HubSpotのシート数最適化ガイド|ライセンスコストを抑える実践的な管理手法

  • 2026年3月12日
  • 最終更新: 2026年4月25日
この記事の結論

HubSpotのシート最適化は、メンバーを「毎日更新する人・閲覧確認中心の人・レポート閲覧のみの人」の3層に分けることが出発点。閲覧専用シートを活用すれば、全社展開とコスト削減を同時に実現できる。

ブログ目次

記事の内容を、そのまま実務に落とし込みたい方向け

HubSpot導入、AI活用、CRM整備、業務効率化までをまとめて支援しています。記事で気になったテーマを、そのまま相談ベースで整理できます。


HubSpotのシート最適化は、メンバーを「毎日更新する人・閲覧確認中心の人・レポート閲覧のみの人」の3層に分けることが出発点。閲覧専用シートを活用すれば、全社展開とコスト削減を同時に実現できる。

「HubSpotの月額費用が想定以上に膨らんでいる」「営業メンバーが増えるたびにシート追加の稟議が必要で、スピード感が出ない」——HubSpotを導入した企業の多くが、シート数(ライセンス数)の管理に課題を感じています。

HubSpotの料金体系は2024年3月に大きく変更され、シートベースの課金モデルへ移行しました。この変更により、誰にどのシートを割り当てるかがコスト最適化の鍵を握るようになっています。適切なシート管理ができていない企業では、必要以上のライセンスコストを支払っているケースが少なくありません。

本記事では、HubSpotのシートの種類と仕組みを整理し、チーム規模やHub構成に応じた最適なシート配分とコスト削減戦略を解説します。


この記事でわかること

HubSpotのライセンスコストを最適化し、シート管理を効率化したい経営者・CRM管理者に向けた記事です。

  • HubSpotのシート種類(コアシート・閲覧専用シート・パートナーシート)の違いと特徴 — HubSpotにおけるシートとは、各ユーザーに割り当てるライセンス単位のことです。
  • Hub別に必要なシート数の考え方と判断基準 — 一方で、キャンペーン結果のレポートを確認するだけの部門長やマネージャーには閲覧専用シートで十分です。
  • チーム規模別のシートコストモデリングと最適化シミュレーション — HubSpotのシートコストは、契約するHubとプランの組み合わせで決まります。
  • シート数を最小限に抑えながら全社活用を実現する5つの戦略 — 四半期に一度、全ユーザーのシート利用状況を棚卸しします。
  • シート管理で陥りやすい失敗パターンと対処法 — 退職や異動でHubSpotを使わなくなったメンバーのシートが放置されるケースは非常に多いです。

HubSpotのシート体系を理解する

シートとは何か

HubSpotユーザー管理画面(シート管理)

HubSpotにおけるシートとは、各ユーザーに割り当てるライセンス単位のことです。2024年3月の料金改定以降、HubSpotは「シートベース」の課金モデルに移行しました。以前は「有料ユーザー数」として一括で管理されていましたが、現在はシートの種類によってアクセスできる機能範囲が異なります。

シートの種類と特徴

シート種類 アクセス範囲 主な対象者 追加コスト
コアシート 各Hubの全機能を利用可能 営業担当、マーケター、CS担当 Hub・プランごとに課金
Sales Hub シート Sales Hubの有料機能(シーケンス、見積もり等) 営業担当者 Sales Hub契約に含まれる
Service Hub シート Service Hubの有料機能(ヘルプデスク等) カスタマーサポート担当 Service Hub契約に含まれる
閲覧専用シート データの閲覧・レポート確認のみ 経営層、管理部門 無料(制限あり)
パートナーシート 代理店・パートナー向けの一時アクセス 外部パートナー 無料

コアシートと閲覧専用シートの決定的な違い

コアシートと閲覧専用シートの最大の違いは、データの作成・編集権限です。閲覧専用シートのユーザーは、CRMのコンタクト・会社・取引情報を確認し、ダッシュボードやレポートを閲覧できますが、レコードの作成・編集・削除はできません。

この違いを正しく理解することが、シート最適化の第一歩です。たとえば、経営層やバックオフィスのメンバーが「データを確認したいだけ」であれば、閲覧専用シートで十分対応できます。


Hub別のシート必要数を設計する

Marketing Hub

Marketing Hubでは、マーケティングメール、フォーム、ランディングページ、ワークフローなどの機能を利用するメンバーにコアシートが必要です。一方で、キャンペーン結果のレポートを確認するだけの部門長やマネージャーには閲覧専用シートで十分です。

推奨配分の目安(マーケティングチーム10名の場合)

役割 人数 シート種別 理由
マーケティング担当 4名 コアシート メール・LP・ワークフロー作成
コンテンツ担当 2名 コアシート ブログ・SNS投稿管理
マネージャー 2名 閲覧専用 レポート確認・承認のみ
データアナリスト 1名 コアシート カスタムレポート作成
部門長 1名 閲覧専用 ダッシュボード確認のみ

Sales Hub

Sales Hubのシート設計は、営業組織の構造によって大きく異なります。フィールドセールス全員にコアシートが必要である一方、インサイドセールスのメンバーは利用する機能範囲に応じて判断します。

Shopifyは、Sales Hubを導入する際に営業チーム全体のシート配分を見直し、マネージャー層を閲覧専用シートに移行することで、ライセンスコストを最適化しながら営業データの可視化を実現しました。

Service Hub

Service Hubでは、チケット対応を行うサポート担当者にはコアシートが必須です。ただし、エスカレーション対応のみを行う上級スタッフや、VOC分析のためにデータを参照するプロダクトチームには閲覧専用シートで対応できます。


チーム規模別コストモデリング

HubSpotのシートコストは、契約するHubとプランの組み合わせで決まります。以下に代表的な構成でのシミュレーションを示します。

シミュレーション:従業員50名のBtoB企業

部門 人数 コアシート 閲覧専用シート 月額コスト目安
営業(Sales Hub Professional) 15名 15 0 $1,500
マーケティング(Marketing Hub Professional) 5名 3 2 $800
カスタマーサポート(Service Hub Professional) 8名 6 2 $600
経営層・管理部門 10名 0 10 $0
その他(総務・人事) 12名 0 5 $0
合計 50名 24 19 $2,900

仮に全員にコアシートを割り当てた場合、月額コストは約$6,000以上になるため、閲覧専用シートの活用だけで月額$3,100以上を削減できる計算です。


シート数を最適化する5つの戦略

戦略1:役割ベースのシート棚卸し

四半期に一度、全ユーザーのシート利用状況を棚卸しします。HubSpotの「ユーザーとチーム」画面で、各ユーザーの最終ログイン日時を確認し、30日以上ログインしていないユーザーのシートを回収または閲覧専用に変更します。

戦略2:チーム単位でのシートプール制

全員に個別のコアシートを割り当てるのではなく、チーム内でシートを共有する運用も検討します。たとえば、週に数回しかHubSpotを使わないメンバーがいる場合、そのメンバーの利用頻度に応じてシートを調整します。

戦略3:閲覧専用シートの積極活用

前述のとおり、データの閲覧・レポート確認だけで業務が成り立つメンバーには、閲覧専用シートを割り当てます。特に経営層、管理部門、プロジェクトマネージャーなど、CRMデータを「見る側」のメンバーには閲覧専用で十分です。

戦略4:年間契約での割引活用

HubSpotは月額契約と年間契約で価格が異なります。年間契約にすることで、月額契約比で最大25%の割引が適用されます。シート数が確定している場合は、年間契約への切り替えがコスト削減に直結します。

戦略5:Hub統合バンドルの検討

複数のHubを個別に契約している場合、Customer Platform(旧CRM Suite)バンドルへの統合を検討します。バンドル契約では、個別契約の合計額より割安になるケースがあり、特に3つ以上のHubを利用している企業ではコストメリットが大きくなります。


シート管理でよくある失敗パターン

失敗1:退職者のシートが放置されている

退職や異動でHubSpotを使わなくなったメンバーのシートが放置されるケースは非常に多いです。人事異動のタイミングでシートの棚卸しを行うプロセスを構築することが重要です。

失敗2:全員にコアシートを割り当てている

「全員がデータを編集できるようにしておきたい」という要望から全員にコアシートを割り当てると、不要なコストが発生するだけでなく、データの不整合リスクも高まります。編集権限は業務上必要なメンバーに限定することが、コストとデータ品質の両面で有効です。

失敗3:契約更新時にシート数を見直していない

HubSpotの契約更新は年1回のタイミングで行われますが、このタイミングでシート数を見直さないと、不要なシートに対して翌年も課金され続けます。契約更新の1〜2ヶ月前にシート棚卸しを実施することを推奨します。


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まとめ

HubSpotのシート体系はCore Seat・Sales Hub Seat・Service Hub Seatなどに細かく分かれており、全員にフルシートを割り当てる発想で見積もると年間コストがあっという間に膨らみます。

本記事のポイントを整理します。

  • シート種別の正しい理解が最初のステップ — コアシート・閲覧専用シート・Hub固有シートの役割を把握し、メンバーの業務内容に合わせて割り当てる
  • 3層分類でコストを最適化 — 「毎日更新する人」「閲覧と数値確認が中心の人」「レポート閲覧のみの人」に分けて最小限のシート種別を当てる
  • 定期棚卸しを仕組み化する — 四半期ごとにシート利用状況を確認し、退職者・異動者のシートを速やかに回収する
  • 閲覧専用シートの活用で全社展開とコスト削減を両立 — 経営層・部門長など参照のみの利用者に閲覧専用シートを割り当てることで、全社への情報共有とライセンスコストの最適化を同時に実現できる

まずはメンバーの役割と本当に必要な機能を一覧化し、Hub別のシート必要数を算出するコストモデリングから始めてみてください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 閲覧専用シートで利用できる機能の範囲を教えてください

閲覧専用シートでは、CRMレコード(コンタクト・会社・取引)の閲覧、ダッシュボード・レポートの確認、アクティビティタイムラインの確認が可能です。一方、レコードの作成・編集・削除、メールの送信、ワークフローの作成・編集はできません。

Q2. シートの種類は後から変更できますか?

はい。管理者権限を持つユーザーが「設定」→「ユーザーとチーム」からシートの割り当てを変更できます。コアシートから閲覧専用シートへの変更は即座に反映されます。ただし、契約しているシート数の上限を超える割り当てはできないため、必要に応じてシート数の追加購入が必要です。

Q3. 閲覧専用シートに上限はありますか?

閲覧専用シートには、プランに応じた上限数が設定されています。Professional以上のプランでは一定数が含まれており、追加が必要な場合はHubSpotの営業担当に相談します。具体的な上限数はプランや契約条件によって異なるため、契約内容を確認してください。

Q4. シート数の最適化を外部に相談できますか?

HubSpotの認定パートナーに相談することで、組織構造やCRM活用状況に応じた最適なシート配分の提案を受けられます。特に50名以上の組織でHubSpotを導入する場合、初期設計の段階でシート最適化を組み込むことで、長期的なコスト削減が実現できます。


HubSpotのシート管理は、導入時だけでなく継続的に見直すことが重要です。閲覧専用シートの活用と定期的な棚卸しを組み合わせることで、全社でCRMデータを活用しながら、ライセンスコストを最適化できます。

カテゴリ: HubSpot導入・料金・移行 | HubSpot


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。