ブログ目次
「マーケティング施策に年間数千万円を投資しているが、どの施策が実際に売上に貢献しているのかわからない」
「経営層から"マーケの費用対効果を見せてくれ"と言われるたびに、説得力のある数字を提示できない」
「SEO、広告、ウェビナー、展示会...施策ごとのROIを比較したいが、計算方法がバラバラで統一的に評価できない」
マーケティング投資の費用対効果を正確に把握できないまま、感覚ベースで予算配分を続けている企業は少なくありません。しかし、マーケティング ROI 測定の仕組みを構築することで、「効いている施策」と「効いていない施策」を客観的に識別し、予算配分を最適化することが可能になります。
はじめに
マーケティングROI分析画面の例:ダッシュボードとキャンペーン(出典:HubSpot)
マーケティング ROI 測定とは、マーケティング施策に投下したコスト(投資額)と、その施策が生み出した収益(リターン)の比率を定量的に評価するプロセスです。単なる費用対効果の計算にとどまらず、「どの施策が、どのくらいの収益に貢献したか」を可視化し、マーケティング予算の最適配分を実現するためのフレームワーク全体を指します。
日本のBtoB企業では、マーケ 費用対効果の測定が十分に行われていないケースが大半です。その原因は主に3つあります。
- 施策と収益の因果関係が複雑:BtoBの購買プロセスは長期にわたり、複数の施策が影響するため、どの施策が収益に貢献したかを特定しにくい
- データが分散している:MA、CRM、SFA、広告管理ツール、Excelなどにデータが散在し、統合的な分析が困難
- アトリビューションの知識不足:マルチタッチアトリビューションモデルの概念や計算方法が浸透していない
本記事では、施策別のROI計算式、アトリビューションモデルの比較、MA/CRMデータを活用した算出方法を体系的に解説します。CMO/マーケ責任者が経営層にマーケティング投資の効果を説明するための実践的なフレームワークをお届けします。
この記事でわかること
- マーケティング ROI 測定の基本公式と、BtoBにおける計算の注意点
- マルチタッチアトリビューション vs ファーストタッチ/ラストタッチモデルの違いと使い分け
- 施策別(SEO、広告、ウェビナー、展示会、コンテンツ)のROI計算式と目標値
- マーケティング KPIの階層設計と、ROIにつながるKPIフレームワーク
- MA/CRMデータを活用したROI算出の具体的な手順
- 経営層へのROIレポーティングの方法と報告テンプレート
マーケティングROIの基本公式と考え方
ROIの基本公式
マーケティングROIの基本公式は以下のとおりです。
マーケティングROI(%)=(マーケティング施策による収益 - マーケティング投資額)÷ マーケティング投資額 × 100
例えば、年間マーケティング投資額が2,000万円で、マーケティング施策経由の収益が8,000万円であった場合、ROIは300%((8,000万 - 2,000万)÷ 2,000万 × 100)となります。
BtoBにおけるROI計算の3つの難しさ
| 難しさ | 内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| 長い購買サイクル | リード獲得から受注まで数ヶ月〜1年以上かかる | コホート分析で期間を揃えて計測 |
| 複数タッチポイント | 1件の受注に複数の施策が関与 | アトリビューションモデルで貢献度を配分 |
| オフライン接点 | 展示会、電話、対面商談などのデータ取得が困難 | CRM/SFAへの活動記録を徹底 |
ROI vs ROAS vs CPA の違い
マーケ 効果測定で使われる指標を整理しておきましょう。
| 指標 | 定義 | 計算式 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ROI | 投資対効果(利益ベース) | (収益 - 投資額)÷ 投資額 × 100 | マーケティング全体の投資判断 |
| ROAS | 広告費用対効果(売上ベース) | 広告経由売上 ÷ 広告費 × 100 | 広告施策の効率評価 |
| CPA | 顧客獲得単価 | 総コスト ÷ 獲得顧客数 | 施策のコスト効率比較 |
| CPL | リード獲得単価 | 総コスト ÷ 獲得リード数 | リード獲得施策の効率評価 |
| LTV:CAC比率 | 顧客生涯価値と獲得コストの比 | LTV ÷ CAC | 投資回収の健全性判断 |
アトリビューションモデルの比較と選び方
アトリビューションモデルとは
BtoBの購買プロセスでは、1人のリードが「ブログ記事を読む→ホワイトペーパーをDLする→ウェビナーに参加する→事例を閲覧する→デモを申し込む→受注に至る」というように複数の接点を経由します。この複数の接点のうち「どの接点にどのくらい収益貢献を配分するか」を決めるのがアトリビューションモデルです。
主要アトリビューションモデルの比較
| モデル | 配分方法 | メリット | デメリット | 適するケース |
|---|---|---|---|---|
| ファーストタッチ | 最初の接点に100%配分 | シンプル、リード獲得チャネルの評価に最適 | 育成・商談化フェーズの貢献が無視される | リード獲得施策の評価 |
| ラストタッチ | 最後の接点に100%配分 | シンプル、商談化直前の施策を評価 | 認知・育成フェーズの貢献が無視される | 商談化施策の評価 |
| リニア(均等配分) | 全接点に均等配分 | 全施策の貢献を公平に評価 | 重要な接点の影響力が薄まる | 全体俯瞰 |
| U字型(ポジションベース) | 最初と最後に40%ずつ、中間に20%配分 | 獲得と商談化の両方を重視 | 中間フェーズの評価が弱い | 獲得+商談化の両方を評価 |
| W字型 | 最初・MQL化・SQL化に30%ずつ、残り10%を中間に配分 | BtoBのファネルに最適 | 設計と計測が複雑 | BtoBの多段階ファネル |
| タイムデケイ(時間減衰) | 受注に近い接点ほど高配分 | 直近の施策効果を重視 | 認知フェーズの過小評価 | 短期的な施策効果の測定 |
| データドリブン | 統計モデルで配分を自動算出 | 最も精度が高い | 十分なデータ量が必要 | データ蓄積が豊富な企業 |
自社に適したモデルの選び方
| 判断基準 | 推奨モデル |
|---|---|
| まだアトリビューション分析を始めていない | ファーストタッチ+ラストタッチの併用 |
| リード獲得施策と育成施策の両方を評価したい | U字型 |
| BtoBの多段階ファネルを正確に評価したい | W字型 |
| 十分なデータ(月間100件以上のコンバージョン)がある | データドリブン |
| 短期キャンペーンの効果を測定したい | タイムデケイ |
施策別のROI計算式と目標値
SEO(検索エンジン最適化)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投資額の内訳 | コンテンツ制作費、SEOツール費用、外注費、人件費 |
| 収益の計測方法 | オーガニック流入→コンバージョン→商談→受注を追跡 |
| ROI計算式 | (オーガニック経由受注額 - SEO投資額)÷ SEO投資額 × 100 |
| 目標ROI | 初年度:100〜200%、2年目以降:300〜500%以上 |
| 計測の注意点 | 効果発現まで3〜6ヶ月。コホート分析で長期的に評価 |
SEOのROI計算例:
- 年間SEO投資額:600万円(コンテンツ制作400万+ツール100万+人件費100万)
- オーガニック経由リード数:月100件 × 12ヶ月 = 1,200件
- MQL転換率:20% → 240 MQL
- SQL転換率:25% → 60 SQL
- 受注率:20% → 12件受注
- 平均受注額:200万円 → 受注額合計2,400万円
- ROI = (2,400万 - 600万)÷ 600万 × 100 = 300%
Web広告(リスティング広告・SNS広告)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投資額の内訳 | 広告出稿費、クリエイティブ制作費、運用代行費 |
| 収益の計測方法 | 広告クリック→LP→コンバージョン→商談→受注を追跡 |
| ROI計算式 | (広告経由受注額 - 広告投資額)÷ 広告投資額 × 100 |
| 目標ROI | 200〜400%(ROAS 300〜500%相当) |
| 計測の注意点 | UTMパラメータで流入元を正確に追跡 |
ウェビナー・オンラインセミナー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投資額の内訳 | ツール費用、集客広告費、登壇者人件費、運営人件費 |
| 収益の計測方法 | 参加者→MQL→SQL→受注を追跡 |
| ROI計算式 | (ウェビナー経由受注額 - ウェビナー投資額)÷ ウェビナー投資額 × 100 |
| 目標ROI | 300〜600% |
| 計測の注意点 | 参加者をCRMに連携し、商談との紐付けを行う |
展示会・オフラインイベント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投資額の内訳 | 出展費用、ブース設営費、交通費、人件費、ノベルティ |
| 収益の計測方法 | 名刺交換→CRM登録→MQL→SQL→受注を追跡 |
| ROI計算式 | (展示会経由受注額 - 展示会投資額)÷ 展示会投資額 × 100 |
| 目標ROI | 200〜400%(受注までのリードタイムが長い点に留意) |
| 計測の注意点 | 名刺データのCRM登録を徹底し、ソースを正確に記録 |
施策別ROI比較のサマリー表
| 施策 | 平均CPL | MQL転換率目安 | 受注までの期間 | ROI目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| SEO | 2,000〜5,000円 | 15〜25% | 3〜12ヶ月 | 300〜500% | 長期的に安定、初期投資が必要 |
| リスティング広告 | 5,000〜15,000円 | 10〜20% | 1〜6ヶ月 | 200〜400% | 即効性あり、コストは高め |
| SNS広告 | 3,000〜10,000円 | 5〜15% | 3〜9ヶ月 | 150〜300% | 認知拡大に強い |
| ウェビナー | 3,000〜8,000円 | 15〜30% | 2〜6ヶ月 | 300〜600% | エンゲージメントが高い |
| 展示会 | 10,000〜30,000円 | 10〜20% | 3〜12ヶ月 | 200〜400% | 対面の信頼構築が強み |
| コンテンツ(WP等) | 2,000〜6,000円 | 10〜20% | 3〜9ヶ月 | 300〜500% | 資産として蓄積 |
マーケティングKPIの階層設計
マーケティングROI分析画面の例:ダッシュボードとキャンペーン(出典:HubSpot)
KPIピラミッドフレームワーク
マーケティング KPIは、経営層向けの「結果指標」から現場の「活動指標」まで階層的に設計する必要があります。
Level 1:経営指標(四半期・年次)
| KPI | 計算式 | 報告先 |
|---|---|---|
| マーケティングROI | (マーケ経由収益 - マーケ投資額)÷ マーケ投資額 × 100 | 経営層 |
| マーケティング寄与率 | マーケ経由パイプライン ÷ 全パイプライン × 100 | 経営層 |
| CAC(顧客獲得コスト) | マーケ+営業コスト ÷ 新規顧客数 | 経営層 |
| LTV:CAC比率 | 顧客生涯価値 ÷ 顧客獲得コスト | 経営層 |
Level 2:ファネル指標(月次)
| KPI | 計算式 | 報告先 |
|---|---|---|
| リード獲得数 | 月間の新規リード数 | マーケ部門長 |
| MQL数・転換率 | MQL数 ÷ リード数 × 100 | マーケ部門長 |
| SQL数・転換率 | SQL数 ÷ MQL数 × 100 | マーケ+営業部門長 |
| パイプライン金額 | マーケ経由の商談金額合計 | マーケ部門長 |
Level 3:施策指標(週次)
| KPI | 計算式 | 報告先 |
|---|---|---|
| 施策別リード数 | 各施策経由のリード獲得数 | マーケ担当者 |
| 施策別CPL | 施策コスト ÷ 獲得リード数 | マーケ担当者 |
| チャネル別CVR | コンバージョン数 ÷ 流入数 × 100 | マーケ担当者 |
| コンテンツ別DL数 | 各コンテンツのDL数 | マーケ担当者 |
KPIからROIへの接続
マーケティング KPIの各層が最終的なROIにどうつながるかを明確にしておくことが重要です。
Level 3(施策別リード数)→ Level 2(MQL数・SQL数)→ Level 1(マーケティングROI)
この接続が明確になっていれば、ROIが目標を下回った場合に「どのLevel、どの施策に問題があるか」を素早く特定し、改善アクションを取ることができます。
MA/CRMデータを活用したROI算出の手順
ステップ1:データ基盤の整備
ROI測定の前提として、以下のデータがMA/CRMに正確に記録されている必要があります。
| データ項目 | 記録先 | 記録のポイント |
|---|---|---|
| リードのソース(流入元) | CRM:コンタクトプロパティ | UTMパラメータ、フォーム別にソースを自動記録 |
| 施策・キャンペーン紐付け | MA/CRM:キャンペーン | リードが接触した施策をキャンペーンとして記録 |
| ライフサイクルステージ | CRM:コンタクトプロパティ | リード→MQL→SQL→顧客の遷移を自動更新 |
| 商談金額・受注金額 | CRM/SFA:取引 | 商談と受注の金額を正確に記録 |
| 施策別コスト | MA/CRM or スプレッドシート | 広告費、制作費、人件費を施策単位で記録 |
ステップ2:アトリビューションの設定
MA/CRMのアトリビューション機能を設定し、各施策の収益貢献度を算出します。
| 設定項目 | 内容 |
|---|---|
| アトリビューションモデルの選択 | 自社のファネルに適したモデルを選択(初期はファーストタッチ+ラストタッチの併用を推奨) |
| アトリビューション対象の定義 | 「コンタクト作成」「取引作成」「収益」のどれを評価対象とするか |
| アトリビューションウィンドウの設定 | 接触から受注までの最大期間(BtoBでは90〜365日が一般的) |
| 除外条件の設定 | 既存顧客、パートナー、競合、自社社員などを除外 |
ステップ3:ROIレポートの構築
| レポート種別 | 内容 | 頻度 |
|---|---|---|
| 施策別ROIレポート | 各施策の投資額、収益、ROIを一覧表示 | 四半期 |
| チャネル別ファネルレポート | 流入→リード→MQL→SQL→受注の転換率をチャネル別に表示 | 月次 |
| キャンペーン別パフォーマンスレポート | キャンペーン単位のリード数、CPL、商談貢献 | 月次 |
| アトリビューションレポート | 各タッチポイントの収益貢献度を可視化 | 四半期 |
ステップ4:分析と改善
| 分析パターン | 発見すべきインサイト | 改善アクション |
|---|---|---|
| ROIが高い施策の特定 | 投資額に対して最も収益を生んでいる施策 | 予算の増額配分 |
| ROIが低い施策の特定 | コストはかかっているが収益貢献が小さい施策 | 施策の見直しまたは縮小 |
| ファネルのボトルネック | 転換率が大幅に低下している段階 | 該当段階の施策・コンテンツの強化 |
| 隠れた貢献施策 | ラストタッチでは見えないが、ファーストタッチで高い貢献 | 認知施策の適正評価と継続投資 |
経営層へのROIレポーティング
経営層が求める情報
マーケ 費用対効果の報告において、経営層が求めているのは施策の詳細ではなく「投資判断に使える情報」です。
| 経営層の関心事 | 提供すべき情報 | レポート形式 |
|---|---|---|
| マーケティング投資は回収できているか | マーケティングROI、LTV:CAC比率 | 数値+前期比トレンド |
| どの施策に予算を集中すべきか | 施策別ROIランキング | 棒グラフ+テーブル |
| 来期の予算はいくら必要か | 目標受注額から逆算した必要投資額 | シミュレーション表 |
| 競合と比べてどうか | 業界ベンチマークとの比較 | 比較表 |
レポートテンプレートの構成
| セクション | 内容 | ページ数目安 |
|---|---|---|
| エグゼクティブサマリー | 期間全体のROI、主要KPIのハイライト、前期比 | 1ページ |
| 施策別パフォーマンス | 施策ごとの投資額・リード数・MQL・SQL・受注・ROI | 2〜3ページ |
| アトリビューション分析 | どの施策がどのくらい収益に貢献したかの可視化 | 1ページ |
| ファネル分析 | 各段階の転換率と改善ポイント | 1ページ |
| 来期の計画と予算提案 | 目標達成に必要な投資額と施策ミックス | 1〜2ページ |
予算シミュレーションの作り方
経営層への予算提案では、「目標受注額から逆算したファネルシミュレーション」が最も説得力を持ちます。
逆算シミュレーション例:
| ファネル段階 | 必要数 | 転換率 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 目標受注件数 | 24件 | — | 事業計画から設定 |
| 必要SQL数 | 120件 | 受注率20% | 過去実績ベース |
| 必要MQL数 | 480件 | SQL転換率25% | 過去実績ベース |
| 必要リード数 | 2,400件 | MQL転換率20% | 過去実績ベース |
| 必要投資額 | 1,200万円 | CPL 5,000円 × 2,400件 | 施策ミックスに基づくCPL |
ROI測定の精度を高めるための実践ポイント
よくあるROI測定の落とし穴
| 落とし穴 | 内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| 短期的な視点での評価 | SEOやコンテンツの効果が出る前に「ROIが低い」と判断 | コホート分析で12ヶ月以上のスパンで評価 |
| 直接効果のみの測定 | ブランド認知向上やSEO資産の蓄積などの間接効果を無視 | 直接ROI+間接効果の両方を報告 |
| コスト計上の不統一 | 人件費や間接費を施策コストに含めない | フルコスト計上のルールを統一 |
| ラストタッチ偏重 | 商談化直前の施策だけが高評価され、認知施策が過小評価 | 複数のアトリビューションモデルを併用 |
| サンプル不足 | 少ないデータでROIを断定 | 統計的に有意なサンプルが蓄積されるまでは傾向として報告 |
ROI測定の成熟度モデル
| レベル | 状態 | 次のステップ |
|---|---|---|
| Level 1 | 施策コストとリード数は把握しているが、ROIは未計測 | CPLの計算から開始 |
| Level 2 | CPLは計算しているが、商談・受注との紐付けがない | CRMでソース別の受注追跡を開始 |
| Level 3 | ファーストタッチ/ラストタッチでROIを計測している | マルチタッチアトリビューションへ移行 |
| Level 4 | マルチタッチアトリビューションでROIを計測し、予算最適化に活用 | データドリブンアトリビューションの検討 |
| Level 5 | データドリブンでROIを自動計測し、リアルタイムで予算配分を最適化 | 予測分析(Predictive Analytics)の導入 |
まとめ
マーケティング ROI 測定は、マーケティング投資の効果を可視化し、予算配分を最適化するための不可欠なプロセスです。成功のポイントを改めて整理します。
- 基本公式の理解:ROI=(収益 - 投資額)÷ 投資額 × 100 を全施策に統一的に適用する
- アトリビューションモデルの選択:BtoBの多段階ファネルに対応するため、ファーストタッチ+ラストタッチの併用から始め、段階的にマルチタッチモデルへ移行する
- 施策別ROIの計測:SEO、広告、ウェビナー、展示会など施策ごとにROIを算出し、横並びで比較する
- KPIの階層設計:経営指標→ファネル指標→施策指標の3層で設計し、ROIにつながるKPIを日常的にモニタリングする
- MA/CRMデータの活用:リードソース、施策紐付け、商談金額のデータをMA/CRMに正確に記録し、ROI算出の基盤を整備する
- 経営層への報告:施策の詳細ではなく「投資判断に使える情報」を、逆算シミュレーション付きで提示する
マーケ 効果測定の精度は一朝一夕には向上しませんが、まずはCPLの計算と主要施策のROI試算から始め、データが蓄積されるにつれてアトリビューション分析を高度化していくのが現実的なアプローチです。
よくある質問(FAQ)
Q. マーケティングROIの目標値はどのくらいに設定すべきですか?
A. BtoB企業の場合、マーケティングROI 300%以上(投資額の3倍以上のリターン)が一つの目安です。ただし、施策の種類や計測期間によって大きく異なります。SEOやコンテンツマーケティングは初年度はROI 100%程度でも、2年目以降にストック効果で300〜500%に到達するケースが多いです。重要なのは、自社の過去実績をベースに現実的な目標を設定し、継続的に改善していくことです。
Q. アトリビューション分析を始めるにはどのくらいのデータ量が必要ですか?
A. ファーストタッチやラストタッチのシングルタッチモデルであれば、月間30件以上のコンバージョンがあれば分析を開始できます。マルチタッチアトリビューションでは月間100件以上のコンバージョンが望ましく、データドリブンモデルでは月間500件以上が推奨されます。データ量が不足する場合は、四半期や半期のデータを集約して分析するのも有効です。
Q. 人件費はマーケティング投資額に含めるべきですか?
A. 厳密なROI測定のためには、マーケティング担当者の人件費(または工数按分)を含めるべきです。ただし、社内で初めてROI測定に取り組む場合は、まず外部コスト(広告費、制作費、ツール費用)のみでROIを計算し、次の段階で人件費を加えるという段階的なアプローチも現実的です。重要なのは「コストに何を含めているか」の定義を明文化し、期間ごとに統一することです。
Q. 展示会やオフラインイベントのROIはどう測定すればよいですか?
A. 展示会のROI測定で最も重要なのは、名刺データをCRMに確実に登録し、リードソースとして「展示会名」を記録することです。その上で、展示会経由のリードがMQL→SQL→受注に至った件数と金額を追跡します。展示会は受注までのリードタイムが長い(3〜12ヶ月)ため、開催直後ではなく、6ヶ月後・12ヶ月後に改めてROIを再計算することを推奨します。
Q. ROI測定の結果、特定の施策のROIが低い場合、すぐに中止すべきですか?
A. 即座に中止する前に、3つの観点で確認してください。第一に、アトリビューションモデルによる偏りはないか(ラストタッチで低くても、ファーストタッチでは高い場合がある)。第二に、計測期間は適切か(SEOは最低6ヶ月、展示会は12ヶ月で評価すべき)。第三に、ROI以外の貢献(ブランド認知、人材採用、パートナーシップ構築など)はないか。これらを考慮した上でなおROIが低い場合は、施策の改善(ターゲティング精度、コンテンツの質、フォローアップの速度など)を試みてから中止を判断しましょう。
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。