「CRMと会計ソフトのデータを手動で同期している」「HubSpotに取り込んだデータの品質が悪く、レポートが信頼できない」「ワークフローだけでは対応できない複雑な自動化がしたい」——こうしたデータ管理の課題を解決するのが、HubSpot Data Hub(現: Data Hub)です。
「CRMと会計ソフトのデータを手動で同期している」「HubSpotに取り込んだデータの品質が悪く、レポートが信頼できない」「ワークフローだけでは対応できない複雑な自動化がしたい」——こうしたデータ管理の課題を解決するのが、HubSpot Data Hub(現: Data Hub)です。
HubSpot Data Hub(Data Hub)とは、外部システムとのデータ同期、データ品質管理、プログラマブルな自動化、高度なレポーティングを実現するHubSpotの製品ラインです。 CRMデータを「正確に」「一元的に」「リアルタイムに」管理するためのデータ基盤として、営業・マーケティング・カスタマーサクセスすべての部門のデータ活用を支えます。
この記事では、以下のポイントを解説します。
- Data Hub(Data Hub)の基本概念と位置づけ
- データ同期(Data Sync)の仕組みと設定方法
CRMのデータ品質や外部システム連携に課題を感じているIT管理者・CRM運用担当者の方に向けた内容です。
本記事は「AI × CRMで企業価値を上げる設計思想|経営者が知るべきAI CRM戦略」シリーズの一部です。 この分野の体系的な情報はHubSpot機能ガイドでまとめている。
本記事はStartLinkの「AI活用完全ガイド」関連記事です。
この記事でわかること
- Data Hub(旧Data Hub)の基本概念とHubSpot全体における位置づけ — Marketing/Sales/Service/Content Hubとの関係性と、データ基盤としてのData Hubの役割を整理します
- データ同期(Data Sync)の仕組みと設定方法 — 外部システム(会計ソフト・ERP等)とHubSpot間のデータ同期の設定手順と、双方向・一方向同期の使い分けを解説します
- データ品質管理(Data Quality)機能の活用 — 重複レコードの検出・統合、データフォーマットの自動修正など、CRMデータの品質を維持するための機能を紹介します
- プログラマブル自動化とData Studioによる高度なレポーティング — カスタムコードアクションで実現する複雑な自動化と、Data Studioを使った高度なレポート作成方法を解説します
Data Hub(Data Hub)とは
名称変更の経緯
HubSpotは「Data Hub」を「Data Hub」にリブランドしました。これは、単なる「オペレーション自動化」から「データ基盤」へと役割が拡大したことを反映しています。ただし、日本では引き続き「Data Hub」の名称で検索されることが多いため、本記事では両方の名称で解説します。
HubSpot全体における位置づけ
| Hub |
役割 |
| Marketing Hub |
リード獲得・ナーチャリング・MA |
| Sales Hub |
営業管理・パイプライン・SFA |
| Service Hub |
カスタマーサポート・サクセス |
| Content Hub |
Webサイト・ブログ・CMS |
| Data Hub(Data Hub) |
データ同期・品質管理・自動化基盤 |
Data Hub(Data Hub)は、他の4つのHubが正しく機能するためのデータ基盤として位置づけられます。CRMのデータが正確でなければ、レポートもワークフローも信頼できません。そのデータの正確性と一元性を担保するのがこのHubの役割です。
主要機能1: データ同期(Data Sync)

データ同期とは
Data Syncは、HubSpotと外部アプリケーション間でデータを双方向または一方向にリアルタイム同期する機能です。100以上のアプリとの連携が可能で、ノーコードで設定できます。
対応アプリの例
| カテゴリ |
アプリ例 |
| CRM/SFA |
Salesforce、Microsoft Dynamics、Zoho CRM |
| 会計 |
QuickBooks、Xero、NetSuite |
| Eコマース |
Shopify、WooCommerce |
| ヘルプデスク |
Zendesk、Freshdesk |
| データベース |
Google Sheets、Airtable |
| その他 |
Mailchimp、ActiveCampaign |
同期の仕組み
データ同期には以下の3つのモードがあります。
| モード |
動作 |
使用シーン |
| 双方向同期 |
両方のシステムの変更がリアルタイムに反映 |
CRMとCRMの併用 |
| HubSpot→外部 |
HubSpotの変更が外部に反映 |
HubSpotをマスターにする場合 |
| 外部→HubSpot |
外部の変更がHubSpotに反映 |
外部システムをマスターにする場合 |
設定手順
- HubSpotの設定画面で「連携」→「接続されたアプリ」に移動
- フィールドマッピング(どのプロパティを同期するか)を設定
- フィルター条件(どのレコードを同期対象にするか)を設定
スプレッドシートとかでやっぱり管理していて、情報が分散するという課題がある場合、Data Syncを使えば全部HubSpotに入っている状態を作れるので、過去のやり取りなどが一覧で確認できるようになります。
主要機能2: データ品質管理(Data Quality)

データ品質の重要性
CRMのデータが汚れていると、すべてのマーケティング・営業活動に悪影響が出ます。
- 表記揺れ(株式会社/(株)/㈱)によるレポートの不正確さ
- 古い情報(退職済みコンタクト等)によるバウンス率の上昇
Data Quality機能の概要
| 機能 |
内容 |
| 重複検出・マージ |
重複コンタクト/会社を自動検出し、マージを提案 |
| フォーマットの自動修正 |
電話番号、日付、氏名のフォーマットを自動統一 |
| データ異常アラート |
データ品質の低下を検知して通知 |
| プロパティの利用分析 |
使用率の低いプロパティを特定 |
請求先メールのプロパティが0.91%しか使われていないなら、それはおそらく使っていないプロパティです。こうしたフィルレート分析で不要なプロパティを発見し、項目をスリム化することがデータ品質向上の第一歩です。
よくあるSFAのあるあるで全然使っていない項目が大量にあったりしますが、項目が少ない方が集中できるので、不要プロパティの整理は重要です。
主要機能3: プログラマブル自動化

カスタムコードアクション
Data Hub Professionalプラン以上で利用できる「カスタムコードアクション」は、ワークフロー内でJavaScript(Node.js)またはPythonのコードを実行できる機能です。
活用例
| ユースケース |
内容 |
| 請求書の自動分割 |
受注時に12ヶ月分の請求レコードを自動作成 |
| 外部API連携 |
会計ソフトやERPのAPIを直接呼び出し |
| 複雑なデータ変換 |
住所の正規化、金額の通貨変換 |
| AI連携 |
外部のLLM APIを呼び出してデータを分類・要約 |
| 条件分岐の拡張 |
標準のIF/THENでは対応できない複雑なロジック |
取引が「請求書発行」ステージに移行したタイミングでカスタムコード(NodeJS/Python)を実行し、12ヶ月分の請求レコードを自動分割作成するような処理が可能です。
Webhookアクション
外部のWebhookエンドポイントにデータを送信する機能で、HubSpot外のシステムにリアルタイムでイベントを通知できます。
主要機能4: Data Studio(高度なレポーティング)
Data Studioとは
Data Studioは、HubSpotの内部データと外部データソース(Google Sheets、Snowflakeなど)を組み合わせた高度なレポーティングを実現する機能です。
主な機能
- 外部データの取り込み: Google Sheets、Snowflake、その他のデータソースと接続
- データセットの作成: 内部・外部データを組み合わせたカスタムデータセット
- AIによるデータ変換: データのクレンジング・変換をAIが支援
- 高度なレポート作成: 複数データソースを横断したレポート
プラン別機能比較
| 機能 |
Free |
Starter |
Professional |
Enterprise |
| データ同期(基本) |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
| カスタムフィールドマッピング |
- |
対応 |
対応 |
対応 |
| データ品質ツール |
一部 |
一部 |
対応 |
対応 |
| カスタムコードアクション |
- |
- |
対応 |
対応 |
| Webhook |
- |
- |
対応 |
対応 |
| Data Studio |
- |
- |
- |
対応 |
| カスタムオブジェクト |
- |
- |
- |
対応 |
| 高度な権限設定 |
- |
- |
- |
対応 |
プランアップグレードの判断ポイント
結構クライアント様でも判断のポイントになるのが、ワークフローとカスタムレポートの2つです。この2つが必要になったタイミングで、基本的にはProfessionalをご検討いただくケースが多いかなと思います。
特にData Hub(Data Hub)のProfessionalプランを検討すべきタイミングは以下の通りです。
何らかのHubのProfessionalを一つでも購入いただければワークフローの機能が使えるという点もポイントです。
導入ステップ
Phase 1: データ同期の基盤構築
- 現在使用しているツールとHubSpot間のデータフローを整理
Phase 2: データ品質の改善
Phase 3: 自動化の拡張
- Webhook連携で外部システムとのリアルタイム連携
- Data Studioで外部データを含む統合レポートを構築
注意点
1. 同期の競合に注意
双方向同期を設定する場合、両方のシステムで同じレコードが同時に更新されると「競合」が発生します。「最新の更新を優先する」「HubSpotを優先する」などの競合解決ルールを事前に設定してください。
2. カスタムコードの運用コスト
カスタムコードアクションは強力ですが、コードのメンテナンスやデバッグにはエンジニアリングリソースが必要です。シンプルな自動化はワークフローの標準機能で対応し、それでは対応できない場合にカスタムコードを使うという切り分けが重要です。
3. データ同期の実行タイミング
Data Syncはリアルタイム同期ですが、大量のデータを初回同期する場合は時間がかかることがあります。初回同期はオフピーク時に実行することを推奨します。
まとめ
属人化を防ぎ、チーム全体で再現可能な仕組みとして標準化することが成功の鍵です。
自社の業務フローや要件に応じて、段階的にカスタマイズしていくことをおすすめします。
HubSpot Data Hub(Data Hub)は、CRMデータの正確性・一元性・活用度を向上させるためのデータ基盤です。
- Data Syncで外部システムとのデータ同期を自動化
- Data Quality機能でCRMデータの品質を維持
- Data Studioで外部データを含む統合レポートを作成
まずはData Syncで主要アプリとの同期を設定し、段階的にデータ品質管理やプログラマブル自動化を導入していきましょう。CRMのデータ品質が向上するほど、レポートの信頼性が上がり、データドリブンな経営判断が可能になります。
あわせて、HubSpotリードスコアリング設定ガイド、HubSpotのEメール配信を完全攻略、HubSpotフォーム作成完全ガイドなども参考にしていただければと思います。
よくある質問(FAQ)
Q. Data HubとData Hubの違いは何ですか?
Data Hubが「Data Hub」にリブランドされました。基本的な機能は同一ですが、データ基盤としての位置づけが強化され、Data Studio(外部データ統合レポート)やAIデータ変換などの新機能が追加されています。
Q. Data Syncは無料プランでも使えますか?
はい、Data Syncの基本機能は無料プランでも利用可能です。ただし、カスタムフィールドマッピングや高度なフィルター設定にはStarterプラン以上が必要です。
Q. カスタムコードアクションにはどの言語が使えますか?
JavaScript(Node.js)とPythonの2言語に対応しています。Data Hub(Data Hub)Professionalプラン以上で利用可能です。実行時間やメモリには制限があるため、大量データ処理には注意が必要です。
Q. SalesforceのデータをHubSpotに同期できますか?
はい、Data Syncの対応アプリにSalesforceが含まれており、双方向または一方向のデータ同期が設定可能です。Salesforceを使っているけどHubSpotのMAを導入したいという場合、データの連携はしっかりできるので、MAとSFAを切り分けて運用することも可能です。
Q. Data Hub(Data Hub)は単独で契約できますか?
はい、他のHub(Marketing Hub、Sales Hub等)とは独立して契約可能です。ただし、Data Hubの価値を最大限に活用するには、他のHubと組み合わせて利用することをおすすめします。
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