「Webサイトに訪問したユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取りたい」 「問い合わせ対応を自動化して、営業チームの負荷を減らしたい」 ——こうした課題を解決するのがHubSpotのチャットフロー機能です。
「Webサイトに訪問したユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取りたい」
「問い合わせ対応を自動化して、営業チームの負荷を減らしたい」
——こうした課題を解決するのがHubSpotのチャットフロー機能です。
HubSpotのチャットフローとは、Webサイト上にチャットウィジェットを設置し、ライブチャット(有人対応)やチャットボット(自動対応)で訪問者とコミュニケーションを取る機能です。リード獲得・問い合わせ対応・ミーティング予約の自動化まで、ノーコードで設定できるのが特徴です。
本記事では、チャットフローの種類・設定手順・活用パターンを実画面ベースで解説します。
この記事でわかること:
- ライブチャットとチャットボットの違いと使い分け — HubSpotのチャットフローには2つの種類があります。
- チャットフローの設定手順(ステップバイステップ) — チャットウィジェットをどのページに、どのタイミングで表示するかを設定します。
- リード獲得・問い合わせ対応・ミーティング予約の自動化パターン — 「Webサイトに訪問したユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取りたい」
- AIチャットボット(Breeze顧客対応エージェント)の活用法 — Professional以上のプランでは、BreezeAIを活用した高度なチャットボットが利用可能です。
- チャットフロー運用のベストプラクティス — すべてのページにチャットを表示すると、ユーザー体験を損なう場合があります。
本記事は「HubSpot初期設定・オンボーディング完全マニュアル|アカウント作成後にやるべき設定一覧」シリーズの一部です。
本記事はHubSpotゴールドパートナーのStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。
チャットフローの種類|ライブチャット vs チャットボット
01
SECTION 01
チャットフローの種類|ライブチャット vs チャットボット
HubSpotのチャットフローには2つの種類があります。
| 種類 |
概要 |
適するケース |
| ライブチャット |
訪問者と担当者がリアルタイムでテキストチャット |
高単価商材の問い合わせ対応、複雑な質問への回答 |
| チャットボット |
事前に設定したシナリオに基づく自動応答 |
リード獲得、FAQ対応、ミーティング予約、初期振り分け |
さらにProfessionalプラン以上では、Breeze顧客対応エージェント(AIチャットボット)が利用可能で、ナレッジベースの内容を学習して自然な対話でユーザーの質問に回答できます。
どちらを選ぶべきか
「常に全部AIが対応するのではなく、ここの基準から人間に渡しますという設定ができる」——チャットボットで初期対応を自動化し、複雑な質問はライブチャットに引き継ぐハイブリッド運用が最も効果的です。
チャットフローの設定手順
ステップ1: チャットチャネルの接続
- HubSpot管理画面 → 歯車マーク(設定)→「受信トレイとヘルプデスク」→「チャネル」
- 「チャネルを接続」→「チャット」を選択
- チャットウィジェットの外観(色・アバター・ウェルカムメッセージ)をカスタマイズ
- 表示するページのURLを指定(全ページ or 特定ページ)
ステップ2: チャットフローの作成
- 「自動化」→「チャットフロー」→「チャットフローを作成」
- 「ウェブサイト」を選択
- ライブチャット or チャットボットを選択
チャットボットの場合、目的別テンプレートが用意されています:
| テンプレート |
用途 |
| コンシェルジュボット |
訪問者の目的に応じて適切なチームに振り分け |
| リード認定ボット |
質問を通じてリードの情報を収集し、見込み度を判定 |
| ミーティングボット |
カレンダーと連携して日程調整を自動化 |
| チケットボット |
問い合わせ内容を収集してサポートチケットを自動作成 |
| ナレッジベースボット |
ナレッジベース記事を検索して回答を提示 |
ステップ3: チャットボットのシナリオ設計
チャットボットはフローチャート形式でシナリオを組み立てます。
基本的なフロー例(リード獲得ボット):
挨拶メッセージ
→ 訪問目的を質問(選択肢: 製品について/料金について/デモ希望/その他)
→ 「デモ希望」の場合: 会社名・氏名・メールアドレスを収集
→ ミーティングリンクを提示
→ CRMにコンタクトを自動作成 + 営業担当者に通知
ステップ4: 表示条件の設定
チャットウィジェットをどのページに、どのタイミングで表示するかを設定します。
| 設定項目 |
推奨設定 |
| 表示ページ |
料金ページ、製品ページ、お問い合わせページ(全ページは非推奨) |
| 表示タイミング |
ページ滞在30秒後 or スクロール50%時(即時表示は離脱を招く) |
| 対象ユーザー |
新規訪問者 or 特定のライフサイクルステージのコンタクト |
| 営業時間外 |
チャットボットに自動切り替え or オフラインメッセージ表示 |
ステップ5: 受信トレイとの連携
チャットの会話はHubSpotの受信トレイに集約されます。メール・チャット・フォーム経由の問い合わせを一元管理でき、過去のやり取りが一覧で確認できるため、対応の質が向上します。
デモ環境のチャットフロー一覧画面。ここから新しいチャットフローを作成・管理します。
活用パターン|目的別チャットフロー設計
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SECTION 03
活用パターン|目的別チャットフロー設計
パターン1: リード獲得の自動化
課題: Webサイト訪問者のうち、フォーム送信に至らない大多数を逃している
解決策: チャットボットで気軽に会話を始め、リード情報を収集
設計のポイント:
- 最初の質問は「はい/いいえ」や選択式で敷居を下げる
- 3〜4問以内で完結させる(長すぎると離脱する)
- メールアドレスの取得後はワークフローでナーチャリングに接続
- フリーアドレスのドメインはブロック設定を検討
パターン2: ミーティング予約の自動化
課題: 営業担当者が日程調整のメールを何往復もしている
解決策: ミーティングボットでカレンダー連携+自動予約
HubSpotのミーティングリンクとチャットボットを連携させると、訪問者がチャット内で直接ミーティングを予約でき、営業カレンダーに自動反映されます。
パターン3: カスタマーサポートの効率化
課題: サポートチームが同じ質問に繰り返し対応している
解決策: ナレッジベースボット + チケット自動作成
「ここのナレッジがしっかりしていればHubSpotのチャットボットは正しく回答してくれるので、ここをいかに情報を正しく入力させつつAIに理解しやすいようにインプットしてあげるのかがポイント」——AIチャットボットの品質はナレッジベースの品質で決まります。
パターン4: 訪問者の振り分け(コンシェルジュ)
課題: 問い合わせの種類(営業/サポート/採用等)がバラバラで、適切な部門に届かない
解決策: コンシェルジュボットで目的を確認し、適切なチームに振り分け
ワークフローと組み合わせて、フォーム送信時にAIで営業問い合わせか一般問い合わせかを自動判別する仕組みも構築できます。
AIチャットボット(Breeze顧客対応エージェント)の活用
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SECTION 04
AIチャットボット(Breeze顧客対応エージェント)の活用
Professional以上のプランでは、Breeze AIを活用した高度なチャットボットが利用可能です。
| 項目 |
ルールベースチャットボット |
AIチャットボット(Breeze) |
| 対応プラン |
無料〜 |
Professional以上 |
| 応答方式 |
事前設定のシナリオ通り |
ナレッジベースからAIが自動回答 |
| 柔軟性 |
想定外の質問に対応不可 |
自然言語で柔軟に対応 |
| セットアップ |
シナリオのフローチャート設計が必要 |
ナレッジベースを用意すればOK |
| 日本語対応 |
設定した日本語テキストがそのまま表示 |
日本語対応可能(ただし英語ドリブン) |
AIチャットボットは「超一流の営業マンが考える内容が出てくるというよりは、営業アシスタントの方がリサーチしてある程度方向性を考えてくれるイメージ」です。基本的には送信前に確認するモードで運用し、自律送信はリスクがあるため推奨しません。
Breezeカスタマーエージェントの設定・プレビュー画面(デモ)。回答スタイルを設定できます。
チャットフロー運用のベストプラクティス
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SECTION 05
チャットフロー運用のベストプラクティス
1. チャットウィジェットを全ページに出さない
すべてのページにチャットを表示すると、ユーザー体験を損なう場合があります。料金ページ・製品ページ・問い合わせページなど、コンバージョンに近いページに限定するのが効果的です。
2. 営業時間外の対応を設計する
営業時間外にライブチャットが無応答になると、ユーザーの信頼を損ないます。営業時間外はチャットボットに自動切り替えするか、「翌営業日にご返信します」のオフラインメッセージを設定しましょう。
3. チャット経由のリードをワークフローに接続する
チャットで取得したコンタクト情報を、ワークフローでナーチャリングシーケンスやリードスコアリングに自動接続します。チャットで終わりではなく、一気通貫のフローに組み込むことが大切です。
4. 定期的にシナリオを改善する
チャットボットの会話ログを定期的に確認し、「ユーザーが離脱しているポイント」「想定外の質問」を特定してシナリオを改善します。
5. Salesforceとの連携
Salesforceを使っている企業でもHubSpotのチャット機能は活用できます。チャットで取得したリード情報をSalesforceにデータ連携することで、MAはHubSpot、SFAはSalesforceという切り分け運用も可能です。
プラン別の利用可能機能
| 機能 |
無料 |
Starter |
Professional |
Enterprise |
| ライブチャット |
○ |
○ |
○ |
○ |
| ルールベースチャットボット |
○(基本) |
○ |
○ |
○ |
| ボットテンプレート |
限定的 |
○ |
○ |
○ |
| AIチャットボット(Breeze) |
× |
× |
○ |
○ |
| ナレッジベース連携 |
× |
× |
○ |
○ |
| 条件分岐の高度な設定 |
限定的 |
○ |
○ |
○ |
| チャットのレポート分析 |
基本 |
○ |
○(詳細) |
○(詳細) |
まとめ
HubSpotのチャットフローは、リード獲得・問い合わせ対応・ミーティング予約を自動化する強力な機能です。
活用のポイント:
- ライブチャットとチャットボットのハイブリッド運用が最も効果的
- チャットボットは目的別テンプレートからスタートし、段階的に改善
- AIチャットボット(Breeze)の品質はナレッジベースの品質で決まる
- チャット経由のリードをワークフロー・ナーチャリングに接続し、一気通貫のフローを構築
- 全ページ表示ではなく、コンバージョンに近いページに限定設置
まずはHubSpotの基本操作で受信トレイの使い方を確認し、受信トレイ設定でチャットチャネルを接続してみてください。チャットで獲得したリードはワークフローで自動ナーチャリングに接続し、ライフサイクルステージに沿ったリード育成を構築しましょう。
あわせて、HubSpotチケット管理の使い方、HubSpotリードスコアリング設定ガイド、HubSpotのABM機能で実践するアカウントベースドマーケティングなども参考にしていただければと思います。
よくある質問(FAQ)
Q1. HubSpotのチャットボットは無料で使えますか?
A. はい、ルールベースのチャットボットは無料プランから利用可能です。ただし、AIチャットボット(Breeze顧客対応エージェント)はProfessional以上のプランが必要です。
Q2. チャットボットの設定にプログラミングスキルは必要ですか?
A. いいえ、不要です。HubSpotのチャットボットはノーコードのフローチャートエディターで作成でき、目的別のテンプレートも用意されています。
Q3. ライブチャットとチャットボットを同時に使えますか?
A. はい、可能です。営業時間内はライブチャット、時間外はチャットボットに自動切り替えする設定や、チャットボットで初期対応→必要に応じてライブチャットに引き継ぐフローも構築できます。
Q4. チャット経由の問い合わせはCRMに自動記録されますか?
A. はい、チャットの会話内容は自動的にCRMのコンタクトレコードに記録されます。過去のやり取りを含めて一覧で確認できるため、担当者が変わっても対応の継続性を保てます。
Q5. スマートフォンからもチャット対応できますか?
A. はい、HubSpotのスマホアプリからライブチャットに対応可能です。外出先でもリアルタイムでユーザーとコミュニケーションが取れます。