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title: プロジェクト別原価管理｜見積から採算分析まで収益性を見える化する方法
description: プロジェクト別原価管理とは、案件ごとの原価を受注前・実行中・完了後の3フェーズで管理し、収益性を一貫して追跡する仕組みです。構造化見積もりと最低粗利率による受注判断、月次の原価モニタリング、完了後の採算分析の手順と、HubSpotでの実装方法を解説します。
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# プロジェクト別原価管理｜見積から採算分析まで収益性を見える化する方法

- 2026年3月28日
- 最終更新: 2026年9月25日

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この記事の結論

プロジェクト別原価管理とは、案件ごとの原価を受注前・実行中・完了後の3フェーズで管理する仕組みです。見積もりの精度と受注判断の基準を仕組みとして揃えることが、赤字案件を防ぐ最初の一歩になります。

ブログ目次

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## 記事の内容を、そのまま実務に落とし込みたい方向け

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**プロジェクト別原価管理とは、案件ごとの原価を受注前・実行中・完了後の3フェーズで管理する仕組みです。見積もりの精度と受注判断の基準を仕組みとして揃えることが、赤字案件を防ぐ最初の一歩になります。**

「見積もりのときは黒字だったはずなのに、終わってみたら思ったより利益が残っていない」「どの案件が儲かっていて、どの案件が赤字気味なのか、月末にならないとわからない」「工数がどこで膨らんだのか、担当者の感覚でしか把握できていない」——プロジェクト型のビジネスを営む企業から、こうした声をよく耳にします。

プロジェクト別原価管理とは、案件ごとに人件費・外注費・直接経費・間接費を集計し、見積もり段階から完了後まで一貫して収益性を追跡する管理の仕組みです。多くの中小コンサルティング会社・ITサービス会社では、プロジェクトごとの原価を事後に把握することはあっても、受注前の収益性試算や進行中のコスト監視を体系的に行えていないのが実態です。

この記事では、プロジェクト別原価管理を「受注前の見積もり段階」「実行中のモニタリング」「完了後の採算分析」という3つのフェーズに分けて、具体的な手順と管理指標を解説します。関連するトピックを横断的にまとめた[原価計算完全ガイド](https://start-link.jp/hubspot-ai/management/cost-accounting)もあわせてご覧ください。

## この記事でわかること

この記事では、プロジェクト別原価管理の全体像を3つのフェーズに分解し、それぞれの設計手順と押さえておきたい指標を整理しています。

- **プロジェクト別原価管理の3フェーズ** — 見積・実行・完了後の3段階に分けて設計することで、赤字案件の早期発見と次回見積もりへのフィードバックが可能になります。
- **受注前の収益性試算と受注判断の基準** — 作業量×単価だけでなく、リスクバッファと間接費配賦を含めた構造化見積もりを作ることが重要です。
- **実行中の原価モニタリングと早期アラート** — 計画対比での定期モニタリングにより、「気づいたら赤字だった」を防ぐ仕組みを作れます。
- **完了後の採算分析と次プロジェクトへのフィードバック** — 見積もりと実績の差異を分析し、次回の見積もり精度向上につなげる流れを解説します。
- **CRMへの原価管理データ統合** — 商談レコードに原価データを持たせることで、営業・プロジェクト管理・原価管理を一つの画面から確認できるようになります。

この記事は、プロジェクト型ビジネスで案件ごとの採算を管理したいものの、Excelでの手作業に限界を感じている方に向けて書いています。最後まで読むと、受注前から完了後までを一貫して管理するフレームワークと、CRMを使った実装の考え方が理解できるようになります。

## プロジェクト別原価管理がExcelだけでは限界を迎える理由

プロジェクトの数が数件のうちは、Excelやスプレッドシートでの原価管理でも十分に回ります。ただし案件数が増え、関わる担当者が増えるにつれて、この方法には構造的な限界が出てきます。まず、なぜ手作業中心の管理が破綻するのかを整理します。

### 案件ごとにファイルが分散し、全体像が見えなくなる

案件ごとに見積もりファイルと実績集計ファイルが別々に存在し、さらに担当者によってフォーマットが少しずつ異なるという状態は珍しくありません。この場合、全案件の採算を横断して見るためには、誰かが手作業で集計し直す必要があり、経営者が「今、全体としてどれくらい儲かっているのか」をリアルタイムに把握することが難しくなります。

### 営業データとプロジェクトデータが分断される

見積もり段階の情報はCRMや営業側のExcelに、実行中の工数実績は別の工数管理ツールに、そして会計側の実績費用はまた別のシステムに、という形でデータが分散していると、受注前の見積もり金額と完了後の実績原価を突き合わせる作業自体が手間になります。結果として、完了後の採算分析が「時間がないので省略する」という運用になりがちです。

| 管理の状態 | 現場で起きやすいこと |
| --- | --- |
| 案件ごとにExcelファイルが分散 | 全案件の採算を見るために手作業の集計が必要になる |
| 営業・工数・会計のデータが分断 | 見積もりと実績原価の突き合わせ自体が手間になる |
| 採算分析が担当者の手作業頼み | 「時間がないので省略する」状態になりやすい |

こうした状態から抜け出すには、見積もり・実行中の進捗・完了後の実績を一つのフレームワークの中でつなげて管理する設計が必要です。次のセクションから、その具体的な設計を解説します。

## プロジェクト別原価管理で扱う原価の構造

プロジェクト別原価管理を設計する前に、プロジェクト型ビジネスの原価を構成する要素を整理します。

| 原価項目 | 内容 | 計算方法 |
| --- | --- | --- |
| 直接人件費 | 担当メンバーの稼働工数 × 時間単価 | 工数記録 × 時間単価 |
| 外注費・パートナー費 | 業務委託・フリーランスへの支払い | 請求書ベース |
| 直接経費 | 案件固有の交通費・宿泊費・ライセンス費 | 実費精算ベース |
| 間接費配賦 | 管理部門コスト・オフィス賃料等の配賦分 | 配賦基準で計算 |

これら4つを合計したものが「プロジェクト総原価」となり、売上高から差し引くことで案件別粗利（間接費配賦後）が算出されます。

### 直接費と間接費の切り分け方

直接費は「その案件がなければ発生しなかった費用」、間接費は「複数の案件にまたがって発生する共通費用」と区別すると整理しやすくなります。担当者の稼働時間は案件ごとに記録できるため直接費に分類できますが、管理部門の人件費やオフィス賃料は案件を横断するため配賦計算が必要です。

### 間接費配賦基準の考え方

間接費の配賦方法には、直接人件費に対する一定比率を掛ける方法や、稼働工数の比率で按分する方法などがあります。どの基準を採用するかは業種や組織体制によって異なるため、企業様によって最適な形は異なります。まずはシンプルな比率配賦から始め、実績データが蓄積された段階で配賦基準の精度を見直していく進め方が現実的です。

## フェーズ1：受注前——見積もりと収益性試算

見積もり段階での精度は、プロジェクトの採算性を左右する最初の分岐点です。ここでの詰めの甘さが、実行中・完了後のフェーズに響いてきます。受注前には「いくらで受けるか」だけでなく「そもそも受けるべきか」を判断する基準を用意しておくことがポイントになってきます。

### 見積もりの構造化

プロジェクトの見積もりは、単に「作業量 × 単価」で計算するのではなく、**リスクバッファを含めた構造化した原価見積もり**を作成することが重要です。

見積もりの構成要素：

1. **スコープ定義**: 成果物・作業範囲・前提条件を明確化
2. **WBS（作業分解構造）**: 大きなタスクを小さな作業単位に分解
3. **工数見積もり**: 各作業単位の担当者と工数（時間）を見積もる
4. **直接費用見積もり**: 外注費・経費の見積もり
5. **リスクバッファ**: 要件変更・工数超過リスクへの備え（通常10〜20%が目安）
6. **間接費配賦分**: 直接人件費の15〜20%を目安に加算

### 受注判断の基準設計

受注前の収益性試算において、企業ごとに**最低粗利率の基準**を設けることをお勧めします。基準の一例として、案件規模に応じてラインを変える設計があります。

| 案件規模 | 最低目標粗利率 | 理由 |
| --- | --- | --- |
| 1,000万円以上 | 30%以上 | 大型案件はリスクが高いため最低ラインを維持 |
| 500〜1,000万円 | 35%以上 | 中規模案件の標準ライン |
| 500万円未満 | 40%以上 | 小規模案件は間接費負担が重いため高めに設定 |

この基準を下回る見積もりの場合は、スコープの絞り込み・価格交渉・外注費削減・受注見送りのいずれかの判断を行います。

「80点の精度で十分」という考え方は見積もりにも適用できます。最初は大まかな計算でも、受注・失注の実績データが積み重なるにつれて精度が上がります。まず基準を設けて運用を始めることが重要です。

### 受注前チェックリスト

受注前に確認すべき事項は次のとおりです。

- スコープが文書化・合意されているか
- 見積工数に工数超過リスクへのバッファが含まれているか
- 目標粗利率をクリアしているか
- 外注費・パートナー費用の調達先が確定しているか
- プロジェクト担当者の稼働リソースが確保されているか

このチェックリストは、特定の担当者の勘に頼るのではなく、誰が確認しても同じ基準で受注判断ができるようにするための仕組みです。新しい担当者が受注判断に加わる場合でも、このチェックリストを基準として引き継げるようにしておくと、判断基準が属人化しません。個人の力量でカバーするのではなく仕組みで解決する、という考え方は原価管理全体にも通じるポイントになってきます。

会計ソフトとの連携という観点では、HubSpotゴールドパートナーのStartLinkが提供する[Sync for freee](https://start-link.jp/sync/freee)や[Sync for Money Forward](https://start-link.jp/sync/moneyforward)を使うと、HubSpotの取引レコードに表示されるCRMカードから会計ソフト側の連携ステータスを確認できます。見積書・請求書の作成から取引先の同期までを取引画面から離れずに確認できる設計で、いずれも無料プランから試せます。導入は[Sync for freee（HubSpotマーケットプレイス）](https://ecosystem.hubspot.com/marketplace/apps/sync-for-freee-bystartlink)、[Sync for Money Forward（同）](https://ecosystem.hubspot.com/ja/marketplace/listing/sync-for-moneyforward-bystartlink)から行えます。

## フェーズ2：実行中——原価モニタリングとアラート設計

受注して業務が開始したら、**計画対比で原価を定期モニタリング**することが重要です。プロジェクト完了後に「気づいたら赤字だった」を防ぐためには、進行中に早期発見・早期対処する仕組みが必要です。案件別の収支をHubSpotの取引レコード上で見えるようにする設計は[受託・コンサル業の案件別収支をHubSpotで可視化する](https://start-link.jp/hubspot-ai/hubspot/industry-deep/professional-services-project-profit-crm)で扱っています。

### 進捗と原価を同時に見る出来高管理（EVM）

EVM（Earned Value Management）は、プロジェクトの進捗と原価消費率を同時に管理する手法です。シンプルな考え方は以下の通りです。

| 指標 | 計算方法 | 見方 |
| --- | --- | --- |
| 計画コスト（PV） | 計画工数 × 時間単価（進捗率相当分） | 今の時点で使うべき予算 |
| 実績コスト（AC） | 実際に発生した人件費・費用 | 今の時点で実際に使った金額 |
| 出来高（EV） | 完了した作業の計画コスト | 今の時点で生み出した価値 |
| コスト効率（CPI） | EV ÷ AC | 1未満なら予算超過傾向 |

コスト効率（CPI）が0.8を下回る場合は要注意シグナルの目安です。早急に担当PMに確認し、スコープの見直しや追加受注交渉を検討します。

### 月次原価報告のフォーマット

月次でプロジェクト別の原価状況を報告する際の標準フォーマット例は以下の通りです。

| 項目 | 予算 | 当月実績 | 累計実績 | 残予算 | 消化率 |
| --- | --- | --- | --- | --- | --- |
| 直接人件費 | 2,400,000円 | 350,000円 | 900,000円 | 1,500,000円 | 37.5% |
| 外注費 | 500,000円 | 0円 | 200,000円 | 300,000円 | 40% |
| 直接経費 | 100,000円 | 15,000円 | 45,000円 | 55,000円 | 45% |
| 間接費配賦 | 400,000円 | 60,000円 | 150,000円 | 250,000円 | 37.5% |
| **合計原価** | **3,400,000円** | **425,000円** | **1,295,000円** | **2,105,000円** | **38%** |

このフォーマットを月次でモニタリングし、消化率が進捗率を大幅に超えている場合は追加対処を行います。

以下の画面は、HubSpotのレポートでデータをテーブル形式に一覧表示している例です。月次報告のフォーマットと同じように、原価項目ごとの予算・実績・消化率を一覧化しておくと、確認のたびに個別のファイルを開き直す手間が減ります。

![HubSpotレポートでデータをテーブル形式に一覧化した画面](https://start-link.jp/hubfs/blog/screenshots/library/report_close_by_month.png)

### 早期アラートの設計基準

以下の状況が発生した場合は、プロジェクトへの介入を検討する目安になります。

- 実績工数が見積もり工数の70%を消化した時点で、進捗率が60%未満
- 特定の作業タスクで見積もり工数の2倍を超える実績が出た場合
- 外注費・直接経費が予算を10%以上超過した場合
- 顧客から仕様変更・追加要望が発生した場合（スコープクリープ）

これらの条件を毎回人の目でチェックするのは負担が大きいため、条件に該当した案件を自動で抽出し、担当PMや管理者に通知する仕組みを用意しておくと、確認漏れを防げます。この一次チェックの部分はワークフローやAIに任せ、実際にどう対処するかの最終判断は人が行う、という役割分担が現実的です。

## フェーズ3：完了後——採算分析とフィードバック

プロジェクト完了後に実施する採算分析は、**次回の見積もり精度向上と利益管理の改善**に直結します。この工程を省略すると、同じ原価超過パターンが繰り返されます。ここでは、分析の観点と結果の残し方を整理します。

### 完了後採算分析のフレームワーク

| 分析項目 | 内容 | 活用先 |
| --- | --- | --- |
| 見積 vs 実績比較 | 原価項目ごとの差異と差異率 | 次回見積もりの精度向上 |
| 工数超過分析 | どのタスクで工数が膨らんだか | WBS設計・工数見積もりの改善 |
| 粗利率の評価 | 目標粗利率を達成できたか | 受注判断基準の見直し |
| 顧客別傾向 | この顧客タイプは原価超過しやすいか | 顧客別価格設定・受注基準の見直し |
| 担当者別傾向 | 特定担当者の担当案件に傾向があるか | 教育・リソース配分の改善 |

### 完了後採算分析シートの読み方

具体例として、以下のような分析シートを作成します。

| 項目 | 見積もり | 実績 | 差異 | 差異率 | 分析コメント |
| --- | --- | --- | --- | --- | --- |
| 売上高 | 3,000,000円 | 3,000,000円 | 0円 | 0% | — |
| 直接人件費 | 1,200,000円 | 1,560,000円 | +360,000円 | +30% | 要件確認フェーズが長引いた |
| 外注費 | 300,000円 | 280,000円 | -20,000円 | -7% | 概ね計画通り |
| 直接経費 | 80,000円 | 95,000円 | +15,000円 | +19% | 追加訪問が発生 |
| 間接費配賦 | 260,000円 | 300,000円 | +40,000円 | +15% | 直接人件費増加に連動 |
| **粗利（配賦後）** | **1,160,000円** | **765,000円** | **-395,000円** | — | — |
| **粗利率** | **38.7%** | **25.5%** | — | — | 目標30%を下回った |

このケースでは、直接人件費の超過が粗利率悪化の主因であることが一目でわかります。分析コメントを残しておくことで、次回同じタイプの案件を見積もる際に「要件確認フェーズにどれだけバッファを積むべきか」という具体的な判断材料になります。

### 分析結果を次回見積もりに反映する仕組み

上記の分析結果をプロジェクト完了後1週間以内にまとめ、次回の見積もり作成時に参照できる状態にしておくことが重要です。分析シートをファイルとして個別に保存するだけでなく、案件データが記録されているCRM上に紐づけておくと、次に似た案件を見積もる担当者が過去の実績を検索しやすくなります。

分析結果を人の記憶や個人のファイルに置くのではなく、仕組みとして参照できる状態にしておくことで、担当者が変わっても同じ精度で見積もりを組み立てられるようになります。

## HubSpotとの連携でプロジェクト別原価管理を実装する

HubSpotをプロジェクト管理の中心に据えている場合、商談レコードに原価管理データを統合することで、営業・プロジェクト管理・原価管理を一元化できます。原価管理を独立した業務として切り離すのではなく、コンタクト獲得から取引・受注、実行、請求までの一気通貫のフローの中に位置づける設計です。他のCRMを使っている場合でも、「案件レコードに原価データを持たせる」という考え方自体は同じように適用できます。

### 商談レコードに追加するカスタムプロパティ

HubSpotの商談に追加すべきカスタムプロパティの例は以下の通りです。

- 見積総原価
- 実績総原価（月次更新）
- 見積粗利率
- 実績粗利率（月次更新）
- 工数消化率（実績工数÷見積工数）
- プロジェクトステータス（実行中/完了/分析中）

### ダッシュボードでの可視化

上記のプロパティを整備すると、HubSpotのダッシュボードで「進行中の全プロジェクトの原価消化率」「担当者別の平均粗利率」「顧客別の収益性ランキング」を経営者がリアルタイムで確認できるようになります。案件数が多い企業では、プロジェクトをカスタムオブジェクトとして商談から切り出し、1つの商談に複数のプロジェクトを1:多で紐づける設計も選択肢になります。

以下の画面は、HubSpotのレポートで展示会などの施策の結果を一覧表示している例です。同じように案件ごとの原価・粗利を一覧で並べておくと、どのプロジェクトに介入が必要かを俯瞰しやすくなります。

![展示会別の収益・コストレポート](https://start-link.jp/hubfs/blog/screenshots/library/report_exhibition_cost.png)

### 会計ソフトとの連携で実績原価を自動反映

見積もり段階のデータはHubSpot側で管理できても、実績の人件費・外注費は会計ソフト側に記録されることが多くあります。Sync for freeeやSync for Money Forwardのような連携ツールを使うと、会計ソフト側の実績費用を取引画面から確認できるため、実績反映のために別システムを行き来する手間を減らせます。

## 自社に合わせた原価管理の設計とスモールスタート

ここまで紹介したフレームワークは、そのまま全社一律で導入する必要はありません。企業様によって最適な形は異なりますので、自社の案件規模・契約形態・業種に合わせて調整することをお勧めします。このセクションでは、調整の観点と進め方、そしてこの管理手法が向かないケースも整理します。

### 業種・契約形態によって配賦基準は変わる

準委任契約が中心のコンサルティング会社と、請負契約が中心のシステム開発会社では、リスクバッファの取り方や間接費配賦の考え方が変わってきます。自社にフィットした基準をまず仮決めし、実績データが溜まった段階で見直していくアプローチが現実的です。

### まずは主要案件だけで試すスモールスタート

すべてのプロジェクトにいきなり本記事のフレームワークをフル適用しようとすると、運用が回らなくなることがあります。まずは金額が大きい案件や、過去に採算が悪化した傾向のある案件タイプから対象を絞って試し、運用が定着してから対象範囲を広げていく進め方をお勧めします。

### プロジェクト別原価管理が向かないケース

ただし、すべてのプロジェクト型ビジネスに同じ深さの原価管理が必要なわけではありません。案件単価が小さく件数が非常に多いビジネスでは、案件ごとに詳細な分析シートを作る運用コストの方が高くつくことがあります。このようなケースでは、個別案件の詳細分析よりも、顧客タイプ別・サービスメニュー別といった単位で採算傾向を見る方が現実的な場合もあります。

## よくある質問

**Q. プロジェクト規模が小さい場合（数十万円程度）でも同じ管理が必要ですか？**

小規模プロジェクトでは完了後採算分析を簡略化しても構いません。ただし、受注前の見積粗利率確認と、完了後の実績工数の記録は行うようにすることをお勧めします。データが積み重なることで、小規模案件の採算傾向が見えてきます。

**Q. プロジェクト途中でスコープが大幅に変わった場合、どう対処しますか？**

スコープ変更が発生した時点で「変更管理」として、追加スコープの工数・費用を見積もり、追加費用を顧客に提示します。追加受注が承認された場合は見積もりを更新し、承認されなかった場合は元のスコープに戻る交渉を行います。スコープクリープ（範囲の漸進的拡大）を防ぐための文書管理が重要です。

**Q. 採算が悪化しているプロジェクトを途中で中止することはできますか？**

契約形態（準委任/請負）によりますが、著しく採算が悪化している場合は顧客との誠実な対話が最優先です。追加費用の承認を求める・スコープを縮小する・今後の継続については条件見直しを交渉するといった対処が現実的です。

**Q. 間接費の配賦基準はどうやって決めればよいですか？**

直接人件費に対する一定比率を掛ける方法は計算がシンプルで、まずはそこから始めることをお勧めします。稼働工数の比率で按分する方法もありますが、どちらが適切かは業種や組織体制によって異なります。実績データが蓄積された段階で、配賦率が実態とずれていないかを見直す運用にするとよいでしょう。

**Q. HubSpotだけで原価管理は完結しますか？**

HubSpotは商談・プロジェクトの進捗管理と可視化に強みがありますが、実績人件費や外注費の計算そのものは会計ソフトや工数管理ツールの領域です。HubSpotをハブとして各システムのデータを紐づける、という位置づけで考えることをお勧めします。

## まとめ

プロジェクト別原価管理は「受注前見積」「実行中モニタリング」「完了後採算分析」の3フェーズで設計します。

| フェーズ | 目的 | 主なアクション |
| --- | --- | --- |
| 受注前（見積もり） | 採算の合わない案件を受けない | リスクバッファ込みの構造化見積もりと最低粗利率による受注判断 |
| 実行中 | 原価超過の早期発見 | コスト効率（CPI）などの指標による月次モニタリングとアラート |
| 完了後 | 次回の見積もり精度向上 | 見積もりと実績の差異分析と次回へのフィードバック |

受注前にはリスクバッファ込みの構造化見積もりと最低粗利率基準による受注判断を行い、実行中はコスト効率（CPI）を月次で確認し0.8を下回る場合は早期介入します。完了後の採算分析は「見積 vs 実績比較→差異原因特定→次回へのフィードバック」の流れで進め、CRMの商談データと原価管理を統合することで、経営レベルでのリアルタイムなモニタリングが実現できます。

最初の一歩としては、次の3ステップから始めることをお勧めします。

1. 主要案件の受注判断に、最低目標粗利率の基準を1つ設ける
2. 実行中の案件で、月1回だけでも予算と実績の消化率を見る習慣を作る
3. 完了したプロジェクトについて、見積もりと実績の差異を簡単なシートに残す

すべての案件に一気に適用するのではなく、まずは主要案件から始めて、運用が回るようになった段階で対象を広げていく進め方が現実的です。

CRMを活用した業務効率化やAIとの連携に関するご相談は、CRM特化型コンサルティングのHubSpotゴールドパートナーのStartLinkまでお気軽にお問い合わせください。

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### 今枝 拓海 / Takumi Imaeda

 株式会社StartLink 代表取締役。累計150社以上のHubSpotプロジェクト支援実績を持ち、Claude CodeやHubSpotを軸にしたAI活用支援・経営基盤AXのコンサルティング事業を展開。  
 HubSpotのトップパートナー企業や大手人材グループにて、エンタープライズCRM戦略策定・AI戦略ディレクションを経験した後、StartLinkを創業。現在はCRM×AIエージェントによる経営管理支援を専門とする。

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