SalesforceからHubSpotへの乗り換え事例|判断基準と移行後の変化

  • 2026年3月3日
  • 最終更新: 2026年10月19日
この記事の結論

SalesforceからHubSpotへの移行は、製品を入れ替えるだけの作業ではありません。既存設定を整理し、今の業務に必要な仕組みへ設計し直す取り組みです。

ブログ目次


SalesforceからHubSpotへの移行は、製品を入れ替えるだけの作業ではありません。既存設定を整理し、今の業務に必要な仕組みへ設計し直す取り組みです。

「Salesforceを使っているが、運用コストが年々膨らんでいる」「カスタマイズしすぎて、社内の誰もメンテナンスできなくなっている」「営業とマーケティングが同じ顧客を別のデータで見ている」——こうした状態は、CRMを見直すきっかけになります。

SalesforceからHubSpotへの乗り換えとは、顧客データを移すだけでなく、項目、業務フロー、部門間の情報連携、運用体制をHubSpot上で組み直すことです。移行の成否は、過去の設定の再現度ではなく、現在の事業に必要な仕組みを明確にできたかで評価します。

SalesforceとHubSpotにはそれぞれ異なる強みがあります。費用だけでなく、必要なカスタマイズ、運用を担う人、現場での使いやすさを含めて判断することが大切です。この分野の体系的な情報はHubSpot営業・CS活用ガイドでまとめています。

本記事はStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。


この記事でわかること

SalesforceからHubSpotへの乗り換えを検討する際に、何を比較し、どの順序で移行を進めるべきかを整理します。移行前後の論点をもとに、判断と設計のポイントを解説します。

  • 移行前に確認したい課題 — 運用コスト、カスタマイズの複雑さ、SFAとMAの分断、現場の入力負担を整理します。
  • HubSpotへの移行を決断した理由 — TCO、情報連携、運用の内製化という観点から判断軸を確認できます。
  • データ移行と再設計の進め方 — 既存設定の棚卸し、項目の選別、関連付け、データクレンジングを解説します。
  • 移行後に見るべき変化 — コスト、入力、レポート、部門連携、管理者の役割をどう評価するか整理します。
  • HubSpotとSalesforceの選び分け — 移行が向く状況とSalesforceを継続したほうがよい状況を比較します。

「Salesforceを使っているが、運用コストが年々膨らんでいる」とお感じの方に、特に参考になる内容です。


SalesforceからHubSpotへの乗り換えで確認する全体像

移行検討の起点は、ライセンスだけの問題ではありません。設定の複雑さ、外部への依存、現場の入力負担を一つの業務設計として見直します。まずは製品比較と業務再設計を分けて考えます。

製品比較より先に移行目的を定める

機能表を並べる前に「現在の運用で何が止まっているのか」を言語化します。次の点を確認し、コストの見直しや部門連携などの優先順位を決めます。

  • 保守や追加開発の費用
  • 設定変更への時間
  • 部門間のデータ差異
  • 入力項目の多さ

CRMを事業の流れとして捉える

CRMは顧客情報を保存するだけのデータベースではありません。コンタクトの獲得から取引、顧客対応、請求へ続く業務をつなぎ、営業プロセスと判断材料を整える仕組みです。

コンタクト、会社、取引を個別に移すだけでなく、誰が更新し、次の工程へ何を渡すかを整理します。Marketing Hub、Sales Hub、Service Hubも、この流れのどこに置くかを決めます。

機能移行と業務再設計を分けて考える

オブジェクトやレポートを移す作業と、今後の運用を決める作業は別です。StartLinkは、CRM移行を過去の設定の複製ではなく、入力、自動化、可視化を一つの流れとして整える機会と考えています。

業務上の目的から必要な機能へ落とし込む順序がおすすめです。


移行前に確認したい課題

移行前の課題は相互に関係しています。設定の増加は保守負担につながり、入力項目の増加は現場の利用を妨げ、データ不足はレポートへの信頼を下げます。症状だけでなく、その連鎖を確認します。

運用コストが増えている

ライセンス費用に加え、次のものが負担になるケースがあります。

  • カスタマイズの保守
  • 外部コンサルへの依頼
  • 追加開発

ライセンスだけでなく、変更依頼、保守、社内調整を含むTCOを比較します。

HubSpot側も移行、再設定、研修、運用開始後の管理まで同じ範囲で見ます。

カスタマイズが複雑になっている

Apexトリガー、フロー、プロセスビルダーが増えた環境では、変更の影響範囲を把握しにくくなります。担当者個人に頼らず、設定の目的、変更履歴、管理責任を残し、引き継いだ人でも運用できる仕組みに変えます。

SFAとMAの情報が分かれている

Sales CloudとPardotの間でデータ同期のずれがあると、マーケティングと営業が同じリードを異なる情報で見ることがあります。データを集めるだけでなく、営業へ引き渡す条件、取引を作成する時点、顧客対応への引き継ぎをそろえます。

入力項目が現場の負担になっている

入力項目が多いと、CRM内のデータがそろわず、レポートを判断材料として使いにくくなります。業務の進行とレポートに必要な項目を選び、更新する場面を決めます。項目を最小限にし、ステージ移行時に必要な情報を入力する仕組みへ変えます。


HubSpotへの移行を決断する主な観点

TCOの見直し、MAとSFAの情報連携、運用の内製化は、移行理由を整理する際の主な観点です。

ただし、HubSpotを導入するだけで課題が解消するわけではありません。既存の業務と設定を見直し、運用できる範囲に整えます。

TCOを見直しやすいか

Salesforceのライセンス、保守、カスタマイズ、追加開発と、HubSpotへの移行後に想定する費用を同じ範囲で整理します。移行費用と継続費用を分け、社内で変更できる範囲や運用体制も評価します。

MAとSFAを同じ基盤で扱う必要があるか

HubSpotではMarketing Hub、Sales Hub、Service Hubを同じプラットフォーム上で利用できます。ただし、部門ごとの定義が異なれば情報はそろいません。次の点を決めます。

  • リードを渡す条件
  • 取引の作成基準
  • 顧客対応への引き継ぎ

社内で改善できる範囲を広げたいか

HubSpotはノーコードで設定できる範囲があり、社内でワークフローやレポートを変更する運用を検討できます。ただし、内製化は自由に設定を増やすことではありません。変更権限や確認方法をそろえ、不要なワークフローやプロパティが増えないように管理します。


移行前の棚卸しと再設計

データを取り出す前に、設定と実際の業務を照合します。「存在する設定」ではなく「利用されている設定」を把握し、移行するもの、HubSpotで作り直すもの、終了するものに分けます。

オブジェクトと設定の利用状況を確認する

使用中のオブジェクト、項目、フロー、レポートを一覧にします。どの部門が、どの業務で、何の判断に使っているかを確認し、同じ目的の項目が重複していないかも見ます。

既存設定をそのまま再現しない

Salesforceの設定をそのままHubSpotへ再現せず、現在のビジネスに必要な項目と処理を選び直します。

棚卸し対象 確認すること 移行時の判断
項目 入力され、判断や集計に使われているか 必要な項目だけを残す
フロー 起点、処理、影響先を説明できるか 再設計するか終了する
レポート 誰が何の判断に使うか 必要な指標から作り直す
権限 誰が閲覧、入力、変更するか 運用責任に合わせる
外部連携 どのデータをどちらへ渡すか 継続、変更、終了を決める

設定の整理により、現場が見るべき情報を明確にします。

棚卸しシートの列を先に決める

棚卸しは、スプレッドシートを1枚作るところから始めます。Salesforceの項目一覧をエクスポートし、次の列を足して判断を記録すると、移行対象の議論が「感覚」ではなく「数字」で進みます。

列名(例) 入れる内容 判断への使い方
オブジェクト/項目API名 Account・Opportunity などの種別と項目名 HubSpotの会社・取引などへの対応先を決める
入力率 直近1年で値が入っているレコードの割合 ほぼ0%の項目は移行対象から外す候補
最終更新日 その項目が最後に更新された日 長期間更新がなければ履歴だけバックアップへ
参照元 レポート・フロー・外部連携のどれが使っているか 参照元がない項目は移行しない。ある場合は再設計の対象
移行判断 移行する/作り直す/終了する/バックアップのみ 担当者と決定日を残し、追加インポートでも同じ基準を使う

HubSpot側で項目を確認する画面は「設定(歯車)> プロパティ」です。オブジェクトを選び、「プロパティを作成」から追加します(英語UIでは Settings > Properties > Create property。出典: HubSpotナレッジベース: プロパティの作成と編集)。

HubSpotのコンタクトプロパティ一覧画面。移行前に、HubSpot側にどの項目があるかを確認します。
HubSpotのコンタクトプロパティ一覧。Salesforceの項目を持ち込む前に、標準プロパティで足りるものを確認します。

最初の2週間でやること

棚卸しから設計までを、最初の2週間で次の順に進めると、手戻りを抑えられます。

  1. Salesforceの項目・フロー・レポート・外部連携を一覧にし、上の棚卸しシートに入力率と参照元を記入します
  2. 利用部門ごとにヒアリングし、「移行する/作り直す/終了する/バックアップのみ」を各行に記入します
  3. HubSpotの「設定(歯車)> プロパティ」で標準プロパティを確認し、足りない項目だけをカスタムプロパティとして設計します
  4. 「設定(歯車)> データ管理 > オブジェクト > 取引 > パイプライン」で、取引ステージと受注確度を仮置きします
  5. 営業部門1チーム分のデータでテストインポートを行い、関連付けと担当者の紐づきを確認します

パイプラインを業務基準で設計する

取引パイプラインは営業プロセスを共通化する仕組みです。取引ステージ、受注確度、各ステージの定義、ステージ移行時に入力する項目をまとめて設計します。

以下の画面は、HubSpotの取引をステージごとに並べたボード表示です。

HubSpotの取引ボードビュー

ステージへ進む条件と入力項目をそろえると、担当者が替わっても案件を同じ基準で管理しやすくなります。

ステージごとの必須入力は、パイプライン設定の「Conditional logic rules(条件付きロジック)」列で「Add rule」を選び、「Add property」で項目を追加して「Required」にチェックを入れます(出典: HubSpotナレッジベース: パイプラインの設定)。たとえば「提案・見積り」ステージでは金額とクローズ予定日を必須にし、「失注」ステージでは失注理由を必須にします。受注・失注のクローズ済みステージは、Deal probabilityに必ず含めてください。含めないと営業レポートが取引を正しく集計できません。


データ移行と関連付けの設計

棚卸し後は、移行元のデータとHubSpot側の受け皿を対応させます。コンタクト、会社、取引の関係を保つことが重要です。次の順序でマッピング、クレンジング、移行結果の確認を進めます。CSVの上限・必須列、同期ルール、並行運用の終了条件といった実行手順は、手順編のSalesforceからHubSpotへの移行完全ガイドにまとめています。

手順 実施内容 確認点
対象決定 基本データ、履歴、添付情報を分ける HubSpotで参照する情報か、バックアップへ残す情報か
マッピング 移行元と移行先のオブジェクト、項目、識別値を対応させる 参照関係や主従関係を関連付けへ置き換えられるか
クレンジング 重複を排除し、表記揺れを統一する 統合、削除、保留の基準が記録されているか
基本データ移行 コンタクト、会社、取引を取り込む 件名だけでなく関連付けが保たれているか
履歴の移行 添付ファイル、メモ、活動履歴を扱う 基本データとの対応を確認できるか

基本データと履歴を分けて扱う

コンタクト、会社、取引はCSVでエクスポートし、HubSpotへインポートできます。添付ファイル、メモ、活動履歴にはHubSpot Migration APIを利用する方法があります。基本データと関連付けを確認してから履歴を扱います。

関連付けをマッピングする

Salesforceの参照関係や主従関係を、HubSpotの関連付けへ対応させます。マッピングシートには移行元と移行先、識別に使う値、関連付けの条件を記載します。会社と取引、コンタクトと取引のつながりも確認します。

重複と表記揺れを整理する

会社名や担当者情報の表記が分かれている場合は、重複排除と表記統一を行います。担当者の感覚だけに依存せず、統合、削除、保留の条件を記録し、追加インポートでも同じ基準を使います。


並行運用から定着までの進め方

データを移した時点では、業務移行は終わっていません。並行運用、利用者向け研修、FAQと操作マニュアルの整備、バックアップを一つの計画で進めます。各段階の終了条件を決めて切り替えます。

段階 実施内容 次へ進むための確認
対象業務の確認 検索、取引更新、履歴確認、レポート閲覧を試す 日常業務をHubSpotで実行できるか
並行運用 SalesforceとHubSpotの入力先を決めて検証する データ差異と未移行情報を確認したか
研修と整備 利用者研修、FAQ、操作マニュアルを用意する 操作と入力基準を引き継げるか
切り替え準備 バックアップを取得し、移行結果を照合する 残件と切り戻し条件を確認したか
利用環境の切り替え 検証済みの業務をHubSpotへ一本化する 更新先が利用者へ共有されているか

対象業務を絞って確認する

最初からすべての機能を広げず、日常的に使う業務から確認します。スモールスタートで問題の影響範囲を限定し、確認できた業務から段階的に広げます。

研修とマニュアルを実務に合わせる

研修では、リードの確認、取引の作成、ステージ更新、顧客対応への引き継ぎを一連の操作として示します。FAQやマニュアルには、画面操作だけでなく、入力する場面と判断基準も記載します。

停止前にバックアップと残件を確認する

関連付けの消失や担当者不明レコードなど、移行で起きやすい失敗はSalesforce移行で失敗する7つの原因と対策に整理しています。Salesforceを停止する前にバックアップを取得し、移行結果を照合します。ただし、並行運用を長く続けると更新先が曖昧になります。入力先と終了条件を決め、検証が終わった業務からHubSpotへ一本化します。


移行後の変化をどう評価するか

移行後は、CRM関連コスト、データ入力、レポート作成、ワークフロー変更、営業チームの評価を確認します。費用だけでなく、業務と組織の変化まで見ます。移行前と同じ基準で継続的に評価します。

BeforeとAfterを同じ基準で比べる

比較期間や集計方法をそろえ、次の項目を移行前後で確認します。

評価項目 移行前に確認する状態 移行後に確認する変化
CRM関連コスト ライセンス、保守、追加開発の負担 継続費用と社内運用を含む変化
データ入力 項目の多さと入力状況 必要な項目の入力状況
レポート作成 確認や修正にかかる手間 共通データから作成する手間
ワークフロー変更 外部への依頼と対応時間 社内で変更できる範囲と対応時間
部門間連携 営業とマーケティングが見るデータ 同じデータで議論できる状態
CRM管理 既存設定の保守に使う時間 運用改善に振り向けられる時間

利用者と管理者の双方から変化を確認します。

一元管理、自動化、可視化をつなげる

データを集めるだけでなく、必要な項目が更新され、その情報でワークフローが動き、レポートで確認できるところまでつなげます。一元管理、自動化、可視化を、入力から判断までの連続した仕組みとして運用します。

設定を増やさない運用を続ける

追加前に既存項目で対応できないか、誰が使うか、どの判断に必要かを確認します。ただし、項目数を減らすこと自体を目的にせず、営業プロセスやレポートに必要な情報は残します。


HubSpotへの移行が向く場合とSalesforce継続が向く場合

HubSpotへの移行が選択肢になる状況と、Salesforceを継続したほうがよい状況は異なります。すべての環境をHubSpotへ置き換える必要はありません。現在の機能、今後必要になる複雑さ、運用体制から判断します。

HubSpotへの移行を検討しやすい状況

運用コストや外部への保守依存が負担になり、SFAとMAの分断を解消したい場合は、HubSpotへの移行を検討できます。ただし、不要な設定の選別、部門間の定義、社内の管理ルールを整える必要があります。

Salesforceを継続する判断が合う状況

ApexやLightning Web Componentsによる高度なカスタマイズ、複雑な権限設計、マルチテナント管理、Einsteinアナリティクス、広範囲な外部連携を深く活用している場合は、Salesforceを継続する判断があります。再実装の影響を慎重に確認します。

判断軸を比較表へまとめる

製品の優劣ではなく、必要な運用との適合を見ます。

判断軸 HubSpot移行を検討する観点 Salesforce継続を検討する観点
カスタマイズ ノーコード中心へ整理したい Apexなどの高度な実装が不可欠
運用体制 社内で変更できる範囲を広げたい 現在の保守体制が機能している
部門連携 MA、SFA、顧客対応のデータをそろえたい 既存連携が広範囲に定着している
権限と組織 運用を簡素化したい 複雑な権限や組織管理が必要
移行負荷 不要設定を整理して再設計できる 再実装による業務影響が大きい
将来像 段階的に機能を拡張したい 現行の高度な拡張性を維持したい

棚卸しと業務要件の確認を行い、移行する範囲と残す範囲を具体化します。

移行判断の採点表

比較表で方向性が見えたら、次の5つの問いに「はい」か「いいえ」で答えてみてください。「はい」の数で、次に取る行動が変わります。

問い 「はい」のとき
Apexやカスタム開発に依存する業務が、全体の1割を超えていますか その業務の再実装コストを先に見積もる
Salesforceの変更依頼が、社内で完結せず外部に出ていますか HubSpotのノーコード設定で内製できる範囲を確認する
営業とマーケティングで、同じ顧客の情報が食い違うことがありますか リード引き渡しの条件を決めたうえで、同一基盤化の効果を試算する
入力されていない項目が、全体の半分近くありますか 移行の前に項目を絞る。移行は整理のよい機会になる
Salesforceの契約更新日まで、6ヶ月以上ありますか 並行運用の期間を確保できるため、段階的に移行する

「はい」が0〜1つなら、Salesforceを維持して一部だけ連携する選択肢が有力です。2〜3つなら、対象を絞った小さな移行(営業部門だけ、など)から始めます。4つ以上なら、全面移行の計画を立てる段階です。この数え方はあくまで目安であり、企業様によって最適な形は異なります。

移行せずSalesforceと併用する選択肢

HubSpotの公式Salesforce連携を使うと、いきなり全面移行せずに両方を動かせます。連携では、コンタクトはメールアドレスで照合されます。Salesforceのリード・取引先責任者は、連携をインストールしただけではHubSpotのコンタクトとして自動作成されないため、作成設定またはインポートが必要です(出典: HubSpotナレッジベース: Salesforceのリードとコンタクトの同期)。プロパティごとの同期ルールは、次の4種類から選びます。

同期ルール 挙動 併用で使う場面
Prefer Salesforce unless blank Salesforceの値を優先。HubSpotはSalesforceが空のときだけ値を渡す 営業データはSalesforceが正のとき
Always use Salesforce HubSpotからは送らず、Salesforceの値で上書き Salesforceが信頼ソースの項目
Two-way 最後に更新された値が相手側を上書き 両方で更新される項目(慎重に限定)
Don’t sync どちらにも渡さない 移行対象外の項目

設定の場所は「設定(歯車)> 連携 > 接続済みアプリ > Salesforce > データ同期タブ > プロパティマッピング」で、1オブジェクトあたり500件までマッピングできます(出典: HubSpotナレッジベース: HubSpotプロパティとSalesforce項目のマッピング)。併用は移行の途中経過としても、恒久的な構成としても使えます。


StartLinkの移行支援の進め方

StartLinkはHubSpotゴールドパートナーとして、150社以上のHubSpot支援に携わっています。Salesforce→HubSpot移行・リプレイス支援では、現状把握・要件定義、マッピング設計、HubSpot環境構築、データ移行、トレーニングの5工程で進めます。段階的な移行にも対応しており、移行初期はSalesforceを信頼ソースとし、データが整合した段階でHubSpotを正とする運用に切り替えます。移行を機にBreezeなどのAI機能を業務へ取り入れる設計や、StartLink開発のSync for freee・Sync for Notionによる周辺ツール連携まで含めて整えます。導入全体はHubSpot導入・構築支援をご覧ください。


よくある質問

SalesforceからHubSpotへの移行では、データの扱いと移行後の運用に関する疑問が生じます。ここでは確認しておきたい論点へ回答します。

SalesforceのデータはすべてHubSpotへ移行できますか?

コンタクト、会社、取引、メモ、活動履歴は移行対象にできます。ただし、添付ファイルやカスタムレポートの設定は別途移行や再作成が必要です。Apexで構築したロジックも、ワークフローやカスタムコードで再実装する内容を見極めます。

移行期間はどのように見積もればよいですか?

データ量、関連付けの複雑さ、カスタマイズ、再作成する機能によって変わります。棚卸し、設計、データ移行、並行運用、停止準備に分け、対象と完了条件を確認してから見積もります。

PardotからMarketing Hubへ移る際の注意点は何ですか?

メールテンプレート、フォーム、自動化ルールはHubSpot側で再作成します。エンゲージメント履歴は、移行対象とバックアップ対象を分けます。営業への引き渡し条件も見直し、Sales Hubの取引管理へつなげます。

HubSpotへ移行した後にSalesforceへ戻せますか?

技術的には可能ですが、再度のデータマッピングや設定作成が伴います。Salesforceのデータバックアップを保管し、HubSpot側のデータをどの形式で取り出せるか確認します。切り戻しを判断する条件も決めておきます。

SalesforceとHubSpotを同時に使えますか?

使えます。HubSpotの公式Salesforce連携で、プロパティごとに同期方向を選べます。併用中は、新規入力の場所を片方に決め、Two-way(双方向)に設定する項目は最小限にします。


まとめ

SalesforceからHubSpotへの乗り換えで重要なのは、既存設定の再現ではなく、現在の業務に必要な仕組みへの再設計です。一方、高度なカスタマイズ、複雑な権限、既存連携を深く活用している場合は、Salesforceを継続する判断もあります。

まずは現在のSalesforce環境を棚卸しします。自社で進める際は、次の順序で確認してください。

  • 使用中のオブジェクト、項目、フロー、レポート、外部連携を一覧にします。
  • 各設定の利用部門、業務上の目的、移行後も必要かどうかを確認します。
  • HubSpotで小さく再現する対象を決め、関連付けと日常業務の流れを検証します。

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この記事は2025年3月時点の情報に基づいています。HubSpotの機能は定期的にアップデートされるため、最新情報はHubSpot公式サイトでご確認ください。


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著者情報

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今枝 / Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。