SHANONからHubSpotへの移行は、機能の「移植」ではなく「再設計」です。イベント管理中心のMAから、CRM統合型のマーケティング基盤へ切り替える作業になります。
SHANONとHubSpotの機能比較・選定判断については「HubSpot vs SHANON比較|日本市場で最適なMAはどちらか」を参照してください。本記事では、SHANONからHubSpotへの移行を決めた後の具体的な実行手順に特化して解説します。
「SHANONのイベント管理が使いやすくて手放せない」「スコアリングのルールを一から作り直すのは工数がかかりそう」「移行中にメール配信が止まらないか不安」——SHANONからHubSpotへの移行を検討している方から、私たちがよくいただく声です。
SHANONからHubSpotへの移行とは、SHANONで運用していたイベント管理・リードスコアリング・メール配信・フォームの各機能を、HubSpotのMarketing Hub上で再現・再設計する作業です。単なるデータの引っ越しではなく、コンタクト獲得から商談・顧客化までを一気通貫で管理する、CRM統合型の運用モデルへの切り替えになります。
本記事はHubSpotゴールドパートナーのStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。
この記事でわかること
SHANON(シャノン)からHubSpotへのMA移行を決めた、または移行計画を立てているBtoBマーケティング担当者の方に向けて、実務レベルの移行手順を解説します。
- イベント・セミナー管理の移行 — SHANONのキャンペーン管理を、HubSpotのフォーム・ワークフロー・カスタムオブジェクトで再現する2つのアプローチを紹介します。
- リードスコアリングの再設計 — SHANONの行動×属性スコアを、HubSpotの複合スコアリングとライフサイクルステージ連動で作り直す方法を解説します。
- メール・フォームの移行手順 — HTMLメールテンプレートの再構築方法と、シナリオメールをワークフローで再現する手順を説明します。
- 移行スケジュールと注意点 — 8〜12週間の標準的なタイムラインと、オプトアウト情報の引き継ぎなど見落とせないポイントを整理します。
最後まで読むと、SHANONの各機能をHubSpotのどの機能に移し、どの順番で移行プロジェクトを進めるかが、具体的にイメージできるようになります。
SHANONとHubSpotのMA機能比較
移行計画の第一歩は、SHANONとHubSpotの設計思想の違いを理解することです。同じMAという枠組みでも、何を中心に据えて設計されているかが異なるため、「機能をそのまま移植する」という発想ではうまくいきません。まずは両者の特徴を整理します。
SHANONの強みと特徴
SHANONは、イベント管理を軸に設計されたMAツールとされています。主な機能として以下が挙げられます。
- イベント・セミナー管理 — 申込フォーム、受付管理、来場者チェックイン、アンケート配信までを一気通貫で管理できます。
- 展示会リード管理 — バーコードリーダーやQRコードによる名刺情報のデジタル化に対応しています。
- リードスコアリング — 行動スコアと属性スコアの組み合わせでリードを評価できます。
- メール配信 — セグメント配信、ステップメール、HTMLメールテンプレートを備えています。
HubSpotのMA機能(Marketing Hub)
HubSpotのMarketing Hubは、インバウンドマーケティングを軸に設計されたMAプラットフォームです。SHANONの機能との対応関係は以下のとおりです。
- イベント管理 — フォーム・ワークフロー・カスタムオブジェクトを組み合わせて構築します。
- リードスコアリング — HubSpotスコアリング機能で、行動+属性の複合スコアに対応できます。
- メール配信 — マーケティングメール、シーケンス、ワークフローによる自動メールを利用できます。
- フォーム — 埋め込み・ポップアップ・スタンドアロンページに対応したHubSpotフォームを使います。
- 分析 — コンタクトのライフサイクルステージ分析やアトリビューションレポートを活用できます。
設計思想の違いを対応表で整理する
SHANONがイベント起点の設計なのに対し、HubSpotはWebサイト訪問やコンテンツ接触を含む全チャネルのリード行動を統合的に管理する設計です。違いを表に整理すると以下のようになります。
| 機能領域 |
SHANON |
HubSpot |
| 設計の中心 |
イベント・キャンペーン管理 |
コンタクト中心の全チャネル行動管理 |
| イベント管理 |
標準機能として装備 |
フォーム+ワークフローで構築。カスタムオブジェクトも可 |
| スコアリング |
行動×属性の複合スコア |
HubSpotスコア+ライフサイクルステージ連動 |
| ステップメール |
シナリオメール |
ワークフローの自動メール |
| CRM連携 |
MAとしての単体利用が中心となるケースもある |
CRM・Sales Hubと一体でコンタクトから商談まで管理 |
この対応関係を把握しておくと、「SHANONでやっていたことをHubSpotのどの機能で受け止めるか」の設計がしやすくなります。
イベント・セミナー管理の移行
SHANONの中核機能はイベント管理です。そのため、移行設計のなかでいちばんボリュームのある領域になります。HubSpotには「イベント管理」という単独機能はありませんが、フォーム・ワークフロー・カスタムオブジェクトを組み合わせることで同等の運用を再現できます。ここでは再構築の2つのアプローチと、過去の参加履歴データの移行手順を解説します。
SHANONのイベント管理構造
SHANONでは、イベント(セミナー、展示会、ウェビナーなど)を「キャンペーン」として管理し、各キャンペーンに紐づく申込フォーム、参加者リスト、メール配信、アンケートを一元管理します。キャンペーン単位でリードの流入経路を追跡できる点が特徴です。
HubSpotでのイベント管理再構築
HubSpotでイベント管理を再構築する方法は、大きく2つのアプローチがあります。自社のイベント開催頻度と、参加履歴をどこまで詳細に管理したいかで選び分けます。
| アプローチ |
構成 |
向いているケース |
| フォーム+ワークフロー |
イベントごとのフォーム・自動メール・リスト管理 |
開催頻度が少なく、シンプルに運用したい場合 |
| カスタムオブジェクト |
「イベント」オブジェクトを作成しコンタクトと関連付け |
開催頻度が高く、参加履歴を詳細に管理したい場合 |
アプローチ1:フォーム+リスト+ワークフローによる構築
シンプルなアプローチです。イベントごとに専用のHubSpotフォームを作成し、フォーム送信をトリガーにワークフローで確認メール送信、リストへの追加、プロパティ更新を自動化します。具体的な構成は以下のとおりです。
- イベント申込フォーム(HubSpotフォーム)を作成し、ランディングページに埋め込みます。
- フォーム送信をトリガーにしたワークフローで、確認メール送信とコンタクトプロパティ「参加イベント」の更新を実行します。
- イベント参加者をスタティックリストで管理し、イベント後のフォローメールに活用します。
- HubSpotのキャンペーン機能でイベント関連のアセット(LP、メール、フォーム、SNS投稿)を紐づけてROIを測定します。
アプローチ2:カスタムオブジェクトによる本格的なイベント管理
イベントの開催頻度が高く、参加履歴を詳細に管理したい場合は、HubSpotのカスタムオブジェクトで「イベント」オブジェクトを作成する方法が有効です。
- カスタムオブジェクト「イベント」に、イベント名・開催日・会場・定員・カテゴリなどのプロパティを設定します。
- コンタクトと「イベント」オブジェクトを関連付けることで、各コンタクトの参加イベント履歴を管理できます。
- レポート機能で「イベント参加回数が3回以上のコンタクト」などのセグメントを作成できます。
コンタクトにイベントのレコードを紐づけることで、「誰がどのイベントに参加したか」をCRM上で追跡できます。
ただし、カスタムオブジェクトの作成はMarketing Hub Enterpriseプランで利用でき、ProfessionalプランではAPI経由での作成・管理が必要になります。また、バーコードリーダーによる会場チェックインのような現場運用機能は、HubSpotでそのまま再現できるとは限らないため、運用方法を個別に検討する必要があります。
セミナー管理データの移行手順
SHANONに蓄積されたセミナー参加履歴をHubSpotに移行する手順は以下のとおりです。
| ステップ |
作業内容 |
| 1. データエクスポート |
SHANONの管理画面からキャンペーン(イベント)ごとの参加者リストをCSV形式でエクスポートします。含める項目は、メールアドレス・氏名・会社名・参加ステータス(申込済・出席・欠席)・申込日・参加日です |
| 2. プロパティ設計 |
「最新参加イベント名」(テキスト)「最新参加イベント日」(日付)「参加イベント数」(数値)「イベント参加履歴」(複数チェックボックス)などのカスタムプロパティを作成します |
| 3. CSVインポート |
クレンジング済みのCSVファイルをHubSpotにインポートし、メールアドレスをキーにコンタクトレコードを更新します |
ポイントは、参加履歴を「過去の記録」としてだけでなく、今後のセグメント作成やスコアリングに活かせる形でプロパティ設計することです。担当者の記憶ではなくデータ側で「このリードは展示会経由」とわかる状態を作っておくと、人が変わっても回り続ける運用になります。
以下の画面は、HubSpotのデータ連携画面です。ファイルからのインポート実行結果を一覧で監視できます。

リードスコアリングの再設計
スコアリングは「そのまま移植する」とつまずきやすい領域です。SHANONではイベント参加が行動の中心ですが、HubSpotではWebサイト行動の追跡が強みであり、配点の考え方を変える必要があります。ここでは再設計の考え方と、移行期間中の扱いを解説します。
SHANONのスコアリングモデル
SHANONのリードスコアリングは、行動スコア(Webページ閲覧、メール開封、セミナー参加など)と属性スコア(業種、企業規模、役職など)の2軸で構成されるのが一般的です。シャノンの公開情報によると、スコアリングのルールはGUIで柔軟に設定でき、閾値を超えたリードを営業に自動通知する機能があります。
HubSpotでのスコアリング再設計
HubSpotのスコアリング機能は、SHANONと同様に行動スコアと属性スコアを組み合わせた複合スコアリングが可能です。Marketing Hub ProfessionalまたはEnterpriseで利用できる「HubSpotスコア」プロパティを使用します。
行動スコアの設計例は以下のとおりです。
| 対象行動 |
スコア例 |
| ページ閲覧(料金ページ) |
+10点 |
| ページ閲覧(事例ページ) |
+5点 |
| フォーム送信(資料ダウンロード) |
+15点 |
| フォーム送信(お問い合わせ) |
+30点 |
| メール開封 |
+1点 |
| メールクリック |
+3点 |
| 30日間アクションなし |
-10点 |
属性スコアの設計例は以下のとおりです。
| 対象属性 |
スコア例 |
| 従業員数100名以上 |
+15点 |
| 役職に「部長」「マネージャー」「取締役」を含む |
+20点 |
| 業種がターゲット業種に該当 |
+10点 |
| フリーメールアドレス(gmail.com等) |
-10点 |
これらはあくまで設計例です。企業様によって商材単価も営業プロセスも異なるため、スコア配点と閾値は自社のカスタマージャーニーに合わせて定義するのが適切です。
以下の画面は、HubSpotのスコアリング設定で「総合スコア」の概要とスコア分布を表示したものです。スコア付けされたコンタクトの分布を確認しながら配点を調整できます。

SHANONからの移行ポイント
SHANONで使用していたスコアリングルールをそのままHubSpotに移植するのではなく、以下の観点で再設計することをおすすめします。
- SHANONでイベント参加に高いスコアを付与していた場合は、HubSpotではWebサイト行動(料金ページの閲覧、複数回の訪問)にも適切なスコアを配分します。
- HubSpotのライフサイクルステージ(Subscriber → Lead → MQL → SQL)とスコアリングを連動させ、スコアが閾値を超えたらMQLに自動変更するワークフローを設定します。
- 移行直後はスコアが蓄積されていないため、SHANONでの最新スコアをHubSpotのカスタムプロパティに格納し、移行期間中の参考値として活用します。
スコアリングは、コンタクト獲得からMQL・SQL・商談へと進むリード管理の一気通貫フローのなかで、「誰を営業に渡すか」を判定する装置です。スコア単体で設計するのではなくライフサイクルステージの定義とセットで考えると、移行後にマーケティングと営業の連携が機能しやすくなります。
メールテンプレートとシナリオメールの移行
メール周りの移行は、「見た目の再現」と「自動配信ロジックの再現」の2面で考えます。SHANONのHTMLメールはそのまま持ち込めないため、再構築が前提です。ここではテンプレートとシナリオメール、それぞれの移行方法を整理します。
メールテンプレートの移行
SHANONで作成したHTMLメールテンプレートは、そのままHubSpotに移行することはできません。以下の2つの方法で再構築します。
| 方法 |
特徴 |
向いているケース |
| ドラッグ&ドロップエディタで再構築 |
コーディング不要で、ブランド要素を再現しやすい |
多くのケースで工数と品質のバランスが取りやすい |
| 「コード化されたメール」にHTML貼付 |
デザインの再現性が高い。トークン差し替えが必要 |
凝ったデザインを再現したい場合 |
エディタで再構築する場合は、ヘッダー画像・フッターの会社情報・配色などのブランド要素を統一し、HubSpotのパーソナライゼーショントークン(宛名の自動差し込み)を設定します。A/Bテスト機能を活用すれば、件名の最適化も進められます。移行は、効果測定しにくかったテンプレートを整理する良いタイミングでもあります。
シナリオメール(ステップメール)の移行
SHANONのシナリオメール(特定のトリガーに基づいて段階的にメールを送信する機能)は、HubSpotのワークフローで再現します。移行手順は以下のとおりです。
| 手順 |
作業内容 |
| 1 |
SHANONのシナリオ(トリガー条件・送信タイミング・メール内容)を一覧化します |
| 2 |
各シナリオに対応するHubSpotワークフローを設計します |
| 3 |
トリガー条件(フォーム送信・リスト追加・プロパティ変更など)を設定します |
| 4 |
「メール送信」アクションを配置し、送信間隔(日数・時間)を設定します |
| 5 |
分岐条件(メール開封有無・クリック有無)を追加し、リードの反応に応じたシナリオ分岐を構築します |
SHANONのシナリオメールでは、イベント参加をトリガーにしたフォローシーケンスが多用されます。HubSpotでこれを再現する場合は、イベント参加フォームの送信をトリガーに、参加のお礼メール → 関連資料の案内 → 個別相談の提案、といった段階的なナーチャリングフローをワークフローで構築します。
ただし、ワークフローは作れば終わりではありません。送信タイミングや分岐条件は運用しながら改善するものなので、最初はシンプルな設計で公開し、反応データを見てから分岐を増やすスモールスタートをおすすめします。
フォームの移行
フォームはリード獲得の入口であり、外部サイトに設置した埋め込みコードの差し替えを伴うため、影響範囲まで含めた移行計画が必要です。ここではSHANONフォームの棚卸しから、HubSpotフォームへの置き換えまでを解説します。
SHANONのフォーム機能
SHANONでは、イベント申込フォーム、資料請求フォーム、アンケートフォームなどをキャンペーンに紐づけて管理します。フォームの入力項目にはカスタム項目を追加でき、条件分岐による動的なフォーム表示も可能です。
HubSpotフォームへの移行
HubSpotのフォーム機能は、SHANONのフォーム機能をカバーできるケースが多いです。移行のポイントは以下のとおりです。
- SHANONで使用中のフォーム一覧を作成し、各入力項目をHubSpotのコンタクトプロパティにマッピングします。対応するプロパティがない場合は、カスタムプロパティを事前に作成します。
- プログレッシブプロファイリング(既知のコンタクトに異なる入力項目を表示する機能)を活用すると、初回は基本情報、2回目以降は部署・役職・課題などの追加情報を段階的に取得でき、入力負荷を抑えながらリード情報を充実させられます。
- 外部サイトやWordPressにSHANONのフォーム埋め込みコードを設置している場合は、HubSpotの埋め込みコードへの差し替えが必要です。移行日を決めて一斉に切り替えるか、段階的に切り替えるかを事前に計画しておきます。
以下の画面は、デモ環境のフォーム一覧画面です。移行したフォームをまとめて管理できます。
デモ環境のフォーム一覧画面。移行したフォームをまとめて管理できます。
デモ環境のフォーム一覧画面。移行したフォームをまとめて管理できます。
移行プロジェクトのタイムライン
ここまでの機能別の移行作業を、プロジェクト全体としてどう進めるかを整理します。機能数やデータ量によって前後しますが、8〜12週間をひとつの目安にすると計画を立てやすいです。他のCRMやMAツールからHubSpotへの移行を経験したことがある方は、要件定義から並行運用まで同じ型で進んでいくことに気づくかと思います。
推奨スケジュール(8〜12週間)
SHANONからHubSpotへの移行プロジェクトの推奨スケジュールは以下のとおりです。
| 期間 |
フェーズ |
主な作業 |
| 第1〜2週 |
要件定義・設計 |
SHANONで使用中の機能棚卸し、HubSpotでの再現方法の設計、プロパティマッピングシートの作成、移行対象データの範囲確定 |
| 第3〜4週 |
HubSpot環境構築 |
初期設定(ドメイン接続・メール認証・ユーザー作成)、カスタムプロパティ作成、パイプライン・ライフサイクルステージ設定、メールテンプレート再構築 |
| 第5〜6週 |
データ移行・テスト |
データエクスポート、クレンジング、テストインポート(10%のデータ)、スコアリング・ワークフローの設定とテスト |
| 第7〜8週 |
本番移行・トレーニング |
本番データのインポート、フォーム埋め込みコードの切替、ユーザートレーニング(マーケ・営業担当者)、並行運用開始 |
| 第9〜12週 |
並行運用・最適化 |
SHANONとHubSpotの並行運用、レポート・ダッシュボードの最適化、スコアリング閾値の調整、SHANON解約に向けた最終確認 |
スモールスタートで進める考え方
すべての機能を一気に移行しようとすると、プロジェクトが長期化して現場の混乱を招きがちです。まずは効果が出やすい領域(例えば稼働中のセミナー1本や主要なシナリオメール1本)から移行して動作を確認し、段階的に対象を広げる進め方をおすすめします。並行運用期間を設けることで、「HubSpot側で同じことができるか」を実データで確認してから切り替えを完了できます。
移行時の注意点
最後に、移行時に見落としがちな3つの注意点を整理します。いずれも後から気づくと手戻りが大きい項目なので、要件定義の段階でチェックしておきたいポイントです。
リード情報の重複管理
SHANONとHubSpotで同じリードが重複して登録されるリスクがあります。移行前にSHANONのリードデータをメールアドレスで名寄せし、重複を排除してからインポートしてください。
オプトアウト情報の引き継ぎ
SHANONでメール配信をオプトアウトしたリードの情報は、漏れなくHubSpotに引き継ぐ必要があります。
- エクスポート ── SHANONからオプトアウトリストをエクスポートします
- インポート時の設定 ── HubSpotのインポート時に「マーケティングメールのオプトアウト」プロパティを設定します
オプトアウト情報の引き継ぎ漏れは、特定電子メール法に違反するリスクがあるため、特に注意が必要なポイントです。
配信ドメインの移管
SHANONで使用していたメール配信ドメイン(SPF/DKIM設定)をHubSpotに切り替える作業が必要です。DNS設定の変更には反映までに時間がかかるため、移行スケジュールに組み込んでおきます。HubSpotのメール認証設定(SPFレコードの追加、DKIMレコードの追加)を完了してから、メール配信を開始してください。
よくある質問
SHANONのイベント管理機能はHubSpotで再現できますか?
HubSpotのフォーム・ワークフロー・リスト機能を組み合わせることで、イベント申込からフォローメールまでの一連の流れを再現できます。イベント開催頻度が高い場合は、カスタムオブジェクトで「イベント」オブジェクトを作成し、参加履歴を詳細に管理する方法も有効です(カスタムオブジェクトの作成はMarketing Hub Enterprise以上です)。
SHANONのリードスコアリングはHubSpotにそのまま移行できますか?
スコアリングルールの自動移行はできませんが、HubSpotのスコアリング機能(Marketing Hub Professional以上)で同様の複合スコアリングを構築できるケースがあります。SHANONのルールをそのまま移植するのではなく、HubSpotのWebサイト行動追跡やCRM統合を活かした再設計をおすすめします。
メール配信のオプトアウト情報は移行が必要ですか?
必須です。SHANONでオプトアウトしたリードの情報をHubSpotに引き継がないと、特定電子メール法に違反するリスクがあります。SHANONからオプトアウトリストをエクスポートし、HubSpotのインポート時に「マーケティングメールのオプトアウト」プロパティを忘れずに設定してください。
SHANONのHTMLメールテンプレートはHubSpotに移行できますか?
テンプレートの自動移行はできませんが、2つの方法で再構築が可能です。
- ドラッグ&ドロップエディタ ── HubSpotのドラッグ&ドロップエディタで新規作成する方法です
- コード化されたメール ── SHANONのHTMLソースコードをHubSpotの「コード化されたメール」テンプレートに貼り付ける方法です
後者の場合は、HubSpot固有のパーソナライゼーショントークンへの差し替えが必要です。
移行期間はどのくらいかかりますか?
機能数やデータ量にもよりますが、要件定義から並行運用・最適化まで含めて8〜12週間がひとつの目安です。すべてを一気に切り替えるのではなく、まず一部の機能から移行して段階的に広げる進め方をおすすめします。
まとめ
SHANONからHubSpotへの移行は、イベント管理中心のMAから、CRM統合型のインバウンドマーケティング基盤へと運用モデルそのものを切り替える作業です。SHANONのイベント管理機能はHubSpotのフォーム・ワークフロー・カスタムオブジェクトで再現でき、リードスコアリングもHubSpot標準の複合スコアリングとライフサイクルステージ連動で構築できます。
ここで避けたいのは、SHANONのスコアリングルールをそのまま機械的に移植することです。HubSpotはWebサイト行動の追跡とCRM連携が強みなので、行動ベースのスコア配点とライフサイクルステージ管理を前提に再設計したほうが効果が出ます。メールテンプレートやフォームの作り直しには工数がかかりますが、その過程で効果測定しにくかった既存アセットを整理でき、中長期の運用負荷はむしろ下がるケースが多いです。
まずは「機能の棚卸し」から始めるのが最初の一歩です。具体的には、次の3ステップで進めてください。
- SHANONで現在使用している機能(イベント・メール・フォーム・スコアリング)と、外部サイトに設置した埋め込みコードを一覧化します。
- 本記事の対応表に沿って各機能のHubSpotでの再現方法を設計し、プロパティマッピングシートを作成します。
- まず1つのイベントやシナリオメールから再現を試し、段階的に対象を広げます。
移行後は、担当者の記憶や手作業ではなく、ワークフローとプロパティが「次の行動」を支える状態を目指します。それが、人が変わっても回り続けるマーケティング基盤です。
CRMを活用した業務効率化やAIとの連携に関するご相談は、CRM特化型コンサルティングのHubSpotゴールドパートナーのStartLinkまでお気軽にお問い合わせください。
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