AI推進法とは?企業が取るべき対応と国内AI規制の動向
- 2026年3月5日
- 最終更新: 2026年4月25日
この記事の結論
AI推進法は2025年成立の日本初のAI関連法。原則ベース・自主規制中心で罰則は限定的。EU AI法(厳格な事前規制)と比べ規制強度は低いが、今後の強化が見込まれる
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AI推進法は2025年に成立した日本初のAI関連法で、EU AI法のような厳格な事前規制ではなく、AIの利活用推進と安全性確保のバランスを重視した「原則ベース・自主規制中心」の法律です。直接的な罰則は限定的ですが、今後の規制強化が見込まれるため、AI利用の現状把握・社内ガバナンス体制の整備・広島AIプロセスの原則への対応を先行して進めることが重要です。
2025年、日本で「AI推進法」(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)が成立しました。EU AI法のような厳格な事前規制ではなく、AIの利活用を推進しつつ、安全性と信頼性を確保するバランスを重視した法律です。詳しくは「企業のAI利用ガイドライン策定ガイド」で解説しています。
本記事では、AI推進法の概要と企業が取るべき具体的な対応を解説します。AI活用完全ガイドで、AI活用の全体像を把握できます。
関連する記事の一覧はAIガバナンス・倫理ガイドをご覧ください。
この記事でわかること
- AI推進法の概要 — AI推進法は、日本におけるAI政策の基本的な方向性を定めた法律です。
- 企業が取るべき対応 — 自社でどのようなAIを開発・利用しているかを棚卸しします。AI推進法は「AIの安全かつ信頼あるAIの活用」を求めています。
- 今後の規制動向の見通し — AI推進法は現時点では「促進法」の性格が強いですが、今後以下の方向で規制が強化される可能性があります。
- 実践的な準備チェックリスト — 2025年、日本で「AI推進法」(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)が成立しました。
AI推進法とは?企業が取るべき対応と国内AI規制の動向について理解を深めたい方に、特に参考になる内容です。
AI推進法の概要
AI推進法は、日本におけるAI政策の基本的な方向性を定めた法律です。
| 項目 |
内容 |
| 正式名称 |
人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律 |
| 成立時期 |
2025年 |
| 目的 |
AIの研究開発・活用の推進、安全性・信頼性の確保 |
| アプローチ |
原則ベース、自主規制中心 |
| 罰則 |
直接的な罰則規定は限定的 |
| 所管 |
内閣府(AI戦略会議) |
EU AI法との比較
| 比較項目 |
AI推進法(日本) |
EU AI法 |
| 規制強度 |
緩やか(促進法の性格) |
厳格(罰則あり) |
| アプローチ |
原則ベース・自主規制 |
リスクベース・事前規制 |
| AI分類 |
リスク分類の法的義務なし |
4段階のリスク分類 |
| 罰則 |
限定的 |
最大3,500万ユーロ |
| 域外適用 |
限定的 |
広範な域外適用 |
企業が取るべき対応
対応1:AI利用の現状把握
自社でどのようなAIを開発・利用しているかを棚卸しします。
| 確認項目 |
内容 |
| 利用中のAIツール |
生成AI(ChatGPT、Claude等)、業務AI(CRMのAI機能等) |
| 開発中のAIシステム |
自社開発のAIモデル・アプリケーション |
| 外部提供のAIサービス |
顧客向けに提供しているAI機能 |
| AIのリスクレベル |
各AIシステムのリスク影響度 |
対応2:社内ガバナンス体制の整備
AI推進法は「AIの安全かつ信頼あるAIの活用」を求めています。以下の体制を整備しましょう。
- AI推進責任者の設置: CTO、CDO、またはAI推進室長をAI責任者として任命
- AI利用ガイドラインの策定: 社内でのAI利用ルールを明文化
- リスク評価プロセスの導入: 新しいAIの導入時にリスク評価を実施
- インシデント対応フローの策定: AI関連の問題発生時の対応手順を整備
対応3:広島AIプロセスの原則への対応
G7広島サミット(2023年)で合意された「広島AIプロセス」の行動規範は、AI推進法の基盤となる原則です。
| 原則 |
企業の対応 |
| 安全性の確保 |
AIシステムのテスト・検証プロセスの実施 |
| 透明性の確保 |
AI利用の開示、説明責任の明確化 |
| 公平性の担保 |
バイアスの検出と是正 |
| プライバシーの保護 |
個人情報保護法との整合性確保 |
| セキュリティの確保 |
AIシステムのサイバーセキュリティ対策 |
対応4:業界別ガイドラインの確認
金融庁、厚生労働省、国土交通省など、各省庁が業界別のAI利用ガイドラインを策定しています。自社の業界に適用されるガイドラインを確認し、準拠した運用を行いましょう。詳しくは「AIハルシネーション対策」で解説しています。
今後の規制動向の見通し
AI推進法は現時点では「促進法」の性格が強いですが、今後以下の方向で規制が強化される可能性があります。
- 個人情報保護法の改正: AIによる個人データ処理に関する規定の追加
- 業界別の具体的規制: 金融、医療、採用分野でのAI利用に関する個別規制
- 国際整合性の確保: EU AI法やOECD AI原則との整合性を高める方向での法改正
- 罰則の強化: AIインシデントの増加に応じた罰則規定の追加
実践的な準備チェックリスト
| チェック項目 |
対応状況 |
| 自社のAI利用状況を把握している |
|
| AI利用ガイドラインを策定している |
|
| AI推進責任者を任命している |
|
| AIリスク評価プロセスを導入している |
|
| インシデント対応フローを整備している |
|
| 広島AIプロセスの原則に対応している |
|
| 業界別ガイドラインを確認している |
|
| 定期的な見直しサイクルを設定している |
|
CRMデータとAI推進法の関連
CRMに蓄積された顧客データをAIで処理する場合、個人情報保護法との整合性が特に重要です。CRMのAI機能(リードスコアリング、行動予測、チャットボット)を利用する際は、顧客データの取り扱いに関する社内ルールを明確化し、AI推進法の求める「安全かつ信頼あるAI活用」の原則に沿った運用体制を構築しましょう。経営データの可視化を含め、Claude Codeの業務活用に関心のある方はぜひ参考にしてください。
AI CRMで実現するAI推進法とは?企業が取るべき対応と国内AI規制の動向
AI推進法とは?企業が取るべき対応と国内AI規制の動向を実務に落とし込むには、CRMツールの活用が不可欠です。詳しくは「AI CRMとは?2026年のCRM × AI活用トレンドと実践的な導入ステップ」で解説しています。
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まとめ
AI推進法は2025年成立の日本初のAI関連法。原則ベース・自主規制中心で罰則は限定的。EU AI法(厳格な事前規制)と比べ規制強度は低いが、今後の強化が見込まれる
実践にあたっては、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 企業はAI利用の現状把握・ガバナンス体制整備・広島AIプロセス対応を先行して進めるべき
- 金融庁・厚労省・国交省等の業界別ガイドラインも確認が必要
- CRMのAI機能利用時は個人情報保護法との整合性が特に重要
よくある質問(FAQ)
Q1. AI推進法とは具体的にどのような法律ですか?
AI推進法(正式名称は検討段階により異なる)は、日本政府がAI技術の安全な利活用と産業競争力の強化を目的として検討している法的枠組みです。EUのような厳格な規制ではなく、促進と安全のバランスを重視したアプローチが特徴です。現時点では確定していない部分も多いため、最新の動向を定期的に確認することを推奨します。
Q2. 中小企業がAI規制に対応するコストはどのくらいですか?
対応コストは企業規模とAI利用の範囲によりますが、まずは社内ガイドラインの策定(自社で行えば実質ゼロコスト)と、利用ログの記録体制の整備(既存ツールで対応可能な場合が多い)から始めれば、大きな投資は不要です。外部コンサルタントに依頼する場合は50〜200万円程度が目安です。
Q3. AI規制への対応はCRM活用にも影響しますか?
CRMに蓄積された顧客データをAIで分析・活用する場合、個人情報保護やデータの利用目的の明示が求められます。HubSpotは標準でGDPR対応の同意管理機能を提供しているため、規制対応の基盤としても有用です。
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