フィールドセールスとインサイドセールスの定義と違い。10項目の詳細比較表。
「フィールドセールスとインサイドセールスの役割分担がうまくいかない」「せっかくインサイドセールスがアポを取っても、フィールドセールスから『質が低い』と言われる」――営業組織を分業化した企業で、最も多い悩みがこのIS(インサイドセールス)とFS(フィールドセールス)の連携問題です。
フィールドセールスとインサイドセールスの定義に取り組む企業が増えていますが、具体的な進め方で迷うケースは少なくありません。
フィールドセールスとインサイドセールスは、対立する存在ではなく、営業プロセスにおける専門分化したパートナーです。それぞれの強みを活かし、弱みを補い合うことで、営業組織全体のパフォーマンスを最大化できます。
この記事では、フィールドセールスとインサイドセールスの違いを明確にし、最適な分業体制の3モデル、連携を成功させる5つのルール、SLA設計の方法まで実践的に解説します。
本記事は「インサイドセールスとは?基礎知識から導入効果まで完全ガイド」シリーズの一部です。
この記事でわかること
- フィールドセールスとインサイドセールスの定義と違い — さらに深掘りしたい方は営業の属人化を解消する方法もあわせてお読みください。
- 10項目の詳細比較表 — 判断に必要な観点を整理し、自社に最適な選択ができるようにお伝えします。
- 最適な分業体制の3つのモデル — 少人数でも成果を出せる体制づくりのポイントを実践的に解説します。
- 連携を成功させる5つのルール — 少人数でも成果を出せる体制づくりのポイントを実践的に解説します。
- SLA(サービスレベルアグリーメント)の設計方法 — SLAとは、ISとFSの間で取り決める「約束事」です。
- 連携がうまくいかないときの原因と対策 — 少人数でも成果を出せる体制づくりのポイントを実践的に解説します。
営業・CRMの取り組みを検討されている方に、
フィールドセールスとインサイドセールスの定義
フィールドセールス(FS)とは
さらに深掘りしたい方は営業の属人化を解消する方法もあわせてお読みください。
フィールドセールスは、顧客先に訪問またはオンライン商談で対面し、提案・交渉・クロージングを行う営業です。「外勤営業」「訪問営業」とも呼ばれ、商談の深い部分を担当します。
インサイドセールス(IS)とは
インサイドセールスは、電話・メール・Web会議などの非対面チャネルで、リードの発掘・育成・商談創出を行う営業です。「内勤営業」とも呼ばれ、商談の入口を担当します。インサイドセールスの基本は「インサイドセールスとは?完全ガイド」で網羅的に解説しています。
10項目の詳細比較表
| 比較項目 |
インサイドセールス(IS) |
フィールドセールス(FS) |
| 活動場所 |
オフィス・リモート |
顧客先・オンライン商談 |
| 主な手段 |
電話・メール・Web会議 |
対面商談・プレゼン・デモ |
| 担当フェーズ |
リード対応〜商談創出 |
提案〜交渉〜クロージング |
| 1日の対応件数 |
15〜30件 |
3〜5件 |
| 1商談あたりの時間 |
5〜15分 |
30〜90分 |
| 必要なスキル |
ヒアリング力・効率性・データ分析 |
提案力・交渉力・関係構築。ISとFSの役割分担についてはSDRとBDRの違いも参考にしてください |
| 主なKPI |
コール数・アポ数・SQL数 |
受注数・受注金額・受注率 |
| 商材との相性 |
低〜中単価・標準型 |
高単価・カスタマイズ型 |
| データ活用 |
CRMデータを日常的に活用 |
CRM入力が課題になりがち |
| 成果が出るまで |
1〜3ヶ月 |
3〜6ヶ月(商談サイクル依存) |
最適な分業体制の3つのモデル
モデル1:完全分業型
IS→FS→CSの順番で完全にプロセスを分割するモデルです。The Modelの基本形であり、最も普及しています。
マーケティング → IS(商談創出)→ FS(受注)→ CS(継続)
| メリット |
デメリット |
| 各部門の専門性が高まる |
部門間の情報断絶が起きやすい |
| KPIが明確で管理しやすい |
顧客体験が分断される可能性 |
| 人材の採用・育成が容易 |
SLAの設計・運用が複雑 |
適した企業: リード数が月100件以上、営業組織が10名以上
モデル2:IS主導型(ISがクロージングまで担当)
ISが商談からクロージングまでを一貫して担当するモデルです。低単価・短サイクルの商材に適しています。
マーケティング → IS(商談創出〜受注)→ CS(継続)
| メリット |
デメリット |
| 顧客体験が一貫する |
ISに高いクロージングスキルが必要 |
| 人件費を抑えられる |
高単価・複雑な商談には不向き |
| 情報の引き継ぎロスがない |
ISの業務負荷が高い |
適した企業: 平均受注単価50万円以下、営業サイクル1ヶ月以内
モデル3:協働型(IS/FSペア制)
IS1名とFS1名がペアを組み、同じ案件を協力して進めるモデルです。
マーケティング → IS+FS(ペアで対応)→ CS(継続)
| メリット |
デメリット |
| 情報共有がスムーズ |
組織が大きくなると管理が複雑 |
| 顧客体験の質が高い |
ペアの相性に依存する |
| 柔軟な対応が可能 |
KPIの切り分けが難しい |
適した企業: 営業組織10名以下、高単価・長サイクルの商材
モデル選定の判断基準
| 条件 |
推奨モデル |
| リード月100件以上 × 組織10名以上 |
完全分業型 |
| 低単価 × 短サイクル × 少人数 |
IS主導型 |
| 高単価 × 長サイクル × 少人数 |
協働型 |
連携を成功させる5つのルール
ルール1:商談化の定義を明文化する
ISとFSの間で最もトラブルになるのが「商談の質」の認識のずれです。商談化の基準を定量的に定義し、双方が合意しておくことが不可欠です。
商談化基準の例:
| BANT項目 |
基準 |
| Budget(予算) |
概算予算が把握できている or 予算確保の可能性がある |
| Authority(決裁権) |
決裁者または影響力のある担当者と接触済み |
| Need(ニーズ) |
具体的な課題が1つ以上明確 |
| Timeline(時期) |
6ヶ月以内に導入検討の意思がある |
判定ルール: 4項目中3つ以上を満たした場合にSQLとしてFSにトスアップ
ルール2:引き継ぎ情報のフォーマットを統一する
ISからFSへの引き継ぎ時に、以下の情報を必ずCRMに記録します。
- 企業名・担当者名・役職・連絡先
- ヒアリングで把握したBANT情報
- 顧客が発言した課題・要望の原文
- 競合の検討状況
- 次回商談の日時・議題・参加者
- ISの所感(温度感・注意点)
ルール3:FSの初回接触期限を設定する
ISが商談をトスアップしてからFSが初回接触するまでの期限を明確にします。
| 商談の温度感 |
FSの初回接触期限 |
| 高(すぐに検討したい) |
24時間以内 |
| 中(情報収集段階) |
48時間以内 |
| 低(将来的に検討) |
1週間以内 |
ルール4:FSからISへのフィードバックを義務化する
FSは商談の結果を必ずISにフィードバックします。これにより、ISは自分の商談創出の質を改善できます。
フィードバック項目:
- 商談の受入可否(受入 / 差し戻し / 要追加ヒアリング)
- 差し戻しの場合の理由
- 商談の進捗(提案済み / 見積提出 / 受注 / 失注)
- 失注の場合の理由
- ISへの改善フィードバック
ルール5:定期的な合同ミーティングを実施する
ISとFSが週1回、30分の合同ミーティングを行います。
| アジェンダ |
時間 |
内容 |
| パイプラインレビュー |
10分 |
現在進行中の商談の状況共有 |
| 商談フィードバック |
10分 |
FS→ISの商談品質フィードバック |
| ナレッジシェア |
10分 |
成功/失敗事例の共有、改善アクション |
SLA(サービスレベルアグリーメント)の設計方法
SLAとは
SLAとは、ISとFSの間で取り決める「約束事」です。互いの責任範囲と期待値を明文化し、連携の質を担保します。
SLA設計テンプレート
ISがFSに対して約束する項目:
| 項目 |
SLA基準 |
| 月間SQL数 |
○件以上 |
| SQL品質(BANT充足率) |
3項目以上: 80%以上 |
| 引き継ぎ情報の記入率 |
100% |
| トスアップからカレンダー招待の送付 |
1時間以内 |
FSがISに対して約束する項目:
| 項目 |
SLA基準 |
| 初回接触までの時間 |
48時間以内 |
| 商談フィードバックの提出 |
商談実施後24時間以内 |
| SQL受入率 |
70%以上 |
| 差し戻し時の理由記載 |
100% |
SLAの運用ルール
- SLAは四半期ごとに見直す
- SLA違反が3回連続した場合は、マネージャー間で改善協議を行う
- SLAの達成率はダッシュボードでリアルタイムに可視化する
連携がうまくいかないときの原因と対策
| 症状 |
原因 |
対策 |
| FSが「アポの質が低い」と不満 |
商談化基準が曖昧 |
BANT基準を定量的に再定義 |
| ISが「FSがアポを無駄にしている」と不満 |
FSのフィードバックがない |
フィードバックをSLAに組み込む |
| 顧客が「同じ話を何度もさせられる」と不満 |
引き継ぎ情報が不十分 |
CRMの記入項目を標準化 |
| 商談後に失注が続く |
ISとFSのターゲット認識がずれている |
合同でICP(理想顧客像)を再定義 |
| 特定のISとFSの組み合わせだけ成果が出る |
属人的な連携に依存 |
プロセス・ルールを標準化 |
HubSpotで実現するフィールドセールスとインサイドセールスの違い
フィールドセールスとインサイドセールスの違いを実務に落とし込むには、CRMツールの活用が不可欠です。詳しくは「HubSpotシーケンスの使い方を徹底解説!営業メール自動化の設定から分析・収益管理まで」で解説しています。
まとめ
フィールドセールスとインサイドセールスの連携は、明確な役割定義、SLAの設計、定期的なコミュニケーションの3つの柱で成り立ちます
押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- 「ISの仕事はアポを取ること」「FSの仕事は受注すること」という単純な分け方ではなく、共通のゴール(売上目標)に向かってプロセスを共有するパートナーシップとして設計することが重要です
- まずは商談化基準の明文化とSLAの設定から始め、週次の合同ミーティングでPDCAを回していきましょう
ISとFSの分業体制の設計やCRMを活用した連携の仕組みづくりにお悩みでしたら、HubSpotゴールドパートナーのStartLinkにご相談ください。HubSpotを活用した商談管理フローの構築から、SLA設計、ダッシュボード作成まで一貫してサポートいたします。
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よくある質問(FAQ)
Q1. フィールドセールスとインサイドセールスの違いとは何ですか?
フィールドセールスとインサイドセールスの違いとは、企業の業務効率化や成果向上を目的とした取り組み・手法のことです。本記事で解説している通り、適切な設計と運用が成功の鍵となります。導入前に自社の課題を明確にし、段階的に取り組むことが推奨されます。
Q2. フィールドセールスとインサイドセールスの定義で最も重要なポイントは何ですか?
最も重要なのは、明確な目標設定とKPIの定義です。ゴールが曖昧なまま施策を進めると、効果測定ができず改善サイクルが回りません。まず「何を達成したいか」を具体的な数値で定義し、そこから逆算して施策を設計することが成功への近道です。
Q3. フィールドセールスとインサイドセールスの違いを始める際の最初のステップは?
最初のステップは現状分析です。自社の課題を洗い出し、優先順位をつけたうえで、最もインパクトの大きい領域から着手します。いきなり全体を変えようとせず、小さく始めて成功体験を積み重ねるアプローチが効果的です。HubSpotなどのツールを活用すれば、データに基づいた意思決定が可能になります。
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