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「MAツールの種類が多すぎて、何を基準に選べばいいのかわからない」「国産と海外製で何が違うのか、比較軸が定まらない」「導入コストだけで選んで失敗した経験がある」
MA(マーケティングオートメーション)ツールの市場は年々拡大し、2026年現在、国内で利用可能なMAツールは30種以上にのぼります。選択肢の多さは歓迎すべきことですが、CMOやマーケティング部長にとっては「自社に本当に合うMAをどう見極めるか」が最大の課題です。
本記事では、MAツール比較を体系的に行うための「評価フレームワーク」を提示し、BtoB/BtoC、企業規模、必要機能の3軸で最適なMAの選び方を解説します。国産MA(SATORI、BowNow、Kairos3)と海外MA(HubSpot、Marketo、Pardot)の特徴を俯瞰し、2026年版の最新情報をもとに比較ポイントを明確にします。
マーケティングオートメーション比較において重要なのは、「機能の多さ」ではなく「自社の課題解決に合致するか」です。MAおすすめランキングに惑わされず、自社の状況に合った選定ができるよう、実践的な評価手法をお伝えします。
この記事でわかること
- MAツール選定で失敗しないための3軸評価フレームワーク
- BtoB向け・BtoC向けMAツールの特徴と選定基準の違い
- 国産MA vs 海外MAの比較(機能・コスト・サポート体制)
- 企業規模別のMAツールマッチングガイド
- 2026年版 主要MAツール8選の比較一覧
- MAツール選定から導入決定までの実践プロセス
MA選び方の基本:3軸評価フレームワーク
MAツール比較を行う際に、機能リストを並べるだけでは正しい判断はできません。以下の3軸で総合的に評価することで、自社に合うMAを見極められます。
軸1:導入コスト(TCO:総所有コスト)
MAの費用はライセンス料だけではありません。3年間のTCO(Total Cost of Ownership)で比較することが重要です。
| コスト項目 | 内容 | 見落としやすいポイント |
|---|---|---|
| 初期費用 | セットアップ、データ移行 | 無料のツールでも導入支援は有料の場合あり |
| 月額ライセンス | 基本料金+従量課金 | コンタクト数増加に伴う段階的な料金上昇 |
| 導入支援費 | ベンダーまたはパートナーへの委託費 | 初期設計の品質が運用成果を左右する |
| 運用人件費 | 社内担当者の工数 | 高機能ツールほど専門人材が必要 |
| コンテンツ制作費 | メール、LP、ホワイトペーパー制作 | MAの効果はコンテンツ品質に依存する |
TCO算出式: 初期費用 +(月額費用 × 36ヶ月)+ 導入支援費 +(運用人件費 × 36ヶ月)
軸2:運用工数と定着のしやすさ
ツールの操作難易度や学習コストは、MA定着率に直結します。
| 評価項目 | 高評価の基準 |
|---|---|
| UI/UXの直感性 | ノーコードでワークフローが構築できる |
| 学習リソース | 日本語のマニュアル、動画、認定プログラムがある |
| 導入支援 | オンボーディングプログラムが体系化されている |
| カスタマーサクセス | 専任担当がつく、定期的なレビューミーティングがある |
軸3:機能適合度と拡張性
現時点の必要機能だけでなく、1〜3年先の事業成長を見据えた拡張性も重要です。
- 必須機能: メール配信、フォーム/LP作成、スコアリング、ワークフロー、レポート
- 推奨機能: CRM連携、広告連携、SNS管理、ABM機能
- 将来機能: AI予測スコアリング、マルチチャネル対応、高度なアトリビューション
BtoB向け vs BtoC向け:MAツールの選定基準の違い
MAツールはBtoBとBtoCで求められる機能が大きく異なります。自社のビジネスモデルに合ったMAの選び方を理解しましょう。
| 比較項目 | BtoB向けMA | BtoC向けMA |
|---|---|---|
| リード単位 | 企業(アカウント)+個人 | 個人(消費者) |
| リード数の規模 | 数千〜数万件 | 数万〜数百万件 |
| 購買プロセス | 長い(数ヶ月〜1年以上)、稟議あり | 短い(即日〜数週間) |
| 重視機能 | スコアリング、SFA連携、ABM | セグメンテーション、大量配信、EC連携 |
| コンテンツ | 専門的・教育的コンテンツ | パーソナライズ・レコメンド |
| KPI | MQL数、商談転換率、受注貢献額 | CV数、LTV、購入頻度 |
BtoB企業がMAツール比較を行う際は、SFA/CRM連携の深さとスコアリングの柔軟性を最優先で確認してください。日本のBtoB市場特有の稟議文化や、展示会での名刺交換からリード化する商習慣を考慮すると、名刺管理ツールとの連携も重要な評価ポイントです。
国産MA vs 海外MA:特徴と選定の判断軸
国産MAの特徴
| ツール名 | 主な対象 | 強み | 月額料金目安 |
|---|---|---|---|
| SATORI | 中小〜中堅BtoB | 匿名リードへのアプローチ機能 | 14.8万円〜 |
| BowNow | 中小BtoB | 無料プランあり、シンプル操作 | 無料〜 |
| Kairos3 Marketing | 中小〜中堅BtoB | SFA一体型、手厚い国産サポート | 月額1.5万円〜 |
国産MAを選ぶべきケース:
- 社内にMAの運用経験者がいない
- 日本語サポートの手厚さを重視する
- 国内の商習慣(展示会、セミナー管理)への対応を求める
- 予算が限定的で、まずはスモールスタートしたい
海外MAの特徴
| ツール名 | 主な対象 | 強み | 月額料金目安 |
|---|---|---|---|
| HubSpot Marketing Hub | 全規模 | CRM一体型、スモールスタート可能 | 1,800円〜 |
| Adobe Marketo Engage | 中堅〜大企業 | 高度なスコアリング、大規模運用対応 | 15万円〜(目安) |
| Account Engagement(旧Pardot) | 中堅〜大企業 | Salesforceネイティブ連携 | 15万円〜 |
海外MAを選ぶべきケース:
- グローバル展開を見据えている
- 高度なマーケティング施策(ABM、予測分析)を実行したい
- 既にSalesforceなど海外CRMを利用している
- 長期的な拡張性を重視する
国産MA vs 海外MAの総合比較
| 比較軸 | 国産MA | 海外MA |
|---|---|---|
| 日本語対応 | ◎ ネイティブ対応 | ○ 日本語対応あり(一部不完全) |
| サポート体制 | ◎ 日本法人の手厚いサポート | ○〜◎ ツールにより差がある |
| 機能の深さ | ○ 基本機能は充実 | ◎ 高度な機能が豊富 |
| 拡張性 | △〜○ 成長に限界がある場合も | ◎ グローバル規模でスケール可能 |
| エコシステム | △ 連携先が限定的 | ◎ 連携アプリ・API が豊富 |
| 価格 | ○ 中小企業向けプランが充実 | △〜◎ 幅が広い |
企業規模別 MAツールマッチングガイド
スタートアップ・小規模企業(従業員〜50名)
| 推奨条件 | 具体的なポイント |
|---|---|
| 予算 | 月額5万円以下 |
| 運用体制 | マーケ担当1名(兼務) |
| 重視機能 | メール配信、フォーム、基本的なスコアリング |
| おすすめ方向性 | 無料〜低価格で始められるツール、CRM一体型 |
中堅企業(従業員50〜500名)
| 推奨条件 | 具体的なポイント |
|---|---|
| 予算 | 月額10〜30万円 |
| 運用体制 | マーケ担当2〜3名(うち1名MA専任) |
| 重視機能 | ワークフロー自動化、CRM連携、レポート |
| おすすめ方向性 | 成長に合わせてスケールできるツール |
大企業(従業員500名以上)
| 推奨条件 | 具体的なポイント |
|---|---|
| 予算 | 月額30万円以上 |
| 運用体制 | MA専任チーム(3名以上)、または外部パートナー併用 |
| 重視機能 | ABM、予測分析、マルチブランド管理、高度なセキュリティ |
| おすすめ方向性 | エンタープライズ対応のツール、カスタマイズ性重視 |
2026年版 主要MAツール8選 比較一覧
| ツール名 | 種別 | 主な対象 | 月額料金 | CRM連携 | 無料プラン | 導入難易度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HubSpot Marketing Hub | 海外 | 全規模 | 1,800円〜 | 標準搭載 | あり | 低〜中 |
| Adobe Marketo Engage | 海外 | 中堅〜大企業 | 15万円〜 | 外部連携 | なし | 高 |
| Account Engagement | 海外 | 中堅〜大企業 | 15万円〜 | Salesforce連携 | なし | 中〜高 |
| SATORI | 国産 | 中小〜中堅 | 14.8万円〜 | 外部連携 | なし | 低 |
| BowNow | 国産 | 中小 | 無料〜 | 外部連携 | あり | 低 |
| Kairos3 Marketing | 国産 | 中小〜中堅 | 1.5万円〜 | SFA一体型 | なし | 低 |
| b→dash | 国産 | 中堅〜大企業 | 要問合せ | 内蔵CDP | なし | 中 |
| Braze | 海外 | 中堅〜大企業 | 要問合せ | 外部連携 | なし | 中〜高 |
MAツール選定から導入決定までの実践プロセス
ステップ1:社内要件の整理(2週間)
マーケティングオートメーション比較を始める前に、まず社内の要件を整理します。
- 現状の課題を3つに絞る(例:リード育成ができていない、営業連携が弱い、効果測定ができない)
- 必須機能と Nice to Have 機能を区分する
- 予算の上限を経営層と合意する
- 運用体制の想定を明確にする
ステップ2:候補ツールの絞り込み(2週間)
本記事の比較表と評価フレームワークを使い、3〜5ツールに絞り込みます。
ステップ3:デモ・トライアル評価(4週間)
絞り込んだツールについて、以下の観点で実際に触って評価します。
| 評価項目 | 確認方法 | 重み |
|---|---|---|
| UIの操作性 | トライアルで主要操作を実行 | 高 |
| 必須機能の動作確認 | デモで具体的なシナリオを再現 | 高 |
| CRM連携の実現性 | 技術検証(PoC) | 高 |
| サポートの応答品質 | 問い合わせへの回答速度と質 | 中 |
| 導入事例の確認 | 同業種・同規模の事例 | 中 |
ステップ4:稟議書の作成と社内承認(2〜4週間)
日本企業特有の稟議プロセスを円滑に進めるために、以下の要素を稟議書に盛り込みましょう。
- 導入目的と期待効果(定量:商談数◯%増、定性:営業効率化)
- 3年間のTCO比較表(候補ツール間の比較)
- 投資回収シミュレーション(保守的・標準・楽観の3シナリオ)
- リスクと対策(ツール乗り換えリスク、運用人材リスク)
- 導入スケジュールと推進体制
まとめ
MAツール比較において最も重要なのは、「人気ランキング」や「機能の多さ」で選ぶのではなく、自社の課題・規模・体制に合致するツールを見極めることです。
本記事で紹介した3軸評価フレームワーク(導入コスト・運用工数・機能適合度)を活用し、BtoB/BtoC、企業規模、国産/海外の観点から候補を絞り込んでください。2026年のMA市場は選択肢が豊富になった一方、自社に合うMAの選び方を理解していれば、最適な一手を見つけることは十分に可能です。
MAツール選定は「導入がゴール」ではなく「運用で成果を出す」ための出発点です。本記事の評価フレームワークとプロセスを参考に、後悔のないMA選定を進めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料のMAツールでも十分な効果は得られますか?
A. 無料プランはリード数や機能に制限がありますが、リード管理とメール配信の基本機能で十分な企業も多いです。まず無料プランで運用を始め、成果が出てから有料プランにアップグレードするアプローチが堅実です。
Q. 既にSalesforceを利用している場合、MAは何を選ぶべきですか?
A. Salesforceとの連携を最優先にする場合、Account Engagement(旧Pardot)が最もシームレスです。ただし、HubSpot Marketing HubもSalesforceとの双方向連携に対応しており、操作性やコストの観点で有力な選択肢になります。自社の要件に合わせて比較検討してください。
Q. MAツールの乗り換え(リプレース)は大変ですか?
A. データ移行、ワークフローの再構築、学習コストなど、一定の負荷は発生します。一般的に2〜4ヶ月の移行期間が必要です。だからこそ、初回導入時に「3〜5年使えるツール」を選ぶことが重要です。
Q. MAツール導入にあたって、社内でどのような人材が必要ですか?
A. 最低限、マーケティング戦略を理解しMAの設計・運用を推進できる「MAマネージャー」が1名必要です。加えて、コンテンツ制作担当とデータ分析担当がいると理想的です。社内リソースが不足する場合は、導入・運用支援パートナーの活用を検討しましょう。
Q. MAツールの評価にどのくらいの期間をかけるべきですか?
A. 要件整理からツール決定まで、2〜3ヶ月が適切です。短すぎると比較が不十分になり、長すぎると機会損失が生じます。本記事のステップに沿って進めれば、2ヶ月程度で質の高い意思決定が可能です。
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。