HubSpotブログ機能の全体像と利用プランごとの違いを解説します。ブログの初期設定手順(ドメイン・テンプレート・カテゴリ設計)を解説します。
「HubSpotでブログを始めたいが、どこから手をつければいいかわからない」「WordPressからHubSpotに移行したいが、ブログ機能の全体像がつかめない」——HubSpotのContent Hub(旧CMS Hub)にはブログ機能が標準搭載されていますが、初期設定を正しく行わないと、後から構造を修正する手間が大きくなります。
HubSpotのブログは、単なる記事公開ツールではありません。CRMプラットフォームの一部として動作するため、どの記事を読んだコンタクトがどの商談につながったかをトラッキングできます。CTA・フォームの埋め込みによるリード獲得も、ブログ画面から直接設定可能です。
本記事では、HubSpotブログの初期設定から記事公開までの全ステップを、実務で迷いやすいポイントを押さえながら解説します。
この記事でわかること
HubSpotのブログ機能を使ってコンテンツマーケティングを始めたい担当者に向けた記事です。
- HubSpotブログ機能の全体像と利用プランごとの違い — 本格的なBtoBブログ運営には、SEO推奨事項の詳細分析やA/Bテストが使えるProfessional以上の利用を推奨します。
- ブログの初期設定手順(ドメイン・テンプレート・カテゴリ設計) — HubSpot管理画面の「コンテンツ」→「ブログ」から、新しいブログを作成します。
- SEO設定の具体的な項目と最適化のポイント — HubSpotのブログエディタでは、記事ごとに以下の項目を設定できます。
- 執筆者プロフィールとE-E-A-T対策を解説します
- ブログ運用を軌道に乗せるための実践テクニック — ブログ開設時は、最低10本程度の記事を準備してから公開することを推奨します。
HubSpotブログ機能の全体像
プラン別の機能比較

| 機能 |
Free |
Starter |
Professional |
Enterprise |
| ブログ記事の作成・公開 |
制限あり |
制限あり |
無制限 |
無制限 |
| カスタムドメイン |
不可 |
1ドメイン |
複数ドメイン |
複数ドメイン |
| SEO推奨事項 |
基本のみ |
基本のみ |
詳細分析 |
詳細分析 |
| A/Bテスト |
不可 |
不可 |
対応 |
対応 |
| スマートコンテンツ |
不可 |
不可 |
対応 |
対応 |
| テンプレートカスタマイズ |
デフォルトのみ |
テーマ選択可 |
フルカスタマイズ |
フルカスタマイズ |
| Breeze AIアシスタント |
基本 |
基本 |
高度な生成 |
高度な生成 |
本格的なBtoBブログ運営には、SEO推奨事項の詳細分析やA/Bテストが使えるProfessional以上の利用を推奨します。
HubSpotブログならではの強み
一般的なCMSと異なり、HubSpotブログはCRMと直接連携しています。
- 行動トラッキング:記事を読んだコンタクトの閲覧履歴がCRMに自動記録される
- CTA・フォーム埋め込み:記事内にリード獲得用のCTAやフォームを直接挿入できる
- コンテンツ戦略ツール:トピッククラスターを視覚的に設計し、内部リンク戦略を管理できる
- Breeze AIアシスタント:記事の下書き、メタディスクリプション、見出しの提案をAIが行う
ブログ初期設定の手順
ステップ1:ブログの作成と基本設定
HubSpot管理画面の「コンテンツ」→「ブログ」から、新しいブログを作成します。1つのHubSpotアカウントで複数のブログを運営できるため、コーポレートブログとプロダクトブログを分けることも可能です。
設定すべき基本項目
- ブログ名:サイト内で表示されるブログのタイトル
- ブログのルートURL:ブログ一覧ページのURL(例:
/blog)
- 言語設定:日本語ブログの場合は「日本語」を選択
- 日付形式:日本向けなら「YYYY年MM月DD日」形式を推奨
ステップ2:ドメインの設定
ブログをカスタムドメインで公開するには、HubSpotにドメインを接続する必要があります。すでにWebサイトをHubSpotで運営している場合は、同じドメインのサブディレクトリ(例:www.example.com/blog)にブログを配置するのが一般的です。
サブドメイン方式(blog.example.com)とサブディレクトリ方式(www.example.com/blog)のどちらにするかは、SEOの観点で重要な判断です。Googleの公式見解でも、サブディレクトリはドメイン全体のSEO評価を集約しやすいとされているため、サブディレクトリ方式を推奨します。
ステップ3:テンプレートの選択
HubSpotのテーママーケットプレイスから、ブログ記事用のテンプレートを選択します。
| テンプレートタイプ |
特徴 |
推奨シーン |
| デフォルトテーマ |
HubSpot標準のシンプルデザイン |
すぐに始めたい場合 |
| マーケットプレイステーマ |
有料・無料の多様なデザイン |
ブランドに合うデザインを選びたい場合 |
| カスタムテーマ |
HTMLやCSSでフル編集 |
独自デザインが必要な場合 |
テンプレートは後から変更可能ですが、レイアウトの大幅変更は既存記事の表示に影響するため、初期段階で慎重に選定してください。
ステップ4:カテゴリ(タグ)の設計
HubSpotのブログには「カテゴリ」という概念がなく、タグで記事を分類します。タグは自由に作成できますが、事前に分類体系を設計しておくことが運用の成否を分けます。
タグ設計のベストプラクティス
- タグ数は15〜30個程度に絞る(多すぎると管理が煩雑になる)
- 階層を意識した命名にする(例:「マーケティング」「マーケティング - メール」「マーケティング - SEO」)
- 1記事あたりのタグ数は2〜5個が適切
- 製品名・ツール名タグとトピック・課題タグを分けて管理する
ステップ5:執筆者プロフィールの設定
HubSpotの「設定」→「ウェブサイト」→「ブログ」→「執筆者」から、著者情報を設定します。
- 表示名:記事に表示される著者名
- プロフィール写真:著者の顔写真(信頼性向上に効果的)
- 経歴:専門分野や実績の説明文(100〜200文字)
- SNSリンク:LinkedInやX(旧Twitter)のプロフィールURL
GoogleのE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点から、実在する人物のプロフィールを充実させることがSEOにプラスに働きます。
SEO設定の最適化
記事単位のSEO設定項目

HubSpotのブログエディタでは、記事ごとに以下の項目を設定できます。
| SEO項目 |
設定場所 |
推奨内容 |
| ページタイトル(title) |
設定パネル→メタデータ |
30〜60文字、主要KWを前方に配置 |
| メタディスクリプション |
設定パネル→メタデータ |
120〜155文字、記事要約+行動喚起 |
| URL(スラッグ) |
設定パネル→URL |
英語・ハイフン区切り・簡潔に |
| 正規URL(canonical) |
設定パネル→詳細オプション |
通常はデフォルトのまま |
| キービジュアル |
設定パネル→フィーチャード画像 |
1200×630px推奨、alt属性を設定 |
ブログ全体のSEO設定
ブログ全体で設定しておくべきSEO項目は以下のとおりです。
- robots.txt:HubSpotの設定画面から編集可能。ブログのクロールを許可する設定になっているか確認
- サイトマップ:HubSpotが自動生成。Google Search Consoleに登録する
- 構造化データ:HubSpotのブログテンプレートには記事のArticle schemaが標準で組み込まれている
- ページ速度:テンプレートの画像最適化、不要モジュールの削除で改善可能
コンテンツ戦略ツールの活用
Professional以上のプランでは、コンテンツ戦略ツール(トピッククラスターツール)が利用できます。ピラーページ(包括的な記事)とクラスターコンテンツ(個別トピック記事)の関係を視覚的にマッピングし、内部リンク構造を計画的に設計できます。
BtoBブログではSEOの成果が出るまでに数ヶ月かかるため、初期段階でトピッククラスター戦略を設計しておくと、中長期的なオーガニック流入の基盤になります。
ブログ記事の作成と公開
エディタの基本操作
HubSpotのブログエディタはドラッグ&ドロップ方式で、以下の要素を直感的に挿入できます。
- テキスト:見出し(H2〜H6)、段落、リスト
- 画像:ファイルマネージャーからアップロード・挿入
- 動画:HubSpot動画ホスティングまたはYouTube/Vimeo埋め込み
- CTA:ボタン型・バナー型のCTAをコンバージョンポイントとして挿入
- フォーム:リード獲得フォームを記事内に直接埋め込み
- テーブル:比較表やデータ表を作成
公開前の確認事項
記事を公開する前に、以下の項目を確認します。
- ページタイトルにターゲットキーワードが含まれているか
- メタディスクリプションが設定されているか
- URLスラッグが適切に最適化されているか
- キービジュアルが設定されているか(未設定だとSNSシェア時にサムネイルが表示されない)
- 内部リンク(関連記事へのリンク)が含まれているか
- CTAが適切な位置に配置されているか
- タグと執筆者が設定されているか
運用を軌道に乗せるポイント
開設時に最低10本の記事を用意する
ブログ開設時は、最低10本程度の記事を準備してから公開することを推奨します。記事が数本しかないブログは訪問者に「更新が止まっている」という印象を与え、信頼性に影響します。
更新頻度を決めて継続する
BtoB企業のブログでは、週1〜2本の更新が現実的かつ効果的な頻度です。HubSpotのBreezeコンテンツエージェントを活用すれば、記事の下書きをAIに生成させて制作効率を上げることもできます。
パフォーマンスの計測と改善
HubSpotのブログダッシュボードで、以下の指標を定期的にモニタリングします。
- ページビュー数:記事ごとのアクセス量
- 直帰率:記事だけ見て離脱する割合
- CTAクリック率:CTAの効果測定
- コンバージョン率:記事経由のリード獲得数
- オーガニック検索トラフィック:SEOの成果指標
まとめ
HubSpotブログは、テンプレート選択・カテゴリ設計・SEO設定という初期設定を正しく組んでおくことで、運用開始後の手戻りを大きく減らせます。特にSEO観点では、メタディスクリプション・URL設計・内部リンクの3点を記事公開のたびに必ずチェックする運用ルールを設けておくことが、後々の検索順位の地力を決めます。
さらに運用を軌道に乗せるには、月間の記事数目標と更新頻度のルールを先に決めてから執筆に入ることが重要です。まずはHubSpotのブログ設定画面でテンプレートとカテゴリを整え、テスト記事を1本公開して公開フローに慣れるところから着手してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. WordPressからHubSpotブログへの移行は簡単ですか?
HubSpotにはWordPressからのブログインポート機能があり、記事・画像・カテゴリ・著者情報を一括で移行できます。ただしテーマのデザインやプラグインの機能は再構築が必要なため、移行にはある程度の期間を見込んでおく必要があります。
Q2. Freeプランでブログは運営できますか?
Freeプランでもブログ機能は利用できますが、カスタムドメインの設定ができず、HubSpotのロゴが挿入されます。ビジネス利用であれば、最低でもStarterプラン以上を推奨します。
Q3. 1つのアカウントで複数ブログを運営できますか?
はい。Professional以上のプランでは、1アカウントで複数のブログを作成・運営できます。コーポレートブログとプロダクトブログを分けて運営するといった使い方が可能です。
Q4. ブログ記事にCTAを設置する効果的な方法は?
記事の冒頭(ファーストビュー付近)、中間、末尾の3箇所にCTAを配置するのが一般的です。記事の内容に関連したホワイトペーパーや資料ダウンロードのCTAが最も高い効果を発揮します。記事テーマと無関係なCTAはクリック率が低くなるため、コンテンツとの関連性を重視してください。
Q5. HubSpotブログのSEO効果はいつ頃から出始めますか?
一般的に、BtoBブログのSEO効果が顕著に現れるまでには3〜6ヶ月程度かかります。HubSpotのコンテンツ戦略ツールでトピッククラスターを設計し、記事間の内部リンクを計画的に構築することで、効果の発現を早められます。
HubSpotブログは、記事の制作・公開からSEO最適化、リード獲得までを一気通貫で管理できるプラットフォームです。初期設計を正しく行えば、その後の運用がスムーズになります。まずはカテゴリ(タグ)設計とテンプレート選択から始めてみてください。