失注分析の基本フレームワークと進め方。HubSpotでの失注データの記録方法。
失注分析の基本フレームワークと進め方。HubSpotでの失注データの記録方法。
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HubSpot導入、AI活用、CRM整備、業務効率化までをまとめて支援しています。記事で気になったテーマを、そのまま相談ベースで整理できます。
失注分析の基本フレームワークと進め方。HubSpotでの失注データの記録方法。
「なぜ失注したのかが組織として把握できていない」「営業担当に聞いても『価格が合わなかった』としか返ってこない」——失注原因の分析は、多くのBtoB企業で課題になっている領域です。
失注分析とは、商談が不成立に終わった案件のデータを体系的に収集・分析し、失注の根本原因を特定して受注率の改善につなげるプロセスです。 感覚的な振り返りではなく、CRMのデータに基づいた定量的な分析を行うことで、再現性のある改善アクションを導き出せます。
この記事では、HubSpotを活用した失注分析の進め方と、受注率を改善するための具体的な方法を解説します。 この分野の体系的な情報はHubSpotマーケティング戦略ガイドでまとめています。
本記事は「BtoBリードジェネレーションの方法12選|HubSpotで実践するインバウンドマーケティング戦略」シリーズの一部です。
本記事はStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。
HubSpotの取り組みを検討されている方に、
| 問題 | 影響 |
|---|---|
| 失注原因が属人的 | 営業担当の記憶に依存し、組織としての知見が蓄積されない |
| 同じ理由で繰り返し失注 | 構造的な問題が改善されず、同じパターンの失注が続く |
| 営業プロセスの改善点が不明 | どのフェーズでどの原因で落ちているかが可視化されていない |
| マーケティング施策との連動がない | 失注原因に基づくコンテンツ制作やナーチャリング改善ができない |
失注理由を体系的に記録するために、あらかじめカテゴリを設計します。
| カテゴリ | 具体的な失注理由 | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| 価格・予算 | 予算が足りない、競合の方が安い、ROIが見えない | 価格戦略の見直し、ROI資料の強化 |
| 機能・要件 | 必要な機能がない、カスタマイズ性が不足、連携要件を満たさない | 製品ロードマップへの反映、代替提案 |
| 競合 | 競合製品を選択、既存ツールの継続を決定 | 競合比較資料の強化、差別化ポイントの明確化 |
| タイミング | 導入時期が合わない、社内の優先順位が変わった、稟議が通らなかった | リサイクルナーチャリング、社内説得支援 |
| 信頼・関係性 | 導入実績への不安、サポート体制への懸念 | 事例の充実、トライアルの提供 |
| プロセス | 意思決定者に会えなかった、提案内容が刺さらなかった | 営業スキル向上、提案プロセス改善 |
失注理由を正確に記録するためのルールを営業チームに共有します。
| 項目 | 内容 | HubSpotプロパティ |
|---|---|---|
| 失注理由(主因) | 上記カテゴリから選択 | クローズド/失注の理由(ドロップダウン) |
| 失注理由(詳細) | 具体的な背景・理由の記述 | 失注理由詳細(テキスト) |
| 失注フェーズ | どの商談フェーズで失注したか | 取引のパイプラインステージ |
| 競合情報 | 競合がいた場合、どの競合か | 競合企業名(テキスト) |
| 決裁者接触 | 決裁者と直接会えたか | 決裁者接触(Yes/No) |
| 次回アクション | リサイクルの可能性、再アプローチ時期 | 再アプローチ予定日(日付) |
HubSpotの取引(Deal)に失注理由を記録するカスタムプロパティを設定します。
ワークフローを使って、取引が「失注」になった際に記録を促す仕組みを作ります。
パイプライン設計で、失注前の最終ステージを記録できるようにします。取引が「提案」「見積提出」「最終検討」のどのフェーズで失注したかがわかると、より精緻な分析が可能になります。
HubSpotでは取引のクローズ時に「失注」を選択すると、その時点のパイプラインステージが記録されます。このデータと失注理由を組み合わせることで、「どのフェーズで」「なぜ」失注したかが分析できます。
最も基本的な分析は、失注理由の割合を把握することです。
これにより、「予算不足が40%」「競合選択が25%」「タイミング不一致が15%」のような分布が可視化されます。最も多い失注理由に対して重点的に対策を講じます。
どのパイプラインステージで失注が多いかを分析します。
| フェーズ | 失注率 | 主な失注理由 | 対策 |
|---|---|---|---|
| 初回商談後 | 30% | 予算不足、優先度低い | 事前のBANT確認強化 |
| 提案後 | 25% | 競合選択、機能不足 | 提案品質向上、差別化強調 |
| 見積提出後 | 20% | 予算交渉不成立 | 価格柔軟性、ROI訴求 |
| 最終決裁前 | 15% | 稟議不通過、タイミング | 社内説得資料の提供 |
競合に負けるパターンを分析します。
競合別の失注件数・金額を把握し、特に多い競合に対して以下を整理します。
営業担当者ごとの受注率・失注パターンを分析し、個人の課題とチーム全体の課題を切り分けます。
| 担当者 | 受注率 | 主な失注理由 | 改善ポイント |
|---|---|---|---|
| 担当A | 35% | 提案内容不適合が多い | 提案スキル向上 |
| 担当B | 25% | 競合選択が多い | 競合対策トレーニング |
| 担当C | 40% | タイミング不一致が多い | リードの質の見直し |
月次・四半期の失注率推移と失注理由の変化を追跡します。
HubSpotのダッシュボード機能で、失注分析ダッシュボードを作成します。
| レポート | 種類 | 目的 |
|---|---|---|
| 失注理由分布 | ドーナツチャート | 失注理由の全体像把握 |
| 月次受注率・失注率推移 | 折れ線グラフ | トレンドの把握 |
| フェーズ別失注件数 | 棒グラフ | ボトルネックフェーズの特定 |
| 競合別失注件数 | 棒グラフ | 主要競合の把握 |
| 担当者別受注率 | テーブル | 個人パフォーマンスの把握 |
| 失注金額TOP10 | テーブル | 大型案件の失注原因確認 |
| リサイクル対象リスト | テーブル | 再アプローチ候補の管理 |
失注分析の結果を営業トレーニングに活かします。
失注理由に対応するコンテンツやセールスツールを整備します。
| 失注理由 | 必要なコンテンツ・ツール |
|---|---|
| ROIが見えない | ROI算出テンプレート、TCO比較資料 |
| 競合選択 | 競合比較表、移行コスト試算ツール |
| 稟議不通過 | 経営層向け提案書テンプレート、導入事例(同業種) |
| 機能不足 | 代替機能の提案書、ロードマップ共有資料 |
「タイミング不一致」「予算不足(来期なら可能)」で失注した案件は、リサイクルナーチャリングの対象にします。
フェーズ別の失注分析結果に基づいて、営業プロセスを改善します。
週次の営業ミーティングで、前週の失注案件をレビューします。
月次で失注ダッシュボードを確認し、以下をレビューします。
四半期ごとに失注分析の結果を経営層にレポートし、以下の戦略判断に活用します。
失注分析は、受注率向上のための最も確実な改善手法です。
まずは失注理由のカテゴリ設計とHubSpotへのプロパティ追加から始め、データの蓄積を開始することをおすすめします。3ヶ月分のデータが溜まれば、最初の本格的な失注分析が実施できます。
あわせて、カスタマージャーニーマップの作り方、BtoBリードジェネレーションの方法12選、インバウンドマーケティング入門なども参考にしていただければと思います。
失注理由の記録を「必須」にする仕組みを作ることが重要です。HubSpotでは取引ステージを「失注」に変更する際に必須プロパティとして設定できます。また、ドロップダウン選択で記録の負荷を下げ、「3クリックで完了」レベルの簡易さにすることがポイントです。
最低30〜50件の失注データがあれば、基本的なパターン分析が可能です。統計的に有意な分析には100件以上が望ましいですが、まずは少ないデータでも傾向を把握し、改善仮説を立てることが重要です。
「価格」は表面的な理由であることが多く、本当の理由が隠れている場合があります。「価格が合わなかった」の裏には「ROIが伝わらなかった」「決裁者に価値が伝わっていない」「予算の優先順位で他に負けた」などの根本原因があります。営業に「価格以外の理由は何だったか」を深掘りしてもらう仕組みを作りましょう。
基本的な取引プロパティの設定と簡易レポートは全プランで可能です。カスタムレポートやダッシュボードを活用した本格的な分析にはSales Hub Professional以上が推奨されます。
はい、特に「タイミング不一致」や「予算の来期計上」で失注した案件は、再アプローチの成功率が高いです。失注後3〜6ヶ月後に適切なナーチャリングを行い、再アプローチすることで、新規リードよりも高い受注率が期待できます。
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株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。