Kintoneのプリントクリエイター等で作り込んだ見積書・請求書フォーマットは、HubSpotの「プロジェクト開発」機能(UI拡張)を使えば、CRMカードから直接PDFとして再現できます。 標準の見積もり機能では対応しきれない自由なレイアウトも、開発によって作り込むことが可能です。ただし、日本語PDFの生成には固有の実装ノウハウが必要で、ここでつまずくケースが少なくありません。
Kintoneのプリントクリエイター等で作り込んだ見積書・請求書フォーマットは、HubSpotの「プロジェクト開発」機能(UI拡張)を使えば、CRMカードから直接PDFとして再現できます。 標準の見積もり機能では対応しきれない自由なレイアウトも、開発によって作り込むことが可能です。ただし、日本語PDFの生成には固有の実装ノウハウが必要で、ここでつまずくケースが少なくありません。
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HubSpotゴールドパートナーのStartLinkが、HubSpot導入・AI活用・CRM整備・業務効率化までをまとめて支援しています。記事で気になったテーマを、そのまま相談ベースで整理できます。
Kintoneのプリントクリエイター等で作り込んだ見積書・請求書フォーマットは、HubSpotの「プロジェクト開発」機能(UI拡張)を使えば、CRMカードから直接PDFとして再現できます。 標準の見積もり機能では対応しきれない自由なレイアウトも、開発によって作り込むことが可能です。ただし、日本語PDFの生成には固有の実装ノウハウが必要で、ここでつまずくケースが少なくありません。
「kintoneのプリントクリエイターで何年もかけて作り込んだ見積書・請求書のフォーマットがある。角印の位置、明細欄のレイアウト、備考欄の定型文——これを手放してまでCRMを乗り換える価値があるのか」——kintoneからHubSpotへの移行を検討する企業様から、こうした声をよく聞きます。
データの移行よりも、「今と同じ見た目の帳票が出せなくなるのでは」という不安のほうが、移行の意思決定を鈍らせる要因になっているケースを実務でよく見かけます。実はこの不安は、正しい実装方法さえ理解していれば解消できるものです。
本記事では、なぜkintoneの帳票が移行のボトルネックになるのか、HubSpotのプロジェクト開発機能でどう解決するのか、そして実装時に直面する日本語PDF生成の落とし穴を、StartLinkの開発知見に基づいて解説します。kintoneとHubSpotの連携設計全体については「kintone × HubSpot連携ガイド」もあわせてご覧ください。
Kintoneの帳票を維持したまま移行できるか判断したい、開発担当者・情報システム部門の方に特に参考になる内容です。

kintoneでは「プリントクリエイター」をはじめとする帳票プラグインを使い、自社の見積書・請求書・納品書フォーマットを作り込んでいる企業様が多くいらっしゃいます。角印の位置、ヘッダーのロゴ配置、明細欄の列構成、備考欄の定型文——これらは一度作り込むと、営業担当者が日々の業務で当たり前に使うようになり、社内標準として定着します。
この「作り込んだフォーマット」の存在が、CRM移行の意思決定を鈍らせる大きな要因になっています。移行プロジェクトを進める中で、データ移行の設計はある程度目処が立っても、帳票の見た目だけは最後まで方針が決まらない、という状況になりがちです。
HubSpotには標準で見積もり作成機能が備わっており、取引の商品項目(Line Item)から見積書を生成できます。多くの企業様にはこの標準機能で十分ですが、以下のようなケースでは対応が難しくなります。
こうしたケースでは、標準機能をそのまま使うのではなく、HubSpotの開発機能を使って自社専用の帳票出力の仕組みを構築するという選択肢が出てきます。
| 要件 | kintone帳票プラグイン | HubSpot標準見積もり機能 | UI拡張によるカスタムPDF |
|---|---|---|---|
| 自由なレイアウト設計 | 対応 | 制限あり(テンプレート範囲内) | 対応 |
| 角印・ロゴの厳密な位置指定 | 対応 | 制限あり | 対応 |
| 複雑な明細・小計構成 | 対応 | 一部対応 | 対応 |
| CRMデータとの自動連携 | 別システムのため手動連携が必要 | 標準で連携済み | 標準で連携済み |
| 導入・保守の手間 | プラグイン設定のみ | 設定のみ(開発不要) | 開発・保守体制が必要 |

HubSpotの「プロジェクト開発」(UI拡張、UI Extensions)とは、Reactベースのコードでレコード画面に独自のCRMカードを追加し、CRMデータと連動した独自機能を組み込める開発の仕組みです。取引・会社・コンタクトなど各レコードの画面に、標準機能にはないボタンや表示を追加できます。
HubSpot ゴールドパートナーが開発・提供
StartLinkはHubSpotゴールドパートナーとして、このプロジェクト開発(UI拡張)の仕組みを使ったHubSpotアプリ「Sync for freee」「Sync for Notion」「Sync for Money Forward」を自社開発しています。CRMカードからの外部連携・帳票出力の実装ノウハウを、開発会社としての立場から蓄積している点が、この分野の解説における強みです。
CRMカードから帳票PDFを出力する仕組みは、大きく3つの要素で構成されます。
取引レコードの画面に表示されるReact製のカード。「見積書を発行」のようなボタンを配置します。
ボタン押下時に呼び出される処理。取引・商品項目のデータをHubSpot APIから取得し、PDF生成ロジックを実行します。
サーバーレス関数内で、取得したデータを指定レイアウトのPDFファイルとして描画します。
この3要素がセットで動くことで、「CRMカードのボタンを押すと、その場で自社フォーマットのPDFがダウンロードできる」という体験を実現します。
帳票の元データは、取引に紐づく商品項目(Line Item)です。品目名・数量・単価・金額といった明細情報に加え、取引プロパティ(宛先の会社名・担当者名・発行日など)を組み合わせて、PDFのテンプレートに流し込みます。
ここで重要なのは、「HubSpot上で運用しているデータ構造は変えずに、出力の見た目だけを自社仕様にする」という考え方です。商品項目の入力ルールやプロパティ設計自体は標準的なCRM運用のままにしておき、PDF生成のロジック側で表示上の体裁を整える設計にすると、後々の保守がしやすくなります。

サーバーレス関数上でPDFを生成する際によく使われるのが、pdf-libのようなオープンソースのPDF生成ライブラリです。英数字だけの帳票であれば大きくつまずくことは少ないのですが、日本語の帳票を生成しようとすると、いくつかの実装上の地雷にぶつかります。ここでは、実際の開発で直面した代表的な4つの落とし穴を紹介します。
日本語PDFを生成する際は、和文フォントをファイルに埋め込む必要があります。HubSpotのサーバー環境にはOSの日本語フォントがインストールされていないため、フォント自体をコードの実行環境に持ち込まなければなりません。
ここでよく起きるのが、「和文フォント1本で数字も含めてすべて描画する」と、半角のはずの数字(0〜9)まで全角幅で描画されてしまい、見積金額の桁がやたらとスカスカに間延びして、明細欄の枠からはみ出すという問題です。
対処の考え方としては、1つの文字列の中でASCII文字(数字・英字・記号)は欧文フォント、日本語(漢字・ひらがな・カタカナ)は和文フォントというように、文字種ごとにフォントを出し分けて描画するのが実務上のポイントです。文字列を1文字ずつ判定し、どちらのフォントで描画するかを切り替えるロジックを組む必要があります。
フォントファイルをそのままPDFに埋め込むとファイルサイズが数MB〜10MB程度まで膨らむため、使用する文字だけを抽出する「サブセット化」という軽量化手法がよく使われます。ところが、このサブセット化処理とCJK(中日韓)フォントの組み合わせでは、文字のマッピングテーブルが壊れてしまい、日本語文字が丸ごと消失したり文字化けしたりするケースがあります。
この問題への対処は主に2つの方向性があります。1つは、サブセット化をせず全文字を埋め込む方法です。ファイルサイズは増えますが、確実に描画されます。もう1つは、軽量かつ完全収録型の和文フォントを選定し、サブセット化の不具合が出にくい構成にする方法です。帳票の発行頻度・保存容量の制約を踏まえて、どちらを取るか判断することがポイントになってきます。
角印やロゴといった画像要素は、PDF内に透過PNGとして埋め込むのが実務上の定番です。既存の紙帳票やPDFから角印の画像を抽出し、背景を透過処理した上でコード内に埋め込み、指定座標に重ねて描画します。
角印の位置は、見積書のレイアウト全体の中でミリ単位の調整が必要になることが多く、座標指定の微調整を繰り返しながら詰めていく作業になります。
PDF生成のコードが完成したら、実際に出力したファイルを目視で確認する検証工程が欠かせません。ここで結構ミソになってくるのが、「どのPDFビューアを検証の正典とするか」という点です。PDFレンダラーによって表示の癖が異なり、あるビューアでは警告が出るのに別のビューアでは全く問題なく表示される、というケースが少なくありません。
実務では、macOSに標準搭載されているプレビュー相当の表示機能を検証の基準として使うのが確実です。特定のレンダラー固有の警告に振り回されて開発が止まってしまうより、実際に顧客が目にする一般的な閲覧環境での見え方を優先して判断することが、実務を前に進めるコツです。
| 地雷 | 症状 | 対処方針 |
|---|---|---|
| フォント混在の未対応 | 半角数字が全角幅で間延びし、明細欄からはみ出す | ASCII文字は欧文フォント、日本語は和文フォントで出し分けて描画する |
| フォントのサブセット化 | CJK文字が消失・文字化けする | 全文字埋め込みに切り替える、または軽量な完全収録フォントを選定する |
| 画像埋め込みの座標ズレ | 角印・ロゴが枠からはみ出す、位置がずれる | 透過PNG化した上で座標を微調整しながら検証する |
| レンダラー依存の検証 | ビューアによって警告や表示が異なり判断に迷う | 実際の閲覧環境に近いビューアを検証の正典とする |

すべての帳票をいきなりカスタム開発する必要はありません。まずはHubSpot標準の見積もり機能で、どこまで自社の要件をカバーできるかを切り分けることが最初のステップです。標準機能で十分対応できる帳票と、独自レイアウトが必須で開発が必要な帳票を仕分けし、後者だけを開発対象に絞り込むと、投資規模を最小限に抑えられます。
カスタム開発に踏み切るかどうかの判断基準は、大きく3つです。
この3点を照らし合わせ、「標準機能では明確に業務が回らない」と判断できた帳票だけをカスタム開発の対象にすることを推奨します。
CRMカードからワンクリックで自社フォーマットの帳票が出力できるようになると、見積書・請求書作成にかかっていた手作業(Excelでの体裁調整、PDF変換、ファイル管理)が削減されます。加えて、長年使ってきた自社ブランドの帳票フォーマットを維持したまま基幹システムをHubSpotに一本化できる点も、実務上の価値が大きい部分です。
これは単なるコストではなく、日々の営業事務工数を削減しながらCRMデータと帳票発行を一元管理する仕組みへの投資と捉えるのが妥当です。開発規模に応じて投資対効果は変わるため、対象帳票を絞り込んだ上で検討することが重要になってきます。移行プロジェクト全体の進め方は「kintoneからHubSpotへの移行完全ガイド」で解説しています。

繰り返しになりますが、社内で使うすべての帳票をカスタム化する必要はありません。発行頻度が低い帳票や、標準機能のテンプレートで十分な体裁が保てる帳票は、無理にカスタム開発の対象にせず、標準機能をそのまま使うほうが合理的です。
UI拡張によるPDF生成は開発が必要な仕組みであり、導入して終わりではありません。HubSpotの仕様変更やライブラリのアップデートに応じて保守が必要になりますし、帳票フォーマットの変更依頼が発生した際にもコードの改修が伴います。社内に開発リソースがない場合は、外部の開発パートナーとの継続的な関係を前提に検討する必要があります。
帳票の構成は企業によって大きく異なります。月次の請求書だけを対象にすればよいケースもあれば、見積書・注文請書・納品書と複数の帳票を連動させる必要があるケースもあります。「自社の業務フローに合わせて対象範囲を設計する」という考え方は、CRM設計全般に共通する原則であり、帳票のカスタム開発でも例外ではありません。

帳票発行の選択肢は、HubSpotのUI拡張によるカスタムPDF生成だけではありません。すでにfreee会計を使っている企業様であれば、StartLinkが開発した連携アプリ「Sync for freee」を使い、HubSpotの取引情報からfreee側で見積書・請求書を発行するという選択肢もあります。
HubSpot ゴールドパートナーが開発・提供
HubSpotとfreee会計を併用している場合、HubSpotゴールドパートナーのStartLinkが開発した連携アプリ「Sync for freee」を使うと、取引情報をもとにfreee側で見積書・請求書を発行し、取引先・品目のマスタを同期できます。経理体制と営業の運用スタイルに応じて、UI拡張によるカスタムPDF生成と使い分けることが可能です。
freee側での帳票発行は、会計処理と帳票発行を一体で管理したい場合や、経理担当者が請求書の発行・入金管理まで一貫して行いたい場合に適しています。一方、営業担当者がCRM画面から離れずにその場で見積書を出したい、独自レイアウトを細部までコントロールしたいという場合は、本記事で紹介したUI拡張によるカスタムPDF生成のほうが適しています。どちらが正解ということではなく、経理体制と営業の運用スタイルに応じて使い分けるのが実務的な判断です。
kintoneの帳票プラグインで作り込んだフォーマットは、HubSpotの「プロジェクト開発」(UI拡張)を使えばCRMカードから再現できます。本記事の要点を以下にまとめます。
まず着手すべきは、現在kintoneで使っている帳票フォーマットを一覧化し、標準機能で代替できるものとカスタム開発が必要なものを仕分けることです。すべてを一気に開発対象にするのではなく、業務上どうしても必要な帳票だけに絞り込むことが、投資対効果を最大化する最初の一歩になります。
「今の帳票フォーマットを維持したままHubSpotに移行できるか判断したい」という場合は、ぜひStartLinkにご相談ください。貴社の帳票要件を踏まえた実装方針を、開発会社としての知見からご提案します。
関連記事: kintone × HubSpot連携ガイド / kintoneからHubSpotへの移行完全ガイド / HubSpotとfreee会計/請求書の連携方法2選
まず標準の見積もり機能を試し、テンプレートのカスタマイズ範囲で自社の帳票要件を満たせるかを確認してください。それでも角印の厳密な位置指定や独自の明細レイアウトが再現できない場合に、UI拡張によるカスタムPDF生成を検討するという順番が現実的です。全帳票をいきなり開発対象にするのではなく、標準機能で足りない部分だけを切り分けることが判断の分かれ目になります。
多くの場合、レイアウト・角印位置・明細構成を含めてほぼ同等の見た目を再現できます。ただし、kintoneの帳票プラグイン特有の機能(条件によるレイアウト自動切替など)を使い込んでいる場合は、その挙動をコードで作り込む開発工数が発生します。再現度と開発コストはトレードオフになるため、どこまで忠実に再現する必要があるかを事前に整理しておくとスムーズです。
対象帳票の複雑さによって幅がありますが、要件整理・デザイン確認・実装・検証を含めると、シンプルな帳票1種類であれば比較的短期間、複数帳票や複雑な明細構成を含む場合はそれ以上の期間を見込むのが現実的です。日本語フォントまわりの検証には一定の時間がかかるため、スケジュールには余裕を持たせることを推奨します。
可能です。見積書と同様に、取引の商品項目や請求関連プロパティを元データとして、同じPDF生成の仕組みで請求書テンプレートを出力できます。見積書・請求書・注文請書など複数帳票を扱う場合は、共通のPDF生成基盤を作った上で、帳票ごとにテンプレートだけを切り替える設計にすると保守性が高まります。
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株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。