Claude Code×HubSpotのCRM自動化|MCP連携の設定と使い分け

  • 2026年3月17日
  • 最終更新: 2026年10月12日
この記事の結論

Claude CodeとHubSpotをMCP経由で連携すると、CRMの操作・分析・データ整備を自然言語の指示で進められます。定型処理はHubSpotワークフロー、判断を伴う非定型業務はClaude Codeという分担が運用のポイントです。

ブログ目次


Claude CodeとHubSpotをMCP経由で連携すると、CRMの操作・分析・データ整備を自然言語の指示で進められます。定型処理はHubSpotワークフロー、判断を伴う非定型業務はClaude Codeという分担が運用のポイントです。

本記事は2026年8月時点の情報です。

「月次のパイプライン報告のたびに、CSVを書き出してExcelで集計し直している」「会社名の表記ゆれや重複コンタクトが増えて、どれが正しいレコードかわからない」「停滞している取引の見直しが担当者任せで、確認漏れが続いている」——HubSpotにデータは入っているのに、活用する段階で手作業が残っているケースがあります。

Claude Code × HubSpot MCP連携とは、Claude CodeからModel Context Protocol(MCP)経由でHubSpot APIを呼び出し、CRMデータの読み書きを日本語の指示で行う仕組みです。HubSpot APIの知識がなくても、「今月のパイプラインを集計して」と伝えるだけで、データ取得から分析・レポート出力まで一気通貫で進められます。

Claude Codeの全コマンド一覧はClaude Codeチートシートをご覧ください。AI活用の全体像はAI活用完全ガイドで解説しています。


この記事でわかること

HubSpotの管理画面とExcelを行き来する手作業を、Claude Codeへの自然言語の指示に置き換える方法を解説します。パイプライン分析からデータクレンジングまで、HubSpotワークフローでは対応しにくい非定型業務の自動化パターンと、その安全な運用方法がわかります。

  • MCP経由で接続する手順 — プライベートアプリのトークン発行から、MCPサーバーの登録、接続確認までを順番に解説します
  • CRM操作と分析の自動化パターン — 取引・コンタクト・会社データの操作、パイプライン分析、表記ゆれの一括整備、停滞案件の検出を具体的な指示文で紹介します
  • HubSpotワークフローとの使い分け — トリガー型の定型処理と、判断を伴う非定型業務を分ける基準を表で整理します
  • 一括操作を安全に行う設計 — トークンの権限、書き込み前の確認フロー、テスト環境の使い方を解説します

対象読者: HubSpot CRMを運用中の営業マネージャー・CRM管理者、データ分析やレポート業務を効率化したい方


Claude Code × HubSpot MCP連携とは

MCPは、AIツールと外部システムをつなぐための共通の接続規格です。Claude CodeにHubSpot用のMCPサーバーを登録すると、MCPサーバーがHubSpot APIとの認証・通信を仲介し、Claude Codeは日本語の指示をAPI操作に置き換えて実行します。ここでは仕組みと、従来の作業方法との違いを整理します。

APIを意識せずにCRMを操作できる仕組み

HubSpot APIを直接使う場合は、エンドポイントの選択、リクエスト形式、ページ送り、認証ヘッダーの付与などを自分で組み立てます。MCP連携では、この部分をMCPサーバーが引き受けます。利用者は「この会社の取引一覧を取得して」「ステージ別に件数と金額を集計して」のように、目的を日本語で伝えるだけです。

Claude Codeは取得したデータをその場で集計・比較・整形できるため、「取ってくる」と「分析する」が1回の指示の中でつながります。MCPの基本概念については「Claude Code × MCP連携ガイド|社内システムとAIを接続する設定手順と活用パターン」で詳しく解説しています。

下図は、ClaudeのアプリからHubSpot MCP経由でCRMを検索したデモ画面です。

ClaudeのアプリからHubSpot MCP経由でCRMを検索したデモ画面です。

ClaudeのアプリからHubSpot MCP経由でCRMを検索したデモ画面です。

ClaudeのアプリからHubSpot MCP経由でCRMを検索したデモ画面です。

CSVとExcelを往復する作業との違い

HubSpotを導入していても、分析の段階ではCSVを書き出してExcelやスプレッドシートで加工する運用が残りがちです。この方法では、書き出した時点でデータが固定されるため、HubSpot側で更新があってもExcel側には反映されません。担当者ごとに加工済みファイルが増え、「どのファイルの数字が正しいのか」がわからなくなるケースもあります。

MCP連携では、指示のたびにHubSpotから最新のデータを取得します。データの置き場所はHubSpotのまま変わらないため、CRMを「情報が集まる1か所」として保ったまま、分析だけをAIに任せる形を取れます。

管理画面・ワークフロー・Claude Codeの比較

HubSpotには標準のワークフロー機能があります。Claude Code連携が強みを発揮するのは、「定型化しにくい複雑な判断を伴う業務」や「一度きりの大量データ処理」です。例えば「過去6ヶ月間の失注案件を分析し、失注理由別にパターンを抽出してレポートにまとめる」といった作業は、ワークフローでは組みにくい一方、Claude Codeなら1回の指示で進められます。

比較項目 HubSpot管理画面での手作業 HubSpotワークフロー Claude Code × HubSpot MCP
初期設定 不要 GUI設定が必要 MCP設定ファイルの追記のみ
対応業務 すべて(手動) 定型的な条件分岐 複雑な判断・分析を含む業務
繰り返し実行 毎回手作業 自動(トリガー型) 指示のたびに実行
データ分析 レポート機能の範囲内 限定的 自由な集計・クロス分析が可能
バルク操作 インポート/エクスポート 条件マッチ分のみ 任意の条件で一括処理可能
判断の柔軟性 人間の判断 事前定義のルールのみ 文脈を理解した柔軟な判断

CRM運用の全体フローのどこに置くか

Claude Codeは、HubSpotの機能を置き換える道具ではありません。コンタクトの獲得から取引、顧客化、請求までの流れの中で、「人が手で整えていた部分」を肩代わりする位置づけで考えると、導入の範囲を決めやすくなります。

コンタクトから請求までの流れと担当範囲

HubSpotでは、コンタクト・会社・取引・チケットがリレーションでつながり、コンタクトの獲得から商談化、受注、顧客化、請求までを1つのデータベースで追えます。Claude Codeが入る余地が大きいのは、次の3つの場面です。

流れの段階 HubSpot側の主な機能 Claude Codeが担う作業
コンタクト・会社 フォーム、ライフサイクルステージ、ワークフロー 表記ゆれの統一、重複候補の抽出
取引(パイプライン) 取引ステージ、受注確度、必須プロパティ ステージ別・担当者別の集計、停滞案件の検出
受注後・失注後 ダッシュボード、レポート 失注理由の傾向分析、次の打ち手の整理

データを入れる仕組みはHubSpot側で整え、入ったデータを読み解く作業をClaude Codeが担う、という分担です。

設計は人、作業はAIという役割分担

Claude Codeに任せやすいのは、データの取得・集計・分類・要約・下書きといった作業です。一方で、パイプラインのステージをどこで区切るか、ライフサイクルステージを何と定義するか、停滞の基準を何日にするかといった判断は、事業の理解を前提とするため人が決めるべきだと考えています。

AIに任せやすい作業 人が判断する事柄
パイプラインの集計・前月比の整理 ステージの区切り方と各ステージの定義
会社名の表記ゆれの統一案の作成 どの表記を正式名称とするか
停滞案件の抽出とリスト化 停滞とみなす期間、対応の優先順位
失注理由の分類と傾向の要約 失注理由を受けた商品・営業方針の見直し

分析の質はプロパティ設計で決まる

Claude Codeの集計は、HubSpotに入っているデータ以上のことは出せません。例えば失注理由が自由記述だけで蓄積されていると、分類の精度は記述の揺れに引きずられます。失注理由を価格・競合・製品機能・時期・社内決裁のような選択肢で持っておくと、AIの集計結果をそのまま会議資料に使えるようになります。

ステージの定義や、ステージ移行時に入力させる必須プロパティを整えておくことは、AI活用の前提になります。項目を増やしすぎず、集計で使う項目に絞って入力を徹底するほうが、分析の精度は上がりやすいと考えています。


接続までの設定手順

設定は「トークンの発行」「MCPサーバーの登録」「接続確認」の3段階です。各段階で次に進む目安を決めておくと、つまずいた場所を切り分けやすくなります。

段階 作業内容 次に進む目安
Step 1 プライベートアプリを作成し、アクセストークンを発行 必要なスコープだけを付けたトークンが手元にある
Step 2 Claude CodeにHubSpot MCPサーバーを登録 MCPサーバーの一覧にHubSpotが表示される
Step 3 読み取りの指示で接続を確かめる 取引名・金額・ステージが一覧で返ってくる

Step 1: プライベートアプリでアクセストークンを発行する

アクセストークンは、HubSpotの「設定 → 連携 → プライベートアプリ」から発行します。プライベートアプリでは、作成時に選んだスコープの範囲でだけAPIを操作できるアクセストークンが発行されます(出典:Private apps | HubSpot Developers)。

スコープは操作内容に応じて選びます。集計や検索だけを行う段階では crm.objects.contacts.read のような読み取り系に限り、取引の登録や更新を始める段階で crm.objects.deals.write などの書き込み系を加える、という順番をおすすめします。

Step 2: Claude CodeにMCPサーバーを登録する

Claude CodeへのMCPサーバーの登録は、claude mcp add コマンドで行うか、プロジェクトルートの .mcp.json に記述します。.mcp.json はプロジェクト単位の設定としてチームで共有でき、個人の環境だけで使う設定とは保存先が分かれます(出典:Connect Claude Code to tools via MCP | Anthropic)。

設定には、MCPサーバーの起動コマンドと、Step 1で発行したアクセストークンを環境変数として渡す記述を含めます。トークンを設定ファイルに直接書かず、環境変数から読み込む形にしておくと、設定ファイルを共有してもトークンは共有されません。

次の画面は、MCPサーバーの登録・一覧表示・有効化と無効化に使うコマンド(claude mcp add、claude mcp list、/mcp など)を並べたターミナル画面です。

MCP関連のコマンドを並べたターミナル画面

登録後に claude mcp list でHubSpotのMCPサーバーが一覧に表示され、接続状態が正常か確認します(出典:Claude Code公式「MCP serversの管理」)。表示されない場合は、設定ファイルの保存場所と記述を見直します。

Step 3: 読み取りの指示で接続を確かめる

最初の指示は、データを変更しない読み取りにします。例えば次のように伝えます。

HubSpotから最近作成された取引を5件取得して

正常に接続できていれば、取引名・金額・ステージ・担当者などの情報が一覧で返ってきます。認証エラーが出る場合はトークンの値と有効期限を、データが空で返る場合はスコープの不足を疑うと、原因を絞り込みやすくなります。


日常のCRM操作を自然言語で行う

接続が確かめられたら、管理画面で行っていた日常の操作を指示文に置き換えていきます。最初は読み取り、次に1件ずつの登録・更新、慣れてから複数件の処理、という順番で広げると、想定外の更新を避けやすくなります。

コンタクトや会社を検索する

特定企業の関係者を洗い出す場面では、次のような指示が使えます。

株式会社〇〇のコンタクト一覧を取得して

会社に紐づくコンタクト・取引・過去のやり取りをまとめて取得できるため、商談前の情報整理にも向きます。リレーションでつながったデータを横断して読めることが、HubSpotにデータを集約しておく利点です。

取引を登録する

取引の新規作成は、必要な項目を並べて指示します。

以下の内容で新規取引を作成して:
取引名: 〇〇株式会社 HubSpot導入支援
金額: 〇〇円
パイプライン: 直販
ステージ: 提案中

パイプライン名やステージ名は、HubSpot上の表示名と一致させて伝えます。表記が一致しない場合、Claude Codeが近いものを推測して登録することがあるため、初めのうちは作成後の取引をHubSpotの画面で開き、ステージと金額が意図どおりかを見比べる運用をおすすめします。

プロパティを更新する

既存レコードの更新は、対象と変更内容を明示します。

取引ID xxxxx のステージを"契約締結"に更新して

1件ずつの更新で意図どおりに動くことを確かめてから、条件指定による複数件の更新に進みます。ステージの移動にパイプラインルール(ステージ省略の禁止など)を設定している場合は、APIからの更新でもそのルールとの整合を意識して指示を組み立てます。


実務での活用パターン

ここでは、手作業が残りやすい4つの業務を取り上げ、Before/Afterと指示文の例を紹介します。どのパターンも、ExcelやCSVの往復をなくし、HubSpotのデータを直接読み解く形に置き換えるものです。

業務 Before After
パイプライン分析 レポート画面で条件設定 → CSV書き出し → Excelで加工 → スライドに貼り付け 切り口を指示し、集計から表の出力までを一連で実行
コンタクトの整備 CSV書き出し → Excelで重複・表記ゆれ修正 → 再インポート ルールを指示し、抽出・修正案・更新までを実行
停滞案件の検出 担当者が毎週手動でステージを見直す 条件を指示し、該当取引の抽出とフラグ設定を実行
失注分析 失注案件を一覧化し、理由を目で読んで集計 理由の分類と傾向の要約を指示

パイプライン分析レポートを自動生成する

レポート作成は、HubSpotのレポート画面で条件を設定し、CSVを書き出してExcelで加工し、グラフをスライドに貼る、という多段階の作業になりがちです。Claude Codeでは、切り口をまとめて指示します。

今月のパイプラインを以下の切り口で分析して:
1. ステージ別の件数・金額サマリー
2. 担当者別の進捗状況
3. 前月比での変動(新規追加・ステージ移行・失注)
4. 今月クローズ見込みの取引リスト
結果はMarkdownテーブル形式で出力して

HubSpot標準レポートでは作りにくい「前月比の変動要因」のような集計も、指示文で表現できます。Claude Codeによる経営データの可視化でも、同様のアプローチが活用されています。営業レポート自動生成の詳しい手順は「Claude Codeで営業レポートを自動生成する方法」で解説しています。

ただし、毎週・毎月同じ形で見る指標は、HubSpotのダッシュボードに固定しておくほうが、関係者がいつでも同じ数字を見られます。Claude Codeは、ダッシュボードで気になる動きを見つけたときの深掘り役として使い分けるのがおすすめです。

コンタクトの表記ゆれを一括で整える

会社名の「(株)」と「株式会社」の混在や、同一人物の重複は、データが増えるほど手作業では追いつかなくなります。整備のルールを文章で渡します。

以下のルールでコンタクトの会社名を統一して:
「(株)」「(株)」→「株式会社」に統一
前株・後株の表記を正式名称に統一
同一会社の重複コンタクト候補をリストアップ(メールドメインで判定)
対象: 過去1年間に作成されたコンタクト

HubSpotのデータ品質ツールでは拾いきれない、日本語特有の表記ゆれにも対応しやすい点が強みです。一括更新の前には、更新対象と変更前後の値をリストで出力させ、そのリストを見てから実行する流れにしてください。

停滞案件を検出してフラグを立てる

停滞案件の見直しを担当者の記憶に頼ると、確認漏れが起きやすくなります。判定の条件を指示に落とし込みます。

以下の条件で停滞案件を検出して対応して:
1. 最終活動日から〇日以上経過した取引を抽出
2. ただし「契約締結」「失注」ステージの取引は除外
3. 該当取引に「停滞フラグ」プロパティを設定
4. 担当者別に停滞案件リストをMarkdownで出力

HubSpotワークフローでも同様の自動化は組めますが、Claude Codeの強みは判定条件を会話しながら調整できる点です。「期間を延ばして」「金額の大きい案件は短い期間で検出して」のように、その場で条件を変えて結果を見比べられます。条件が固まったら、その条件をワークフローに移して常時動く仕組みにする流れもおすすめです。

失注理由から次の打ち手を整理する

失注案件は、分析されないまま放置されやすいデータです。失注理由をカテゴリー別に集計し、どの理由が多いのかを把握できると、営業トークの見直しや、マーケティング・製品側への共有がしやすくなります。

過去6ヶ月間の失注案件を失注理由別に集計し、件数と金額の多い順に並べて。理由ごとに共通する傾向を要約して

失注した取引の中には、時期の問題で見送りになっただけのものも含まれます。こうした取引をリストにしてナーチャリングの対象に戻すと、失注で終わらせずに再度の商談化を狙う流れを作れます。


HubSpotワークフローとの使い分け

Claude Code × HubSpot MCP連携は万能ではありません。常時動かしたい処理と、必要なときに人が指示して動かす処理では、向いている道具が異なります。

用途別の使い分け基準

判断の分かれ目は、「トリガーとアクションを事前に決めきれるか」と「実行のたびに人が結果を見るか」の2点です。決めきれて、見なくてよい処理はワークフローへ、どちらかが当てはまらない処理はClaude Codeへ振り分けます。

ユースケース 推奨ツール 理由
新規コンタクト作成時の自動メール送信 HubSpotワークフロー トリガー型の定型処理はワークフローが最適
ライフサイクルステージの自動更新 HubSpotワークフロー 条件分岐が明確な処理はGUI設定が効率的
月次パイプライン分析レポート作成 Claude Code 複雑な集計・分析・レポート生成を伴う
コンタクト情報の一括クレンジング Claude Code 日本語表記ゆれなど柔軟な判断が必要
停滞案件の検出と通知 どちらも可 定型なら ワークフロー、条件変動ならClaude Code
失注分析と改善提案 Claude Code データの深掘り分析と示唆の生成が必要

Claude Codeが向かないケース

Claude Codeは、指示を受けて動く道具です。夜間や休日に発生したフォーム送信へ即座に反応する、といった常時監視の処理には向きません。こうした処理はワークフローに任せます。

また、取引金額が大きく、提案内容が受注を左右する案件への連絡文まで自動化するのはおすすめしません。リサーチや下書きをClaude Codeに任せ、送る文面は担当者が書き直して判断する、という線引きが現実的だと考えています。

試行はClaude Code、定着はワークフローという流れ

新しい自動化を考えるとき、最初からワークフローを組むと、条件を変えるたびに設定画面を開き直すことになります。まずClaude Codeで条件を変えながら結果を見比べ、運用に耐える条件が固まったらワークフローに移す、という順番をおすすめします。

この流れにすると、担当者の頭の中にあった判断基準が、ワークフローの条件として残ります。担当者が異動しても同じ基準で処理が続くため、属人化を防ぐ仕組みとしても機能します。


関連コマンドとの組み合わせ

Claude Codeのコマンドや設定を組み合わせると、CRM操作を長時間続けたり、同じ手順を繰り返したりする場面で扱いやすくなります。ここでは、HubSpot連携と相性のよい3つの使い方を紹介します。

/compactでコンテキストを管理する

大量のCRMデータを扱うと、Claude Codeのコンテキストウィンドウ(会話の中で保持できる情報量)が埋まりやすくなります。/compact コマンドで会話の内容を要約・圧縮しながら進めると、長時間のCRM操作でも作業を続けやすくなります。

以下の画面は、claude --version の出力に続けて、/compact コマンドを並べたターミナル画面です。

/compactコマンドを並べたターミナル画面

詳細は「Claude Codeの/compactコマンド解説」をご覧ください。

カスタムコマンドで定型の手順を残す

頻繁に行うCRM操作は、カスタムコマンドとして定義しておくと、毎回の指示を省略できます。「月次レポート生成」「停滞案件チェック」などをコマンド化しておけば、ワンアクションで定型業務を実行できます。

コマンド化の価値は、手間の削減だけではありません。集計の切り口や停滞の判定条件がコマンドの中に文章で残るため、引き継いだ担当者や新しく入ったメンバーでも、同じ手順で同じ結果を出せます。カスタムコマンドの設定方法は「Claude Codeカスタムコマンド解説」を参照してください。

Google Workspace連携でレポートを共有する

HubSpotから取得したデータを、Google Slidesのプレゼン資料やスプレッドシートに反映させることもできます。分析結果を会議資料に貼り直す作業まで含めて、指示の流れに組み込めます。詳しくは「Claude Code × Google Workspace連携」で解説しています。


安全に運用するための設計

CRMには顧客情報と売上に関わるデータが集まっています。AIに書き込みの権限を渡す以上、誤操作が起きても影響が広がらない設計を先に整えておくことをおすすめします。

トークンの権限を段階的に広げる

アクセストークンのスコープは、運用の段階に合わせて広げます。

段階 付与するスコープの範囲 次に進む目安
1. 読み取りのみ 検索・集計に使うオブジェクトの read 集計結果がHubSpotのレポートの数字と一致する
2. 限定した書き込み 更新対象のオブジェクトだけ write を追加 1件ずつの更新が意図どおりに反映される
3. 一括更新 段階2と同じ範囲のまま、条件指定の更新を始める 確認リストと実際の更新結果が一致する

書き込みの前に確認リストを挟む

Claude Codeは、破壊的な操作(削除・上書き)を実行する前に確認を求めます。これに加えて、一括更新では次の順番を運用ルールにしておくことをおすすめします。

  1. 更新対象のレコードと、変更前後の値をリストで出力させる
  2. リストの件数と内容を担当者が見て、除外すべきレコードを指示する
  3. 修正後のリストで実行し、実行後の件数がリストと一致するかを見比べる

一括更新は、データの大部分を一度に書き換えられる強力な操作です。確認の手順を人の注意力に任せず、手順そのものをカスタムコマンドに組み込んでおくと、誰が操作しても同じ確認が入ります。

テスト環境とトークン管理を分ける

新しい指示文や一括処理は、サンドボックスなどのテスト用アカウントで動作を確かめてから本番に適用します。テスト用と本番用でトークンを分け、本番用のトークンは実行する担当者を限定します。

トークンはGitで管理しないでください。.mcp.json に直接書かず、環境変数ファイル(.env)で管理し、.gitignore に追加します。

あわせて、大量データを扱う際はAPIの制限も設計に入れておきます。HubSpotのCRM検索APIは、1回のリクエストで返す件数が最大200件、1つの検索条件で取得できる結果が合計10,000件まで、リクエストは1秒あたり5回までに制限されています(出典:CRM API | Search | HubSpot Developers)。


よくある質問

HubSpot無料版でもClaude Code連携は使えますか?

使えます。HubSpot無料版でもプライベートアプリの作成とAPIアクセスが可能です。ただし、無料版はAPIのレート制限が厳しいため、大量データの一括操作を定期的に行う場合はStarter以上のプランをおすすめします。まずは読み取りの集計から試し、制限に当たる頻度を見てプランを判断する流れが現実的です。

Claude CodeでCRMデータを誤って削除してしまうリスクはありますか?

Claude Codeは、破壊的な操作を実行する前に確認を求めます。また、プライベートアプリに書き込み系のスコープを付与しなければ、更新や削除にあたる操作そのものが実行できません。分析用は読み取り専用のトークンにし、書き込みは確認リストを挟む運用にすることで、リスクを抑えられます。

HubSpotワークフローとClaude Codeのどちらを使うべきか、判断の基準はありますか?

「トリガーとアクションが明確な定型処理」はHubSpotワークフロー、「複雑な条件判断・データ分析・レポート生成を伴う非定型業務」はClaude Codeが向いています。定型処理はワークフローで常時動かし、分析業務はClaude Codeで必要なときに実行する併用をおすすめします。Claude Codeで条件を固めてからワークフローに移す使い方もできます。

プログラミングの経験がなくても設定できますか?

設定で行うのは、トークンの発行、MCPサーバーの登録、接続確認の3段階です。設定ファイルの記述やコマンドの入力はありますが、日常の操作は日本語の指示で行えます。


まとめ

  • Claude Code × HubSpot MCP連携は、HubSpotのデータを置き場所を変えずに読み解き、CSVとExcelの往復を減らす仕組みです
  • 強みを発揮するのは、パイプライン分析・表記ゆれの整備・停滞案件の検出・失注分析のような、定型化しにくいが頻繁に発生する業務です
  • 定型処理はHubSpotワークフロー、判断を伴う業務はClaude Codeと分担し、条件が固まったものからワークフローに移すと、判断基準が仕組みとして残ります
  • ステージの定義やプロパティの設計は人が決め、集計・分類・下書きをAIに任せる役割分担が、分析の精度を支えます

まずは読み取り専用のトークンで接続し、月次のパイプライン集計を1つ置き換えるところから始めるのがおすすめです。次の3ステップで進めてみてください。

  1. 読み取り系のスコープだけを付けたプライベートアプリを作成し、テスト用アカウントで接続を確かめる
  2. 毎月Excelで作っているレポートを1つ選び、その切り口を指示文に書き直して、HubSpotのレポートと数字を見比べる
  3. 使い続ける指示文をカスタムコマンドとして保存し、チームで共有する

CRMを活用した業務効率化やAIとの連携に関するご相談は、StartLinkまでお気軽にお問い合わせください。


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著者情報

7-1

今枝 / Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。