HubSpotのコンタクト上限と料金体系|1,000件→10万件のスケーリング戦略

この記事の結論

HubSpotのコンタクト課金はマーケティングコンタクトのみが対象で、非マーケティングコンタクトは無制限に保有できるという構造を理解していないと、契約更新時に想定外のコスト増に振り回されます。マーケテ

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マーケティングコンタクトと非マーケティングコンタクトの定義と課金ルール。HubSpotのプラン別コンタクト上限・追加課金の仕組み。

「コンタクト数が上限に近づいているが、追加するとどれくらいコストが増えるのか」「マーケティングコンタクトと非マーケティングコンタクトの違いがよくわからない」——HubSpotを利用する企業がスケーリングする際に、必ず直面する課題がコンタクト上限と料金の関係です。

HubSpotの料金は、プランごとに含まれるコンタクト数が異なり、上限を超えると追加課金が発生します。しかし、マーケティングコンタクト非マーケティングコンタクトという2つの概念を正しく理解すれば、すべてのコンタクトが課金対象になるわけではないことがわかります。この仕組みを活かすことが、コスト最適化の鍵を握ります。

本記事では、HubSpotのコンタクト上限の仕組みとプラン別の料金体系を整理し、1,000件規模から10万件超への成長を見据えたスケーリング戦略を解説します。


この記事でわかること

HubSpotのコンタクト数増加に伴う料金の仕組みを理解し、スケーリング戦略を立てたい経営者・マーケティング担当者に向けた記事です。

  • マーケティングコンタクトと非マーケティングコンタクトの定義と課金ルール — HubSpotの料金体系で最も重要なポイントは、MarketingHubの課金対象はマーケティングコンタクトのみであるという点です。
  • HubSpotのプラン別コンタクト上限・追加課金の仕組み — 各プランには基本コンタクト数が含まれており、超過分は追加ティアごとに課金されます。
  • コンタクト数の増加に伴うコストシミュレーション(1,000件〜10万件) — 事業成長に伴うコンタクト数の増加を想定し、各プランでの年間コストをシミュレーションしてみましょう。
  • コンタクトデータベースを健全に保つクリーニング戦略 — コンタクト数の肥大化を防ぎ、マーケティングコンタクトの課金を最適化するために、以下のアクションを四半期に1回実施することを推奨します。
  • スケーリング段階ごとのプラン選定と移行タイミング — この段階ではStarterプランまたはProfessionalプランで十分対応できます。

マーケティングコンタクトと非マーケティングコンタクトの違い

課金対象となるのは「マーケティングコンタクト」のみ

HubSpotコンタクト一覧画面

HubSpotの料金体系で最も重要なポイントは、Marketing Hubの課金対象はマーケティングコンタクトのみであるという点です。

マーケティングコンタクトとは、マーケティングメールの送信対象や広告オーディエンスとして利用されるコンタクトを指します。一方、非マーケティングコンタクトは、CRMにレコードとして保存されているだけで、マーケティング施策の対象にはならないコンタクトです。

区分 定義 課金 利用可能な機能
マーケティングコンタクト マーケティング施策の対象となるコンタクト Marketing Hubの課金対象 メール送信、広告オーディエンス、ワークフロー
非マーケティングコンタクト CRMに記録されているだけのコンタクト 課金対象外(CRM無料枠内) CRMレコード閲覧、取引管理、チケット管理

使い分けの具体例

たとえば、展示会で1,000件の名刺情報をHubSpotに取り込んだ場合、全員にメールを送るのではなく、興味度の高い200件だけをマーケティングコンタクトに設定し、残り800件は非マーケティングコンタクトとしてCRMに保管する運用が可能です。これにより、課金対象は200件に限定されます。


プラン別コンタクト上限と追加課金の仕組み

Marketing Hubのコンタクトティア

Marketing Hubの料金は、プラン(Starter / Professional / Enterprise)× コンタクト数のティアで決まります。各プランには基本コンタクト数が含まれており、超過分は追加ティアごとに課金されます。

プラン 基本マーケティングコンタクト数 月額(年間契約) 追加コンタクトの単価目安
Marketing Hub Starter 1,000件 $20/月 1,000件ごとに約$20/月
Marketing Hub Professional 2,000件 $890/月 5,000件ごとに約$250/月
Marketing Hub Enterprise 10,000件 $3,600/月 10,000件ごとに約$100/月

注目すべきポイントは、Enterpriseプランは追加コンタクトの1件あたり単価が最も安い点です。大量のマーケティングコンタクトを抱える企業にとっては、Professionalで追加購入を重ねるよりもEnterpriseへアップグレードした方がトータルコストが下がるケースがあります。

CRMの無料コンタクト枠

HubSpotの無料CRMには、最大で数百万件のコンタクトレコードを保存できます。重要なのは、CRMのレコード保存とMarketing Hubの課金は別の概念であるという点です。CRMに100万件のコンタクトが存在しても、マーケティングコンタクトとして設定しているのが5,000件であれば、Marketing Hubの課金はその5,000件に対してのみ発生します。


コンタクト数別のコストシミュレーション

事業成長に伴うコンタクト数の増加を想定し、各プランでの年間コストをシミュレーションしてみましょう。

マーケティングコンタクト数 Starter年額 Professional年額 Enterprise年額
1,000件 $240
5,000件 $1,200 $10,680
10,000件 $2,400 $13,680 $43,200
25,000件 $6,000 $22,680 $49,200
50,000件 $12,000 $37,680 $55,200
100,000件 $24,000 $67,680 $67,200

このシミュレーションから明らかなとおり、コンタクト数が5万件を超えるあたりでProfessionalとEnterpriseの年間コストが逆転します。Enterpriseプランには予測リードスコアリングやカスタム行動イベントなどの高度な機能も含まれるため、単純なコスト比較以上のメリットがあります。


スケーリング段階ごとの戦略

フェーズ1:1,000〜5,000件(立ち上げ期)

この段階ではStarterプランまたはProfessionalプランで十分対応できます。コンタクト数よりも、データの質を確保することに注力すべきフェーズです。

フォームからの流入時点でマーケティングコンタクトに設定するルールを明確にし、展示会で取得した名刺データなど一括インポートするコンタクトは非マーケティングコンタクトとして取り込む運用を確立します。

フェーズ2:5,000〜2万件(成長期)

コンタクトが5,000件を超えると、マーケティングコンタクトの管理がコストに直結し始めます。この段階での最重要アクションは、非エンゲージメントコンタクトの定期的なクリーニングです。

6ヶ月以上メールを開封していないコンタクトを非マーケティングコンタクトへ切り替えることで、課金対象を圧縮できます。HubSpotのアクティブリスト機能を活用し、エンゲージメントの低いコンタクトを自動的に抽出する仕組みを構築しましょう。

フェーズ3:2万〜10万件(拡大期)

コンタクト数が2万件を超えたら、Enterpriseプランへの移行を本格的に検討します。Enterpriseプランではチーム単位のパーティション管理やカスタム行動イベント、予測リードスコアリングなど高度な機能も利用可能になるため、コスト面だけでなく機能面でもメリットがあります。

Casioは、グローバルで大規模なコンタクトをHubSpotで管理する際、地域ごとのマーケティングコンタクト設定ルールを統一し、不要なコンタクトの定期削除プロセスを自動化することで、コンタクト課金を最適化しています。

フェーズ4:10万件超(大規模運用期)

10万件を超える規模では、データベースの健全性維持がコスト管理と同義になります。マーケティングコンタクトの自動分類ワークフロー、地域別・事業部別のガバナンスルール、定期的なデータアーカイブポリシーの策定が必須です。


コンタクトデータベースのクリーニング戦略

四半期ごとの5つのクリーニングアクション

コンタクト数の肥大化を防ぎ、マーケティングコンタクトの課金を最適化するために、以下のアクションを四半期に1回実施することを推奨します。

1. バウンスメールアドレスの処理

ハードバウンスが記録されたコンタクトは、メール配信の品質スコアにも悪影響を与えます。HubSpotのメールヘルスツールでバウンスコンタクトを抽出し、削除または非マーケティングコンタクトへ変更します。

2. 未エンゲージメントコンタクトの非マーケティング化

過去6ヶ月間にメールの開封・クリックがなく、Webサイト訪問もないコンタクトは、非マーケティングコンタクトへ切り替えます。

3. 重複コンタクトのマージ

HubSpotの重複管理ツールを使い、同一人物の重複レコードを統合します。重複コンタクトは不要な課金を発生させるだけでなく、正確なレポーティングも阻害します。

4. 競合他社・パートナーの除外

競合企業やパートナー企業の担当者など、マーケティング施策の対象外であるコンタクトを非マーケティングコンタクトに設定します。

5. フリーメール・不正データのフィルタリング

BtoB企業の場合、フリーメールアドレスで登録されたコンタクトの中に、ターゲット顧客でないケースが含まれることがあります。ドメインベースでフィルタリングし、精査します。


マーケティングコンタクト設定のベストプラクティス

マーケティングコンタクトの設定は月次更新サイクルで処理されます。非マーケティングコンタクトからマーケティングコンタクトへの変更は即時反映されますが、マーケティングコンタクトから非マーケティングコンタクトへの変更は次の月次更新日まで反映されません

この仕様を理解した上で、以下のルールを運用に組み込むことが重要です。

  • フォーム送信時に自動でマーケティングコンタクトに設定する対象フォームを限定する
  • インポート時はデフォルトで非マーケティングコンタクトとし、精査後に変更する
  • ワークフローで自動的に非エンゲージメントコンタクトを非マーケティングに切り替える

月次の管理タスク

タスク 頻度 担当 ツール
コンタクト総数の確認 月次 マーケティング HubSpotダッシュボード
マーケティングコンタクト数の確認 月次 マーケティング 設定 > マーケティングコンタクト
バウンスコンタクトの整理 月次 マーケティング コンタクトリスト
重複コンタクトの統合 月次 CRM管理者 重複管理ツール
コンタクト増加トレンドの分析 四半期 マーケティング カスタムレポート
プラン見直し・更新検討 年次 管理者 HubSpot営業担当と協議

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まとめ

HubSpotのコンタクト課金はマーケティングコンタクトのみが対象で、非マーケティングコンタクトは無制限に保有できるという構造を理解していないと、契約更新時に想定外のコスト増に振り回されます。マーケティングメール配信の対象になる人だけをマーケティングコンタクトに昇格させる運用を徹底するだけで、契約段階の枠を大きく超過せずに済みます。成長フェーズに合わせて1,000/5,000/10,000件と段階的にコスト試算を行い、リード獲得施策とコンタクト数の増加ペースを事前にすり合わせておくのが堅実です。まずは現在のコンタクト総数とマーケティング/非マーケティングの内訳を確認し、「今すぐ非マーケ化できる対象」を洗い出すところから始めてみてください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 非マーケティングコンタクトにマーケティングメールを送信できますか?

いいえ。非マーケティングコンタクトにはマーケティングメール(一斉配信メール)を送信できません。ただし、CRMからの1対1のメール送信やSales Hubのシーケンス機能によるメール送信は可能です。マーケティングメールを送信したい場合は、事前にマーケティングコンタクトへ変更する必要があります。

Q2. マーケティングコンタクトから非マーケティングコンタクトへの変更はいつ反映されますか?

マーケティングコンタクトのステータス変更は、翌月の請求日に反映されます。月の途中で変更しても、その月の課金は変わりません。クリーニング作業は請求日の前月中に完了させることを推奨します。

Q3. コンタクト数がティアの上限に達した場合、どうなりますか?

コンタクト数がティアの上限に達すると、自動的に次のティアに移行し、追加料金が発生します。上限に近づくとHubSpotから通知が届きますが、事前に増加トレンドを把握して計画的にティア移行を行うことが重要です。

Q4. 大量のコンタクトを一括インポートした場合、すべてマーケティングコンタクトになりますか?

いいえ。インポート時に、マーケティングコンタクトとして設定するかどうかを選択できます。「マーケティングコンタクトとして設定しない」を選択すれば、非マーケティングコンタクトとしてCRMに保存されます。この設定を見落とすと不要な課金が発生するため、インポート時には必ず確認してください。

Q5. コンタクトを削除せずに課金を抑える方法はありますか?

コンタクトを非マーケティングコンタクトに変更することで、データを保持したまま課金対象から外せます。過去の取引履歴や活動ログを残しておきたいが、現時点ではマーケティング施策の対象ではないコンタクトに有効な方法です。


HubSpotのコンタクト課金は、プランの選択とマーケティングコンタクトの管理次第で大きくコストが変わります。定期的なクリーニングと適切なプラン移行のタイミング判断を組み合わせることで、事業成長に合わせた持続可能なスケーリングが実現できます。

カテゴリ: HubSpot導入・料金・移行 | HubSpot


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著者情報

7-1

今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。
HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。