CDPとCRMの違いと連携設計|顧客データ基盤の使い分けと統合方法

  • 2026年4月13日
  • 最終更新: 2026年4月25日
この記事の結論

CDPとCRMの違いと連携設計|顧客データ基盤の使い分けと統合方法について、実際の導入・運用で重要なポイントと、企業が直面する課題への実践的な解決策を、HubSpotパートナーの視点から解説します。

ブログ目次

記事の内容を、そのまま実務に落とし込みたい方向け

HubSpot導入、AI活用、CRM整備、業務効率化までをまとめて支援しています。記事で気になったテーマを、そのまま相談ベースで整理できます。


CDPとCRMの違いと連携設計|顧客データ基盤の使い分けと統合方法について、実際の導入・運用で重要なポイントと、企業が直面する課題への実践的な解決策を、HubSpotパートナーの視点から解説します。

「HubSpotと他のツールをつなげたいけれど、API開発のリソースがない」「手作業でデータを転記するのに毎日時間を取られている」——こうした課題は、iPaaSツールを使ったノーコード自動化で解決できます。

iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、異なるクラウドサービス同士をノーコードで連携させるプラットフォームです。 HubSpotをZapier・Make(旧Integromat)・Yoomなどと組み合わせることで、CRMデータの同期、通知の自動化、外部ツールへのデータ連携を、プログラミングなしで実現できます。

この記事では、以下のポイントを解説します。

  • iPaaSの基本概念とHubSpot連携における役割
  • Zapier・Make・Yoomの比較と選び方
  • 実務で使えるHubSpot×iPaaS連携パターン10選
  • 設定手順の具体例
  • 運用時の注意点とベストプラクティス

本記事は「AI × CRMで企業価値を上げる設計思想|経営者が知るべきAI CRM戦略」シリーズの一部です。


iPaaSとは?HubSpot連携における役割

iPaaSの基本概念

iPaaSとは、複数のSaaS/クラウドサービスをAPI経由で接続し、データの同期やアクションの自動化を実現するプラットフォームです。「トリガー(きっかけ)」と「アクション(処理)」を組み合わせて、ノーコードで自動化フローを構築できます。

なぜHubSpotにiPaaSが必要なのか

HubSpotには公式のアプリマーケットプレイスに1,700以上の連携アプリが用意されていますが、以下のようなケースではiPaaSが必要になります。

  • 公式連携アプリが存在しないツールとの連携
  • 公式連携では実現できない複雑な条件分岐や変換処理
  • 日本固有のSaaS(Kintone、チャットワーク、クラウドサインなど)との連携
  • 複数のツールをまたいだ多段階の自動化フロー

HubSpotと直でNotionやKintoneをつなげられない場合でも、iPaaSを使うことで連携が結構円滑にできたりします。


Zapier・Make・Yoom — 3大iPaaSの比較

選び方のポイント

企業様によって最適なiPaaSは異なりますが、以下の基準で選択いただくのがおすすめです。

  • グローバルSaaSとの連携が中心: Zapierが最も対応範囲が広い
  • 複雑な条件分岐やデータ変換が必要: Makeのビジュアルエディターが強い
  • 日本のSaaS(Kintone、チャットワーク、クラウドサイン等)との連携: Yoomが日系SaaSに強い
  • IT部門がない/ノーコード前提: Yoomの日本語UIが取っつきやすい

HubSpot×iPaaS 実践連携パターン10選

パターン1: HubSpotフォーム送信 → Googleスプレッドシートに記録

トリガー: HubSpotで新しいフォーム送信

アクション: Googleスプレッドシートに行を追加

リード情報のバックアップや、スプレッドシートベースの社内共有が必要な場合に便利です。

パターン2: HubSpot新規コンタクト → チャットワーク/Slack通知

トリガー: HubSpotで新しいコンタクト作成

アクション: チャットワークまたはSlackに通知メッセージ送信

営業チームへの即時通知で、リードへの初回対応スピードを向上させます。

パターン3: HubSpot取引ステージ変更 → 請求書自動作成

トリガー: HubSpotの取引が「受注」ステージに移行

アクション: freee/マネーフォワードで請求書を自動作成

営業が受注処理をHubSpotで完了させれば、自動的に経理側の処理が開始されます。HubSpotを1個の業務アプリケーションとして会計まで繋がるので、販売管理システムのような形で使っていただくことも可能です。

パターン4: Webフォーム(Typeform/Googleフォーム) → HubSpotコンタクト作成

トリガー: 外部フォームで回答送信

アクション: HubSpotにコンタクトを作成/更新

HubSpotフォーム以外のフォームツールを使っている場合でも、リードデータをCRMに自動集約できます。

パターン5: HubSpotコンタクト更新 → Kintoneレコード同期

トリガー: HubSpotのコンタクトプロパティ更新

アクション: Kintoneのレコードを作成/更新

基幹システムとしてKintoneを使いつつ、営業管理はHubSpotという企業での活用パターンです。

パターン6: カレンダー予約 → HubSpotミーティング作成 + Zoom会議作成

トリガー: Calendlyで新しい予約

アクション: HubSpotにミーティングを記録 + Zoomミーティングリンクを生成

パターン7: メールマガジン登録 → HubSpotリスト追加 + ウェルカムメール

トリガー: Mailchimpで新しい購読者

アクション: HubSpotのリストに追加 + ワークフロートリガー

パターン8: ECサイト注文 → HubSpot取引作成

トリガー: Shopify/BASEで新しい注文

アクション: HubSpotに取引レコードを作成

BtoCのEC事業でも、CRMでの顧客管理を自動化できます。

パターン9: HubSpotチケット作成 → Notion/Asanaタスク作成

トリガー: HubSpotで新しいチケット作成

アクション: Notion/Asanaにタスクを自動作成

カスタマーサポートチームがNotionやAsanaでタスク管理している場合の連携パターンです。

パターン10: 定期実行 → HubSpotレポートデータ → Googleスプレッドシート

トリガー: スケジュール(毎日/毎週)

アクション: HubSpotからデータ取得 → スプレッドシートに追記

定期的なレポーティングの自動化に活用できます。


Zapierでの設定手順(具体例)

例: HubSpotフォーム送信→Slack通知

ステップ1: Zapierアカウント作成・ログイン

Zapier(zapier.com)にアカウントを作成し、ログインします。

ステップ2: 新しいZapを作成

「Create Zap」をクリックし、トリガーアプリとして「HubSpot」を選択します。

ステップ3: トリガー設定

  • トリガーイベント: 「New Form Submission」を選択
  • HubSpotアカウントを接続
  • 対象のフォームを選択

ステップ4: アクション設定

  • アクションアプリ: 「Slack」を選択
  • アクションイベント: 「Send Channel Message」を選択
  • Slackワークスペースを接続
  • 通知先チャネルとメッセージテンプレートを設定

ステップ5: テスト・有効化

テストを実行して動作を確認し、問題なければZapを有効化します。


運用時の注意点

出典: HubSpot Developers (developers.hubspot.com)

1. タスク数・実行回数の管理

Zapier・Makeともに、プランごとに月間の実行回数(タスク/オペレーション)に上限があります。大量のトリガーが発火するフローを構築する場合は、実行回数を事前に見積もっておくことが重要です。

2. エラーハンドリング

iPaaSの自動化フローは、API制限やデータ不整合などでエラーが発生することがあります。エラー通知を設定し、定期的にフローの実行ログを確認する運用を推奨します。

3. HubSpotワークフローとの使い分け

HubSpot内で完結する自動化(ステージ変更→通知、スコアリング→リスト追加など)は、iPaaSを使わずHubSpotのワークフロー機能で実装した方が安定します。iPaaSは「HubSpotの外のツール」との連携に使うのが基本的な使い分けです。

毎回ワークフローで処理していると、ワークフローがうまく動作しなかったりワークフローの数がものすごい増えてしまったりすることがあります。HubSpot内で完結する処理は計算プロパティやワークフローを活用し、外部連携が必要な場合にiPaaSを使うという切り分けが結構ミソになってきます。

4. セキュリティへの配慮

iPaaS経由でCRMデータを外部ツールに連携する際は、個人情報の取り扱いに注意が必要です。連携先ツールのセキュリティ体制と、データの保存場所・保持期間を確認しましょう。

BtoBマーケティングの全体像はBtoBマーケティング完全ガイドで体系的にまとめています。また、このテーマのカテゴリ全体はCRM基礎・導入で網羅しています。

📚 参考リンク


まとめ

HubSpotとiPaaS(Zapier/Make/Yoom)を組み合わせることで、プログラミングなしで幅広い外部ツールとの連携が実現できます。

  • Zapierはグローバルで8,000以上のアプリに対応し、シンプルな連携に強い
  • Makeはビジュアルエディターで複雑なフロー設計が可能
  • Yoomは日系SaaS(Kintone、チャットワーク等)との連携に強い

まずは1つのシンプルな連携パターン(例: フォーム送信→Slack通知)から始めて、段階的に自動化の範囲を広げていくのがおすすめです。自動化が進むほどデータの手動転記が減り、チームはより付加価値の高い業務に集中できるようになります。


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よくある質問(FAQ)

Q. HubSpotの標準連携とiPaaSの違いは何ですか?

HubSpotのアプリマーケットプレイスにある標準連携は、特定ツールとの定型的な連携を簡単に設定できます。一方、iPaaSは「条件分岐」「データ変換」「複数ステップの自動化」など、より柔軟なカスタマイズが可能です。標準連携で対応できない場合にiPaaSを検討するのがおすすめです。

Q. Zapier・Make・Yoomのどれを選べばよいですか?

グローバルSaaSとの連携が中心ならZapier、複雑なフロー設計が必要ならMake、日本のSaaS(Kintone、チャットワーク、freee等)との連携ならYoomが適しています。まずは無料プランで試していただいて、本格的に使おうとなったら有料プランに広げていただく形がいいのではないかなと思います。

Q. iPaaS連携でHubSpotのワークフロー(Professionalプラン)は不要になりますか?

いいえ、iPaaSとHubSpotのワークフローは役割が異なります。HubSpot内の自動化(ライフサイクルステージ変更、社内通知、メール配信など)はワークフローで実装し、外部ツールとのデータ連携にはiPaaSを使うのが推奨です。両方を組み合わせることで、より強力な自動化基盤を構築できます。

Q. iPaaSの月額コストはどのくらいですか?

Zapierは月$19.99(Starterプラン、月750タスク)から、Makeは月$9(Coreプラン、月10,000オペレーション)から利用可能です。Yoomは日本語対応で無料プランもあります。自動化するフローの数と実行頻度によってコストが変わるため、まずは無料プランで試し、必要に応じてアップグレードするのがおすすめです。


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。