクセス制御などのセキュリティ対策が講じられています。ただし、特に機密性の高い個人情報(事件の詳細等)はHubSpotに入れず、案件管理システムや文書管理ツールで管理し、HubSpotには概要レベルの情報のみを登録するのが安全です。センシティブデータの管理設定も活用してください。


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。