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「営業担当者が電話した内容をCRMに手動で入力するのが面倒で、記録が漏れてしまう」
「通話の録音やAI文字起こしを使って、商談の振り返りやコーチングに活かしたい」
——こうした課題を抱える営業マネージャーやセールス担当者の方は少なくありません。
HubSpotには、CRMと完全に統合された通話機能が標準搭載されています。ブラウザから直接電話をかけられる内蔵通話機能に加え、Aircall・RingCentralなどのサードパーティ電話サービスとの連携により、通話録音・AI文字起こし・CRM自動記録を一元的に管理できます。
この記事では、HubSpotの通話機能の基本から、外部電話連携の設定方法、AI文字起こしの活用法まで、営業チームの電話業務を効率化するための具体的な手順を解説します。
この記事でわかること
- HubSpot内蔵通話機能の基本と利用条件
- Aircall・RingCentralなどサードパーティ電話連携の設定方法
- 通話録音の設定と法的注意点
- AI文字起こし(Conversation Intelligence)の活用法
- CRM自動記録で通話データを営業活動に活かす方法
- プラン別の通話機能比較
本記事はStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。
HubSpot通話機能の概要と仕組み
HubSpotの通話機能は、CRMに組み込まれた電話発信機能です。コンタクトレコードや取引レコードから直接電話をかけることができ、通話内容は自動的にCRMのタイムラインに記録されます。
この仕組みにより、「誰が・いつ・どのくらいの時間・どんな内容で通話したか」をチーム全体で共有できます。営業日報にわざわざ電話の内容を書き写す必要がなくなり、マネージャーも通話履歴からコーチングのポイントを見つけやすくなります。
内蔵通話(HubSpot Calling)の特徴
HubSpot Callingは、VoIP(Voice over IP)技術を使ってブラウザやモバイルアプリから直接電話をかけられる機能です。特別な電話機器やソフトウェアのインストールは不要で、インターネット接続があればすぐに利用を開始できます。
主な特徴は以下のとおりです。
- ブラウザベースのため追加ハードウェア不要
- コンタクトレコードからワンクリックで発信
- 通話メモのリアルタイム記録
- 通話録音(有料プランで利用可能)
- 通話後のアクティビティ自動記録
プラン別の通話機能比較
| 機能 | 無料プラン | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 内蔵通話(発信) | 月15分 | 月500分 | 月3,000分 | 月12,000分 |
| 通話録音 | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 |
| AI文字起こし | 不可 | 不可 | 可能 | 可能 |
| 通話コーチング(Conversation Intelligence) | 不可 | 不可 | 可能 | 可能 |
| サードパーティ電話連携 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
| カスタム通話プロパティ | 不可 | 不可 | 可能 | 可能 |
無料プランでも月15分の内蔵通話が利用できますが、本格的な営業活動にはStarter以上が推奨されます。AI文字起こしやConversation Intelligenceを活用したい場合はProfessional以上が必要です。
HubSpot内蔵通話の設定手順
ステップ1: 通話機能の有効化
HubSpotの設定画面から 「通話」 を選択し、内蔵通話を有効化します。管理者がアカウント全体で通話機能をオンにした後、各ユーザーが自分のプロファイルで電話番号を登録します。
日本国内の電話番号を登録する場合は、国コード「+81」を選択し、市外局番の先頭の「0」を除いた番号を入力してください。
ステップ2: 発信元番号の設定
HubSpot Callingでは、発信元として表示される電話番号を設定できます。会社の代表番号や個人の携帯番号を登録することで、相手のスマートフォンにその番号が表示されます。番号の認証にはSMS確認コードが必要です。
ステップ3: 通話の実行
コンタクトレコードを開き、画面上部の 「通話」 ボタンをクリックします。通話ウィンドウが表示され、メモの入力や録音の開始ができます。通話終了後、アクティビティの種類(「接続済み」「不在」「留守電」など)を選択し、メモを追加して保存すると、タイムラインに自動記録されます。
サードパーティ電話連携の設定
HubSpotの内蔵通話だけでなく、専用のクラウド電話サービスと連携することで、より高度な電話機能を活用できます。
主要な連携サービス比較
| サービス名 | 特徴 | HubSpot連携方式 | 月額目安(1ユーザー) |
|---|---|---|---|
| Aircall | コールセンター向け・IVR対応 | ネイティブ連携 | ¥4,400〜 |
| RingCentral | UCaaS統合・ビデオ通話対応 | ネイティブ連携 | ¥2,980〜 |
| Dialpad | AI音声認識が強力 | ネイティブ連携 | ¥2,000〜 |
| BIZTEL | 日本製・国内サポート充実 | API連携 | ¥15,000〜 |
| MiiTel | 日本製・AI解析・スコアリング | API連携 | ¥5,980〜 |
Aircallとの連携手順
Aircallは、HubSpotとのネイティブ連携が充実したクラウド電話サービスです。セットアップは次のとおりです。
- HubSpotマーケットプレイスで「Aircall」を検索しインストール
- Aircallアカウントでログインし、HubSpotポータルを認証
- 通話プロパティのマッピングを設定(通話時間・結果・メモの対応)
- チームメンバーにAircallユーザーを割り当て
連携後は、Aircallで受発信した通話がHubSpotのコンタクトタイムラインに自動記録されます。通話録音データもHubSpot上から再生でき、マネージャーがチームの通話品質を確認するのに役立ちます。
MiiTelとの連携
MiiTelは、日本のRevComm社が提供するAI搭載型クラウドIP電話サービスです。通話内容のAI解析、トーク比率の分析、応対スコアリングなど、日本市場に特化した機能が充実しています。HubSpotとの連携では、MiiTel側の通話履歴をHubSpotのコンタクトレコードに自動連携でき、アクティビティとして記録されます。
通話録音の設定と法的注意点
録音機能の有効化
HubSpotの 設定 → 通話 → 録音 から、通話録音を有効にできます。録音をオンにすると、通話開始時に相手に録音の同意を求めるアナウンスを自動再生するオプションも利用できます。
日本における法的注意点
日本の法律では、通話の一方当事者が録音することは基本的に適法とされています(秘密録音)。ただし、ビジネス上のベストプラクティスとして、以下の対応を推奨します。
- 通話開始時に「品質向上のため録音させていただきます」と告知する
- プライバシーポリシーに通話録音の旨を明記する
- 録音データの保管期間と削除ルールを社内で定める
- GDPR対象地域のお客様との通話では、明示的な同意を取得する
録音データの活用方法
録音データは単なる記録にとどまらず、以下のような営業力強化に活用できます。
- 新人教育: ベテラン営業の成功事例を教材として共有
- 商談分析: 失注案件の通話を振り返り、改善ポイントを特定
- コンプライアンス: 契約内容の確認や証跡としての保管
- VOC(顧客の声)収集: 製品改善に繋がるフィードバックの抽出
AI文字起こし(Conversation Intelligence)の活用
HubSpotのConversation Intelligence機能は、Sales Hub ProfessionalおよびEnterprise で利用できるAI文字起こし・通話分析機能です。

AI文字起こしでできること
- 自動文字起こし: 通話内容をテキスト化し、検索可能にする
- 話者分離: 営業担当者と顧客の発言を自動的に分離
- キーワード追跡: 「競合」「価格」「解約」など指定キーワードの出現を検出
- トークリッスン比率: 営業がどれだけ話し、どれだけ聞いたかを数値化
- アクションアイテム抽出: 通話中に出た次のステップを自動抽出
活用事例:営業コーチングへの応用
Conversation Intelligenceの真価は、マネージャーによるコーチングの効率化にあります。たとえば、Snowflake社では営業チームの通話をAIで分析し、トップパフォーマーの話し方パターンを特定した上で、チーム全体のスキルアップに活用しています。
具体的には、以下のような使い方が効果的です。
- 週次レビュー: キーワードトラッカーで「競合名」が多く出現した通話をピックアップし、競合対策の議論材料にする
- トーク比率分析: 営業が70%以上話している通話を検出し、ヒアリング重視のコーチングを行う
- 成功パターン抽出: 受注案件の通話を分析し、効果的なフレーズや質問パターンをチームに共有する
CRM自動記録で通話データを営業活動に活かす
通話アクティビティの自動記録

HubSpotの通話機能(内蔵・外部連携問わず)で発生した通話は、コンタクトのタイムラインにアクティビティとして自動記録されます。記録される情報には以下が含まれます。
- 通話日時・通話時間
- 発信/着信の区別
- 通話結果(接続済み・不在・留守番電話など)
- 録音データへのリンク
- AI文字起こしテキスト
- 営業担当者のメモ
レポート・ダッシュボードでの活用
通話データをレポートに活用することで、チームの営業活動の可視化が可能になります。
| レポート種類 | 把握できる内容 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 担当者別通話数 | 個人のアクティビティ量 | 行動量のモニタリング |
| 通話結果分布 | 接続率・不在率 | コール時間帯の最適化 |
| 通話時間の推移 | 商談の深さの変化 | パイプライン進捗確認 |
| キーワード出現頻度 | 市場のトレンド | 競合動向・ニーズ把握 |
ワークフローとの連携
通話アクティビティをトリガーにしたワークフローを作成することで、営業プロセスの自動化が可能です。
- 通話後にフォローアップメールを自動送信
- 通話結果が「不在」の場合、翌日にリマインドタスクを自動作成
- 通話時間が10分以上の場合、取引ステージを自動更新
- 特定のキーワードが検出された場合、マネージャーに通知
よくある質問(FAQ)
Q1: HubSpotの内蔵通話で日本の電話番号に発信できますか?
はい、HubSpot Callingは日本国内の固定電話・携帯電話への発信に対応しています。ただし、VoIPベースのため、通話品質はインターネット回線の品質に依存します。重要な商談にはAircallやMiiTelなどの専用サービスとの連携を推奨します。
Q2: 通話録音のストレージ容量に制限はありますか?
HubSpotの通話録音は、プランに応じた保存期間が設定されています。Sales Hub Professionalでは録音データが最大90日間保存され、Enterpriseでは無制限に保存されます。長期保存が必要な場合は、外部ストレージへのエクスポートを検討してください。
Q3: AI文字起こしは日本語に対応していますか?
HubSpotのConversation Intelligence機能は日本語の文字起こしに対応しています。精度は継続的に改善されており、ビジネス用語や業界特有の専門用語についても高い認識率を実現しています。ただし、方言や早口の場合は精度が低下する可能性があります。
Q4: サードパーティ電話連携と内蔵通話はどちらを選ぶべきですか?
チーム規模が5名以下で通話量が少ない場合は内蔵通話で十分です。一方、10名以上のインサイドセールスチームや、IVR(自動音声応答)・コールキュー(着信振り分け)が必要な場合は、AircallやMiiTelなどの専用サービスとの連携を推奨します。コスト面では内蔵通話が有利ですが、機能面では専用サービスが優れています。
カテゴリ: HubSpot機能ガイド | HubSpot
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。