「営業の日程調整に何往復もメールが必要で、対応が遅れてしまう」「チーム全体のスケジュールを把握できず、ダブルブッキングが起きてしまう」——こうした課題は、BtoB営業の現場でよくあるお悩みかなと思います。
HubSpotのミーティングリンク(日程調整ツール)とは、自分やチームの空き時間をウェブ上で共有し、相手がワンクリックで日程を予約できるスケジューリング機能です。Googleカレンダー・Office 365と自動同期し、予約されたミーティングはCRMのコンタクトレコードに自動記録されます。さらに、複数メンバーへの自動割り振り(ラウンドロビン)やグループミーティングにも対応しています。
この記事では、HubSpotミーティングリンクの基本設定からラウンドロビンの活用、CRM連携のメリットまで、実務に即した形で解説します。
HubSpotのミーティングリンクとは、営業担当者やカスタマーサクセス担当者の空き時間をウェブページとして公開し、相手が自分の都合に合わせて日程を予約できるオンラインスケジューリングツールです。
従来の日程調整は「いくつか候補日を送る→相手が返信→調整→確定」という何往復ものやり取りが必要でした。ミーティングリンクを使えば、このプロセスをリンク1つに集約できます。
ここが結構ミソになってくるのですが、HubSpotのミーティングリンクはCRMと直接連携している点です。予約されたミーティングは自動的にコンタクトレコードのアクティビティとして記録され、いつ・誰が・どのミーティングを予約したかがCRM上で一元管理されます。
外部の日程調整ツール(Calendlyなど)を使っている場合、「日程は調整できたけど、CRMへの記録は手動」という状態になりがちです。HubSpotのミーティングリンクなら、日程調整からCRM記録までが自動で完結します。
HubSpotでは、用途に応じて3種類のミーティングリンクを作成できます。
| タイプ | 概要 | 利用シーン |
|---|---|---|
| 1対1(個人) | 1人の担当者の空き時間を表示 | 個別の営業商談、カスタマーサクセスの定例ミーティング |
| グループ | 複数メンバー全員が空いている時間のみ表示 | 営業マネージャー同席の重要商談、技術者を含むデモミーティング |
| ラウンドロビン | 複数メンバーのうち誰か1人が空いていれば表示 | インバウンドリードへの初回対応、問い合わせ対応の自動割り振り |
ラウンドロビンは、インバウンドのリード対応で特に効果を発揮します。例えば、ウェブサイトの問い合わせフォームから「相談したい」というリクエストが入った際に、チーム内の空いているメンバーに自動で割り振られます。
具体的には、コンタクトが予約画面を開くと、選択されたチームメンバー全員の個別の空き状況が統合されて表示されます。コンタクトが時間帯を選択すると、その時間に空きがあるメンバーの中からミーティングが自動的に割り当てられます。
ミーティングリンクを使う前に、まずカレンダーの接続が必要です。
カレンダーを接続すると、既存の予定がHubSpotに反映され、ミーティングリンクで空き時間が自動的に計算されます。ダブルブッキングを防ぐためにも、この接続は必須です。
| 設定項目 | 説明 | 設定のポイント |
|---|---|---|
| ミーティング名 | 予約画面に表示される名前 | 「〇〇のご相談(30分)」など具体的に |
| 所要時間 | ミーティングの長さ | 15分 / 30分 / 60分など選択可能 |
| 場所 | オンライン or オフライン | Zoom / Google Meet / Microsoft Teams連携可能 |
| 説明 | ミーティングの概要説明 | 予約者に期待値を設定するために記載 |
予約時にコンタクトに入力してもらう項目をカスタマイズできます。
ここで取得した情報はCRMのコンタクトレコードに自動で反映されます。フォーム項目を適切に設計しておくと、ミーティング前に相手の情報を把握でき、事前準備がしやすくなります。
予約完了後の確認メールと、ミーティング前のリマインダーメールを設定できます。リマインダーは「24時間前」「1時間前」などのタイミングで送信でき、ノーショー(無断欠席)の防止に効果的です。
ラウンドロビン型のミーティングリンクを作成する際は、対象となるチームメンバーを選択します。
ラウンドロビンでは、コンタクトが選択した時間帯に空きがあるメンバーに自動で割り当てられます。複数メンバーが空いている場合は、均等に割り振られるようにバランスが調整されます。
既存コンタクトからの予約の場合、CRMに登録されている「コンタクト担当者(HubSpotオーナー)」を優先的に割り当てる設定も可能です。これにより、既存顧客は担当者と直接ミーティングが予約でき、顧客体験が向上します。
ミーティングリンクは、自社ウェブサイトやランディングページに埋め込みコードとして設置できます。「無料相談を予約する」ボタンからそのまま日程調整に進めるため、コンバージョン率の向上が期待できます。
営業メールの署名にミーティングリンクを入れておくと、相手が興味を持った際にすぐに予約できます。シーケンス(営業メール自動配信)の最終メールに日程調整リンクを入れるのも効果的です。
問い合わせフォームの送信完了後に、ミーティング予約ページにリダイレクトさせる設定が可能です。「お問い合わせありがとうございます。よろしければこのまま相談日程をお選びください」という流れを作ることで、リードから商談への転換率が上がります。
HubSpotのチャットボットでリードの情報を取得した後、ミーティング予約画面に誘導することも可能です。チャットの会話フローの中に「ミーティングを予約する」アクションを組み込めます。
ミーティングが予約されると、以下の処理が自動で行われます。
ミーティング予約をトリガーにしたワークフローを組むことで、以下のような自動化が実現できます。
ミーティングの予約数・実施数をレポートで集計し、以下のような分析が可能です。
| 機能 | 無料プラン | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 1対1ミーティングリンク | 1件 | 1,000件 | 1,000件 | 1,000件 |
| グループミーティング | - | 対応 | 対応 | 対応 |
| ラウンドロビン | - | 対応 | 対応 | 対応 |
| カスタムフォーム項目 | - | 対応 | 対応 | 対応 |
無料プランでは1件のミーティングリンクしか作成できないため、複数の用途で使いたい場合やラウンドロビンを利用したい場合は、Sales Hub StarterまたはService Hub Starterへのアップグレードが必要です。Starterプランは月額1,800円(1シート)からなので、コストパフォーマンスはかなり高いかなと思います。
HubSpotのミーティングリンクは、日程調整という営業現場の手間を大幅に削減し、CRMとの自動連携によってデータの一元管理を実現する機能です。
まずは1対1のミーティングリンクを作成し、メール署名やウェブサイトに設置するところから始めてみてください。チームでの運用が必要になったら、ラウンドロビンを活用してインバウンドリードの対応を自動化していくと、営業プロセス全体の効率が大きく向上します。CRMにミーティングデータが蓄積されるほど、商談化率の分析や営業活動の可視化が精緻になっていきます。
はい、GoogleカレンダーとOffice 365(Outlook)の両方に対応しています。カレンダーを接続すると、既存の予定が自動的に反映され、空き時間が正確に計算されます。チーム内でGoogleとOutlookが混在していても問題なく利用できます。
はい、既存コンタクトからの予約の場合、CRMに登録されている「コンタクト担当者(HubSpotオーナー)」を優先的に割り当てる設定が可能です。新規コンタクトの場合は、空いているメンバーに均等に割り振られます。
はい、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsと連携できます。連携設定を行うと、ミーティングが予約された際に自動でオンラインミーティングのURLが生成され、確認メールに含まれます。別途ミーティングURLを発行・共有する手間がなくなります。
はい、無料プランでも1件のミーティングリンク(1対1タイプ)を作成できます。ただし、グループミーティング・ラウンドロビン・複数リンクの作成にはStarterプラン以上が必要です。月額1,800円からのStarterプランでこれらの機能が使えるようになるため、チームでの利用を検討されている場合はアップグレードをお勧めします。