士業(税理士・社労士・弁護士)のCRM活用ガイド|顧問先管理・案件進捗・紹介管理の設計

  • 2026年2月24日

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「顧問先の契約更新時期を把握できず、気づいたときには他事務所に切り替えられていた」「どの顧問先から紹介をいただいたか記録していないため、紹介元に適切なお礼やフォローができていない」「案件の受任から納品までの進捗が担当者の頭の中にしかなく、事務所全体で状況を共有できない」——士業事務所の経営において、こうした課題は規模が拡大するほど深刻になります。

士業(税理士・社労士・弁護士・行政書士・司法書士等)のビジネスモデルは、顧問契約による継続収入と紹介による新規獲得が経営の両輪です。にもかかわらず、多くの事務所では顧問先管理をExcelや紙の台帳で行い、紹介元の情報は代表パートナーの記憶に依存しています。国内CRM市場は4,190億円規模に成長していますが、士業分野でのCRM活用はまだ黎明期にあり、導入した事務所とそうでない事務所の業務効率・顧客満足度の差は今後ますます広がると予想されます。

本記事では、士業事務所に特化したCRM設計パターンを解説します。顧問契約管理・案件進捗管理・紹介元管理という士業固有の3つの管理要件に対応し、「受任→処理→納品→フォロー」というワークフローをCRMで仕組み化する具体的な方法を紹介します。

この記事でわかること

  • 士業事務所が抱える顧客管理・案件管理の構造的課題
  • 顧問契約管理と更新時期アラートのCRM設計方法
  • 案件パイプライン(受任→処理→納品→フォロー)の設計パターン
  • 紹介元ネットワークのCRM管理と紹介経路の可視化
  • 士業の業種別(税理士・社労士・弁護士)CRM活用のポイント
  • CRM導入による定量的な効果と投資対効果の目安

士業事務所の顧客管理課題とCRMの必要性

会社一覧画面(士業向けCRM画面の例:顧問先管理と案件パイプライン)

士業向けCRM画面の例:顧問先管理と案件パイプライン(出典:HubSpot)

なぜ士業事務所で顧客管理が難しいのか

士業事務所の顧客管理が複雑になる背景には、業界特有のビジネス構造があります。一般的なBtoB企業と異なり、士業は「顧問契約」「スポット案件」「紹介ネットワーク」という3つの管理軸を同時に扱う必要があります。

士業の特徴 一般的なBtoB企業との違い 顧客管理への影響
顧問契約が収益の柱 都度取引が中心 契約更新管理・解約防止の仕組みが必要
紹介が新規獲得の主要チャネル Web広告・テレアポが中心 紹介元との関係管理が不可欠
案件ごとに工程が異なる 標準化された営業プロセス 柔軟なパイプライン設計が求められる
守秘義務が厳しい 情報共有が前提 アクセス権限の細かな設定が必要
季節性が高い(確定申告等) 通年均一の業務量 繁忙期の業務負荷管理が重要

Excel・紙管理の限界が見えるタイミング

士業事務所の顧客管理が限界を迎えるのは、以下のタイミングです。

  • 顧問先が50社を超えたとき: 契約更新時期の把握が手動では追いつかなくなる
  • 所員が5名を超えたとき: 「誰がどの案件を担当しているか」の全体把握ができなくなる
  • 2拠点目を開設したとき: 拠点間の情報共有が物理的に困難になる
  • 代表パートナーが不在のとき: 代表の頭の中にしかない顧問先情報・紹介元情報にアクセスできない
  • 事業承継を意識し始めたとき: 後継者に顧客資産を引き継ぐ基盤がない

士業CRM導入で得られる効果

士業事務所においてCRMを正しく設計・導入した場合、以下の効果が期待できます。

効果項目 改善幅の目安 具体的な内容
契約更新率 5〜15%向上 更新時期のアラートで対応漏れを防止
紹介件数 10〜30%増加 紹介元への適切なフォローで紹介を促進
案件処理時間 15〜25%短縮 進捗の可視化でボトルネックを早期発見
事務作業工数 20〜40%削減 レポート作成・情報検索の自動化
顧問先満足度 定性的に向上 タイムリーな情報提供と適切なフォロー

顧問契約管理のCRM設計

顧問契約の管理項目

士業CRMの中核となるのが、顧問契約の管理です。以下の項目をCRM上でマスター管理します。

管理項目 内容 管理の目的
契約種別 顧問契約 / スポット / 年一(確定申告のみ等) 契約形態に応じた対応の切り分け
契約開始日 顧問契約の開始日 契約期間の把握
契約更新日 次回更新日(1年後等) 更新アラートの基点
月額顧問料 契約金額 売上予測・値上げ交渉の基準
契約サービス範囲 記帳代行、給与計算、社保手続き等 サービス範囲の明確化
担当者 主担当・副担当 業務分担の可視化
紹介元 どの顧問先・紹介者から紹介されたか 紹介ネットワークの管理

契約更新アラートの設計

顧問契約の更新漏れは、士業事務所にとって最大の機会損失です。CRMの自動化機能を活用して、更新時期を確実に管理する仕組みを構築します。

更新アラートのタイムライン:

タイミング アクション 担当
更新3ヶ月前 顧問先の満足度ヒアリングを実施 主担当
更新2ヶ月前 来期の契約内容・料金の見直し案を作成 主担当 + パートナー
更新1ヶ月前 契約更新の打診・面談の実施 パートナー
更新2週間前 契約書の作成・送付 事務担当
更新日 契約更新完了の確認・次回更新日の自動設定 システム自動処理

顧問料の適正化とアップセル機会の発見

CRM上に蓄積された顧問先データを分析することで、顧問料の適正化やサービス追加の提案機会を見つけられます。

  • 売上規模と顧問料の相関分析: 顧問先の売上規模に対して顧問料が低すぎる先を抽出
  • サービス追加の余地がある先: 記帳代行のみの顧問先に対して給与計算や社保手続きを提案
  • 業種別の標準顧問料との比較: 同業種・同規模の顧問先の顧問料を比較し、適正水準を把握

案件パイプライン(受任→処理→納品→フォロー)の設計

士業の案件ワークフロー

士業の案件は、業種を問わず「受任→処理→納品→フォロー」という基本ワークフローに沿って進みます。このワークフローをCRMのパイプラインとして設計します。

ステージ 定義 平均滞留期間 管理のポイント
①相談受付 顧問先・新規からの相談・依頼の受領 1〜3日 相談内容・緊急度の記録
②受任判断 受任可否の判断・利益相反チェック 1〜5日 利益相反チェック結果の記録
③受任・着手 正式受任・必要書類の収集開始 1〜2週間 委任状・必要書類のチェックリスト
④処理・作業中 書類作成・申請・交渉等の実務 2週間〜数ヶ月 進捗率・作業内容の記録
⑤レビュー・確認 パートナーによるレビュー・顧問先確認 3〜7日 修正指示・確認結果の記録
⑥納品・完了 成果物の納品・申請完了 1〜3日 納品物一覧・顧問先の受領確認
⑦フォロー 納品後のフォロー・追加対応 継続 顧問先の満足度確認・次案件の種まき

業種別パイプラインのカスタマイズ

士業の業種によって案件の性質が異なるため、パイプラインのカスタマイズが必要です。

税理士事務所の場合:

パイプライン 対象案件 ステージ例 季節性
月次顧問業務 月次記帳・巡回監査 資料受領→記帳→チェック→報告 毎月サイクル
確定申告 個人・法人の確定申告 資料収集→作成→レビュー→申告→控え返却 1〜3月に集中
決算・税務申告 法人決算 決算資料収集→決算書作成→税務申告書作成→提出 決算月による
スポット案件 相続税申告・税務調査対応 受任→調査→作成→提出→フォロー 通年

社労士事務所の場合:

パイプライン 対象案件 ステージ例 季節性
社保手続き 入退社・異動手続き 依頼受付→書類作成→届出→完了報告 4月に集中
給与計算 月次給与計算 勤怠データ受領→計算→チェック→納品 毎月サイクル
労働保険年度更新 年次の保険料申告 資料収集→計算→申告→納付確認 6〜7月
就業規則作成 新規作成・改定 ヒアリング→ドラフト→修正→届出 通年

弁護士事務所の場合:

パイプライン 対象案件 ステージ例 特徴
企業法務(顧問) 契約書レビュー・法律相談 相談受付→検討→回答→フォロー 継続的
訴訟案件 民事訴訟・刑事弁護 受任→訴状作成→弁論→判決→控訴判断 長期(1〜3年)
M&A・組織再編 DD・契約交渉 受任→DD→交渉→契約締結→クロージング 中長期
債権回収 督促・訴訟・強制執行 受任→催告→訴訟→回収→完了 案件による

案件の優先度管理

複数の案件を同時に進行する士業事務所では、案件の優先度管理が不可欠です。CRM上で以下の基準に基づいて優先度を自動判定します。

優先度 判定基準 アクション
最優先(赤) 期限まで3日以内 / 裁判期日 / 税務調査 即時対応、パートナーにエスカレーション
高(橙) 期限まで1週間以内 / 顧問先からの催促あり 当日中にステータス更新
中(黄) 期限まで2週間以内 / 通常進行 週次の進捗確認
低(緑) 期限まで1ヶ月以上 / 急がない調査案件 月次の進捗確認

紹介元管理のCRM設計

取引ボード(パイプラインビュー)(士業向けCRM画面の例:顧問先管理と案件パイプライン)

士業向けCRM画面の例:顧問先管理と案件パイプライン(出典:HubSpot)

士業にとっての紹介の重要性

士業の新規顧問先獲得において、紹介は最も重要なチャネルです。一般的に、士業事務所の新規案件の50〜80%は紹介経由で獲得されています。にもかかわらず、多くの事務所では紹介元の管理が体系化されていません。

紹介管理の現状 問題点 CRMでの解決策
代表の記憶に依存 代表不在時に紹介経路が不明 紹介元を会社/コンタクトに紐付けて記録
お礼の対応が不統一 紹介元への感謝が伝わらない 紹介発生時に自動リマインドでお礼対応
紹介実績が定量化されていない どの紹介元が有力か不明 紹介元別の紹介件数・成約率をダッシュボード化
紹介元の属性が未整理 戦略的な紹介促進ができない 紹介元の業種・地域・関係性をプロパティで管理

紹介ネットワークのデータモデル

CRMで紹介ネットワークを管理する際の基本的なデータモデルは以下の通りです。

紹介元マスター管理項目:

  • 紹介元種別: 既存顧問先 / 同業士業 / 金融機関 / 不動産会社 / その他
  • 紹介元の担当者: 個人名・連絡先・関係性の深さ
  • 紹介実績: 累計紹介件数・成約件数・紹介経由の年間売上
  • 最終紹介日: 最後に紹介をいただいた日付
  • お礼対応履歴: お中元・お歳暮・紹介お礼の送付記録

紹介フローの記録:

紹介が発生した際、以下の情報をCRMに記録します。

  1. 紹介元: 誰から紹介されたか(会社・担当者)
  2. 紹介先: 紹介された見込み顧問先の情報
  3. 紹介日: 紹介が発生した日付
  4. 紹介経緯: どのような経緯で紹介されたか
  5. 案件化の有無: 紹介から案件化したか(成約/不成約の記録)

紹介促進のための自動化シナリオ

CRMの自動化機能を活用して、紹介を促進するための仕組みを構築します。

シナリオ トリガー アクション
紹介お礼の自動リマインド 紹介情報が登録されたとき 担当パートナーにお礼対応のタスクを自動生成
紹介元への定期フォロー 最終紹介日から6ヶ月経過 紹介元へのご挨拶のタスクを自動生成
紹介実績レポートの自動送信 月初 紹介元別の実績レポートをパートナーに自動送信
成約報告の自動化 紹介案件が成約したとき 紹介元への成約報告のタスクを自動生成

士業の業種別CRM活用ポイント

税理士事務所のCRM活用

税理士事務所ならではのCRM活用ポイントは、季節業務の管理と顧問先の経営データの蓄積です。

季節業務カレンダーとCRMの連動:

主要業務 CRMでの管理
1〜3月 確定申告 申告対象リストの自動抽出、進捗管理
3〜5月 法人3月決算 決算パイプラインでの進捗管理
6〜7月 労働保険年度更新(社労士と連携) 連携先への依頼タスクの自動生成
7月 源泉所得税の納期特例 対象顧問先への通知の自動化
11〜12月 年末調整 資料収集の進捗管理、未回収先のリマインド
通年 月次巡回監査 巡回スケジュールの自動生成

顧問先経営データの蓄積活用:

CRM上に顧問先の売上推移・利益率・従業員数などの経営データを蓄積することで、以下の活用が可能になります。

  • 顧問先の業績変動をいち早く察知し、税務アドバイスを先回りで提供
  • 売上規模に応じた顧問料の適正化提案
  • 経営課題に応じた追加サービス(資金繰り支援、事業計画策定等)の提案

社労士事務所のCRM活用

社労士事務所のCRM活用では、法改正対応と顧問先の従業員情報管理が重要なポイントです。

活用場面 CRMでの実現方法 期待効果
法改正の影響分析 顧問先の業種・規模で該当企業を自動抽出 法改正情報を対象顧問先に的確に提供
手続き期限管理 入退社・異動に伴う届出期限をタスク化 届出漏れの防止
助成金提案 顧問先属性に合った助成金をマッチング 追加サービスの提案機会を創出
就業規則の管理 顧問先別に就業規則のバージョン管理 最新版の把握と改定提案

弁護士事務所のCRM活用

弁護士事務所では、利益相反チェックと長期訴訟案件の管理がCRM活用の最大のポイントです。

利益相反チェックの仕組み化:

新規案件の受任時に、CRMに蓄積された全顧問先・過去の依頼者データを検索し、利益相反の有無を確認する仕組みを構築します。手動チェックでは漏れが発生するリスクがあるため、CRMの検索機能を活用して網羅的に確認できる体制が重要です。

長期訴訟案件の管理:

管理項目 CRMでの管理方法 目的
裁判期日管理 タスクの自動生成(期日の1週間前にリマインド) 期日の失念防止
書面の提出期限 ステージ移行条件として設定 提出遅延の防止
相手方情報 案件に紐付けてコンタクト管理 関係者の全体把握
タイムチャージ記録 活動記録に作業時間を記録 請求の正確性と工数管理

士業CRM導入の進め方と投資対効果

導入ステップと推奨スケジュール

士業事務所のCRM導入は、以下のフェーズで段階的に進めることを推奨します。

フェーズ 期間 実施内容 ゴール
Phase 1 1〜2ヶ月 顧問先マスター・契約情報の移行 顧問先情報の一元管理
Phase 2 2〜3ヶ月 案件パイプラインの設計・運用開始 案件進捗の可視化
Phase 3 3〜4ヶ月 紹介元管理・更新アラートの設定 紹介管理と契約更新の仕組み化
Phase 4 4〜6ヶ月 自動化シナリオの構築・レポート整備 事務所経営の見える化

士業CRMの投資対効果

士業事務所(所員10名規模)を想定したCRM導入の投資対効果を試算します。

項目 金額
投資(年間TCO)
CRMライセンス費用(10名) 120〜180万円
初期導入・設定費用(年割) 50〜100万円
運用工数(0.3人工) 150万円
投資合計 320〜430万円
リターン(年間)
契約更新率向上(解約防止) 200〜400万円
紹介件数増加による新規獲得 150〜300万円
事務作業の効率化 100〜200万円
リターン合計 450〜900万円
ROI(年間) 40〜110%

導入時のチェックリスト

  • [ ] 顧問先台帳(Excel・紙)の棚卸しが完了しているか
  • [ ] 顧問契約書のフォーマットが統一されているか
  • [ ] 案件の受任プロセスが文書化されているか
  • [ ] 紹介元の一覧が整理されているか
  • [ ] CRM管理者(事務所内の推進担当者)が任命されているか
  • [ ] 守秘義務に対応したアクセス権限の設計が行われているか
  • [ ] 所員へのトレーニング計画が策定されているか

CRM製品選定のポイント

士業事務所のCRM選定基準

士業事務所がCRM製品を選定する際に重視すべきポイントは以下の通りです。

評価軸 重要度 チェックポイント
セキュリティ ★★★ 守秘義務に対応した権限管理・データ暗号化
カスタマイズ性 ★★★ 顧問契約・案件パイプラインの柔軟な設計
操作の簡便さ ★★★ ITに不慣れな所員でも使いこなせるUI
外部連携 ★★☆ 会計ソフト・電子申告システムとの連携
コスト ★★☆ 小規模事務所でも負担にならない価格帯

主要CRM製品の比較

士業事務所でよく検討されるCRM製品を比較します。

製品 特徴 士業向け適性 価格帯(月額/ユーザー)
HubSpot 無料プランあり、段階導入向き カスタムオブジェクトで顧問契約管理が可能 0円〜
Salesforce 高カスタマイズ性、大規模向け 柔軟だが設定難度が高い 3,000円〜
kintone ノーコード、日本企業向け アプリの自由設計が可能 1,500円〜
MyKomon 士業特化型 税理士事務所向け機能が充実 要問い合わせ

最終的な選定では、自事務所の業務フローに合わせたデモンストレーションを受け、実際の運用イメージを確認することが重要です。

まとめ

士業事務所のCRM活用は、「顧問契約管理」「案件進捗管理」「紹介元管理」の3つを軸に設計することが成功のポイントです。本記事の要点を整理します。

  • 顧問契約管理: 契約更新時期のアラートを自動化し、更新漏れと解約リスクを低減する
  • 案件パイプライン: 受任→処理→納品→フォローのワークフローをCRMで可視化し、案件の進捗をリアルタイムで全員が把握できるようにする
  • 紹介元管理: 紹介元を体系的に記録・分析し、紹介促進のための定期フォローを仕組み化する
  • 業種別カスタマイズ: 税理士は季節業務管理、社労士は法改正対応、弁護士は利益相反チェックと長期案件管理に注力する
  • 段階導入: Phase 1〜4に分けて段階的に導入し、CRMの定着率を高める

士業事務所の経営は、顧問先との信頼関係と紹介ネットワークによって支えられています。これらの「見えない資産」をCRMで可視化・仕組み化することは、事務所の持続的な成長と事業承継の基盤づくりに直結します。まずは顧問先台帳の棚卸しから始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 少人数の士業事務所(3名以下)でもCRMは必要ですか?

少人数の事務所であっても、顧問先が20社を超える段階でCRMの導入効果は十分にあります。特に代表パートナー1名に顧客情報が集中している場合、CRMで情報を組織の資産にしておくことは、事業継続性の観点から極めて重要です。無料のCRMプランから始めれば、コスト負担なく効果を実感できます。

Q. 守秘義務が厳しい士業でもクラウドCRMは使えますか?

主要なクラウドCRM製品は、データの暗号化、アクセス権限管理、監査ログの記録など、企業の情報セキュリティ要件を満たす機能を備えています。士業事務所においても、適切なアクセス権限の設定(案件ごとの閲覧制限、担当者別のデータアクセス範囲の制御)を行えば、クラウドCRMは安全に利用できます。むしろ、Excelファイルの共有フォルダ管理よりもセキュリティレベルは向上します。

Q. 既存の会計ソフトや業務ソフトとCRMは連携できますか?

多くのCRM製品はAPIを提供しており、会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生等)や電子申告システムとの連携が可能です。ただし、連携の難易度と範囲は製品の組み合わせによって異なるため、導入前に自事務所で使用しているツールとの連携可否を確認することを推奨します。まずはCRM単体で運用を安定させ、連携はPhase 3以降で検討する進め方が現実的です。

Q. CRM導入後、所員に定着させるにはどうすればよいですか?

士業事務所でのCRM定着の鍵は、「パートナー自身がCRMを日常的に使う姿を見せること」です。具体的には、朝礼や案件会議でCRMのパイプライン画面を表示して進捗を確認する、顧問先との面談記録をCRMに入力する、といった行動をパートナー率先で実践します。また、Excel報告書を廃止し「CRMに入力されていない案件は存在しないものとする」というルールを徹底することで、入力のインセンティブが生まれます。

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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。