不動産会社のHubSpot構築ガイド|物件をカスタムオブジェクトで持ち、売買仲介と利益を管理する

  • 2026年10月20日
  • 最終更新: 2026年10月23日
不動産会社のHubSpot構築ガイド|物件をカスタムオブジェクトで持ち、売買仲介と利益を管理する
この記事の結論

HubSpot業界別ナレッジ|不動産(売買仲介・賃貸管理) 物件台帳と、買主・売主とのやり取りの記録が別々の場所にあり、どの物件に誰が関心を持ち、成約でいくら残るのかをすぐに答えられない。不動産会社のHubSpotは、物件をカスタムオブジェクト「物件」で持ち、売買仲介の案件を取引のパイプラインで進め、両者を関連付けて設計します。反響の割り当てから決済までの期日、物件ごとと案件ごとの利益が、同じ画面でつながる形が中心です。 6段階売買仲介のパイプライン(反響・問い合わせから成約まで。ほかに失注の段階) 4つ追客と期日を守るための自動化(割り当て、追客、新着の案内、決済の期日) 2週間に1回以上専任媒介契約での業務の処理状況の報告(専属専任は1週間に1回以上。宅地建物取引業法) この記事でわかること 物件をカスタムオブジェクトで持つ理由1つの物件に複数の顧客と案件が関わる関係を、そのまま記録する考え方 物件・顧客・取引に持たせるプロパティと、売買仲介のパイプライン仕入価格と仲介手数料から、物件と取引の両方で利益を見る設計 デモ環境に組んだ実際の画面と、反響を取りこぼさないワークフロー売買仲介のボード、物件のレコード、反響の割り当て、物件概要書の画像からの登録とAIエージェント HubSpotに任せる範囲と、導入の進め方ポータル掲載・登記・ローン審査・家賃の会計処理との線引き、5つの工程での要点 売買仲介と賃貸管理を手がける不動産会社の経営者と、営業管理の仕組みを見直す担当者に向けてまとめています。プロパティの表とパイプラインの段階は、自社の要件定義にそのまま転記できます。 業務の流れ オブジェクト構成 プロパティ パイプライン 実際の画面 自動化とレポート 画像とAIエージェント メリットと範囲 導入の進め方 01 不動産の売買仲介・賃貸管理の業務の流れと、各段階で記録すべき情報 不動産の営業管理が一般的なBtoB営業と違うのは、顧客と案件のほかに「物件」という第三の軸がある点です。1つの物件に売主と複数の買主候補が関わり、賃貸ではオーナーと入居者が同じ物件にぶら下がります。HubSpotの設計は、物件を中心に、顧客と案件をどう結び付けるかで決まります。 物件の仕入れ・媒介の受託売主から売却の依頼を受け、または自社で仕入れ、販売の準備をする記録:所在地・種別・仕入価格・媒介契約の種類 反響・問い合わせポータルサイトや自社サイト、来店や電話から買主候補の反響が入る記録:反響経路・希望条件・担当者 案内・内見と追客物件を案内し、内見後の反応を聞いて次の提案を続ける記録:内見日・感触・次の連絡予定 申込・契約購入の申込を受け、重要事項説明を経て売買契約を結ぶ記録:申込日・契約日・成約価格 決済・引渡しと管理決済と引渡しを終え、賃貸物件ではオーナーと入居者の対応が続く記録:決済日・仲介手数料・管理の窓口 物件は「物件」1件で、そこに関わる人と案件は関連付けの数だけ持ちます。この分け方が、以降のすべての設計の前提です。 02 オブジェクト構成|物件はカスタムオブジェクト、案件は取引で持つ 物件をカスタムオブジェクト「物件」として作り、売主・買主・オーナー・入居者をコンタクト、管理会社と法人オーナーを会社、売買仲介の案件を取引で持ちます。物件を取引の中に書き込む形にしないのは、1つの物件に複数の案件と顧客が関わり、物件の情報を案件ごとに入力し直すことになるためです。物件オブジェクトの作り方は「HubSpotで不動産の物件情報を管理する方法」で詳しく扱っています。 多多 1多 多1 顧客コンタクト(標準) 売主・買主・オーナー・入居者希望エリア・物件種別・予算反響経路・購入時期担当者(所有者) 物件カスタムオブジェクト 所在地・物件種別・面積販売価格・仕入価格ステータス・媒介契約の種類販売開始日・滞留日数想定利益・仲介手数料の合計 売買仲介の案件取引(標準) パイプライン「売買仲介」成約価格・仲介手数料・粗利内見日・契約日・決済予定日 管理会社・法人オーナー会社(標準) 会社の区分管理する物件の数・窓口 1多1多管理会社・法人オーナー会社(標準)会社の区分管理する物件の数・窓口物件カスタムオブジェクト所在地・物件種別・面積販売価格・仕入価格ステータス・媒介契約の種類販売開始日・滞留日数想定利益・仲介手数料の合計売買仲介の案件取引(標準)パイプライン「売買仲介」成約価格・仲介手数料・粗利内見日・契約日・決済予定日顧客コンタクト(標準)売主・買主・オーナー・入居者希望エリア・物件種別・予算反響経路・購入時期左の線は物件と顧客の多対多。買主は案件(取引)にも関連付けます 標準オブジェクト カスタムオブジェクト 線の端の三叉は「多」、縦線は「1」 物件を取引で持たない取引は1件の案件の進み具合と金額を持つ箱です。物件を取引として作ると、同じ物件に買主候補が複数いるたびに物件の情報を複製することになり、在庫の数と滞留が数えられなくなります。 顧客の立場は関連付けラベルで分ける同じ物件に関わる売主、オーナー、入居者を、物件とコンタクトの関連付けにラベルを付けて区別します。1人の顧客が、ある物件では売主、別の物件では買主という関係もそのまま記録できます。 買主は物件と取引の両方に結ぶ案件(取引)には買主のコンタクトと対象の物件を関連付けます。物件のレコードから、その物件に何件の案件が進んでいて、誰が内見したかを一覧で確認できます。 03 プロパティ設計|物件・顧客・案件に持たせる項目 物件には「何を、いくらで仕入れ、いつから売っているか」を、顧客には「どんな物件を探しているか」を、案件には「どこまで進み、いくら残るか」を持たせます。物件の項目は在庫と利益の集計に、顧客の項目は新着物件の案内に、案件の項目は期日の管理と成約の分析に使います。 プロパティ(物件=カスタムオブジェクト) 型 選択肢・値の例 使い道 物件名 テキスト(主となる表示プロパティ) 物件の名称と号室 ボードや関連付けの欄での見分け 所在地 テキスト 都道府県・市区町村・番地 案内と書類に使う正式な所在地 エリア 選択(単一) 区・市ごとの選択肢(顧客の希望エリアと同じ) エリア別の在庫の集計と、希望エリアとの照合 物件種別 選択(単一) 土地、戸建て、区分マンション、一棟、事業用 種別ごとの在庫と滞留日数のレポート 面積 数値 専有面積または土地面積(㎡) 顧客の希望条件との照合 販売価格 数値(通貨) 売出しの価格 想定利益の計算と、予算の合う顧客の抽出 仕入価格 数値(通貨) 自社で仕入れた物件の取得価格 想定利益の計算 ステータス 選択(単一) 販売準備中、販売中、商談中、成約済み、取下げ 在庫の絞り込みと、新着物件の案内のきっかけ 媒介契約の種類 選択(単一) 一般媒介、専任媒介、専属専任媒介、自社売主 売主への報告の頻度の判定 販売開始日 日付 販売を始めた日の日付 滞留日数の起点 滞留日数 計算 販売開始日から今日までの日数 売れ残っている物件の発見と、価格見直しの判断 想定利益 計算 販売価格から仕入価格を引いた額 自社売主の物件の利益の見通し 仲介手数料の合計 ロールアップ 関連する取引の仲介手数料の合計 物件ごとに得た手数料の把握 プロパティ(顧客=コンタクト) 型 選択肢・値の例 使い道 顧客の区分 選択(複数) 売主、買主、オーナー、入居者 顧客の一覧の絞り込みと、案内メールの宛先の判定 反響経路 選択(単一) 不動産ポータル、自社サイト、来店、電話、紹介 反響経路別の成約のレポート 希望エリア 選択(複数) 市区町村や沿線の単位 新着物件を案内するリスト(セグメント)の条件 希望の物件種別 選択(複数) 物件種別と同じ選択肢 新着物件を案内するリストの条件 予算の上限 数値(通貨) 購入の予算 予算の合う物件の提案 購入の時期 選択(単一) 3か月以内、半年以内、1年以内、未定 追客の優先度の判断 プロパティ(案件=取引) 型 選択肢・値の例 使い道 案件の区分 選択(単一) 買主側の仲介、売主側の仲介、自社売主の販売 粗利の計算方法の切り替えと、区分別の集計 成約価格 数値(通貨) 売買契約の価格 自社売主の案件の粗利の計算 仲介手数料(取引の金額) 数値(通貨・標準) 受け取る仲介手数料 売上の見込みと、物件へのロールアップ 粗利 計算 仲介手数料、自社売主の案件では成約価格と仕入価格の差も加える 担当者別・物件種別の利益の集計 内見日 日付 案内した日の日付 内見後の追客のタスクの起点 重要事項説明の実施日 日付 重要事項説明を行った日の日付 重要事項説明・契約の段階に入る条件と、説明の記録 契約日、決済予定日 日付 売買契約の日付と、決済・引渡しの予定日 決済までの期日の通知 失注の理由 選択(単一) 他社で購入、条件不一致、ローン不成立、連絡不通 失注の傾向の分析と、追客の見直し 取引に物件の仕入価格を使うには、ワークフローで関連する物件の値を取引へ写し、取引の中で計算プロパティを使って粗利を出します。関連先の値を集計するロールアップは、物件の側に取引の仲介手数料を合計するときに使います。ロールアップと計算プロパティはProfessional以上のプランで使える機能で、使える関数は製品とプランで異なるため、契約中のプランで確認してから決めます。設計の考え方は「HubSpotの計算プロパティの使い方」にまとめています。 04 パイプライン設計|売買仲介は6段階と失注 取引のパイプラインは、買主との関係が一段進み、次にやることが変わる節目で区切ります。重要事項説明と契約を独立した段階にしておくと、契約から決済までの期日を担当者がボードの列で追えます。 パイプライン「売買仲介」 反響・問い合わせ反響経路と希望条件が入り、担当者が割り当てられている 案内・内見内見の日程が決まり、対象の物件が取引に関連付いている 申込購入の申込を受け、申込日と申込の価格を記録した 重要事項説明・契約重要事項説明を終え、売買契約を結んだ。契約日と決済予定日が入っている 決済・引渡し残代金の決済と物件の引渡しの準備を進めている 成約決済と引渡しを終え、仲介手数料が確定した 失注購入に至らなかった。失注の理由を選んで閉じる 宅地建物取引業者は、原則として売買などの契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士に重要事項を記載した書面を交付して説明させる必要があります。書面は、相手方の承諾を得れば電磁的方法で提供することもでき、賃貸の媒介でも同じ説明が必要です(宅地建物取引業法 第35条)。この段階に入る条件として、重要事項説明の実施日をステージの必須項目にしておくと、説明の記録が抜けにくくなります。ステージ移行時の必須項目の設定は、製品とプランで使える範囲が異なります。反響から申込までの追客の段階をさらに細かく切る考え方は「不動産の追客管理をHubSpotで設計する」で扱っています。 05 実際の画面|デモ環境に組んだ不動産会社の構成 ここまでの設計のうち、物件・取引・関連付けの部分をStartLinkのデモ環境に組んだ画面です。物件の項目はデモ用に簡略化しており、物件名・人名・金額・日付はすべて架空のデモデータです。 画面1パイプライン「売買仲介」のボード。カードの名前は「買主名 様 × 物件名」の形で、仲介手数料・担当者・買主がカードに出ます。反響・問い合わせの列に長く残っているカードが、初回の連絡が遅れている案件です。 画面2物件のレコード。左に物件の条件と価格、右にこの物件に関わる買主候補と、進行中の案件がステージつきで並びます。営業担当は、物件を開くだけで誰が検討していて、どの案件がどこまで進んでいるかを確認できます。 06 自動化とレポート|反響を取りこぼさず、決済までの期日を守る 不動産の自動化は、反響が入った直後の初動と、内見後の追客、契約後の期日の管理に効きます。取引と物件を対象にしたワークフローの例です。 きっかけ 条件 動作 きっかけ新しい取引が作成された 条件パイプラインが「売買仲介」、ステージが「反響・問い合わせ」 動作担当者を順番に割り当て(ローテーション)、その担当者に初回連絡のタスクを当日の期限で作成する(設計例。画面3はタスク作成の部分) きっかけ内見日の翌日 条件ステージが「案内・内見」のまま 動作担当者に、内見の感想を聞く追客のタスクを作成する きっかけ物件のステータスが「販売中」になった 条件対象は物件。物件種別とエリア(顧客の希望エリアと同じ選択肢) 動作希望エリアと希望の物件種別が合うリスト(セグメント)の顧客へ、新着物件の案内メールを送るタスクを担当者に作成する きっかけ決済予定日の7日前 条件ステージが「重要事項説明・契約」または「決済・引渡し」 動作担当者に通知し、決済の準備の確認タスクを作成する 反響の割り当ては、対象を「取引」にしたワークフローで作ります。きっかけは売買仲介のパイプラインで取引が作られたことで、担当者を順番に割り当てるアクションのあとに、初回連絡のタスクを作ります。タスクの担当は、割り当てた取引の担当者にします。 ポータルサイトの反響を取引として自動で取り込めば、反響が入った時点で担当者とタスクが決まり、誰も手を付けていない反響を見落としにくくなります。反響の取り込み方は「不動産ポータルの反響をHubSpotに取り込む」で扱っています。 画面3反響に初回連絡のタスクを作るワークフロー。反響・問い合わせの段階の取引を登録し、取引担当者に初回連絡のタスクを作ります。担当者を順番に割り当てる場合は、この前に担当者のローテーションのアクションを置きます。 新着物件の一斉の案内は、希望エリアと希望の物件種別の組み合わせでリスト(セグメント)を作り、そのリスト宛てに送ります。物件ごとに条件の合うお客様を絞り込む作業は、次の節のAIエージェントに任せられます。専任媒介契約では業務の処理状況を2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上、依頼者に報告します(宅地建物取引業法 第34条の2)。物件の媒介契約の種類を条件に、売主への報告のタスクを定期的に作るワークフローを足すこともできます。ワークフローはProfessional以上のプランで使える機能で、カスタムオブジェクトを対象にできるかなど、使える条件は製品とプランで異なります(HubSpotのナレッジベース)。 レポートとダッシュボード|経営者と営業担当がそれぞれ見る指標 レポートは「どこから成約が生まれているか」「誰がどれだけ動いているか」「どの物件が売れ残っているか」の3つに分けて作ります。前の2つは取引、最後の1つは物件が集計の起点です。 見る人 指標 集計の起点 作り方 経営者 反響経路別の成約 取引 反響経路ごとに、取引の件数と成約の件数、成約率を並べる 経営者 担当者別の案内数と成約数 取引 担当者ごとに、案内・内見の段階に進んだ件数と成約の件数を数える 経営者 物件種別の在庫と滞留日数 物件 ステータスが販売中の物件を物件種別ごとに数え、滞留日数の平均を出す 経営者 物件と案件の利益 物件、取引 物件の想定利益と仲介手数料の合計、取引の粗利を、物件種別と担当者別に合計する 営業担当 初回連絡が済んでいない反響 取引 反響・問い合わせの段階にあり、初回連絡のタスクが完了していない取引を一覧にする 営業担当 決済が近い案件 取引 決済予定日が30日以内の取引を、決済予定日の近い順に並べる 07 画像の読み取りとAIエージェント|物件概要書から「物件」を登録し、合う顧客を探す 物件の登録は、ポータルや自社サイトからの反響と違って、手元にある物件概要書を見ながら手で入力する場面が残ります。HubSpotのBreezeアシスタントは画像やPDFを添付でき、概要書を読み取って「物件」のレコードを作れます。デモ環境で、架空の物件概要書の画像を使って試しました。 物件概要書の画像を添付して依頼するBreezeアシスタントのチャットで、ツールメニューからファイルを追加し、概要書の画像(JPG・PNG・PDF)を添付します。あわせて「物件名・エリア・種別・販売価格・最寄駅は専用の項目に、それ以外は物件メモにまとめる。作成前に内容を見せて確認を取る」と指示します。 読み取った内容と、項目への振り分けを確認するBreezeは画像の文字を読み取り、物件のプロパティと照らし合わせて「専用プロパティに入れる値」と「物件メモに残す値」を一覧で返します。所在地から「大田区」というエリアを判断し、専用項目のない土地面積や用途地域はメモへ回しました。 承認すると「物件」のレコードが作られる「その内容で作成してください」と返すと、カスタムオブジェクト「物件」に新しいレコードが作られ、レコードへのリンクが返ります。レコードを開くと、専用項目とメモに値が入っています。 画面4検証に使った物件概要書の画像。物件名・所在地・価格はすべて架空のもので、実在の物件ではありません。この画像をそのままBreezeアシスタントに添付しました。 画面5作成前の確認。専用項目に入れる値と、物件メモにまとめる値を分けて提示します。最寄駅と徒歩は既存の「最寄駅・徒歩」という1つの項目にまとめる、という判断もBreezeが行いました。 画面6作成された「物件」のレコード。左がBreezeとのやり取り、中央が専用項目と物件メモです。右の「この物件に合うお客様」は、物件の条件に合う顧客を抽出するカードで、登録した直後から案内先の候補を見られます。 読み取りで注意する点は2つあります。1つは、選択肢型の項目に無い値(この例では「3LDK+S」)を別の選択肢に置き換えず、メモに原文で残すよう指示しておくことです。もう1つは、日付型の項目に「2027年2月完成予定」のような月までの値は入らないため、未設定のままにして人が補う前提にすることです。Breezeアシスタントは対話で確認しながら進める仕組みなので、人が見ずに全件を自動登録する用途には向きません。概要書が大量にある場合は、一覧にしてインポートするか、APIで登録する設計にします。Breezeアシスタントで使える機能は、製品とプラン、ポータルの設定で異なります(HubSpotのナレッジベース)。 AIエージェントで、物件に合う顧客を探して担当者にタスクを渡す 物件が登録されたら、次はその物件を誰に案内するかです。希望エリアと希望の物件種別でリストを作る方法は06で触れましたが、AIエージェントを使うと、顧客ごとの希望条件と物件の条件を突き合わせて候補を並べるところまで任せられます。 デモ環境では、Breezeのエージェント作成機能で「物件×顧客マッチング」のエージェントを組んでいます。動きは次のとおりです。 きっかけ 判断 動作 きっかけ担当者が物件のレコードを指定して実行する 判断コンタクトの希望エリア・予算・希望の間取り・家族構成と、物件のエリア・価格・間取り・竣工予定を照らし合わせ、顧客ごとに0〜100点のスコアを付ける。エリアは必須一致、予算は110%以内を「やや超過」として扱う 動作上位5名を「順位・顧客名・スコア・理由」の表で返し、同じ表を物件のノートに保存する。スコアが高い顧客ごとに「【物件提案】物件名 → 顧客名様」のタスクを物件の担当者に作り、顧客と物件の両方に関連付ける 画面7物件のレコードからエージェントを実行した結果。開発物件「旗の台」で、条件の合う3名が点数順に並びました。点数は「エリア+予算+間取り+家族+竣工=合計」の式で示されるため、担当者は順位の理由をその場で確かめられます。80点以上の2名には、物件の担当者宛てに提案のタスクが作られています。 採点の配点は、指示文で次のように固定しています。配点と除外の決まりを決めておくと、実行のたびに順位が揺れず、担当者が変わっても同じ基準で提案先を選べます。 項目 配点 判定の決まり エリア 30点 顧客の希望エリアに物件のエリアが含まれる人だけを候補にする ご予算 最大30点 物件価格÷予算の上限が1.00以下なら予算内で30点、1.10以下なら予算やや超過で15点。それを超える顧客は除外する 間取り 最大25点 希望と同じなら25点、1段違いなら要相談で10点。2段以上違う顧客は除外する 家族構成 0〜10点 単身・ご夫婦は2LDK〜3LDK、お子様2名以上や3世代同居は4LDK以上で高くする 竣工時期 最大5点 完成済みの物件は5点。開発物件は入居時期の確認が要るため0点とし、理由に竣工予定日を書く タスクを作るのは80点以上の上位のお客様だけで、期限は翌営業日です。ノートやタスクの書き込みは、実行した担当者が画面で承認してから行われます。カスタムオブジェクト「物件」では、レコードのレイアウトにエージェントのカードを追加し、物件名かレコードIDを入力して実行する形にしています。 エージェントには、既存のプロパティを書き換えないこと、顧客に直接連絡しないこと、希望条件が未入力の顧客を推測で評価しないことを条件として与えています。実行は担当者の手動にし、自動実行は動作を確かめてから別に設定します。AIエージェントの作成と実行は、Breezeのクレジットと製品のプランに依存します(HubSpotのナレッジベース)。 08 この構成にするメリットと、HubSpotに任せる範囲 物件台帳を表計算ソフトで持ち、顧客とのやり取りを担当者ごとに管理している場合と比べると、違いは「物件と顧客がつながって見えるか」と「利益と滞留を数字で見られるか」に出ます。 物件台帳と顧客の記録が分かれている場合 物件の情報と、その物件に関心を持つ顧客の記録が別の場所にあり、照らし合わせに時間がかかる 担当者が変わると、内見の感触や追客の経緯が引き継がれず、ヒアリングをやり直す 反響の割り当てと初回連絡が担当者任せになり、対応の遅れに気づきにくい 仕入価格・販売価格・仲介手数料が別々の表にあり、物件ごとの利益を出すには集計し直す必要がある HubSpotでこの構成にした場合 物件のレコードに、売主・買主候補・管理会社と進行中の案件が並ぶ 通話・メール・面談の記録が顧客と物件に残り、担当が変わっても経緯を追える 反響が入った時点で担当者と初回連絡のタスクが決まる 物件の想定利益と取引の粗利、物件種別の滞留日数を、ダッシュボードでいつでも確認できる HubSpotでできること・別のシステムに任せること HubSpotで管理する 物件と顧客の関係 物件の条件と価格、売主・買主・オーナー・入居者との関連付け 案件の進捗と期日 売買仲介のパイプライン、内見・契約・決済の日付、失注の理由 反響の割り当てと追客 担当者の割り当て、初回連絡と内見後のタスク、新着物件の案内 利益と在庫の見える化 物件の想定利益、取引の粗利、物件種別の在庫と滞留日数 別のシステムに任せる 不動産ポータルへの物件の掲載 掲載そのものは各ポータルサイトや物件管理の専用システムで行い、HubSpotには反響を取り込む 登記 所有権の移転などの登記は司法書士が行い、HubSpotには決済・引渡しの段階と日付を持たせる 住宅ローンの審査 審査は金融機関が行い、HubSpotには審査の結果と、ローン不成立による失注の理由を記録する 賃貸の家賃管理の会計処理 家賃の入金の管理、オーナーへの送金、会計処理は賃貸管理システムと会計ソフトで行う 賃貸管理では、オーナーと入居者を物件に関連付け、入居者からの問い合わせや修繕の依頼をチケットとして物件に結ぶと、物件ごとの対応履歴がそろいます。オーナーと入居者を両方持つデータモデルの詳細は「賃貸管理をHubSpotで設計する」で扱っています。 09 導入の進め方|StartLinkの5工程に当てはめた要点 現状の整理・要件定義物件台帳と顧客の管理表、反響の受け方が今どこに、どの粒度で残っているかを棚卸しし、売買仲介の段階、反響の割り当ての規則、利益の計算方法を決めます。 設計・構築物件のカスタムオブジェクトとプロパティ、関連付けラベル、売買仲介のパイプライン、ボードのカードに出す項目、ワークフローを作ります。取引の名前の付け方もここで決めます。 データ移行顧客をコンタクトとして名寄せし、物件を取り込んでから、進行中の案件を該当する段階の取引として取り込み、物件と顧客に関連付けます。 テスト・検証物件種別の異なる数件の物件で、反響の割り当てから成約までと失注までを動かし、通知とタスク、利益の計算、レポートの件数が合うかを確かめます。 定着・運用改善朝の反響の確認と週次の営業会議を、ボードとダッシュボードを見ながら行う形に切り替えます。滞留の長い物件と、初回連絡の遅れから運用を直します。 10 よくある質問 物件をカスタムオブジェクトにせず、取引や会社で代用できませんか。 物件の数が少なく、1つの物件に1つの案件しか進まないなら、取引のプロパティに物件の情報を持たせる形でも始められます。ただし、同じ物件に複数の買主候補がいる、賃貸でオーナーと入居者を物件に結ぶ、物件ごとの在庫と滞留を数える、といった運用では、物件を独立したオブジェクトにしたほうが情報の重複がなく集計も正確です。 この構成には、どのプランが必要ですか。 カスタムオブジェクトはEnterpriseプランで使える機能です。売買仲介のパイプラインを新しく作るにはStarter以上、ワークフロー・ロールアップ・計算プロパティはProfessional以上のプランが必要で、無料のプランでは新しいパイプラインを作れません。作れるパイプラインの本数やワークフローの対象にできるオブジェクトは製品とプランで異なるため、契約中のプランで確認してから設計します。 不動産ポータルの反響は、HubSpotに自動で取り込めますか。 ポータルサイトから届く反響のメールや、ポータルが用意する連携の仕組みを使って、コンタクトと取引を自動で作る形にできます。使える方法はポータルサイトごとに異なるため、要件定義の段階で、取り込む項目と、取り込んだあとの担当者の割り当ての規則を決めます。 賃貸管理の業務も、この構成で扱えますか。 オーナーと入居者の連絡の履歴、物件ごとの問い合わせや修繕の依頼の管理は扱えます。入居者からの依頼をチケットにして物件に関連付けると、物件ごとの対応状況が一覧で見えます。家賃の入金の管理やオーナーへの送金、会計処理は、賃貸管理の専用システムと会計ソフトに任せます。 すでに表計算ソフトにある物件台帳と顧客の一覧は移行できますか。 できます。先に顧客をコンタクトとして名寄せし、物件をカスタムオブジェクトに取り込んだうえで、進行中の案件を取引として該当する段階に取り込み、物件と顧客に関連付けます。移行後の物件の数、顧客の数、段階ごとの案件の件数の照合までを1つの工程として行います。 11 まとめ|最初の一歩は、販売中の物件と進行中の案件をつなげてみること 不動産会社のHubSpotは、物件をカスタムオブジェクトで持ち、売買仲介の案件を取引のパイプラインで進め、顧客と物件と案件を関連付ける構成が土台です。仕入価格と仲介手数料を物件と取引に持たせると利益が見え、反響の割り当てと期日の通知で初動と決済の見落としが起きにくくなります。 はじめから全物件と全顧客を移す必要はありません。販売中の物件の一部と、それに関わる進行中の案件だけを取り込み、物件のレコードから顧客と案件がたどれるかを確かめるところから始めると進めやすくなります。 あわせて読みたい設計の記事 HubSpotで不動産の物件情報を管理する方法|カスタムオブジェクト設計の実務 不動産の追客管理をHubSpotで設計する|反響から来店・申込までのパイプライン 賃貸管理をHubSpotで設計する|オーナーと入居者を両建てで持つデータモデル 不動産ポータルの反響をHubSpotに取り込む|メール反響を手入力ゼロにする連携設計 リードの傾斜配布をHubSpotで自動化する|成績連動の割り当てルール設計 HubSpotの計算プロパティの使い方|数式・ロールアップ・日付差の設計例 物件と顧客の管理の仕方に合わせた構成を、一緒に設計します。 物件の持ち方、パイプラインの段階の区切り方、利益の計算方法は、扱う物件の種別と売買・賃貸の比重で変わります。StartLinkはHubSpotのゴールドパートナーとして、要件定義から構築・データ移行・定着まで一貫して支援します。 構成について相談する業界別ナレッジの一覧へ 出典:e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(第34条の2、第35条) 出典:HubSpot ナレッジベース「Create custom objects」 出典:HubSpot ナレッジベース「Set up and manage object pipelines」 出典:HubSpot ナレッジベース「Create workflows」 出典:HubSpot ナレッジベース「Create calculation properties」

ブログ目次

HubSpot業界別ナレッジ|不動産(売買仲介・賃貸管理)

物件台帳と、買主・売主とのやり取りの記録が別々の場所にあり、どの物件に誰が関心を持ち、成約でいくら残るのかをすぐに答えられない。不動産会社のHubSpotは、物件をカスタムオブジェクト「物件」で持ち、売買仲介の案件を取引のパイプラインで進め、両者を関連付けて設計します。反響の割り当てから決済までの期日、物件ごとと案件ごとの利益が、同じ画面でつながる形が中心です。

  • 6段階売買仲介のパイプライン(反響・問い合わせから成約まで。ほかに失注の段階)
  • 4つ追客と期日を守るための自動化(割り当て、追客、新着の案内、決済の期日)
  • 2週間に1回以上専任媒介契約での業務の処理状況の報告(専属専任は1週間に1回以上。宅地建物取引業法)

この記事でわかること

  • 物件をカスタムオブジェクトで持つ理由1つの物件に複数の顧客と案件が関わる関係を、そのまま記録する考え方
  • 物件・顧客・取引に持たせるプロパティと、売買仲介のパイプライン仕入価格と仲介手数料から、物件と取引の両方で利益を見る設計
  • デモ環境に組んだ実際の画面と、反響を取りこぼさないワークフロー売買仲介のボード、物件のレコード、反響の割り当て、物件概要書の画像からの登録とAIエージェント
  • HubSpotに任せる範囲と、導入の進め方ポータル掲載・登記・ローン審査・家賃の会計処理との線引き、5つの工程での要点

売買仲介と賃貸管理を手がける不動産会社の経営者と、営業管理の仕組みを見直す担当者に向けてまとめています。プロパティの表とパイプラインの段階は、自社の要件定義にそのまま転記できます。

01

不動産の売買仲介・賃貸管理の業務の流れと、各段階で記録すべき情報

不動産の営業管理が一般的なBtoB営業と違うのは、顧客と案件のほかに「物件」という第三の軸がある点です。1つの物件に売主と複数の買主候補が関わり、賃貸ではオーナーと入居者が同じ物件にぶら下がります。HubSpotの設計は、物件を中心に、顧客と案件をどう結び付けるかで決まります。

  1. 物件の仕入れ・媒介の受託売主から売却の依頼を受け、または自社で仕入れ、販売の準備をする記録:所在地・種別・仕入価格・媒介契約の種類
  2. 反響・問い合わせポータルサイトや自社サイト、来店や電話から買主候補の反響が入る記録:反響経路・希望条件・担当者
  3. 案内・内見と追客物件を案内し、内見後の反応を聞いて次の提案を続ける記録:内見日・感触・次の連絡予定
  4. 申込・契約購入の申込を受け、重要事項説明を経て売買契約を結ぶ記録:申込日・契約日・成約価格
  5. 決済・引渡しと管理決済と引渡しを終え、賃貸物件ではオーナーと入居者の対応が続く記録:決済日・仲介手数料・管理の窓口

物件は「物件」1件で、そこに関わる人と案件は関連付けの数だけ持ちます。この分け方が、以降のすべての設計の前提です。

02

オブジェクト構成|物件はカスタムオブジェクト、案件は取引で持つ

物件をカスタムオブジェクト「物件」として作り、売主・買主・オーナー・入居者をコンタクト、管理会社と法人オーナーを会社、売買仲介の案件を取引で持ちます。物件を取引の中に書き込む形にしないのは、1つの物件に複数の案件と顧客が関わり、物件の情報を案件ごとに入力し直すことになるためです。物件オブジェクトの作り方は「HubSpotで不動産の物件情報を管理する方法」で詳しく扱っています。

  • 物件を取引で持たない取引は1件の案件の進み具合と金額を持つ箱です。物件を取引として作ると、同じ物件に買主候補が複数いるたびに物件の情報を複製することになり、在庫の数と滞留が数えられなくなります。
  • 顧客の立場は関連付けラベルで分ける同じ物件に関わる売主、オーナー、入居者を、物件とコンタクトの関連付けにラベルを付けて区別します。1人の顧客が、ある物件では売主、別の物件では買主という関係もそのまま記録できます。
  • 買主は物件と取引の両方に結ぶ案件(取引)には買主のコンタクトと対象の物件を関連付けます。物件のレコードから、その物件に何件の案件が進んでいて、誰が内見したかを一覧で確認できます。
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プロパティ設計|物件・顧客・案件に持たせる項目

物件には「何を、いくらで仕入れ、いつから売っているか」を、顧客には「どんな物件を探しているか」を、案件には「どこまで進み、いくら残るか」を持たせます。物件の項目は在庫と利益の集計に、顧客の項目は新着物件の案内に、案件の項目は期日の管理と成約の分析に使います。

プロパティ(物件=カスタムオブジェクト)型選択肢・値の例使い道
物件名テキスト(主となる表示プロパティ)物件の名称と号室ボードや関連付けの欄での見分け
所在地テキスト都道府県・市区町村・番地案内と書類に使う正式な所在地
エリア選択(単一)区・市ごとの選択肢(顧客の希望エリアと同じ)エリア別の在庫の集計と、希望エリアとの照合
物件種別選択(単一)土地、戸建て、区分マンション、一棟、事業用種別ごとの在庫と滞留日数のレポート
面積数値専有面積または土地面積(㎡)顧客の希望条件との照合
販売価格数値(通貨)売出しの価格想定利益の計算と、予算の合う顧客の抽出
仕入価格数値(通貨)自社で仕入れた物件の取得価格想定利益の計算
ステータス選択(単一)販売準備中、販売中、商談中、成約済み、取下げ在庫の絞り込みと、新着物件の案内のきっかけ
媒介契約の種類選択(単一)一般媒介、専任媒介、専属専任媒介、自社売主売主への報告の頻度の判定
販売開始日日付販売を始めた日の日付滞留日数の起点
滞留日数計算販売開始日から今日までの日数売れ残っている物件の発見と、価格見直しの判断
想定利益計算販売価格から仕入価格を引いた額自社売主の物件の利益の見通し
仲介手数料の合計ロールアップ関連する取引の仲介手数料の合計物件ごとに得た手数料の把握
プロパティ(顧客=コンタクト)型選択肢・値の例使い道
顧客の区分選択(複数)売主、買主、オーナー、入居者顧客の一覧の絞り込みと、案内メールの宛先の判定
反響経路選択(単一)不動産ポータル、自社サイト、来店、電話、紹介反響経路別の成約のレポート
希望エリア選択(複数)市区町村や沿線の単位新着物件を案内するリスト(セグメント)の条件
希望の物件種別選択(複数)物件種別と同じ選択肢新着物件を案内するリストの条件
予算の上限数値(通貨)購入の予算予算の合う物件の提案
購入の時期選択(単一)3か月以内、半年以内、1年以内、未定追客の優先度の判断
プロパティ(案件=取引)型選択肢・値の例使い道
案件の区分選択(単一)買主側の仲介、売主側の仲介、自社売主の販売粗利の計算方法の切り替えと、区分別の集計
成約価格数値(通貨)売買契約の価格自社売主の案件の粗利の計算
仲介手数料(取引の金額)数値(通貨・標準)受け取る仲介手数料売上の見込みと、物件へのロールアップ
粗利計算仲介手数料、自社売主の案件では成約価格と仕入価格の差も加える担当者別・物件種別の利益の集計
内見日日付案内した日の日付内見後の追客のタスクの起点
重要事項説明の実施日日付重要事項説明を行った日の日付重要事項説明・契約の段階に入る条件と、説明の記録
契約日、決済予定日日付売買契約の日付と、決済・引渡しの予定日決済までの期日の通知
失注の理由選択(単一)他社で購入、条件不一致、ローン不成立、連絡不通失注の傾向の分析と、追客の見直し

取引に物件の仕入価格を使うには、ワークフローで関連する物件の値を取引へ写し、取引の中で計算プロパティを使って粗利を出します。関連先の値を集計するロールアップは、物件の側に取引の仲介手数料を合計するときに使います。ロールアップと計算プロパティはProfessional以上のプランで使える機能で、使える関数は製品とプランで異なるため、契約中のプランで確認してから決めます。設計の考え方は「HubSpotの計算プロパティの使い方」にまとめています。

04

パイプライン設計|売買仲介は6段階と失注

取引のパイプラインは、買主との関係が一段進み、次にやることが変わる節目で区切ります。重要事項説明と契約を独立した段階にしておくと、契約から決済までの期日を担当者がボードの列で追えます。

パイプライン「売買仲介」

  1. 反響・問い合わせ反響経路と希望条件が入り、担当者が割り当てられている
  2. 案内・内見内見の日程が決まり、対象の物件が取引に関連付いている
  3. 申込購入の申込を受け、申込日と申込の価格を記録した
  4. 重要事項説明・契約重要事項説明を終え、売買契約を結んだ。契約日と決済予定日が入っている
  5. 決済・引渡し残代金の決済と物件の引渡しの準備を進めている
  6. 成約決済と引渡しを終え、仲介手数料が確定した
  7. 失注購入に至らなかった。失注の理由を選んで閉じる

宅地建物取引業者は、原則として売買などの契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士に重要事項を記載した書面を交付して説明させる必要があります。書面は、相手方の承諾を得れば電磁的方法で提供することもでき、賃貸の媒介でも同じ説明が必要です(宅地建物取引業法 第35条)。この段階に入る条件として、重要事項説明の実施日をステージの必須項目にしておくと、説明の記録が抜けにくくなります。ステージ移行時の必須項目の設定は、製品とプランで使える範囲が異なります。反響から申込までの追客の段階をさらに細かく切る考え方は「不動産の追客管理をHubSpotで設計する」で扱っています。

05

実際の画面|デモ環境に組んだ不動産会社の構成

ここまでの設計のうち、物件・取引・関連付けの部分をStartLinkのデモ環境に組んだ画面です。物件の項目はデモ用に簡略化しており、物件名・人名・金額・日付はすべて架空のデモデータです。

HubSpotの取引のボード。パイプライン「売買仲介(不動産)」を選び、反響・問い合わせ、案内・内見、申込、重要事項説明・契約、決済・引渡しの列に、「買主名 様 × 物件名」のカードが並び、カードに作成日・仲介手数料・担当者・買主のコンタクトが表示されている
画面1パイプライン「売買仲介」のボード。カードの名前は「買主名 様 × 物件名」の形で、仲介手数料・担当者・買主がカードに出ます。反響・問い合わせの列に長く残っているカードが、初回の連絡が遅れている案件です。
HubSpotのカスタムオブジェクト「物件」のレコード画面。左に公開状況・販売価格・エリア・間取り・種別・最寄駅・物件メモ・写真・担当者が並び、中央と右の欄に、この物件に関わる買主候補のコンタクト3件と、売買仲介の取引3件がステージつきで表示されている
画面2物件のレコード。左に物件の条件と価格、右にこの物件に関わる買主候補と、進行中の案件がステージつきで並びます。営業担当は、物件を開くだけで誰が検討していて、どの案件がどこまで進んでいるかを確認できます。
06

自動化とレポート|反響を取りこぼさず、決済までの期日を守る

不動産の自動化は、反響が入った直後の初動と、内見後の追客、契約後の期日の管理に効きます。取引と物件を対象にしたワークフローの例です。

  • きっかけ
    条件
    動作
  • きっかけ新しい取引が作成された
    条件パイプラインが「売買仲介」、ステージが「反響・問い合わせ」
    動作担当者を順番に割り当て(ローテーション)、その担当者に初回連絡のタスクを当日の期限で作成する(設計例。画面3はタスク作成の部分)
  • きっかけ内見日の翌日
    条件ステージが「案内・内見」のまま
    動作担当者に、内見の感想を聞く追客のタスクを作成する
  • きっかけ物件のステータスが「販売中」になった
    条件対象は物件。物件種別とエリア(顧客の希望エリアと同じ選択肢)
    動作希望エリアと希望の物件種別が合うリスト(セグメント)の顧客へ、新着物件の案内メールを送るタスクを担当者に作成する
  • きっかけ決済予定日の7日前
    条件ステージが「重要事項説明・契約」または「決済・引渡し」
    動作担当者に通知し、決済の準備の確認タスクを作成する

反響の割り当ては、対象を「取引」にしたワークフローで作ります。きっかけは売買仲介のパイプラインで取引が作られたことで、担当者を順番に割り当てるアクションのあとに、初回連絡のタスクを作ります。タスクの担当は、割り当てた取引の担当者にします。

ポータルサイトの反響を取引として自動で取り込めば、反響が入った時点で担当者とタスクが決まり、誰も手を付けていない反響を見落としにくくなります。反響の取り込み方は「不動産ポータルの反響をHubSpotに取り込む」で扱っています。

HubSpotのワークフロー編集画面。取引を対象に、取引ステージが反響・問い合わせ(売買仲介)の取引を登録し、「反響のお客様に初回の連絡を入れる」タスクを作成して取引担当者に割り当てるアクションが並んでいる
画面3反響に初回連絡のタスクを作るワークフロー。反響・問い合わせの段階の取引を登録し、取引担当者に初回連絡のタスクを作ります。担当者を順番に割り当てる場合は、この前に担当者のローテーションのアクションを置きます。

新着物件の一斉の案内は、希望エリアと希望の物件種別の組み合わせでリスト(セグメント)を作り、そのリスト宛てに送ります。物件ごとに条件の合うお客様を絞り込む作業は、次の節のAIエージェントに任せられます。専任媒介契約では業務の処理状況を2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上、依頼者に報告します(宅地建物取引業法 第34条の2)。物件の媒介契約の種類を条件に、売主への報告のタスクを定期的に作るワークフローを足すこともできます。ワークフローはProfessional以上のプランで使える機能で、カスタムオブジェクトを対象にできるかなど、使える条件は製品とプランで異なります(HubSpotのナレッジベース)。

レポートとダッシュボード|経営者と営業担当がそれぞれ見る指標

レポートは「どこから成約が生まれているか」「誰がどれだけ動いているか」「どの物件が売れ残っているか」の3つに分けて作ります。前の2つは取引、最後の1つは物件が集計の起点です。

見る人指標集計の起点作り方
経営者反響経路別の成約取引反響経路ごとに、取引の件数と成約の件数、成約率を並べる
経営者担当者別の案内数と成約数取引担当者ごとに、案内・内見の段階に進んだ件数と成約の件数を数える
経営者物件種別の在庫と滞留日数物件ステータスが販売中の物件を物件種別ごとに数え、滞留日数の平均を出す
経営者物件と案件の利益物件、取引物件の想定利益と仲介手数料の合計、取引の粗利を、物件種別と担当者別に合計する
営業担当初回連絡が済んでいない反響取引反響・問い合わせの段階にあり、初回連絡のタスクが完了していない取引を一覧にする
営業担当決済が近い案件取引決済予定日が30日以内の取引を、決済予定日の近い順に並べる
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画像の読み取りとAIエージェント|物件概要書から「物件」を登録し、合う顧客を探す

物件の登録は、ポータルや自社サイトからの反響と違って、手元にある物件概要書を見ながら手で入力する場面が残ります。HubSpotのBreezeアシスタントは画像やPDFを添付でき、概要書を読み取って「物件」のレコードを作れます。デモ環境で、架空の物件概要書の画像を使って試しました。

  1. 物件概要書の画像を添付して依頼するBreezeアシスタントのチャットで、ツールメニューからファイルを追加し、概要書の画像(JPG・PNG・PDF)を添付します。あわせて「物件名・エリア・種別・販売価格・最寄駅は専用の項目に、それ以外は物件メモにまとめる。作成前に内容を見せて確認を取る」と指示します。
  2. 読み取った内容と、項目への振り分けを確認するBreezeは画像の文字を読み取り、物件のプロパティと照らし合わせて「専用プロパティに入れる値」と「物件メモに残す値」を一覧で返します。所在地から「大田区」というエリアを判断し、専用項目のない土地面積や用途地域はメモへ回しました。
  3. 承認すると「物件」のレコードが作られる「その内容で作成してください」と返すと、カスタムオブジェクト「物件」に新しいレコードが作られ、レコードへのリンクが返ります。レコードを開くと、専用項目とメモに値が入っています。
検証に使った架空の物件概要書(新築戸建)。物件名、所在地、交通、販売価格、土地面積、建物面積、間取り、構造・階数、築年月、用途地域、取引態様、引渡しの12項目が表になっている
画面4検証に使った物件概要書の画像。物件名・所在地・価格はすべて架空のもので、実在の物件ではありません。この画像をそのままBreezeアシスタントに添付しました。
Breezeアシスタントの回答。「画像を読み取りました。まだレコードは作成していません」と前置きし、物件名・エリア・種別・販売価格(万円)・最寄駅・徒歩を専用プロパティに入れる表と、所在地・土地面積・建物面積・間取り・構造・築年月・用途地域・取引態様・引渡しを物件メモに保存する一覧を示している
画面5作成前の確認。専用項目に入れる値と、物件メモにまとめる値を分けて提示します。最寄駅と徒歩は既存の「最寄駅・徒歩」という1つの項目にまとめる、という判断もBreezeが行いました。
作成された物件レコードの画面。左のBreezeアシスタントに「カスタムオブジェクト『物件』にサンプルガーデン池上 2号棟を新規作成しました」と表示され、中央のレコードには販売価格6,480、エリア大田区、種別新築戸建、最寄駅・徒歩、物件メモに所在地や面積が入っている。右には「この物件に合うお客様」として候補の顧客が一覧になっている
画面6作成された「物件」のレコード。左がBreezeとのやり取り、中央が専用項目と物件メモです。右の「この物件に合うお客様」は、物件の条件に合う顧客を抽出するカードで、登録した直後から案内先の候補を見られます。

読み取りで注意する点は2つあります。1つは、選択肢型の項目に無い値(この例では「3LDK+S」)を別の選択肢に置き換えず、メモに原文で残すよう指示しておくことです。もう1つは、日付型の項目に「2027年2月完成予定」のような月までの値は入らないため、未設定のままにして人が補う前提にすることです。Breezeアシスタントは対話で確認しながら進める仕組みなので、人が見ずに全件を自動登録する用途には向きません。概要書が大量にある場合は、一覧にしてインポートするか、APIで登録する設計にします。Breezeアシスタントで使える機能は、製品とプラン、ポータルの設定で異なります(HubSpotのナレッジベース)。

AIエージェントで、物件に合う顧客を探して担当者にタスクを渡す

物件が登録されたら、次はその物件を誰に案内するかです。希望エリアと希望の物件種別でリストを作る方法は06で触れましたが、AIエージェントを使うと、顧客ごとの希望条件と物件の条件を突き合わせて候補を並べるところまで任せられます。

デモ環境では、Breezeのエージェント作成機能で「物件×顧客マッチング」のエージェントを組んでいます。動きは次のとおりです。

  • きっかけ
    判断
    動作
  • きっかけ担当者が物件のレコードを指定して実行する
    判断コンタクトの希望エリア・予算・希望の間取り・家族構成と、物件のエリア・価格・間取り・竣工予定を照らし合わせ、顧客ごとに0〜100点のスコアを付ける。エリアは必須一致、予算は110%以内を「やや超過」として扱う
    動作上位5名を「順位・顧客名・スコア・理由」の表で返し、同じ表を物件のノートに保存する。スコアが高い顧客ごとに「【物件提案】物件名 → 顧客名様」のタスクを物件の担当者に作り、顧客と物件の両方に関連付ける
HubSpotの物件レコードに置いたBreezeスタジオエージェントのカード。物件×顧客マッチングエージェントを開発物件「品川区旗の台 3LDK(全4棟)」で実行した結果で、対象物件の情報の下に、順位・顧客名・AIスコア・内訳(エリア+予算+間取り+家族+竣工=合計)・判定・理由の表が並び、山田 明 95点、篠原 美咲 80点、中村 直樹 75点と、作成したノート1件・タスク2件が表示されている
画面7物件のレコードからエージェントを実行した結果。開発物件「旗の台」で、条件の合う3名が点数順に並びました。点数は「エリア+予算+間取り+家族+竣工=合計」の式で示されるため、担当者は順位の理由をその場で確かめられます。80点以上の2名には、物件の担当者宛てに提案のタスクが作られています。

採点の配点は、指示文で次のように固定しています。配点と除外の決まりを決めておくと、実行のたびに順位が揺れず、担当者が変わっても同じ基準で提案先を選べます。

項目配点判定の決まり
エリア30点顧客の希望エリアに物件のエリアが含まれる人だけを候補にする
ご予算最大30点物件価格÷予算の上限が1.00以下なら予算内で30点、1.10以下なら予算やや超過で15点。それを超える顧客は除外する
間取り最大25点希望と同じなら25点、1段違いなら要相談で10点。2段以上違う顧客は除外する
家族構成0〜10点単身・ご夫婦は2LDK〜3LDK、お子様2名以上や3世代同居は4LDK以上で高くする
竣工時期最大5点完成済みの物件は5点。開発物件は入居時期の確認が要るため0点とし、理由に竣工予定日を書く

タスクを作るのは80点以上の上位のお客様だけで、期限は翌営業日です。ノートやタスクの書き込みは、実行した担当者が画面で承認してから行われます。カスタムオブジェクト「物件」では、レコードのレイアウトにエージェントのカードを追加し、物件名かレコードIDを入力して実行する形にしています。

エージェントには、既存のプロパティを書き換えないこと、顧客に直接連絡しないこと、希望条件が未入力の顧客を推測で評価しないことを条件として与えています。実行は担当者の手動にし、自動実行は動作を確かめてから別に設定します。AIエージェントの作成と実行は、Breezeのクレジットと製品のプランに依存します(HubSpotのナレッジベース)。

08

この構成にするメリットと、HubSpotに任せる範囲

物件台帳を表計算ソフトで持ち、顧客とのやり取りを担当者ごとに管理している場合と比べると、違いは「物件と顧客がつながって見えるか」と「利益と滞留を数字で見られるか」に出ます。

物件台帳と顧客の記録が分かれている場合

  • 物件の情報と、その物件に関心を持つ顧客の記録が別の場所にあり、照らし合わせに時間がかかる
  • 担当者が変わると、内見の感触や追客の経緯が引き継がれず、ヒアリングをやり直す
  • 反響の割り当てと初回連絡が担当者任せになり、対応の遅れに気づきにくい
  • 仕入価格・販売価格・仲介手数料が別々の表にあり、物件ごとの利益を出すには集計し直す必要がある

HubSpotでこの構成にした場合

  • 物件のレコードに、売主・買主候補・管理会社と進行中の案件が並ぶ
  • 通話・メール・面談の記録が顧客と物件に残り、担当が変わっても経緯を追える
  • 反響が入った時点で担当者と初回連絡のタスクが決まる
  • 物件の想定利益と取引の粗利、物件種別の滞留日数を、ダッシュボードでいつでも確認できる

HubSpotでできること・別のシステムに任せること

HubSpotで管理する

物件と顧客の関係
物件の条件と価格、売主・買主・オーナー・入居者との関連付け
案件の進捗と期日
売買仲介のパイプライン、内見・契約・決済の日付、失注の理由
反響の割り当てと追客
担当者の割り当て、初回連絡と内見後のタスク、新着物件の案内
利益と在庫の見える化
物件の想定利益、取引の粗利、物件種別の在庫と滞留日数

別のシステムに任せる

不動産ポータルへの物件の掲載
掲載そのものは各ポータルサイトや物件管理の専用システムで行い、HubSpotには反響を取り込む
登記
所有権の移転などの登記は司法書士が行い、HubSpotには決済・引渡しの段階と日付を持たせる
住宅ローンの審査
審査は金融機関が行い、HubSpotには審査の結果と、ローン不成立による失注の理由を記録する
賃貸の家賃管理の会計処理
家賃の入金の管理、オーナーへの送金、会計処理は賃貸管理システムと会計ソフトで行う

賃貸管理では、オーナーと入居者を物件に関連付け、入居者からの問い合わせや修繕の依頼をチケットとして物件に結ぶと、物件ごとの対応履歴がそろいます。オーナーと入居者を両方持つデータモデルの詳細は「賃貸管理をHubSpotで設計する」で扱っています。

09

導入の進め方|StartLinkの5工程に当てはめた要点

  1. 現状の整理・要件定義物件台帳と顧客の管理表、反響の受け方が今どこに、どの粒度で残っているかを棚卸しし、売買仲介の段階、反響の割り当ての規則、利益の計算方法を決めます。
  2. 設計・構築物件のカスタムオブジェクトとプロパティ、関連付けラベル、売買仲介のパイプライン、ボードのカードに出す項目、ワークフローを作ります。取引の名前の付け方もここで決めます。
  3. データ移行顧客をコンタクトとして名寄せし、物件を取り込んでから、進行中の案件を該当する段階の取引として取り込み、物件と顧客に関連付けます。
  4. テスト・検証物件種別の異なる数件の物件で、反響の割り当てから成約までと失注までを動かし、通知とタスク、利益の計算、レポートの件数が合うかを確かめます。
  5. 定着・運用改善朝の反響の確認と週次の営業会議を、ボードとダッシュボードを見ながら行う形に切り替えます。滞留の長い物件と、初回連絡の遅れから運用を直します。
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よくある質問

物件をカスタムオブジェクトにせず、取引や会社で代用できませんか。
物件の数が少なく、1つの物件に1つの案件しか進まないなら、取引のプロパティに物件の情報を持たせる形でも始められます。ただし、同じ物件に複数の買主候補がいる、賃貸でオーナーと入居者を物件に結ぶ、物件ごとの在庫と滞留を数える、といった運用では、物件を独立したオブジェクトにしたほうが情報の重複がなく集計も正確です。
この構成には、どのプランが必要ですか。
カスタムオブジェクトはEnterpriseプランで使える機能です。売買仲介のパイプラインを新しく作るにはStarter以上、ワークフロー・ロールアップ・計算プロパティはProfessional以上のプランが必要で、無料のプランでは新しいパイプラインを作れません。作れるパイプラインの本数やワークフローの対象にできるオブジェクトは製品とプランで異なるため、契約中のプランで確認してから設計します。
不動産ポータルの反響は、HubSpotに自動で取り込めますか。
ポータルサイトから届く反響のメールや、ポータルが用意する連携の仕組みを使って、コンタクトと取引を自動で作る形にできます。使える方法はポータルサイトごとに異なるため、要件定義の段階で、取り込む項目と、取り込んだあとの担当者の割り当ての規則を決めます。
賃貸管理の業務も、この構成で扱えますか。
オーナーと入居者の連絡の履歴、物件ごとの問い合わせや修繕の依頼の管理は扱えます。入居者からの依頼をチケットにして物件に関連付けると、物件ごとの対応状況が一覧で見えます。家賃の入金の管理やオーナーへの送金、会計処理は、賃貸管理の専用システムと会計ソフトに任せます。
すでに表計算ソフトにある物件台帳と顧客の一覧は移行できますか。
できます。先に顧客をコンタクトとして名寄せし、物件をカスタムオブジェクトに取り込んだうえで、進行中の案件を取引として該当する段階に取り込み、物件と顧客に関連付けます。移行後の物件の数、顧客の数、段階ごとの案件の件数の照合までを1つの工程として行います。
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まとめ|最初の一歩は、販売中の物件と進行中の案件をつなげてみること

不動産会社のHubSpotは、物件をカスタムオブジェクトで持ち、売買仲介の案件を取引のパイプラインで進め、顧客と物件と案件を関連付ける構成が土台です。仕入価格と仲介手数料を物件と取引に持たせると利益が見え、反響の割り当てと期日の通知で初動と決済の見落としが起きにくくなります。

はじめから全物件と全顧客を移す必要はありません。販売中の物件の一部と、それに関わる進行中の案件だけを取り込み、物件のレコードから顧客と案件がたどれるかを確かめるところから始めると進めやすくなります。

物件と顧客の管理の仕方に合わせた構成を、一緒に設計します。

物件の持ち方、パイプラインの段階の区切り方、利益の計算方法は、扱う物件の種別と売買・賃貸の比重で変わります。StartLinkはHubSpotのゴールドパートナーとして、要件定義から構築・データ移行・定着まで一貫して支援します。

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著者情報

7-1

今枝 / Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。