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「HubSpotで商談管理しているのに、決済はStripeで別管理になっている」「請求・入金ステータスをCRMに手動で転記するのが手間」——営業とバックオフィスの間で決済情報が分断されている課題は、多くのBtoB企業が抱えています。
HubSpotとStripeを連携させることで、見積作成から決済完了・入金確認までの一連のプロセスをCRM上で一元管理できます。 HubSpot Commerce Hub の決済機能はStripeを決済基盤として活用する設計になっており、Payment Linksの発行、サブスクリプション課金、Webhookによるリアルタイムステータス同期が可能です。
本記事では、HubSpotとStripeの連携設定から、決済リンクの作成、サブスク課金フローの構築、Webhook設定、入金消込の自動化まで、実務に必要な手順を体系的に解説します。
この記事でわかること
- HubSpotとStripeの連携セットアップ手順
- Payment Linksの作成方法と活用パターン
- サブスクリプション課金の設定方法
- Webhookの仕組みと設定手順
- 入金消込の自動化とレポート連携
HubSpot × Stripe連携の全体像
なぜStripeとの連携が必要なのか

HubSpot Commerce Hubは、CRMと決済機能を統合するための仕組みです。決済処理のバックエンドとしてStripeを使用しており、HubSpotの画面上で決済リンクの作成・送付・ステータス管理を行えます。
従来、BtoB企業では以下のような課題がありました。
- 営業がHubSpotで商談管理し、経理がStripeダッシュボードで入金確認する「二重管理」
- 請求書の送付タイミングと入金確認のタイムラグ
- サブスクリプション更新・解約のステータスがCRMに反映されない
HubSpot × Stripe連携は、これらの課題を解決します。
連携でできること
| 機能 | 内容 | 対応プラン |
|---|---|---|
| Payment Links | 商品ごとの決済リンク作成・メール送付 | Starter以上 |
| サブスクリプション課金 | 月額・年額の定期課金の自動管理 | Professional以上 |
| 見積書からの決済 | HubSpot見積にStripe決済リンクを埋め込み | Professional以上 |
| Webhook連携 | 決済イベントをリアルタイムでCRMに反映 | 全プラン |
| 入金レポート | 取引(Deal)と決済ステータスを紐付けたレポート作成 | Professional以上 |
Stripe連携のセットアップ手順
ステップ1:Stripeアカウントの準備
HubSpotとの連携には、Stripeの本番アカウントが必要です。テスト環境での検証後、本番環境に切り替えることを推奨します。
Stripeアカウントの要件
- ビジネス認証(本人確認・法人情報の登録)が完了していること
- 日本円(JPY)での決済に対応していること
- Stripe APIキー(公開キー・シークレットキー)が取得済みであること
ステップ2:HubSpotとの接続
- HubSpotの設定画面から「連携」>「アプリマーケットプレイス」を開きます
- 検索バーで「Stripe」を検索し、公式連携アプリを選択します
- 「アプリを接続」をクリックし、Stripeアカウントにログインします
- 権限の確認画面で「許可」を選択します
- 接続が完了すると、設定画面に「Stripe(接続済み)」と表示されます
ステップ3:決済設定の確認
接続後、HubSpotの「コマース」>「決済設定」で以下を確認します。
- 通貨設定: 日本円(JPY)がデフォルトになっているか
- 決済手数料の負担: 手数料を顧客に転嫁するか、自社負担にするか
- 領収書の自動送信: 決済完了時の自動メール設定
Payment Linksの作成と活用
Payment Linksとは

Payment Links(決済リンク)は、商品やサービスの決済ページへのURLを生成する機能です。メール・チャット・Webページに埋め込むことで、顧客がリンクをクリックするだけで決済を完了できます。
作成手順
- HubSpotの「コマース」>「決済リンク」に移動します
- 「決済リンクを作成」をクリックします
- 商品情報(名前・価格・説明文)を入力します
- 決済オプション(一括払い・分割・サブスク)を選択します
- カスタムフィールド(会社名・住所など)を追加します
- プレビューを確認し、「リンクを作成」で完了します
活用パターン
パターン1:見積承認後の即時決済(Salesforce活用企業のHubSpot移行事例)
Salesforceを利用していた企業がHubSpotに移行した際、見積書の承認後に自動で決済リンクを送付するワークフローを構築しました。取引ステージが「見積承認」に変わったタイミングで、Payment Linksを含むメールが自動送信される仕組みです。
パターン2:ウェビナー有料チケット販売
マーケティングイベントの参加費をPayment Linksで決済する方法です。ランディングページにリンクを埋め込み、フォーム入力と決済をワンステップで完了させることができます。
サブスクリプション課金の設定方法
サブスクリプション商品の登録
HubSpotの商品カタログにサブスクリプション型の商品を登録します。
- 「コマース」>「商品」から新規商品を作成します
- 課金タイプで「定期課金」を選択します
- 課金サイクル(月次・四半期・年次)を設定します
- 無料トライアル期間の有無と日数を指定します
- 初期費用(セットアップ料金)がある場合は追加します
課金サイクルの設定項目
| 設定項目 | 選択肢 | 備考 |
|---|---|---|
| 課金サイクル | 月次 / 四半期 / 年次 | 複数プランの併用可 |
| 無料トライアル | 7日 / 14日 / 30日 / カスタム | トライアル終了後に自動課金 |
| 初期費用 | 設定する / しない | 初回のみ加算 |
| 自動更新 | 有効 / 無効 | 無効の場合は手動更新 |
| 更新通知 | 更新30日前 / 14日前 / 7日前 | メール自動送信 |
更新ワークフローの構築
サブスクリプションの更新管理には、HubSpotのワークフロー機能を組み合わせます。
- 更新30日前: カスタマーサクセス担当に通知を送信し、顧客に更新案内メールを自動送付
- 更新7日前: 未応答の場合、フォローアップメールを送信
- 更新日当日: Stripeが自動課金を実行し、HubSpotの取引ステータスを更新
- 課金失敗時: 担当者にアラートを送信し、顧客にカード更新依頼メールを送付
Webhookの設定と活用
Webhookの仕組み
Webhookは、Stripe側で発生したイベント(決済成功・失敗・返金など)をリアルタイムでHubSpotに通知する仕組みです。HubSpotとStripeの公式連携では、主要なイベントが自動的に同期されますが、カスタムWebhookを設定することでさらに細かい制御が可能です。
主要なWebhookイベント
| イベント | トリガー | HubSpotでのアクション |
|---|---|---|
| payment_intent.succeeded | 決済成功 | 取引ステータスを「受注」に更新 |
| payment_intent.payment_failed | 決済失敗 | 担当者にアラート通知 |
| invoice.paid | 請求書の入金完了 | 入金消込を実行 |
| customer.subscription.deleted | サブスク解約 | 取引を「解約」に変更、チャーンレポート更新 |
| charge.refunded | 返金処理 | 返金レコードを作成 |
カスタムWebhookの設定手順
- Stripe Dashboardの「開発者」>「Webhook」を開きます
- 「エンドポイントを追加」をクリックします
- HubSpotのWebhook受信URLを入力します(Data Hub が必要)
- 監視するイベントタイプを選択します
- Webhook署名シークレットを控え、HubSpot側に設定します
入金消込の自動化
消込フローの設計
Stripe決済の入金情報をHubSpotの取引(Deal)に紐付けることで、入金消込を自動化できます。
自動消込のフロー
- 顧客がPayment Linkから決済を実行
- Stripeが決済を処理し、Webhookを発火
- HubSpotが取引のカスタムプロパティ「決済ステータス」を「入金済み」に更新
- ワークフローが取引ステージを「入金確認済み」に移動
- 月次レポートに自動反映
freeeとの連携による完全自動化
HubSpotの決済データをfreee会計と連携させることで、CRM上の入金情報を会計ソフトに自動転記することも可能です。HubSpot → freeeのAPI連携により、以下の処理を自動化できます。
- 売上仕訳の自動作成
- 入金消込の自動実行
- 月次決算データの自動集計
導入時の注意点
セキュリティ対策
- Stripe APIキーは環境変数で管理し、HubSpot上に直接保存しないこと
- PCI DSS準拠はStripeが担保するため、自社でのカード情報保持は不要
- Webhookの署名検証を必ず有効にし、不正リクエストを防止すること
手数料の確認
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| Stripe決済手数料(国内カード) | 3.6% |
| HubSpot Commerce Hub | プランに含まれる(追加費用なし) |
| サブスクリプション管理 | Stripeの標準料金に含まれる |
| 返金時の手数料 | Stripeの手数料は返金されない |
よくある質問(FAQ)
Q1. HubSpot Commerce Hubの利用にStripeアカウントは必須ですか?
はい、HubSpotの決済機能を利用するにはStripeアカウントが必要です。HubSpotは決済処理のバックエンドとしてStripeを使用しているため、Stripeアカウントの開設・ビジネス認証が前提条件となります。
Q2. Stripe以外の決済サービス(PayPal、Square など)とも連携できますか?
HubSpot Commerce Hub のネイティブ連携はStripeのみです。PayPalやSquareを使用する場合は、サードパーティ製の連携アプリやZapierなどのiPaaS(統合プラットフォーム)を経由する必要があります。ただし、ネイティブ連携に比べて同期精度やリアルタイム性に制限が生じる場合があります。
Q3. Webhookの設定に技術的な知識は必要ですか?
HubSpotとStripeの公式連携を使用する場合、主要な決済イベントは自動同期されるため、Webhookの手動設定は不要です。ただし、カスタムイベントの同期やData Hubでの高度なデータ処理を行う場合は、Webhook URLの設定やイベントマッピングの知識が必要です。社内に技術リソースがない場合は、HubSpot認定パートナーへの相談を推奨します。
Q4. テスト環境で決済連携を検証できますか?
はい、Stripeのテストモードを使用してHubSpotとの連携を検証できます。テスト用のAPIキーを使うことで、実際の課金を発生させずに決済フロー全体をテストできます。本番環境に切り替える際は、HubSpotの連携設定でAPIキーを本番用に変更するだけで完了します。
カテゴリ: Commerce Hub | HubSpot
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。