営業の属人化を解消する組織設計|CRM/SFAで実現する組織営業への転換

  • 1970年1月1日

ブログ目次


「エース営業が退職した途端、売上が激減した」「担当者の引き継ぎがうまくいかず、既存顧客が離れていった」「トップセールスのやり方を他のメンバーが再現できない」――これらは、営業組織が抱える最も根深い課題のひとつ、営業の属人化が引き起こす典型的な症状です。

属人化は、多くの企業が「わかっているけれど、手を打てていない」と感じている構造的な問題です。個人の能力や経験に依存した営業スタイルは、短期的には高い成果を生むことがあります。しかし、その知見やノウハウが組織に蓄積されなければ、人が変わるたびに営業力はリセットされます。

本記事では、属人化が生まれる本当の原因を構造的に分析し、CRM/SFAを活用して「個人の力量に依存しない」組織営業へ転換するための設計思想と具体的なステップを解説します。属人化の解消は、ツールを導入するだけでは実現しません。プロセスの設計、情報基盤の構築、ナレッジの仕組み化という3つの要素を組み合わせた「組織設計」が必要です。営業責任者・経営者の方に向けた、属人化解消の実践ガイドとしてお読みください。

この記事でわかること

  • 営業の属人化が起きる構造的な原因と、3つの属人化パターン
  • 属人化が「いつまでも解消されない」本当の理由
  • 属人営業と組織営業の具体的な違い(比較表付き)
  • 組織営業への転換を実現する5つの設計要素
  • CRM/SFAが属人化解消の「基盤」として機能する理由
  • 属人化解消を進める4フェーズの導入ステップ
  • CRM導入だけでは解決しない属人化対策の注意点

営業の属人化とは何か|構造的に理解する

営業の属人化とは、営業活動における知識・プロセス・顧客関係が特定の個人に依存している状態を指します。「あの人にしかわからない」「あの人がいないと回らない」という状況が、まさに属人化の本質です。

属人化は単なる「情報共有不足」ではありません。組織の仕組みとして営業プロセスが設計されていないことから生じる、構造的な問題です。属人化には大きく3つのパターンがあります。

知識の属人化:ノウハウが個人の頭の中にある

「この業界のお客様にはこういうアプローチが刺さる」「このタイプの課題にはこの提案パターンが有効」といった営業ノウハウが、特定の個人の経験や勘として蓄積されている状態です。成功パターンが言語化されていないため、他のメンバーが学ぶ手段がありません。

プロセスの属人化:やり方が人によって異なる

初回アプローチの方法、ヒアリングの進め方、提案書の構成、クロージングのタイミングなど、営業プロセスの各ステップが担当者ごとに異なっている状態です。「営業のやり方」が組織として定義されていないため、成果のばらつきが大きくなります。

関係性の属人化:顧客との接点が個人に紐づいている

顧客との関係構築が特定の営業担当者に依存しており、その人が異動・退職すると顧客との接点そのものが失われる状態です。顧客の連絡先、過去の商談経緯、個別の要望や温度感など、関係性に関わる情報が個人のメモや記憶の中にしか存在しません。

属人化のパターン 典型的な症状 組織へのインパクト
知識の属人化 成功事例が共有されない、新人が独力で学ぶしかない 育成期間の長期化、営業力の底上げが進まない
プロセスの属人化 営業手法がバラバラ、成果にばらつきがある マネジメントが困難、改善ポイントが特定できない
関係性の属人化 担当交代で顧客が離反する、引き継ぎが機能しない 顧客資産の毀損、売上の不安定化

多くの企業では、これら3つの属人化が複合的に絡み合っています。どれかひとつだけを解消しても根本的な改善にはつながりません。属人化を「組織の構造課題」として捉え、包括的に設計し直すことが重要です。

属人化が解消されない本当の原因

属人化が問題だと認識している企業は少なくありません。それでも解消されないのは、以下の4つの構造的な原因があるからです。

原因1:営業プロセスが言語化されていない

多くの企業で、営業プロセスは「暗黙知」のまま放置されています。「リード獲得→商談→受注」という大まかな流れは共有されていても、各ステップで「何をすべきか」「どの状態になったら次のステップに進むか」が明確に定義されていません。

プロセスが言語化されていなければ、各営業担当者は自分なりの方法で動くしかありません。結果として、成果を出す方法が個人の「暗黙のルール」となり、組織として再現性のある営業が実行できなくなります。

原因2:顧客情報が個人のメモ・頭の中にある

顧客とのやり取り、過去の提案内容、先方のキーパーソンの情報、競合状況などが、個人のメモ帳やメールの受信トレイ、あるいは記憶の中にしか存在しないケースは驚くほど多いものです。

これは「情報を共有する意識がない」というよりも、情報を一元管理する「場所」と「仕組み」が存在しないことが根本原因です。共有すべき場所がなければ、情報は自然と個人に滞留します。

原因3:成功パターンが共有される仕組みがない

トップセールスが高い成果を上げていても、その成功要因が分析・共有されることはほとんどありません。「あの人は営業センスがあるから」で済まされ、成功パターンが組織のナレッジとして蓄積されません。

属人化の解消には、成功パターンを「個人の才能」ではなく「再現可能なプロセス」として抽出し、チーム全体で活用できる形に仕組み化する必要があります。しかし、そのための仕組み(トークスクリプト、ヒアリングシート、プレイブックなど)を整備・運用している企業はまだ少数派です。

原因4:営業マネジメントが「結果管理」になっている

売上目標の達成度や受注件数といった「結果指標」だけでマネジメントしている組織では、属人化は解消されません。結果しか見ていなければ、プロセスの改善にはつながらないからです。

「なぜ受注できたのか」「どのステップで失注しているのか」「どの活動が成果に結びついているのか」といったプロセスの可視化と分析が行われなければ、属人化を解消するための改善ポイントが見えてきません。

属人営業 vs 組織営業|何が違うのか

属人化を解消した先にあるのは、「個人の力量に依存しない」組織営業の実現です。属人営業と組織営業の違いを、具体的な観点で比較します。

観点 属人営業 組織営業
営業プロセス 担当者ごとに異なる 標準プロセスが定義されている
顧客情報 個人のメモ・メールに分散 CRM/SFAに一元管理されている
営業ノウハウ 個人の経験と勘に依存 プレイブック・スクリプトとして共有
マネジメント 結果指標(売上・受注数)のみ プロセス指標もダッシュボードで管理
引き継ぎ 口頭ベースで情報が抜け落ちる CRM上の履歴で完結できる
フォローアップ 担当者の記憶と裁量で対応 自動化されたシーケンスで漏れなく実行
新人の立ち上がり OJT頼み、数か月〜半年かかる 標準プロセス+ナレッジで早期戦力化
成果の安定性 エース依存で変動が大きい チーム全体で安定した成果を維持

組織営業は、「個人の優秀さを否定する」ものではありません。むしろ、優秀な個人の知見を組織の資産に変換し、チーム全体の底上げを実現する考え方です。トップセールスの知見が仕組みとして組織に根づけば、チーム全体のパフォーマンスが向上し、トップセールス自身もより付加価値の高い活動に集中できるようになります。

組織営業への転換を実現する5つの設計要素

属人営業から組織営業への転換は、ツールの導入だけでは実現しません。以下の5つの設計要素を組み合わせ、組織として「営業の型」を作り上げることが必要です。

設計要素1:営業プロセスの標準化(パイプライン設計)

組織営業の第一歩は、営業プロセスを「見える化」し、標準化することです。具体的には、商談の進捗を管理するパイプラインを設計し、各ステージの定義と移行条件を明確にします。

たとえば、「見込み→初回商談→提案中→内示→クローズ(受注/失注)」というステージを設定し、各ステージで「何をすればよいか」「どの条件を満たせば次のステージに進むか」を定義します。かんばん方式の取引管理画面を使えば、どのステージにどれくらいの案件があり、今月どれくらいクローズする見込みなのかが一目で把握できます。

パイプラインの設計は、営業プロセスを「暗黙知」から「形式知」に変換する作業です。これにより、マネージャーはプロセス上のボトルネックを特定でき、メンバーは「次に何をすべきか」を迷わずに行動できるようになります。

設計要素2:顧客情報の一元管理(CRM/SFA)

属人化解消の基盤となるのが、顧客情報の一元管理です。会社情報、担当者の連絡先、過去のやり取り、商談の経緯、提案内容など、営業活動に関わるすべての情報をCRM/SFA上に集約します。

情報が一か所に集まることで、担当者の異動や退職があっても顧客との関係性が途切れることはありません。新しい担当者はCRM上の履歴を確認するだけで、顧客の状況を把握し、適切な対応を引き継ぐことができます。

重要なのは、CRMを「入力する場所」ではなく「営業活動の起点となる場所」として設計することです。日々の営業活動がCRMを中心に回る業務フローを構築することで、情報の入力率と品質が自然と向上します。

設計要素3:ナレッジの仕組み化(プレイブック・トークスクリプト)

トップセールスの営業ノウハウを組織の資産に変えるために、プレイブックやトークスクリプトとして標準化します。プレイブックとは、特定の営業シーンにおける推奨アクション・トーク例・ヒアリング項目などをまとめたガイドラインです。

たとえば、初回商談時のヒアリングシートを標準化すれば、経験の浅いメンバーでもヒアリングの漏れなく顧客の課題を把握できます。提案段階のトークスクリプトを整備すれば、成功パターンの再現性が高まります。

CRM/SFA上にプレイブックを組み込むことで、商談の各ステージに応じて「今すべきこと」「聞くべきこと」を営業担当者に自動的に提示できるようになります。ナレッジの仕組み化は、属人的な「暗黙知」を組織的な「形式知」に変換するプロセスです。

設計要素4:営業活動の可視化(ダッシュボード・レポート)

属人営業では、営業活動の実態がブラックボックスになりがちです。組織営業への転換には、営業活動をデータで可視化し、プロセスベースのマネジメントを実現する必要があります。

ダッシュボードを活用することで、パイプラインの状況(各ステージの案件数・金額)、営業活動量(コール数・メール数・訪問数)、コンバージョン率(各ステージの通過率)、個人別・チーム別のパフォーマンスなどをリアルタイムで把握できます。

数字で営業活動を可視化することで、マネジメントは「結果管理」から「プロセス管理」へと転換します。「なぜ成果が出ているのか」「どこで詰まっているのか」をデータに基づいて分析し、具体的な改善アクションにつなげることができるのです。

設計要素5:フォローの自動化(シーケンス・ワークフロー)

営業フォローの質とタイミングは、成約率に大きな影響を与えます。しかし、フォローの実行を個人の記憶や裁量に任せていると、対応漏れや遅延が頻発します。

シーケンス機能を使えば、商談後のフォローメール、資料送付後のリマインド、一定期間コンタクトがない顧客への再アプローチなど、定型的なフォローアクションを自動化できます。これにより、属人的な対応に依存せず、標準プロセスとして漏れのないフォローアップを実現します。

自動化は「人の仕事を奪う」ものではありません。定型業務から営業担当者を解放し、顧客との関係構築や提案の質向上など、人間にしかできない付加価値の高い活動に集中するための仕組みです。

CRM/SFAが属人化解消の「基盤」になる理由

前述の5つの設計要素に共通する基盤が、CRM/SFAです。なぜCRM/SFAが属人化解消の核となるのか、その理由を3つの視点から整理します。

データが残る→引き継ぎが可能になる

CRM/SFAに営業活動のデータが蓄積されていれば、担当者が変わっても顧客情報は組織に残ります。過去の商談経緯、やり取りの履歴、顧客の要望やフィードバックなど、引き継ぎに必要な情報がすべてCRM上に存在する状態を作ることが、属人化解消の最も基本的な条件です。

プロセスが可視化→マネジメントが変わる

CRM/SFAのパイプライン管理やレポート機能により、営業プロセスが数字で可視化されます。どの取引ステージにどのくらいの案件があり、どのくらい今月クローズする見込みなのか。こうした情報がリアルタイムで把握できることで、マネジメントの質が根本的に変わります。

結果だけを追うのではなく、プロセスの各段階を分析し、改善ポイントを特定する。この「データドリブンな営業マネジメント」が、属人化を解消し、組織としての営業力を高める土台になります。

ナレッジが蓄積→組織の資産になる

CRM/SFA上にプレイブック、トークスクリプト、成功事例、ヒアリングシートなどのナレッジを蓄積していくことで、営業ノウハウは個人の頭の中から組織の資産へと変わります。新しいメンバーが入社しても、蓄積されたナレッジを参照しながら早期に戦力化できる環境が整います。

CRM/SFAは単なる「顧客管理ツール」ではなく、組織営業を実現するための「経営基盤」です。営業管理や案件管理の機能をひとつのプラットフォーム上で統合し、情報の分断を防ぐことが、属人化解消への最短ルートとなります。

属人化解消の導入ステップ|4フェーズで進める

属人化の解消は、一朝一夕に実現するものではありません。以下の4フェーズに分けて、段階的に取り組むことが成功の鍵です。

フェーズ 目的 主なアクション 期間目安
フェーズ1:現状把握 属人化の実態を可視化する 営業プロセスの棚卸し、情報管理の現状調査、ボトルネックの特定 2〜4週間
フェーズ2:基盤構築 CRM/SFAの導入と営業プロセスの設計 パイプラインの設計、CRMの初期設定、顧客データの移行・整理 1〜2か月
フェーズ3:運用定着 現場への浸透とナレッジ化の推進 CRM入力の定着支援、プレイブックの作成、シーケンスの設計・稼働 2〜3か月
フェーズ4:改善・進化 データに基づく継続的な改善 ダッシュボードによる分析、プロセスの改善、プレイブックの更新 継続的

フェーズ1:現状把握――属人化の「地図」を描く

まず行うべきは、自社の属人化がどこで・どの程度発生しているかを正確に把握することです。営業プロセスの各ステップを洗い出し、「誰がどの情報を持っているか」「どのプロセスが標準化されていないか」を可視化します。

この段階では、営業メンバーへのヒアリングが有効です。「引き継ぎ時に困ったこと」「自分しか知らない顧客情報があるか」「日常の営業活動で非効率だと感じること」などを聞き取り、属人化のホットスポットを特定します。

フェーズ2:基盤構築――CRM/SFAとプロセスを設計する

現状把握の結果をもとに、CRM/SFAの導入とパイプラインの設計を行います。このフェーズで重要なのは、ツールの機能ありきではなく、自社の営業プロセスに合わせてCRMを設計することです。

パイプラインのステージ設計、管理すべき顧客情報の項目定義、入力ルールの策定などを、現場の営業メンバーと一緒に進めることが定着への近道です。

フェーズ3:運用定着――現場に根づかせる

CRMを導入しても、現場が使わなければ意味がありません。運用定着のフェーズでは、入力の習慣化を支援しながら、プレイブックやシーケンスといったナレッジ・自動化の仕組みを段階的に導入します。

定着のコツは、CRMの活用が営業担当者自身にとってもメリットがあることを実感してもらうことです。「CRMを見れば次のアクションがわかる」「フォローの自動化で漏れがなくなった」といった具体的な成功体験が、運用定着の原動力になります。

フェーズ4:改善・進化――データで組織を磨き続ける

属人化の解消はゴールではなく、継続的な改善プロセスです。蓄積されたデータを活用してダッシュボードで営業活動を分析し、プロセスの改善ポイントを特定します。プレイブックは成功事例や市場変化を反映して定期的に更新し、営業プロセスの精度を高め続けます。

注意点:やってはいけないこと

属人化解消に取り組む際に、陥りがちな失敗パターンがあります。事前に認識しておくことで、回避できるリスクです。

CRM導入だけでは属人化は解消しない

最も多い失敗は、「CRMを導入すれば属人化が解消される」という誤解です。CRMは属人化解消の基盤ではありますが、それだけでは十分ではありません。プロセスの設計なきCRM導入は、「高機能なメモ帳」を配っているのと同じです。ツールと合わせて、営業プロセスの標準化、ナレッジの仕組み化、マネジメントの変革が必要です。

現場を無視したトップダウン導入

経営層やマネジメント層がCRMの導入を一方的に決定し、現場への説明や巻き込みなしに運用を強制するケースです。入力ルールが現場の実態に合っていない、入力工数だけが増えてメリットを感じられない、といった不満が蓄積し、形骸化につながります。導入の初期段階から現場のメンバーを設計プロセスに参画させることが重要です。

一度にすべてを変えようとする

プロセスの標準化、CRM導入、プレイブック整備、自動化のすべてを同時に進めようとすると、現場の負担が過大になり、どれも中途半端に終わるリスクがあります。優先順位をつけ、段階的に取り組むことが現実的なアプローチです。まずはパイプライン設計と顧客情報の一元化から着手し、定着を確認してからナレッジ化・自動化へと拡張するのが効果的です。

「標準化=画一化」と捉えてしまう

営業プロセスの標準化は、すべての営業担当者にまったく同じ行動を強制することではありません。標準プロセスは「最低限の品質と再現性を担保するための基盤」であり、その上で個々の営業担当者が自分の強みを活かす余地を残すことが大切です。

まとめ

営業の属人化は、多くの企業が抱える構造的な課題です。その本質は、「個人が優秀すぎる」ことではなく、「組織として営業の仕組みが設計されていない」ことにあります。

属人化を解消し、組織営業へ転換するためには、以下の5つの設計要素を組み合わせることが必要です。

  • 営業プロセスの標準化:パイプライン設計でプロセスを「見える化」する
  • 顧客情報の一元管理:CRM/SFAで情報の分散を解消する
  • ナレッジの仕組み化:プレイブック・トークスクリプトで知見を組織の資産にする
  • 営業活動の可視化:ダッシュボード・レポートでプロセスマネジメントを実現する
  • フォローの自動化:シーケンス・ワークフローで対応漏れを防ぐ

これらの基盤となるのがCRM/SFAです。ただし、CRMの導入はゴールではなくスタートラインです。プロセスの設計、ナレッジの蓄積、データに基づく改善を継続的に行うことで、はじめて「個人の力量に依存しない」組織営業が実現します。

属人化の解消は、営業組織の「体質改善」です。一気に変えるのではなく、4つのフェーズで段階的に取り組むことが成功への道筋です。まずは自社の属人化がどこで起きているかを把握するところから始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 営業の属人化を解消すると、トップセールスのモチベーションが下がりませんか?

A. むしろ逆のケースが多いです。標準化によってチーム全体の底上げが進むと、トップセールスは定型業務や初歩的な対応から解放され、より高度な商談や戦略的な活動に集中できるようになります。ナレッジ共有においてリーダーシップを発揮する機会にもなり、組織内での存在価値がさらに高まるケースが一般的です。

Q. CRM/SFAを導入するだけで属人化は解消されますか?

A. CRM/SFAの導入だけでは属人化は解消されません。ツールはあくまで基盤であり、営業プロセスの標準化、ナレッジの仕組み化、マネジメントの変革といった「組織設計」と組み合わせて初めて効果を発揮します。CRM導入と並行して、パイプライン設計やプレイブック整備を進めることが重要です。

Q. 属人化解消にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. 企業の規模や属人化の度合いにもよりますが、基盤構築に1〜2か月、運用定着に2〜3か月が目安です。ただし、属人化の解消は一度完了するものではなく、継続的な改善プロセスです。最初の数か月で「型」を作り、その後もデータに基づいて改善を繰り返すことで、組織営業の精度が徐々に高まっていきます。

Q. 少人数の営業チームでも組織営業への転換は必要ですか?

A. 少人数だからこそ必要です。少人数の組織は、一人ひとりの影響力が大きく、誰かが抜けた場合のインパクトも深刻です。早い段階からCRMに情報を蓄積し、プロセスを標準化しておくことで、人員の変動に強い組織を作ることができます。また、組織の成長とともにメンバーが増えた際のオンボーディングもスムーズになります。

Q. 営業プロセスの標準化と個人の営業スタイルの尊重は両立できますか?

A. 両立可能です。標準化すべきは「営業プロセスの骨格」(パイプラインの各ステージ、ヒアリング項目、フォローのタイミングなど)であり、顧客との対話の進め方や関係構築のアプローチまで画一化する必要はありません。標準プロセスを「最低限の品質を担保するベースライン」と位置づけ、その上で各担当者が自分の強みを発揮できる設計が理想的です。


株式会社StartLinkは、事業推進に関わる「販売促進」「DXによる業務効率化(ERP/CRM/SFA/MAの導入)」などのご相談を受け付けております。 サービスのプランについてのご相談/お見積もり依頼や、ノウハウのお問い合わせについては、無料のお問い合わせページより、お気軽にご連絡くださいませ。

関連キーワード:

サービス資料を無料DL

著者情報

7-1

今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。