HubSpot AIエージェント(Breeze Agents)活用ガイド|業務自動化の新しい設計

  • 1970年1月1日

ブログ目次

 

「リードへの初回アプローチに時間がかかりすぎている」「問い合わせ対応が属人的で、担当者が不在だと止まってしまう」——こうした業務のボトルネックを、AIエージェントで解消できる時代が来ています。

HubSpotのAIエージェント(Breeze Agents)は、CRMデータを基盤として営業・マーケティング・カスタマーサポートの業務を自律的に支援するAI機能群です。単なるチャットボットではなく、Webリサーチからタスク分解、提案、アクション実行までを一気通貫で行えるのが特徴です。

本記事では、Breeze Agentsの各機能の概要から実務での活用設計、そして導入時に知っておくべき注意点までを解説します。


この記事でわかること

  • Breeze Agentsの全体像と各エージェントの役割
  • 案件創出エージェントの使い方と実務での活用法
  • カスタマーサポートエージェントの設計ポイント
  • AI×人間の役割分担の考え方
  • 日本語環境での注意点と対策

Breeze Agentsの全体像

AIエージェントとは何か

HubSpotにおけるAIエージェントとは、特定の業務目的に対して自律的にタスクを実行するAI機能です。Breezeブランドのもと、以下の主要エージェントが提供されています。

エージェント 役割 主な利用シーン
案件創出エージェント リードのリサーチとパーソナライズメール作成 アウトバウンド営業
カスタマーエージェント 問い合わせへの自動応答 カスタマーサポート
コンテンツエージェント コンテンツの生成・最適化支援 マーケティング
ナレッジベースエージェント 社内ナレッジの検索・要約 社内問い合わせ対応

ここで重要なのは、AIエージェントは「超一流の営業マンが考える内容が出てくる」というよりは、「営業アシスタントの方がWebリサーチをして、ある程度方向性を考えてどうですかっていう提案段階で持ってきてくれるようなイメージ」だということです。


案件創出エージェントの使い方

基本的な仕組み

案件創出エージェントは、ターゲットとなるリードの企業情報をWebリサーチし、その内容をもとにパーソナライズされたアプローチメールを自動生成します。

従来のシーケンス機能がテンプレートベースのメール自動送信だったのに対し、案件創出エージェントは1件1件の企業に合わせた「濃い」メールを作成できます。100件でも企業ごとにカスタマイズされたアプローチが可能になるのは、結構すごいところです。

案件創出エージェント × シーケンス × 手書きの使い分け

ここが1個ポイントになるのですが、すべてのアプローチをAIエージェントに任せればいいというわけではありません。

方法 適するケース 想定規模
シーケンス 固定テンプレートで十分なフォロー 数十〜300名規模
案件創出エージェント AIリサーチ+パーソナライズが必要 大量アウトバウンド
自分で書く 大型案件・高確度案件 数百万〜数千万の案件

確度が高そうだとか案件規模が大きくなりそうだ、数百万数千万の案件になりそうだという場合は、しっかりリサーチとか内容を見つつも文章は自分で書いたりしないといけません。ここはAIに任せるべきではないかなと思います。

設定時の実務ポイント

案件創出エージェントを設定する際は、以下の点に注意してください。

送信前レビューは必須

基本的には送信前に確認が良いかなと思います。自動的に送信にしてしまうとリスクがあるので、特に導入初期はレビューフローを必ず入れてください。

日本語のビジネスマナー対応

英語ベースのプロダクトなので、日本語のビジネスマナーをプロンプトで明示する必要があります。「丁寧語で」「ビジネス的なお作法を守るルールで」といった指示を入れてあげると、より自然な日本語メールが生成されます。


カスタマーエージェントの活用

AIチャットボット成功の鍵

カスタマーエージェントの精度は、ナレッジベースの品質に直結します。ナレッジがしっかりしていればHubSpotのチャットボットは正しく回答してくれるので、いかに情報を正しく入力しつつ、AIに理解しやすいようにインプットしてあげるかがポイントです。

AI+人間のハイブリッド設計

常にすべてAIが対応するのではなく、「この基準から人間に渡します」という切り替えポイントを設定できます。例えば、料金に関する質問や契約内容の変更依頼は人間の担当者にエスカレーションする、という設計が現実的です。

カスタマーサクセスの管理対象が20社程度であればそこまでAI機能は必要ないかなと思いますが、100社・200社を超えてくると追い切れなくなるので、この段階でエージェントの導入を検討いただくのがいいタイミングです。


AI活用の設計原則

AIが得意なこと・人間が判断すべきこと

AIが得意 人間が判断すべき
問い合わせの分類(営業/通常) パイプラインの設計
レコードの要約 ライフサイクルステージの定義
企業情報のWebリサーチ 最終的なメール送信判断
パーソナライズメールの下書き 営業戦略の意思決定
データクレンジング/分類 大型案件のアプローチ

「叩き台をAIで作り、人間が改善する」

初めてワークフローを組むという方は、AIに依頼して初期段階は作ってみて、あとで手動で改善するようにすると結構取っ掛かりはやりやすいかなと思います。この考え方はエージェント活用全般に当てはまります。


導入時の注意点と現実的な期待値

まだベータ版の機能がある

正直にお伝えすると、一部の機能はまだ実用可能性としてあまり高くない段階のものもあります。特に日本語対応については、英語ドリブンの企業様であればかなり使える可能性が高いのですが、まだ日本語対応が十分ではない部分もあり、今後の進化に期待というところです。

トライアルから始める

まずトライアルで試していただいて、本格的に使おうとなったら営業の方が広げていただく、という段階的な進め方がいいのかなと思います。

プラン要件

案件創出エージェントはSales Hub Professional以上、カスタマーエージェントはService Hub Professional以上が必要です。AIクレジットの消費も発生するため、コストと効果のバランスを見ながら導入範囲を決めていただくことをおすすめします。


まとめ

HubSpotのAIエージェント(Breeze Agents)は、営業・サポート・マーケティングの業務効率を大幅に向上させる可能性を持つ機能です。ただし、「AIに全部任せる」のではなく、人間が判断すべきポイントを明確にした上で、AIと人間のハイブリッド運用を設計することが成功のカギです。

まずは案件創出エージェントのトライアルから始めて、自社の業務フローに合うかを検証してみてください。CRMにデータが蓄積されるほどAIの精度も向上し、営業組織全体の生産性アップにつながります。


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よくある質問(FAQ)

Q. AIエージェントとワークフローのAI機能は何が違いますか?

ワークフロー内のAI機能は「トリガーに基づいて特定の処理を自動実行する」もので、例えばフォーム送信をきっかけにAIが問い合わせを分類する、といった使い方です。一方、AIエージェントはより自律的に、Webリサーチからアクション実行までを一気通貫で行います。ワークフローは「受動的な自動化」、エージェントは「能動的なAIアシスタント」と考えるとわかりやすいです。

Q. 案件創出エージェントで生成されたメールの品質はどの程度ですか?

企業情報をWebリサーチした上でパーソナライズされたメールが生成されるため、テンプレートメールよりも「ちゃんと調べている感」が出ます。ただし、日本語のビジネスマナーについてはプロンプトで補完する必要があります。送信前に必ず人間がレビューする運用を推奨します。

Q. AIクレジットはどのくらい消費しますか?

エージェントの種類や利用頻度によって異なります。HubSpotのAIクレジットは月次で付与され、リセットされます。まずは少量で試していただき、消費ペースを確認した上で本格運用に移行するのがおすすめです。

Q. Salesforceにも同様のAIエージェント機能はありますか?

SalesforceにはEinstein AIという同様のコンセプトの機能があります。HubSpotのBreezeはCRMデータとの統合がネイティブで、設定のハードルが比較的低いのが特徴です。企業様の既存環境に応じて、最適なプラットフォームを選択いただくのがいいかなと思います。


株式会社StartLinkは、事業を推進するためのHubSpot導入、また生成AIの社内業務への反映などのHubSpot×AI活用のご相談を受け付けております。 最近では、HubSpotを外部から操作するAIエージェント活用や、HubSpot内で使えるAI機能などのご相談をいただくことも増えてきており、サービスのプランについてご相談/お見積もり依頼があればお気軽にお問い合わせくださいませ。 無料のお問い合わせページより、お気軽にご連絡いただけます。

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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。