HubSpotマーケティング戦略ガイド|ファネル設計からSLA・ROI測定まで

  • 2026年4月14日
  • 最終更新: 2026年10月8日
この記事の結論

HubSpotでマーケティングの仕組みを作るなら、機能の設定より先に、見込み客の段階と部門間の引き渡し条件を決めます。ライフサイクルステージを起点に、集客・育成・営業への引き渡し・効果測定をつなぐことが設計の中心です。

ブログ目次


HubSpotでマーケティングの仕組みを作るなら、機能の設定より先に、見込み客の段階と部門間の引き渡し条件を決めます。ライフサイクルステージを起点に、集客・育成・営業への引き渡し・効果測定をつなぐことが設計の中心です。

この記事では、見込み客の獲得から受注後の振り返りまで、何を決めてから次に進むかを順に解説します。既存のデータがどこまでつながっているかによって、着手する段階を選べます。


この記事でわかること

HubSpotでマーケティングを設計・見直しする担当者に向けて、各段階の判断基準を整理しました。

  • 情報をつなぐ理由 — 顧客情報、対応履歴、成果の集計方法を確認し、管理方法を決める手順
  • ライフサイクルステージとプロパティの設計 — ステージの移行条件と、入力項目の採用基準
  • 集客から育成までの組み立て方 — コンテンツ、フォーム、ワークフロー、スコアリングの役割分担
  • 営業とのSLA設計と効果測定 — 引き渡しと差し戻しの条件、レポートを読む前にそろえるデータ
  • 失注後の再育成と段階的な導入 — 失注理由から次の施策を選び、運用範囲を広げる条件

HubSpotマーケティング戦略の全体像と一気通貫で設計する理由

集客、育成、商談を別々に管理している場合は、まず受注した取引から最初の接点までたどれるか確認します。たどれない箇所があれば、施策を増やす前に、記録する項目と関連付けのルールを整えます。

スプレッドシート管理で起きている分断

次の表は、管理方法を比べるための確認項目です。どちらの方法でも、入力ルールがそろっていなければ情報のずれは起こり得ます。

観点 スプレッドシート・個別ツールでの管理 HubSpotでの管理
顧客情報 リストごとに情報を持つ場合は、同じ顧客の更新先と照合方法を決める必要がある コンタクト・会社・取引をそれぞれのレコードとして管理し、必要な関連付けを確認する
フォロー 担当者が対応対象と連絡のタイミングを確認する 条件と除外対象を決めたうえで、ワークフローによる対応を検討できる
成果の把握 複数ファイルを使う場合は、集計対象と更新時点をそろえる必要がある ダッシュボードで共通の指標を確認できるよう、元データと更新状況を点検する
部門連携 チャットや口頭で伝える情報について、記録先を決める必要がある レコードに残す活動と、担当部門が確認する履歴を決める

移行を判断する際は、現行の表をすべて置き換えることから始める必要はありません。まず顧客を識別する項目、担当者、ステージ、取引との関係を洗い出し、更新元を決めてから対象を広げます。

一元管理・自動化・可視化の3つの役割

ここでは設計を「一元管理」「自動化」「可視化」に分けて考えます。一元管理では、誰がどのレコードを更新するかを決めます。自動化では、開始条件、除外条件、停止条件を決めます。可視化では、指標の定義と集計対象をそろえます。

進める順番は一元管理、必要な範囲の自動化、可視化です。たとえば担当者やステージが未確定のまま通知を自動化すると、引き渡し先を判断できません。ダッシュボードの数値に疑問が出たら、表示方法を変える前に、レコードの入力状況と集計条件を確認します。

全体フローの中でマーケティングが担う範囲

マーケティングは主に接点の獲得と育成を担い、営業は受け取った見込み客への対応と商談を担います。受注への貢献を振り返るには、両部門が記録する情報のつながりが必要です。

フローの段階 主な担当 関わるHubSpotの機能
コンタクト獲得 マーケティング ブログ、ランディングページ、フォーム、広告、SNS
育成・選別 マーケティング ワークフロー、メール、リードスコアリング
商談 営業 取引パイプライン、シーケンス、タスク
顧客・請求 営業・CS 顧客のライフサイクルステージ、チケット、レポート

自社の取引を一つ選び、関連するコンタクト、接点、引き渡し履歴を確認してください。たどれる場合は指標の定義とレポートの見直しへ進みます。たどれない場合は、コンタクトと取引の関連付け、担当者の入力ルールから整えます。営業プロセスの整理には、セールスDX推進ガイド|CRMで営業プロセスをデジタル変革する5つのステップも参考にしてください。


設計の起点:ライフサイクルステージとプロパティ

ステージとプロパティは、フォーム、通知、レポートの共通の土台です。先に項目を増やすのではなく、各段階へ進む条件と、誰が更新するかを決めます。

カスタマージャーニーからステージを定義する

見込み客が情報を探す段階、比較する段階、営業と話す段階を書き出し、それぞれで確認できる行動を挙げます。カスタマージャーニーの整理方法はカスタマージャーニーマップの作り方|HubSpotでの実装とマーケティング自動化の連携設計で解説しています。

次の表は、社内で定義を検討するための例です。「アプローチNG」と「社内」は、営業対象からの除外を考えるための区分です。ライフサイクルステージとして扱うか、別のプロパティで管理するかは、自社のレポートと運用に合わせて決めます。

ステージ 定義の例 主な担当
リード フォーム送信や名刺交換などで接点ができた状態 マーケティング
MQL 合意した属性や行動の条件を満たし、営業への引き渡し対象となった状態 マーケティング
SQL 営業が確認し、商談化を検討する対象として受け入れた状態 営業
商談 取引が作成され、パイプラインで管理されている状態 営業
顧客 受注を確認した状態 営業・CS
アプローチNG 営業目的の問い合わせや競合他社など、営業対象から除外すると決めた状態 マーケティング
社内 自社メンバーとして識別し、営業対象から除外すると決めた状態 管理者

定義を書いたら、実際のコンタクトを当てはめます。担当者によって判定が分かれる場合は、「関心が高い」などの表現を、確認できる行動や営業の受け入れ条件に置き換えてから運用を始めます。

HubSpot標準のステージ仕様を確認する

ライフサイクルステージの値や更新時の挙動は、運用前に自社の設定画面で確認します。ライフサイクルステージに関する説明と照らし合わせ、標準の値、自社で追加した値、更新方法を区別してください。

会社にもステージを持たせる場合は、複数のコンタクトが異なる段階にいるときの更新ルールを決めます。会社の段階を自動で変える前に、代表となる条件と、営業が手動で判断する場面を確認します。

プロパティは「使う項目」だけに絞る

プロパティを追加する前に、用途と入力する人を決めます。

  1. その項目は、ワークフローの分岐、スコアリング、レポートのどれに使うか
  2. その項目を誰が、どの時点で確認・更新するか

用途や更新者が決まらない項目は、作成を保留します。自由記述で足りる情報と、選択肢をそろえて集計したい情報も分けてください。運用後に同じ意味の項目が増えた場合は、使われている画面やワークフローを確認してから整理します。ステータス設計の詳しい進め方は、HubSpotでリードマネジメントを設計する方法|リード獲得から商談化までの一気通貫フローで扱っています。


インバウンドで見込み客を集める:コンテンツ・LP・フォーム

ステージを定義したら、各段階の見込み客が知りたいことと、次に取れる行動を対応させます。既存のコンテンツから確認し、入口と問い合わせ先の間に抜けている情報を探します。

ファネル段階ごとにコンテンツを割り当てる

次の表に手持ちのコンテンツを当てはめ、各ページからどの行動へ進んでほしいかを記入します。

ファネル段階 見込み客の状態 コンテンツの例 HubSpotでの受け皿
認知 課題に気づき始めている ブログ記事、SNS投稿 ブログ、SNS投稿ツール
興味 解決方法を調べている ホワイトペーパー、ウェビナー ランディングページ、フォーム
検討 具体的な製品・サービスを比べている 導入事例、比較資料 メール、CTA
決定 社内で導入を判断しようとしている 個別相談、見積もり 問い合わせフォーム、営業への通知

閲覧はあるのに問い合わせへ進まない場合は、ページの内容、CTA、フォームが同じ疑問に答えているか確認します。比較を求める問い合わせが多いのに検討向けの資料がなければ、その内容を優先します。そもそも対象者との接点が少なければ、認知段階のテーマと届け方を見直します。手法の選び方はインバウンドマーケティング入門|HubSpotで始めるBtoB集客の基本戦略と実践ステップ、BtoBコンテンツマーケティング入門|HubSpot Content Hubで実践するSEO集客戦略、BtoBリードジェネレーションの方法12選|HubSpotで実践するインバウンドマーケティング戦略も参照してください。

フォームは後工程で使う項目から逆算する

フォームの項目は、送信後の判定と対応に必要な情報から決めます。たとえば会社規模を引き渡し条件に使うなら、その情報をどの段階で取得するかを検討します。問い合わせ内容によって担当を分けるなら、分類に必要な選択肢や記述欄を用意します。

公開前には、実際に送信して、コンタクトへの記録、担当者への通知、回答者への案内を確認します。入力された内容だけで対応先を決められない場合は、項目を増やす前に判定ルールを見直します。

キャンペーン機能でコンテンツカレンダーと効果測定をまとめる

ブログ、メール、ランディングページを同じテーマで展開するなら、対象者と目的を先に決め、関連する施策の管理単位をそろえます。制作予定には担当者と公開状態を記録し、公開後は何を成果として見るかを決めておきます。

施策を比較するときは、対象期間、集計する接点、コンバージョンの定義をそろえます。数字が違って見える場合は、コンテンツの良し悪しを判断する前に、計測対象が同じか確認してください。


リードナーチャリングとスコアリング:育成と選別を自動化する

獲得したコンタクト全員に同じ案内を送るのではなく、関心、営業対応の要否、配信対象からの除外条件を分けます。そのうえで、情報提供を続ける相手と営業に渡す相手を決めます。

ワークフローでステップメールを組む

利用できる機能や条件を確認する際は、HubSpotの製品・サービスに関する公式資料を参照してください。

メールは本数から決めず、まず「何をきっかけに案内を始めるか」「どの行動があれば内容を変えるか」「営業対応が始まったらどう止めるか」を決めます。資料を請求した相手なら、資料に関連する疑問への案内を用意し、個別相談を申し込んだ相手には同じ育成メールを続けない、といった分岐を設計します。

公開前には、開始条件に該当する例と除外される例を用意して動作を確認します。想定外の相手が対象になる場合は、文面より先に登録条件を修正します。

スコアリングでMQLを判定する

スコアリングを使う場合は、属性と行動のうち、営業が接触対象を判断するのに役立つ情報を選びます。点数が高い理由を営業に説明できるよう、対象となる行動と除外する行動を記録しておきます。

判断材料となる履歴がまだ少なければ、個別相談の申し込みなど、意図が明確な行動から引き渡し条件を作ります。運用後に営業が受け入れたリードと差し戻したリードを比べ、条件が広すぎるのか、必要な行動を拾えていないのかを見直します。

Breezeに任せる部分と人が決める部分

Breezeを使う場面は、自社の契約内容と利用できる機能を確認して選びます。下書きや提案を利用する場合でも、顧客へ届ける内容と営業上の判断には担当者の確認を入れます。

Breezeに任せやすいこと 人が判断すべきこと
利用できる場合のメール文章の下書き作成 最終的な送信可否の判断
問い合わせ内容の分類案の作成 分類結果の確認と、営業対象からの除外判断
利用できる場合のコンテンツ改善案の作成 どのテーマで発信するかという戦略
ワークフローの初期案の作成 開始・除外・停止条件と公開可否の判断
メール文章の下書き作成 最終的な送信可否の判断
問い合わせ内容の分類(営業目的か通常の問い合わせか) ライフサイクルステージやMQLの定義
コンテンツのSEO観点での改善提案 どのテーマで発信するかという戦略

特に営業への連絡文は、相手の問い合わせ内容と対応履歴を担当者が確認して整えます。案が実際の情報と合わなければ採用せず、必要な確認を済ませてから次に進みます。


営業との引き渡し:SLA設計でマーケと営業をつなぐ

MQLの意味が部門で異なると、通知を自動化しても対応が進みません。SLAでは、引き渡す条件だけでなく、営業が受け取ったことをどう記録し、対象外だった場合にどう戻すかを合意します。

MQL・SQLの定義と担当を表にする

次の項目をマーケティングと営業で確認します。

項目 決める内容
MQLの条件 どの属性・行動・スコアでMQLとするか
引き渡し方法 誰に、どの手段(通知・タスク)で渡すか
営業の初回対応 引き渡し後、どのくらいの期間で接触するか
SQLの条件 営業がどの状態を確認したらSQLとするか
差し戻しの条件 どんな場合にマーケティングへ戻すか

引き渡したリードに営業が対応しきれない場合は、件数だけで判断せず、未対応の理由と対象者の適合度を確認します。条件が広すぎれば絞り、担当の割り当てが原因なら運用を直します。営業に余力があっても商談につながらない場合は、条件を緩める前に差し戻し理由を確認します。合意の進め方は営業とマーケティングの連携SLA設計|HubSpotでリード引き渡しプロセスを最適化で解説しています。

引き渡しを人に頼らず仕組みにする

条件が決まったら、MQLへの更新、担当者の割り当て、タスク、通知の順に設定を検討します。すでに営業が対応中のコンタクトや、営業対象から除外したコンタクトが再登録されないよう、開始条件と除外条件を確認します。

設定後は、担当者が通知を受け取り、対応結果を記録できるところまで確かめます。通知は届いても対応状況が残らない場合は、レポートを作る前に記録方法を決め直します。

差し戻しの基準も決めておく

営業が商談化しないと判断した場合は、理由と次に確認する時期を残します。「時期が合わない」「予算を確認できない」「担当者だけでは判断できない」など、次の対応を選べる区分にします。

時期が合わない相手には再検討の予定を確認し、社内説明が必要な相手には判断材料を案内するなど、理由に合わせて対応を分けます。再接触を望まない相手を育成対象に含めないよう、停止条件も合わせて決めます。


効果測定とROIの可視化

施策の評価では、まず集客から受注までのどこを改善したいかを決めます。受注への貢献を調べる場合は、コンタクトと取引の関連付け、施策への接点、費用の記録をそれぞれ確認します。

ファネルの段階ごとに指標を置く

各段階に指標を置き、数字に変化があったときに確認する対象を決めます。

段階 指標の例 数字が悪いときに見直す対象
集客 セッション数、流入チャネル別の訪問数 コンテンツのテーマ、SEO、SNS発信
リード化 コンバージョン率、リード獲得数 CTA、ランディングページ、フォーム項目
育成 MQL数、メールのクリック率 ステップメールの内容と間隔、スコア配分
商談化 MQL→SQL・商談化率 MQLの条件、引き渡し後の対応
受注 受注数、受注金額 商談の質、営業プロセス

比較する際は、対象期間、対象者、集計条件をそろえます。集客が変わったのか、リード化の割合が変わったのかを分けて見れば、最初に見直す場所を選べます。指標の設計はBtoBマーケティング戦略の立て方|ファネル設計からKPI設定・HubSpotでの実行管理までで詳しく扱っています。

アトリビューションレポートの使い方と限界

アトリビューションレポートでは、どの接点を評価するかによって結果の読み方が変わります。新しい接点を作った施策を知りたいのか、商談に進む前の接点を知りたいのか、問いを先に決めてください。対象データや利用条件、設定方法はアトリビューションレポートの作成に関する公式ヘルプと自社の画面で確認します。

レポートに表示される貢献とROIは分けて考えます。ROIを検討するには、評価対象の収益に加えて施策費用の範囲も決める必要があります。取引との関連付けや費用がそろっていない場合は、先に欠けているデータを示し、収益性の結論を保留します。

ダッシュボードで部門が同じ数字を見る

マーケティングと営業で同じ指標名を使っていても、対象にするレコードや期間が違えば数値はそろいません。共通のダッシュボードを作る前に、各レポートの定義と更新者を決めます。

以下は、目標と実績を比べるレポートの画面例です。自社で使う場合は、何をリードとして数えるか、目標と実績の対象期間が同じかを確認します。

次の画像を参照してください。

HubSpotレポート「リード獲得数(目標対比)」の月次棒グラフ

会議でレポートを見る際は、変化した指標、考えられる理由、次に確認するデータを記録します。判断に使われないレポートは用途を見直し、新たな問いが出たときに追加します。経営指標や営業プロセスの見方は、CRMを活用したデータドリブン経営|HubSpotで経営指標を可視化し意思決定を加速とHubSpotで営業プロセスを可視化する方法|パイプライン管理・KPIダッシュボードの構築術も参照してください。


失注から掘り起こしへ:マーケティングのループを回す

失注後も、理由によって次の対応は異なります。営業が記録した判断を確認し、再接触の対象と時期を決めてから、マーケティングの施策へ戻します。

失注理由を分類して集計する

失注理由は、後から比較できる区分と、事情を残すための記述を分けて記録します。「価格」「競合他社」「製品機能」「時期」「社内決裁」などの区分を使う場合も、担当者が同じ意味で選べる説明を用意します。

次の図のような集計を見るときは、各区分の件数だけでなく、どの案件が含まれるかを確認します。

HubSpotレポート「失注分析(案件別の分析)- グラフ」のドーナツチャート

「製品機能」が目立つなら、求められた内容を確認して担当部門へ共有します。「競合他社」なら比較時の疑問を集め、資料で答えられるか検討します。「時期」なら再検討の予定が記録されているか確認します。詳しくは失注分析の進め方|HubSpotで失注原因を特定し受注率を改善するデータ活用術で解説しています。

失注コンタクトをナーチャリングに戻す

再育成の対象を決める際は、失注した取引だけでなく、関連するコンタクトの意向と現在の対応状況を確認します。ライフサイクルステージを変更する場合は、既存のワークフローやレポートへの影響を確認してください。ステージの挙動はライフサイクルステージに関する公式ヘルプと自社の設定で確認します。

「時期」が理由なら、検討再開の見込みがあるかを確認してから案内します。「価格」が理由なら、費用対効果の判断に不足していた情報を営業に聞き、適切な資料がある場合に案内します。再接触を希望しない場合は対象から外します。

学びをマーケティング施策に返す

失注が特定の業種に偏る場合は、集客を変える前に、対象案件の課題、提案内容、失注理由を確認します。期待する顧客像と合わないなら集客対象を見直し、説明不足が共通しているならコンテンツを見直します。

このように、集客から商談、受注・失注までを振り返り、次の施策へ反映します。循環型の考え方はLoop Marketing(ループマーケティング)入門|HubSpotが提唱する新時代のマーケティング戦略も参考にしてください。


導入の進め方:スモールスタートから段階的に広げる

導入範囲は、現状のデータと担当者が確認できるところから決めます。企業様によって最適な形は異なります。 次の段階へ進む条件を合意しておけば、設定を増やす前に運用上の問題を見つけられます。

段階ごとに作るものを決める

次の表を使い、すでに満たしている条件と、まだ確認できない条件を分けてください。

段階 作るもの 次の段階へ進む目安
第1段階:土台 ライフサイクルステージの定義、必要最小限のプロパティ、主要フォーム、MQL時の営業通知 新規リードがCRMに記録され、担当営業に通知が届くことを実例で確認できる
第2段階:育成と引き渡し ステップメールのワークフロー、スコアリング、SLAの合意と運用 MQLからSQLまでの対応履歴と、差し戻しの理由を確認できる
第3段階:測定と改善 ダッシュボード、アトリビューションレポート、失注分析と掘り起こしのループ コンタクトと取引の関連付け、指標の定義、比較対象のデータを確認できる

次の段階の条件を満たさない場合は、機能を追加する前に入力や引き渡しの問題を直します。導入前の確認項目は、MA導入で失敗しないための設計チェックリスト|HubSpot Marketing Hubの正しい始め方にまとめています。

つまずきやすい点と見直し方

運用が止まったときは、どの担当者のどの作業で止まっているかを確認します。

  • 営業の入力が続かない:入力項目と使い道を営業と確認します。商談や失注の記録に不足があれば、必要な項目と入力する時点を決め直します。
  • ワークフローが管理しにくい:各ワークフローの目的、対象、開始・停止条件、管理者を確認します。使っていない設定は、関連する運用への影響を確かめてから見直します。
  • 数字を見ても次の手が決まらない:集客、リード化、育成、商談化、受注のどこに変化があるかを分け、集計条件を確認してから見直す施策を選びます。

設定前には、誰に何を届けるか、その相手が営業と話す段階をどう見分けるかを言葉にします。ここが決まらない場合は、自動化を進める前にマーケティングと営業で対象顧客を確認します。


よくある質問

HubSpotマーケティング戦略の構築にはどれくらいの期間がかかりますか?

既存データ、コンテンツ、関わる部門の状況によって変わるため、一律の期間では判断できません。まずステージの定義、主要フォームからの記録、営業への通知を確認します。実際のリードで引き渡しまで確認できたら、育成や効果測定へ範囲を広げます。

Marketing HubとCRMはどのように連携させればよいですか?

ライフサイクルステージとプロパティの意味をそろえ、MQLからSQLへの引き渡し条件を決めます。その後、フォーム送信から担当者の割り当て、通知、対応結果の記録までを実例で確認します。受注への貢献を振り返る場合は、コンタクトと取引の関連付けも確認してください。

HubSpotでマーケティングROIを測定するにはどうすればよいですか?

最初に、どの施策の費用と収益を比較するかを決めます。接点の貢献を調べる際はアトリビューションレポートの対象と設定を確認し、取引との関連付けを点検します。費用や収益の記録がそろっていない場合は、不足しているデータを整えてからROIを判断します。

BreezeなどのAI機能はどこまで任せてよいですか?

利用できる機能を確認したうえで、文章や分類の案を作る場面から検討します。顧客へ送る内容、ライフサイクルステージの定義、営業への引き渡し条件は担当者が確認します。案が問い合わせ内容や記録と合わない場合は、修正してから利用してください。


まとめ

  • 最初にライフサイクルステージ、担当部門、次の段階へ進む条件を決めます
  • フォームとプロパティは、引き渡しや効果測定に使う情報から選びます
  • ワークフローには開始・除外・停止条件を設け、実例で引き渡しを確認します
  • 指標を比較する前に、対象期間、レコードの関連付け、費用と収益の範囲をそろえます
  • 失注理由を次の対応に結びつけ、再育成の対象と時期を判断します

着手する際は、次の順番で現状を確認してください。

  1. カスタマージャーニーを書き出し、ステージの定義と担当部門を表にまとめる
  2. 営業とMQLの条件、受け入れ・差し戻しの方法を合意する
  3. 実際のコンタクトで、営業への通知から対応結果の記録まで確認する

CRMを活用した業務効率化やAIとの連携に関するご相談は、StartLinkまでお気軽にお問い合わせください。現在の管理方法と引き渡しの流れを確認し、どの段階から整えるかを一緒に整理します。


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著者情報

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今枝 / Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。