実名企業10社のBtoBマーケティング成功事例を、施策別に「課題→施策→成果→再現ポイント」で整理しました。成果を分けたのは施策の種類ではなく、リード獲得から受注までをつなぐ一気通貫の仕組みです。
「BtoBマーケティングに取り組みたいが、自社でも本当に成果が出るのか不安」「他社の成功事例を参考にしたいが、企業名や数値が具体的でないと判断できない」「事例を読んでも、結局何から真似ればいいのかわからない」——こうした声をよく耳にします。
BtoBマーケティングの成功事例とは、リード獲得から商談・受注に至るまでの取り組みとその成果を、実名と数値で示した実践例のことです。本記事では、キーエンス・freee・SmartHR・FORCAS・サイボウズなど10社の事例を施策別に解説し、そこから見える共通パターンと自社での再現手順までまとめています。数値には出典を付けていますので、そのまま判断材料として使えます。
本記事は「BtoBマーケティングとは?BtoCとの違い・基本施策・始め方を完全解説」シリーズの一部です。
この記事でわかること
BtoBマーケティングの成功事例を「読み物」ではなく「自社の設計図」として使いたい方に向けて、事例の事実と再現の手順を分けて整理しています。
- 施策別の成功事例10選 — コンテンツ・ウェビナー・ナーチャリング・広告・ABM・パートナー・動画の領域から、すべて実名企業で紹介します。
- 各事例の課題・施策・成果の数値 — リード数・商談率・売上の変化など、出典の確認できる数値だけを使っています。
- 成功に共通する5つのパターン — 10事例を横断分析すると見えてくる、成果を分ける構造上の共通点です。
- 自社で再現するための進め方 — 中小企業が最初の一歩を踏み出すための、スモールスタートの手順と向かないケースです。
実名の成功事例から自社のBtoBマーケティング施策のヒントを得たい、経営者・マーケティング担当者の方に向けて書いています。最後まで読むと、自社に近い事例を1つ選び、再現の最初の一歩を言語化できるようになります。
成功事例の読み方と全体マップ
事例集は「特別な企業の話」として読むと、自社への応用が止まってしまいます。先に読み方の型を決めてから読むと、10社すべてを同じ物差しで比較できます。この節では、各事例を構成する4つの要素と、施策別の全体マップを示します。
各事例は「課題→施策→成果→再現ポイント」の4要素で読む
本記事の各事例は、以下の4つの要素で構成しています。課題と成果をセットで見ると、その施策が「何を解決したのか」が分かり、自社の課題に近い事例を選びやすくなります。
| 要素 |
内容 |
| 課題(Before) |
マーケティングに取り組む前に抱えていた問題 |
| 施策(What) |
具体的に何を実施したか |
| 成果(After) |
数値で示せる改善結果 |
| 再現ポイント |
自社で取り組む際の具体的なヒント |
施策全体の設計の立て方はBtoBマーケティング戦略の立て方で詳しく解説しています。
10事例の施策別マップ
先に全体像を押さえておくと、自社に近い事例を探しやすくなります。本記事の10社は、以下のように施策領域ごとに分類できます。
| 施策領域 |
企業 |
成果の軸 |
| コンテンツ/SEO |
キーエンス、freee、才流 |
オウンドメディアとホワイトペーパーによるリード獲得基盤 |
| ウェビナー/セミナー |
SmartHR |
外部共催とフォロー速度による商談化 |
| 統合型(SEO×ウェビナー×MA) |
マネーフォワード |
複数チャネルとデータ一元化の組み合わせ |
| メール/ナーチャリング |
Sansan |
リードの育成とコミュニティによる紹介循環 |
| Web広告 |
ラクスル |
テレビCM×デジタル広告の連動と小さな検証 |
| ABM |
FORCAS |
ターゲット絞り込みによる受注率向上 |
| パートナー |
サイボウズ |
エコシステムによる販売網の拡大 |
| SNS/動画 |
村田製作所 |
動画による製品理解の促進と海外リード |
数値は「再現できるか」で読み分ける
各事例の数値は、企業規模や投資額、取り組んだ時期に依存します。ただし、規模が違っても「数値を追う仕組み」自体は再現できます。ラクスルの5年間で累計約50億円という投資額は真似できなくても、「小さく検証してから拡大する」という進め方は中小企業でも使える考え方です。数値は結果の証拠として読み、再現ポイントを自社の条件に置き換えて読むのが、この記事の使い方です。
自社に近い事例を選ぶ判断表
10社すべてを真似する必要はありません。次の表で、自社の状況に当てはまる行を1つ選び、その行の事例だけを読み込んでください。
| 自社の状況 |
最初に読む事例 |
最初の1か月でやること |
| 専門知識はあるが、見込み顧客との接点が少ない |
才流・キーエンス |
想定読者の問いを10個書き出し、答えを1本のホワイトペーパーにまとめる |
| 問い合わせ・名刺・過去の商談リストが眠っている |
Sansan・SmartHR |
リストをCRMに取り込み、反応のあった人へ翌営業日に連絡する流れを決める |
| リードは来るが、商談・受注に進まない |
FORCAS |
ターゲット企業の条件を3つ以内で定義し、営業と同じリストを見る |
| 自社だけでは販路が足りない |
サイボウズ |
紹介元になりうる3社に声をかけ、紹介の流れと連絡窓口を決める |
| 製品の価値が文章では伝わりにくい |
村田製作所 |
2〜5分の解説動画を1本作り、製品ページに埋め込む |
コンテンツマーケティング・SEOの成功事例
BtoBで最初に検討されることが多いのが、オウンドメディアやホワイトペーパーを軸にしたコンテンツマーケティングです。ここでは、規模も業種も異なる3社の事例を見ていきます。3社とも「顧客が知りたいこと」を起点にコンテンツを設計している点が共通です。
事例1:キーエンス「約80のオウンドメディアとホワイトペーパーで築いたリード獲得基盤」
BtoB製造業のWebマーケティングとして広く参照されているのが、キーエンスの事例です。専門領域ごとにメディアを分けるという発想は、ニッチな商材を扱う企業ほど参考になります。
企業概要: 株式会社キーエンス。FA(ファクトリーオートメーション)用センサーや計測器を製造・販売。営業利益率54.1%(2023年3月期)を誇る、国内屈指の高収益企業。
課題: BtoB製造業という特性上、ターゲット顧客が「画像処理」「測定器」「静電気対策」など極めてニッチな専門領域に分散しており、一般的なマス広告ではリーチが難しい状況でした。
施策:
- 製品カテゴリごとに特化したオウンドメディアを約80サイト開設(「画像処理の教科書」「測定・検査の改善のススメ」など)
- 各メディアのほぼ全記事にPDFダウンロード資料(ホワイトペーパー)を設置
- カタログ閲覧には「Web会員登録」(氏名・メールアドレス・会社名・電話番号)を必須とし、リード情報を漏れなく取得
- 営業現場から「顧客が知りたいこと」を吸い上げ、コンテンツテーマに反映する仕組みを組織的に運用
成果:
- 2,500件を超えるホワイトペーパーを公開(2022年時点)
- ニッチキーワードでの検索上位を多数獲得し、ターゲット顧客の流入を安定的に確保
- Web経由のリードと営業活動の連携により、売上高9,224億円・営業利益率54.1%の高収益体制を支えるマーケティング基盤を構築
再現ポイント:
- 「広く浅く」ではなく「狭く深く」——ターゲットの専門領域に特化したコンテンツが質の高いリードを生みます
- 記事ごとにダウンロード資料を設置し、流入をリードに変換する導線を用意します
- 営業現場の顧客の声をコンテンツに反映する仕組みが、コンテンツの質を継続的に向上させます
出典・参考:キーエンスのWebマーケティングが凄すぎるので、解説してみた(才流)、キーエンスのオウンドメディア戦略とは?
事例2:freee「オウンドメディア『経営ハッカー』で月間400万PVを達成」
製品カテゴリーの認知自体が低い状況で、情報メディアを育てて接点を作ったのがfreeeです。「売る場」ではなく「課題解決の場」として運営した点がポイントです。
企業概要: freee株式会社。クラウド会計ソフト「freee会計」を中心に、中小企業・個人事業主向けのバックオフィスSaaSを提供。
課題: クラウド会計ソフト市場の黎明期において、「会計ソフトをクラウドで使う」という概念自体の認知が低く、見込み顧客との接点をどう作るかが課題でした。
施策:
- 「経営ハッカー」というオウンドメディアを運営し、経営・会計・人事労務に関するノウハウ記事を継続発信
- 記事の企画ネタ提供に全社員が参加する体制を構築
- ユーザーの検討段階に応じてCTAを使い分け(ノウハウ記事→資料DL、事例記事→無料トライアル、深い関心→アカウント開設)
- 専門家監修やSEO対策を徹底し、ストック型コンテンツとして長期的な流入を確保
成果:
- 月間400万PV(2017年時点)を達成
- 検索経由の集客からリード獲得への導線を体系化し、安定的な新規顧客獲得チャネルを構築
- 「会計×テクノロジー」の情報メディアとしてブランドポジションを確立
再現ポイント:
- オウンドメディアは「自社製品を売る場」ではなく「顧客の課題を解決する場」という位置づけが成功の鍵です
- 検討段階に応じたCTAの出し分けで、コンバージョン率を高めます
- 最初の6ヶ月は成果が出にくいものの、ストック型コンテンツは時間とともに複利的に効果が増します
出典・参考:月間100万PV超えの「経営ハッカー」をコンテンツマーケティング戦略視点で分析(プロモニスタ)、freeeのオウンドメディア「経営ハッカー」が大事にしている考え方(プロモニスタ)
事例3:才流「1本1,000万円の高品質ホワイトペーパーで5,856件のリードを広告費ゼロで獲得」
量ではなく質に投資を集中させたのが、BtoBマーケティングのコンサルティング企業・才流です。中小企業が「自社の専門領域に絞った1本」から始める際のモデルになります。
企業概要: 株式会社才流(サイル)。BtoBマーケティング・営業のコンサルティング企業。独自メソッドを400本以上公開し、BtoBマーケティングの知見を体系化。
課題: コンサルティング企業として、見込み顧客に「この会社に相談したい」と思ってもらうには、専門性を客観的に証明する必要がありました。一般的なホワイトペーパーでは差別化が難しい状況でした。
施策:
- 1本あたり約1,000万円のコストを投じた高品質ホワイトペーパーを制作(100ページ超の専門ノウハウ・業界別事例を網羅)
- 「読み応え」と「実務への即時活用性」を追求し、単なる資料ではなく「実用書レベル」の品質を実現
- 広告費をかけず、オーガニック流入とSNS拡散のみで配布
- コンテンツマーケティング全体に年間約1億円を投資
成果:
- 4本のホワイトペーパーから計5,856件のリードを獲得(広告費ゼロ)
- 「BtoBマーケティングといえば才流」というブランドポジションを確立
- 問い合わせの質が向上し、受注単価の向上にも寄与
再現ポイント:
- 量より質を徹底し、「他では読めない」深い知見を提供することで専門性を証明します
- 質の高いコンテンツは読者の間で共有されやすく、才流の事例では広告費をかけずにリード獲得につながりました
- 中小企業でも「自社の専門領域に絞った高品質コンテンツ1本」から始められます
出典・参考:コンテンツマーケティングの落とし穴。才流・栗原氏が語る成功への4つの条件(ウェブ解析士ナレッジ)、BtoBコンテンツマーケティング成功事例(Cone)
ウェビナー・ナーチャリングの成功事例
コンテンツで接点を作ったあと、見込み顧客の関心を商談につなげる役割を担うのがウェビナーとナーチャリングです。ここでは、開催すること自体より「開催後にどう追いかけるか」で成果が分かれた3社を見ていきます。
以下の画面は、動画マニュアル:マーケティングイベント「展示会」3件です。

事例4:SmartHR「ウェビナー×迅速フォローで商談数を通常の3倍に」
ウェビナー施策を「集客イベント」ではなく「商談創出の入口」として運用したのがSmartHRです。CRM/SFAと連動した導入事例については日本企業のCRM/SFA導入成功事例10選もあわせて参考になります。
企業概要: 株式会社SmartHR。クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供。労務手続きのペーパーレス化から始まり、タレントマネジメント領域にも拡大。
課題: クラウド人事労務ソフトの市場が成長する中で、潜在顧客への認知拡大とリード獲得の効率化が求められていました。展示会だけでは接点が限られ、全国の見込み顧客にリーチする手段が必要でした。
施策:
- 労務や法務に関する最新トピックを扱ったウェビナーを定期的に開催
- 人事担当者が多い「マイナビ転職」など外部メディアとの共催セミナーを実施し、ターゲット層へのリーチを拡大
- リード情報を翌日納品する体制を整備し、インサイドセールスがWebアクティビティを観測してタイミング良く架電
- 導入事例動画やサービス解説動画をYouTubeで配信し、ウェビナー参加前後の接点を強化
成果:
- マイナビ転職との共催ウェビナーに400人以上が参加し、商談成立数が通常の3倍以上に
- Webアクティビティに基づくタイミング架電により、有効リード100件以上を上乗せし、商談率が1.5倍に向上
- 動画広告の活用で指名検索流入数が2倍に増加
再現ポイント:
- 自社単独開催にこだわらず、ターゲットが集まる外部メディアとの共催でリーチを拡大します
- ウェビナー後のフォローは「翌日以内」が目安です。時間が経つほど反応率が下がります
- 参加者の行動データ(ページ閲覧・資料DL)を追跡し、関心の高いタイミングで架電する仕組みが成果を左右します
出典・参考:ウェビナーの導入事例 SmartHR(マイナビ)、SmartHRのコンテンツマーケティング部の事業貢献(MarkeZine)、動画広告で指名検索流入数が倍増(LINEヤフー)
事例5:マネーフォワード「SEO×ウェビナー×MAの統合戦略でリード獲得数4倍」
複数プロダクトを抱える企業が、分散していたマーケティングをデータの一元化で束ねた事例です。1つのチャネルで得たノウハウを横展開する進め方は、スモールスタートの参考になります。
企業概要: 株式会社マネーフォワード。「Money Forward クラウド」シリーズとして、会計・請求書・経費精算・勤怠管理などバックオフィス向けSaaSを幅広く展開。
課題: 複数のSaaSプロダクトを展開する中で、プロダクトごとにマーケティングが分散しており、統合的なリード獲得・ナーチャリングの仕組みが構築できていませんでした。
施策:
- オウンドメディア「Money Forward Bizpedia」で徹底的なSEO対策を実施(著者情報の明記、専門家監修、PR部署との連携)
- ウェビナーとオンラインイベントを定期的に開催し、バックオフィス業務の課題解決をテーマにリードを獲得
- MAツールを導入してデータ管理を一元化し、パートナー企業との情報共有をスムーズ化
- アフィリエイト広告も併用し、新規獲得チャネルを多角化
成果:
- オウンドメディアが月間1,000万PVを超え、リード獲得数が4倍に増加
- MAツール導入によるデータ一元化で、パートナー企業経由のユーザー数が約15倍に増加
- アフィリエイト広告では新規獲得件数が前年同月比120〜150%に拡大し、有料プラン転換率もディスプレイ広告を上回る結果に
再現ポイント:
- 複数チャネル(SEO・ウェビナー・アフィリエイト)を組み合わせることで、リード獲得の安定性と規模を両立できます
- MAツールによるデータ一元管理は、パートナー連携の効率化にも直結します
- まずは1つのチャネルで成果を出し、そこで得たノウハウを他チャネルに横展開するのがスモールスタートのコツ
出典・参考:マネーフォワードのBtoBマーケティング成功事例(A8.net)、BtoBマーケティングの成功事例15選(SellsUp)
事例6:Sansan「名刺データ×ナーチャリングで大企業認知を獲得」
「名刺管理」という新しいカテゴリーそのものを作り、ナーチャリングで商談を育て続けたのがSansanです。既存顧客を巻き込むコミュニティ施策も特徴です。
企業概要: Sansan株式会社。法人向け名刺管理サービス「Sansan」および個人向け名刺アプリ「Eight」を提供。営業DX領域のパイオニア。
課題: 「名刺管理」という新しいカテゴリーのサービスであり、市場そのものを創造する必要がありました。特に大企業の経営層に対して「名刺管理がビジネスの生産性を変える」という価値認知を広げることが課題でした。
施策:
- テレビCMで「それ、早く言ってよ〜」のキャッチコピーによりカテゴリー認知を一気に拡大
- デジタルマーケティングでは複数チームがリード獲得とナーチャリングを推進。リード数・商談数をKPIとして管理
- コミュニティマーケティングを導入し、導入企業の担当者同士が成功事例を共有する場を創設
- 展示会・カンファレンスなどオフラインイベントも活用し、潜在顧客・顕在顧客への接点を多角的に構築
成果:
- テレビCMにより大企業での認知度が大幅に向上し、エンタープライズ領域での商談機会が増加
- ナーチャリング経由のリードから安定的に商談を創出する仕組みを確立
- コミュニティマーケティングにより、既存顧客がアンバサダーとなって新規顧客を紹介する好循環を構築
再現ポイント:
- 市場創造型のサービスでは、まず「カテゴリーの認知」を取ることを優先します
- ナーチャリングのKPIは「リード数」だけでなく「ナーチャリング経由の商談数」を見ることが重要です
- 既存顧客コミュニティは、信頼性の高いマーケティングチャネルの一つです。小規模でも早期に着手する価値があります
出典・参考:Sansanが明かすコミュニティマーケティングの始め方(MarkeZine)、Sansanのリードナーチャリングとリード管理の工夫(ITmedia)、BtoBマーケティング成功のポイント Sansan×シナジーマーケティング対談
Web広告・ABMの成功事例
ここからは、広告投資とターゲット選定で成果を出した2社です。方向は真逆に見えますが、「誰に・何を届けるかをデータで決める」という点では同じ考え方をしています。
事例7:ラクスル「テレビCM×デジタル広告のデータ活用で5年間で売上25倍」
後発のネット印刷サービスが、カテゴリー想起を獲得するまでに至った事例です。投資規模は大きい一方で、「ローカルで検証してから広げる」という進め方は中小企業でも使えます。
企業概要: ラクスル株式会社。ネット印刷「ラクスル」を起点に、物流プラットフォーム「ハコベル」、運用型テレビCMプラットフォーム「ノバセル」など複数事業を展開。
課題: ネット印刷市場において後発であり、知名度で先行企業に大きく劣っていました。限られたマーケティング予算で、効率的にカテゴリー想起(「ネット印刷 = ラクスル」)を獲得する必要がありました。
施策:
- 2014年からテレビCMを開始し、リスティング広告の訴求ワードでA/Bテストを行い、ローカルエリアで効果検証を徹底
- CM放映とデジタル広告を連動させ、CM視聴後のWeb検索行動をリスティング広告で逃さず拾い上げ
- マーケティング費用の約9割をテレビCMに投下し、残りを交通広告で補完
- 5年間で累計約50億円を投資し、データに基づいたPDCAを高速で回す運用を徹底
成果:
- CM実施前(2014年)と比較して指名検索が大幅に増加(競合の16分の1だった検索数が逆転し、20倍以上に急伸)
- 5年間で売上高が25倍に成長
- テレビCMの知見を活かし、運用型テレビCMプラットフォーム「ノバセル」を新事業として展開
再現ポイント:
- ただしテレビCMは中小企業にはハードルが高い施策です。参考にしたいのは「ローカルエリアでの小規模テスト→効果検証→段階的拡大」というアプローチです
- BtoBでも「カテゴリー想起」の獲得は重要です。自社の専門領域で「◯◯といえば自社」というポジションを取る意識を持つことが大切です
- 広告はそれ単体ではなく、検索広告やWebサイトとの連動設計が成果を左右します
出典・参考:5年で売上25倍!後発から逆転したラクスルのマーケティング(SELECK)、ラクスルのBtoB通販マーケティングの秘訣はテレビCM(ネットショップ担当者フォーラム)、BtoBの事業拡大にブランディングは欠かせない ラクスル&SmartHR(MarkeZine)
事例8:FORCAS(ユーザベース)「ABMでターゲットを絞り込み、受注率2倍」
「リードは獲れているのに受注につながらない」という、BtoBでよく起きる分断を解消したのがFORCASです。ターゲットを絞ることで組織全体の効率を上げた事例です。
企業概要: FORCAS(フォーカス)は、株式会社ユーザベースが提供するB2B顧客戦略プラットフォーム。150万社以上の企業データベースをもとに、ポテンシャルの高いターゲット企業を抽出し、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の実践を支援。ARR19億円を突破(2023年時点)。
課題: FORCAS自身のマーケティングにおいて、マーケティングチームとインサイドセールスチームはKPIを達成しているにもかかわらず、フィールドセールスの受注が伸び悩んでいました。「受注につながらないリードを大量に獲得しても意味がない」という根本的な問題に直面していました。
施策:
- ターゲット企業を明確に定め、約4万社のリストを約2,000社に大幅に絞り込み
- マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの3チームでターゲット企業リストを共有し、共通認識を形成
- ターゲット企業が参加したくなるテーマでセミナーを企画(例:Marketoユーザー会の歴代チャンピオンを招いたイベントに120名のユーザーが参加)
- リードにスコアを付与し、受注確率の高い案件を優先的に営業へ振り分け
成果:
- 商談化率・受注率ともに約2倍に向上
- 受注までのリードタイムが大幅に短縮
- ターゲットイベントをきっかけにFORCASを導入した企業が多数発生
- コンセプトを「ABMプラットフォーム」→「顧客戦略プラットフォーム」に変更し、解約率も大幅低下
再現ポイント:
- ABMの出発点は「誰に売るか(WHO)」を決めることです。ターゲットを絞ることで、施策の質と営業の効率が大きく改善します
- マーケ・インサイドセールス・営業が同じターゲットリストを見て動く「一気通貫の体制」が成功の前提条件です
- 中小企業こそABM向きです。リソースが限られているからこそ、「全方位に薄く広げる」より「厳選した企業に深くアプローチ」する方が成果が出やすくなります
出典・参考:フィールドセールスだけが未達から受注率が2倍に。FORCASの事例に学ぶABMの基本(才流)、ABM成功の第一歩はマーケティングと営業の連携から FORCAS×才流対談(才流)、ARR19億円を突破したFORCASが語る売上が大きく伸びた話(アプリマーケティング研究所)
パートナー・動画施策の成功事例
最後に、自社のリソースだけで成果を出そうとしなかった2社です。販売網をパートナーに広げたサイボウズと、製品理解を動画に託した村田製作所を見ていきます。
事例9:サイボウズ「kintoneパートナーエコシステムで売上の60%をパートナー経由に」
「自社で売る」から「パートナーと育てる」へ発想を転換したのがサイボウズです。製品の汎用性の高さを、エコシステムで強みに変えた事例です。
企業概要: サイボウズ株式会社。クラウドベースの業務改善プラットフォーム「kintone」やグループウェア「サイボウズ Office」「Garoon」を提供。
課題: kintoneは業務アプリをノーコードで開発できる汎用性の高いプラットフォームですが、その自由度の高さゆえに「何ができるのかわかりにくい」という課題があったとされています。自社の営業リソースだけでは、業種・業態ごとの多様なニーズに対応しきれませんでした。
施策:
- 「kintoneを売る」のではなく「kintoneを軸としたエコシステムの拡大」を目指すパートナープログラムを構築
- 560社以上のパートナー企業(2024年時点)、500以上の連携サービスからなるネットワークを形成
- CyPN Report(Cybozu Partner Network Report)による評価制度を導入し、優秀なパートナーを可視化
- パートナー向けの研修、販売支援ツール、専用サポート窓口を整備
成果:
- 売上の60%がパートナー経由に成長
- パートナーのサイボウズ関連ビジネス売上が4年間(2016〜2020年)で4.8倍に増加(パートナー数の増加率1.36倍を大幅に上回る)
- 「パートナーが新たなパートナーを生む」エコシステムが自然発生(例:結婚式場の八芳園がオフィシャルパートナーのジョイゾーと業務提携)
再現ポイント:
- パートナープログラムは「自社製品を売ってもらう仕組み」ではなく「パートナーのビジネスを成長させるエコシステム」と捉えます
- パートナーの成功を可視化・表彰する仕組みが、パートナーのモチベーションと活動量を高めます
- 初期は少数の熱量の高いパートナーとの関係構築に注力し、成功モデルを作ってから横展開します
出典・参考:kintoneを軸としたエコシステムの拡大へ サイボウズのパートナービジネスの真意(才流)、IR資料から読み解く 売上の60%を占めるパートナービジネス(Partner Success)
事例10:村田製作所「多言語YouTube戦略で技術ブランディングと海外リードを両立」
「見えにくい製品」の価値を動画で翻訳し、国内外のリードにつなげたのが村田製作所です。社内制作でも成立するため、製造業で再現しやすい事例です。
企業概要: 株式会社村田製作所。セラミックコンデンサをはじめとする電子部品の世界的メーカー。BtoB製造業の中でもグローバル展開が進んでおり、海外売上比率が高い企業です。
課題: 電子部品という「見えにくい製品」の技術力と品質を、国内外の顧客にわかりやすく伝える手段が限られていました。Webサイトのテキストと静止画だけでは、製品の動作原理や活用シーンを十分に伝えきれませんでした。
施策:
- 企業PR、技術解説、製品の使い方を体系的に発信するYouTubeチャンネルを運営
- 日本語だけでなく英語・中国語でも動画を制作し、グローバル市場に対応
- 製品デモ動画で電子部品の動作原理をビジュアルで解説し、テキストでは伝わらない情報を補完
- 開発ストーリーや現場社員のインタビュー動画で、企業の姿勢や技術への情熱を伝達
成果:
- YouTube経由で国内外の技術者からの問い合わせ・サンプル請求が増加
- 動画コンテンツにより製品理解が促進され、商談時の説明コストが低減
- 多言語対応により、海外の新規リード獲得チャネルとしても機能
再現ポイント:
- BtoBの動画は「映像の美しさ」より「わかりやすさ」と「信頼感」が重要です。社内制作でも十分効果があります
- 2〜5分程度の短い動画が視聴完了率の面で有利です。まずは短尺から始めます
- 動画をWebサイトの製品ページやランディングページに埋め込むことで、サイト滞在時間の延長とCVR向上にもつながります
出典・参考:BtoBマーケティング|企業YouTubeの成功事例10選(ムビラボ)、BtoB企業のYouTube活用方法とは?成功事例とおすすめコンテンツ(VideoRise)
成功事例に共通する5つのパターン
10社の事例を横断して見ると、業界も企業規模も違うのに、構造としては同じパターンが繰り返し現れています。この節では、その5つのパターンと、自社に当てはめる際の注意点を整理します。
共通パターンの全体像
10の事例を分析すると、以下の5つの共通パターンが見えてきます。
| パターン |
説明 |
該当事例 |
| 1. 顧客起点のコンテンツ |
自社製品の紹介ではなく、顧客の課題解決を出発点にしている |
キーエンス、freee、才流、SmartHR |
| 2. マーケと営業の一気通貫 |
マーケ→インサイドセールス→営業がデータを共有し、一体で動いている |
FORCAS、SmartHR、Sansan |
| 3. 数値による徹底管理 |
KPIを設定し、A/Bテストやデータ分析で継続改善している |
ラクスル、FORCAS、マネーフォワード |
| 4. エコシステムの構築 |
パートナーやコミュニティを巻き込んだ持続的な成長基盤を構築 |
サイボウズ、Sansan |
| 5. 長期投資と継続 |
短期の成果に一喜一憂せず、6ヶ月〜1年以上の時間軸で投資を継続 |
freee、キーエンス、ラクスル |
特に重要なのは「マーケと営業の一気通貫」
特に注目したいのは「2. マーケと営業の一気通貫」です。FORCASの事例が象徴的ですが、マーケティングチームがいくらリードを獲得しても、営業と連携していなければ受注にはつながりません。成功企業に共通して見られるのは、マーケティングと営業がCRM上で同じデータを見て、同じターゲットに向かって動いていることです。
逆に言えば、コンテンツやウェビナーの形だけを真似しても、この連携がなければ成果は出にくいということです。リードの情報が担当者個人のExcelやメールの中に分散していると、SmartHRのような「翌日フォロー」は仕組みとして成立しません。
パターンを自社に当てはめるときの注意点
ただし、パターンはそのままコピーできるものではありません。たとえば「エコシステムの構築」は、パートナーに提供できる価値(製品の拡張性・案件の紹介余地)がなければ成立しませんし、「長期投資」は投下できる資金と継続できる体制が前提です。自社の商材・リソース・顧客の買い方に合ったパターンを1つ選び、そこに集中することが近道です。企業様によって最適な形は異なりますので、事例は「正解」ではなく「選択肢の地図」として使ってください。
中小企業が成功事例を再現するための進め方
ここからは、10の事例を「いい話」で終わらせないための、自社への落とし込み方をお伝えします。私たちStartLinkが大切にしているのは、施策を個別の点としてではなく、リード獲得から受注・その後のフォローまで続く1本のフローとして設計することです。
一気通貫のフローを先に設計する
成功企業に共通するのは、「マーケティング→営業→カスタマーサクセス」が分断されていないことです。コンテンツを作る、ウェビナーを開催する、広告を出す——どれも大切ですが、そこで獲得したリードが営業にスムーズに渡り、商談化し、受注後のフォローまでつながる「フロー」が設計されていなければ、施策はバラバラの点で終わってしまいます。
HubSpotのようなCRMを活用すれば、このフローをデジタル上で一気通貫に設計・管理できます。たとえば、フォームからの流入がコンタクトとして記録され、ライフサイクルステージ(リード→見込み顧客→商談→顧客という検討段階の区分)で状態を把握し、ワークフローでフォローメールや担当者への通知を自動化し、取引レコードとして商談に接続する——ここまでが1つの流れです。マーケティングが獲得したリードの行動履歴を営業が確認し、タイミングを見てアプローチをかける。この連携が成果の差を生みます。
マーケと営業の引き渡しルールの作り方は、営業とマーケティングの連携SLA設計|HubSpotでリード引き渡しプロセスを最適化で詳しく解説しています。
翌日フォローをHubSpotで仕組みにする設計例
SmartHRの「翌日フォロー」は、人の努力ではなく仕組みで再現できます。HubSpotでの設計例を手順にすると、次のとおりです。ライフサイクルステージの標準値(Subscriber・Lead・Marketing Qualified Lead・Sales Qualified Lead・Opportunity・Customer・Evangelist・Other)は、HubSpot公式ナレッジで確認できます。
- 流入元を1つの項目に残す — コンタクトのプロパティに「最初の接点(ウェビナー・資料DL・展示会・紹介)」を選択式で用意し、フォームとインポートの両方で必ず入る形にします。
- ライフサイクルステージの定義を営業と合意する — たとえば「資料DLは Lead、ウェビナー参加かつ価格ページ閲覧は Marketing Qualified Lead、営業が会話できたら Sales Qualified Lead」のように、条件を文章で決めます。
- ワークフローを作る — 画面の「オートメーション > ワークフロー」から、コンタクトベースで新規作成します。登録トリガーは「ライフサイクルステージが Marketing Qualified Lead になった」、アクションは「営業担当者へのタスク作成(期限は翌営業日)」と通知です。手順は公式のワークフロー作成ガイドに沿います。
- 再登録の可否を決める — 同じ人が何度も資料をダウンロードしても、タスクが重複しないよう、再登録は原則オフにし、例外にしたい条件だけを個別に設計します。
- 週次で見る指標を固定する — 「ステージ別の件数」「タスク期限切れの件数」「Marketing Qualified Lead から商談化した割合」の3つを、マーケと営業が同じダッシュボードで見ます。
よくある失敗は、ステージの定義を決めないままワークフローだけ作り、営業が通知を無視するようになることです。ワークフロー設計書にトリガー・再登録・分岐・命名を書き出しておくと、運用開始後の見直しも楽になります。書き方はHubSpotワークフロー設計書の書き方、週次レビューの回し方はHubSpot定着の運用設計で整理しています。
スモールスタート:まず1チャネルで検証する
本記事で紹介した10社はいずれも大きな成果を出していますが、すべての施策を同時に始める必要はありません。むしろ、自社のリソース・業界・顧客特性に合った施策を1つ選び、小さく始めて成果を出すことが重要です。
たとえば、専門知識に強みがあるなら才流のように「自社の専門領域に絞ったホワイトペーパー1本」から。既存の名刺や問い合わせリストが眠っているなら、まずそのリストへのセグメント別メールから。ラクスルの事例が示すように、最初に小さな範囲で検証し、効果を確認してから拡大する進め方は、予算が限られた企業ほど有効です。
リード管理は「人」ではなく「仕組み」で
リード情報が営業担当者個人のExcelやメールの中に分散していると、人の記憶と善意に頼る運用になり、引き継ぎや新人の立ち上がりでつまずきます。名刺リスト・問い合わせ履歴・ウェビナー参加者をCRMに集約し、「誰が・いつ・どのコンテンツに反応したか」を一覧で見られる状態にすることが、再現の土台です。
ここまで一元化しておくと、担当者が変わっても同じ精度でフォローできます。さらにHubSpotのAI機能「Breeze」にレコードの要約や問い合わせ文面の分類を手伝わせれば、情報整理の負担も下げられます。ただし、送信や提案の最終判断は人が行うという使い分けが安心です。実務での活用は「HubSpotのMA(Marketing Hub)とは?機能一覧と、実務での活用・導入での注意点を徹底解説!」でも解説しています。
以下の画面は、HubSpotのコンタクト一覧画面です。名刺リストや問い合わせ履歴をCRMに集約すると、Eメールや電話番号を列に並べた一覧でリード情報を確認できます。

正直な限界:成果が出るまでの期間と向かないケース
BtoBマーケティングは「始めてすぐに成果が出る」ものではありません。この記事で紹介した成功企業も、成果が出るまでの期間を織り込んだ上で投資を継続しています。
| 施策 |
成果が出るまでの目安 |
| コンテンツマーケティング |
6ヶ月〜1年 |
| ABM |
3ヶ月〜半年 |
| ウェビナー |
継続して3ヶ月程度 |
また、向かないケースも率直にお伝えしておきます。リードの母数が極端に少ない段階でABM専用ツールを導入しても効果は出にくく、大規模な広告投資は検証体制なしには再現できません。まずは既存資産の棚卸しと小さな検証から始めることが前提です。「すぐに成果が出る」とは言えませんが、設計と継続を整えれば、成果を積み上げていける余地はあります。
StartLinkの進め方:現状整理から定着まで
StartLinkはHubSpotゴールドパートナーとして、150社以上のHubSpot支援に携わってきました。BtoBマーケティングの再現も、次の順番で小さく始めて広げていきます。
- 現状の整理・要件定義 — リードの入口、データの置き場所、営業への引き渡し方を一覧にし、どこで途切れているかを特定します。
- 設計・構築 — プロパティ、ライフサイクルステージ、ワークフローを上の設計例のように決め、まず1チャネル分だけ構築します。
- データ移行 — Excelや既存ツールのリストを、重複と項目のずれを確認しながらCRMへ移します。
- テスト・検証 — テスト用のレコードで、通知とタスクが想定どおりに動くかを確かめます。
- 定着・運用改善 — 週次で数字を見て、設計を見直します。準委任で伴走し、チームが自走できる状態を目指します。
標準機能で足りない連携は、自社開発のSync for freeeやSync for Notionのようなアプリで補います。支援範囲はHubSpot導入・構築支援、業種ごとの取り組みは支援事例をご覧ください。進め方の役割分担は準委任か請負かの解説にまとめています。
よくある質問
成功事例の読み方や再現の進め方について、よくある質問をまとめました。
Q1. 成功事例の数値を、そのまま自社の目標にしてもよいですか?
数値は企業規模・業界・投資額・取り組んだ時期に依存するため、そのまま目標にするのはおすすめしません。各事例の「再現ポイント」と共通パターンを抽出し、自社の現状KPIから届きそうな水準に置き換えて使ってください。
Q2. 中小企業が最初に取り組むなら、どの施策が向いていますか?
リソースが限られる場合は、チャネルを絞るのが近道です。専門知識に強みがあるならホワイトペーパーやオウンドメディアなどのコンテンツから、既存の名刺・問い合わせリストがあればセグメント別メールによるナーチャリングから始めるのが取り組みやすい選択肢です。
Q3. BtoBマーケティングの成果が出るまで、どのくらいかかりますか?
施策によりますが、目安としてコンテンツマーケティングは6ヶ月〜1年、ABMは3ヶ月〜半年、ウェビナーは継続して3ヶ月程度の助走期間を見ておくとよいです。成功企業もこの期間を前提に投資を続けています。
Q4. 成功事例を真似して失敗しやすいポイントはありますか?
施策の形だけを真似して、裏側の連携体制やデータ管理を作らないケースが失敗しやすいです。FORCASの事例が示すように、マーケと営業が同じターゲットリストと指標を共有していなければ、リードを増やしても商談・受注にはつながりにくいです。
Q5. 再現にはCRMの導入が欠かせませんか?
リード情報がExcelや個人のメールに分散している状態では、事例にあるような「翌日フォロー」や「ナーチャリング経由の商談数の管理」が運用として成立しにくいです。CRMは成果の一部というより、フローを支える土台として捉えるとよいです。ただし、いきなり全機能を使う必要はなく、リードの一元管理から段階的に広げる進め方で十分です。
Q6. 事例の再現をHubSpotで始めるとき、最初に決める設定は何ですか?
最初に決めるのは、ライフサイクルステージの定義と、流入元を残すプロパティの2つです。この2つが決まっていれば、「ステージが Marketing Qualified Lead になったら営業へ翌営業日期限のタスクを作る」というワークフローを、画面の「オートメーション > ワークフロー」から作れます。
まとめ
BtoBマーケティングの成功事例には、業界や企業規模を超えた共通パターンがあります。キーエンスのような大企業から才流のようなコンサルティング企業まで、成功の本質は「顧客起点」「マーケと営業の一体運営」「データに基づく改善の継続」に集約されます。
まずは自社に近い事例を1つ選び、その再現ポイントを自社の条件に置き換えることから始めてください。明日から踏み出せる具体的なアクションは3つあります。
- 既存のリード資産を棚卸しする — 名刺・メールリスト・過去の問い合わせを集約し、CRMで一覧できる状態にします。Sansanの事例が示すように、過去の接点は再活用できる資産です
- 選んだ施策を最小単位で実行する — キーエンスの80サイトは不要です。自社の専門領域でホワイトペーパー1本、月1回のウェビナーなど、検証できる規模から始めます
- 指標をマーケと営業で共有する — FORCASの事例が証明するように、ターゲットリストと「リード獲得→商談化→受注」の指標を両チームで見られる共通言語を整えます
CRMを活用した業務効率化やAIとの連携に関するご相談は、CRM特化型コンサルティングのHubSpotゴールドパートナーのStartLinkまでお気軽にお問い合わせください。
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