ゼロパーティデータの定義と他のデータ区分との違い。Cookie規制がBtoBマーケティングに与える影響。
サードパーティCookieの廃止が進む中、BtoBマーケティングにおけるデータ戦略の再構築が急務となっています。これまで当たり前のように利用していたサードパーティデータによるターゲティングが制限される一方で、新たなデータソースとして「ゼロパーティデータ」が注目を集めています。
——「ゼロパーティデータとはの最適解が見つからない」——そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは少なくありません。
ゼロパーティデータとは、顧客が自らの意思で企業に提供するデータのことです。アンケート回答、プリファレンス設定、フィードバックなど、顧客が「あなたに知っておいてほしい」と自発的に共有する情報であり、プライバシーの観点からも最も安全かつ信頼性の高いデータです。
本記事では、ゼロパーティデータの定義から収集方法、活用戦略、そしてBtoBマーケティングでの実践的な導入方法までを詳しく解説します。
本記事は「AIマーケティングとは?BtoB企業の活用事例と導入ステップ」シリーズの一部です。
この記事でわかること
- ゼロパーティデータの定義と他のデータ区分との違い — 実務での応用についてはAI CRMとは?2026年のCRM × AI活用トレンドと実践的な導入ステップで具体例とともに紹介しています。
- Cookie規制がBtoBマーケティングに与える影響 — さらに深掘りしたい方はパーソナライゼーションBtoB完全ガイドもあわせてお読みください。
- ゼロパーティデータの収集方法5選 — 実務での応用についてはAI CRMとは?2026年のCRM × AI活用トレンドと実践的な導入ステップで具体例とともに紹介しています。
- 収集したデータの具体的な活用戦略 — 実際の活用シーンを交えて、実務で再現できるレベルで解説します。
- データ収集時のプライバシー配慮のポイント — HubSpotは、ゼロパーティデータの収集から活用まで一貫して対応できます。
- HubSpotでのゼロパーティデータ管理と活用 — HubSpotの機能を最大限に活かすための設計と運用のポイントを解説します。
この分野の取り組みを検討されている方に、
データ区分の全体像
4つのデータ区分
詳細はCookie規制でBtoBマーケティングはどう変わる?対策と代替手法を解説をご覧ください。
マーケティングで活用するデータは、取得方法と主体によって4つに分類されます。
| データ区分 |
定義 |
例 |
信頼性 |
規制リスク |
| ゼロパーティデータ |
顧客が自発的に提供 |
アンケート回答、好み設定 |
最高 |
最低 |
| ファーストパーティデータ |
自社で直接収集 |
Web閲覧履歴、購買履歴 |
高 |
低 |
| セカンドパーティデータ |
パートナー企業から取得 |
提携先の顧客データ |
中 |
中 |
| サードパーティデータ |
第三者が収集・販売 |
Cookie、DMP経由の行動データ |
低 |
高 |
ゼロパーティデータの特徴
ゼロパーティデータが他のデータと根本的に異なるのは、顧客の明示的な意思に基づいている点です。
- 正確性 — 顧客自身が申告するため、推定データより正確
- 合意性 — 自発的に提供されるため、プライバシー懸念が最小
- 文脈性 — 顧客の意図や好みが直接的にわかる
- 鮮度 — 収集時点の最新情報
Cookie規制がBtoBマーケティングに与える影響
規制の現状
さらに深掘りしたい方はパーソナライゼーションBtoB完全ガイドもあわせてお読みください。
| 規制・ブラウザ対応 |
状況 |
BtoBへの影響 |
| GDPR(EU) |
施行中 |
同意なきデータ利用が違法 |
| 改正個人情報保護法(日本) |
施行中 |
Cookie情報も個人関連情報に |
| Safari(ITP) |
サードパーティCookie完全ブロック済 |
リターゲティング不可 |
| Chrome |
サードパーティCookie廃止方針 |
最大シェアブラウザでの影響大 |
| Firefox(ETP) |
サードパーティCookieブロック済 |
トラッキング制限 |
BtoBマーケティングへの具体的影響
- リターゲティング広告の精度低下 — サードパーティCookieに依存した広告配信が困難に
- アトリビューション計測の精度低下 — マルチタッチの貢献度分析が不正確に
- 外部DMPの活用制限 — サードパーティデータの購入・利用が制約
- ルックアライク配信の精度低下 — 類似オーディエンスの作成精度が低下
ゼロパーティデータの収集方法5選
方法1:アンケート・サーベイ
実務での応用についてはAI CRMとは?2026年のCRM × AI活用トレンドと実践的な導入ステップで具体例とともに紹介しています。
最も直接的な収集方法です。顧客満足度調査、ニーズ調査、製品フィードバックを通じて、顧客の意見・課題・ニーズを直接収集します。
BtoBでの活用例:
- 導入前の課題ヒアリングフォーム
- 製品利用後の満足度アンケート
- 業界トレンドに関する意識調査
回答率を高めるコツ:
- 質問数は5〜10問に絞る
- 回答所要時間を明示する(例:3分)
- 回答者にインセンティブを提供する(レポート、ウェビナー招待など)
- 結果のサマリーを回答者に共有する
方法2:プリファレンスセンター
顧客が自分の情報や受信設定を自由に管理できる画面を提供します。
設定項目の例:
- メール受信頻度の選択(週次・月次・四半期)
- 関心のあるトピックの選択
- 希望する連絡手段(メール・電話・チャット)
- 業種・役職の自己申告
方法3:インタラクティブコンテンツ
クイズ、診断ツール、ROI計算機など、ユーザーの参加を促すコンテンツで自然にデータを収集します。
| コンテンツ種類 |
収集できるデータ |
BtoBでの活用例 |
| 課題診断ツール |
現状の課題、優先度 |
「CRM成熟度診断」 |
| ROI計算機 |
予算規模、期待効果 |
「MAツール導入ROI算出」 |
| 適性診断クイズ |
ニーズ、志向性 |
「最適なCRMプラン診断」 |
| ベンチマーク比較 |
自社の現状数値 |
「業界平均との比較レポート」 |
方法4:段階的プロファイリング(プログレッシブプロファイリング)
初回は最小限の情報のみを求め、その後のタッチポイントで段階的に情報を追加収集していく手法です。フォーム入力の負荷を分散させることで、離脱率を低減しつつデータを蓄積できます。
方法5:ウェビナー・イベント登録フォーム
ウェビナーやイベントの登録時に、テーマに関連した質問を含めることで、参加者の課題や関心を事前に把握します。
ゼロパーティデータの活用戦略
活用の4ステップ
- データの統合 — 収集したゼロパーティデータをCRMに一元管理
- セグメントの構築 — 課題・関心・購買段階に基づくセグメントを作成
- コンテンツの最適化 — セグメントごとに最適なコンテンツを配信
- 効果測定と改善 — パーソナライズ施策のKPIを計測し継続改善
具体的な活用シーン
| 収集したデータ |
活用方法 |
| 関心テーマ |
テーマ別のメールシーケンスに振り分け |
| 導入検討時期 |
タイミングに合わせた営業アプローチ |
| 現在の課題 |
課題に対応するコンテンツの自動配信 |
| 予算規模 |
適切なプラン・サービスの提案 |
| 決裁プロセス |
意思決定者向けの資料の追加提供 |
HubSpotでのゼロパーティデータ管理
HubSpotは、ゼロパーティデータの収集から活用まで一貫して対応できます。
| 機能 |
用途 |
| フォーム |
アンケート・登録フォームで直接収集 |
| プログレッシブフィールド |
段階的なデータ収集 |
| カスタムプロパティ |
ゼロパーティデータの格納 |
| スマートリスト |
収集データに基づくセグメント |
| ワークフロー |
セグメント別の自動ナーチャリング |
| スマートコンテンツ |
Web表示の動的パーソナライズ |
HubSpot AIで実現するゼロパーティデータとは?Cookie規制時代の新しいデータ戦
ゼロパーティデータとは?Cookie規制時代の新しいデータ戦を実務に落とし込むには、CRMツールの活用が不可欠です。詳しくは「HubSpotのAI活用を総まとめ|Breeze全機能の比較と業務別おすすめ活用パターン2026年版」で解説しています。
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まとめ
Cookie規制の進行に伴い、サードパーティデータに依存したマーケティングは持続可能ではなくなりつつあります。ゼロパーティデータは、顧客の同意に基づく正確かつプライバシーに配慮したデータとして、これからのBtoBマーケティングの基盤となるものです
押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- 収集方法としてはアンケート、プリファレンスセンター、インタラクティブコンテンツ、段階的プロファイリング、イベント登録フォームの5つが実践的です
- 重要なのは、「顧客にデータを提供してもらう代わりに、価値あるコンテンツ・体験を返す」という等価交換の関係を築くことです
- HubSpotのCRMプラットフォームは、ゼロパーティデータの収集・管理・活用を一貫して実現できます
- Cookie規制への対応やデータ戦略の見直しについて、StartLinkがご支援いたします
よくある質問(FAQ)
Q1. ゼロパーティデータとは何ですか?
ゼロパーティデータとはとは、企業の業務効率化や成果向上を目的とした取り組み・手法のことです。本記事で解説している通り、適切な設計と運用が成功の鍵となります。導入前に自社の課題を明確にし、段階的に取り組むことが推奨されます。
Q2. データ区分の全体像で最も重要なポイントは何ですか?
最も重要なのは、明確な目標設定とKPIの定義です。ゴールが曖昧なまま施策を進めると、効果測定ができず改善サイクルが回りません。まず「何を達成したいか」を具体的な数値で定義し、そこから逆算して施策を設計することが成功への近道です。
Q3. ゼロパーティデータを始める際の最初のステップは?
最初のステップは現状分析です。自社の課題を洗い出し、優先順位をつけたうえで、最もインパクトの大きい領域から着手します。いきなり全体を変えようとせず、小さく始めて成功体験を積み重ねるアプローチが効果的です。HubSpotなどのツールを活用すれば、データに基づいた意思決定が可能になります。
BtoBマーケティングの全体像はBtoBマーケティング完全ガイドで体系的にまとめています。また、このテーマのカテゴリ全体はAI・マーケティングトレンドで網羅しています。