HubSpot × クラウドサイン連携|日本企業向け電子契約フローの設計

この記事の結論

HubSpot × クラウドサイン連携:日本企業向け電子契約フローの設計について、基本的な考え方・導入の進め方・実務での活用方法・よくある課題の解決策・成功企業の事例まで、網羅的かつ具体的に解説します

ブログ目次

記事の内容を、そのまま実務に落とし込みたい方向け

HubSpot導入、AI活用、CRM整備、業務効率化までをまとめて支援しています。記事で気になったテーマを、そのまま相談ベースで整理できます。


「電子契約を導入したいが、取引先が海外ツールに抵抗感を持っている」

「契約書の締結状況がCRMと連動しておらず、手作業での管理が負担になっている」

——こうした課題は、HubSpotとクラウドサインの連携で解決できます。

クラウドサインは日本の法制度に準拠した電子契約サービスで、弁護士ドットコムが提供しています。国内シェアNo.1の電子契約サービスであり、日本企業間の取引では最も受け入れられやすい選択肢の一つです。 この分野の体系的な情報はHubSpot機能ガイドでまとめている。

HubSpotとクラウドサインを連携させることで、商談管理から契約締結までのフローをCRM上で一気通貫に管理できるようになります。

この記事では、HubSpot × クラウドサイン連携の方法から、日本企業向けの電子契約フロー設計まで解説します。

本記事は「HubSpot購入グループ(Buying Groups)活用ガイド|ABM戦略を加速する設計」シリーズの一部です。

本記事はStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。


この記事でわかること

HubSpotと電子契約を連携させ、商談管理から契約締結までを一気通貫で管理したい営業・法務担当者に向けた記事です。

  • クラウドサインの特徴と日本企業での利用メリット — HubSpotとクラウドサインのネイティブ連携(公式アプリ)は現時点では提供されていません。
  • HubSpotとクラウドサインの連携方法 — クラウドサインとは、弁護士ドットコムが提供する日本の電子契約サービスで、契約書の作成・送付・署名・保管をクラウド上で完結できるサービスです。
  • 商談フローへの電子契約の組み込み設計 — パイプラインの設計で結構ミソになってくるのは、「見積もり承認」と「契約書送付」を明確に分けることです。
  • DocuSignとの使い分け — 使い分けの指針:取引先が日本企業中心ならクラウドサイン、海外企業との取引が多いならDocuSign。
  • 運用上の注意点 — 公式アプリがないため、iPaaSツール(Yoom/Zapier等)を介した連携になります。

これらの知識を身につけることで、HubSpotを営業現場に定着させ、成果につなげるための具体的なアクションが見えてきます。自社の営業課題と照らし合わせながら読み進めることで、明日から実行できる具体的な打ち手が見えてきます。



クラウドサインとは?

クラウドサインとは、弁護士ドットコムが提供する日本の電子契約サービスで、契約書の作成・送付・署名・保管をクラウド上で完結できるサービスです。

日本企業にとっての強み

  • 日本の電子署名法・電子帳簿保存法に対応: 法的有効性が明確
  • 国内導入企業130万社超: 取引先への説明がしやすい
  • 日本語UIと日本語サポート: 導入・運用のハードルが低い
  • 受信側は無料: 署名する側(取引先)にアカウントが不要

特に「受信側が無料」という点は、取引先の導入ハードルを大幅に下げます。DocuSignの場合、取引先がDocuSignに慣れていないケースがありますが、クラウドサインは日本企業間の商習慣に合わせて設計されているため、受け入れられやすいのが特徴です。



HubSpotとクラウドサインの連携方法

連携の選択肢

HubSpotとクラウドサインのネイティブ連携(公式アプリ)は現時点では提供されていません。連携にはiPaaSツールを使う方法が一般的です。

連携方法 特徴 おすすめ度
Yoom 日本語対応のiPaaS。クラウドサイン連携が標準対応 日本企業向けに最適
Zapier 7,000以上のアプリ対応。クラウドサインも対応 グローバルツール
Make(旧Integromat) 複雑なフロー構築に強い 技術者向け
HubSpot API + クラウドサインAPI 完全カスタマイズ可能 開発リソースが必要

日系SaaS同士の連携ではYoomが使いやすいです。HubSpotとクラウドサインの連携テンプレートが用意されているケースもあり、ノーコードで連携フローを構築できます。

Yoomを使った連携フロー例

  1. トリガー: HubSpotの取引ステージが「契約書送付」に変更される
  2. アクション1: クラウドサインで契約書を作成(テンプレート選択+宛先自動入力)
  3. アクション2: クラウドサイン経由で取引先に契約書を送付
  4. トリガー2: クラウドサインで署名が完了する
  5. アクション3: HubSpotの取引ステージを「契約締結」に自動更新
  6. アクション4: Slackやメールで社内通知


商談フローへの組み込み設計

パイプラインの推奨構成

ステージ 定義 クラウドサイン連携
アポ取得 ミーティング設定済み -
初回提案 課題ヒアリング・提案完了 -
見積もり提示 見積もり書を提出 -
見積もり承認 顧客が見積もりを承認 -
契約書送付 クラウドサインで契約書送付 Yoom連動でステージ自動更新
契約締結 電子署名完了 署名完了でステージ自動更新
請求 請求書発行 -

パイプラインの設計で結構ミソになってくるのは、「見積もり承認」と「契約書送付」を明確に分けることです。見積もりが承認されてから契約書を送るまでの間に社内の承認プロセスが入る企業も多いため、ここを一つのステージにまとめてしまうと進捗が見えにくくなります。

必須プロパティの設定

「契約書送付」ステージへの移行時に以下を必須入力にします。

  • 契約金額(確定額)
  • 契約開始日
  • 契約期間
  • 契約書種別(業務委託、NDA、SLA等)

必須プロパティの設定は、データ品質の担保だけでなく、新人営業が「このステージで何を確認すべきか」を知るガイドにもなります。



DocuSignとの使い分け

項目 クラウドサイン DocuSign
対象市場 日本企業間の取引 グローバル取引
法的根拠 日本の電子署名法 各国の電子署名法
受信側の費用 無料 無料
UIの言語 日本語ネイティブ 多言語対応
HubSpotとの連携 iPaaS経由(Yoom/Zapier) 公式アプリあり
取引先の認知度(日本) 非常に高い 中程度
取引先の認知度(海外) 低い 非常に高い

使い分けの指針: 取引先が日本企業中心ならクラウドサイン、海外企業との取引が多いならDocuSign。両方のケースがある場合は、取引先に応じて使い分けるのが現実的です。



活用事例

BtoB SaaS企業(国内取引中心)

月20件の新規契約と年60件の更新契約をクラウドサインで電子化。Yoom経由でHubSpotと連携し、署名完了時にパイプラインが自動更新される仕組みを構築。契約締結にかかる平均日数が7日→2日に短縮され、月末の「署名待ち渋滞」が解消。

コンサルティング会社(NDA管理)

初回商談前のNDA締結をクラウドサインで自動化。HubSpotの取引が「初回提案」ステージに進んだタイミングでNDAを自動送付するワークフローを構築。NDAの締結漏れがゼロになり、コンプライアンスの強化にもつながった。



注意点と限界

iPaaS経由の連携は設定・保守が必要

公式アプリがないため、iPaaSツール(Yoom/Zapier等)を介した連携になります。IPaaSツールのサブスクリプション費用がかかるほか、API仕様の変更時にフローの修正が必要になる場合があります。

すべての契約が電子化できるわけではない

日本では電子署名が法的に有効ですが、一部の契約類型(不動産の賃貸借契約等)では書面が求められるケースがあります。また、取引先の社内規定で「電子契約不可」とされている場合もあるため、事前確認が必要です。

クラウドサイン側の料金体系

クラウドサインは送信件数に応じた従量課金(1件200円〜)と月額固定費のプランがあります。契約件数が多い場合は固定プランの方がコスト効率がよいため、自社の月間契約件数を踏まえて最適なプランを選びましょう。

データの二重管理に注意

HubSpot側の取引レコードとクラウドサイン側の書類管理で、契約情報が二重管理にならないよう注意が必要です。「マスターデータはHubSpotに持つ」「クラウドサインは署名と保管の機能に特化させる」というルールを決めておくと、情報の不整合を防げます。



まとめ

HubSpotとクラウドサインを連携させると、日本企業間で発生する電子契約フローを、CRMから契約管理まで一気通貫で管理できるようになります。いきなり全契約を対象にするのではなく、まずはNDAや業務委託契約のように件数が多く定型化しやすいものからクラウドサイン化を始め、運用が安定してから適用範囲を広げていくのが現実的なアプローチです。

Yoomなどの日系iPaaSツールを使えばノーコードで連携フローを構築できるため、技術的なハードルも高くありません。CRMと契約管理が連動すると、受注ステータスと契約締結状況のズレがなくなり、パイプラインの正確性と受注プロセス全体の可視性が大きく向上します。



HubSpotの導入・活用についてお気軽にご相談ください

StartLinkでは、HubSpotの導入設計から運用定着まで、企業様の状況に合わせた支援を行っています。

「自社に合ったCRMの選び方がわからない」「HubSpotを導入したが活用しきれていない」——そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

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あわせて、HubSpotのSNS管理・投稿自動化HubSpotランディングページ(LP)作成ガイドHubSpotチャットフロー・ライブチャット設定ガイドなども参考にしていただければと思います。


よくある質問(FAQ)

Q1. クラウドサインとHubSpotの公式連携はありますか?

現時点ではネイティブの公式連携アプリは提供されていません。Yoom・Zapier・MakeなどのiPaaSツール経由での連携が一般的です。

Q2. Yoomの月額費用はどれくらいですか?

Yoomの料金プランは月額数千円〜です。HubSpotとクラウドサインの連携に必要なフロー数によって変動します。まずは無料トライアルで連携の動作を確認してから、有料プランに移行するのがおすすめです。

Q3. クラウドサインで締結した契約書はHubSpotに保存されますか?

iPaaS連携を設定すれば、クラウドサインの書類IDやステータスをHubSpotのプロパティに記録できます。署名済みPDFの保管はクラウドサイン側で行い、HubSpotからはリンクで参照する運用が一般的です。

Q4. 取引先がクラウドサインを使ったことがなくても大丈夫ですか?

はい、クラウドサインは受信側にアカウント登録が不要で、メールに届いたリンクから署名するだけです。取引先への導入説明資料をクラウドサインが公式に提供しているので、活用するとよいでしょう。

Q5. 電子帳簿保存法への対応は?

クラウドサインは電子帳簿保存法に対応しており、タイムスタンプの付与や検索要件を満たしています。税務調査の際にも、クラウドサイン上で契約書を検索・提出できる仕組みが整っています。


この記事は2025年3月時点の情報に基づいています。HubSpotの機能は定期的にアップデートされるため、最新情報はHubSpot公式サイトでご確認ください。

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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。