MAツールの選び方と比較ポイント|自社に合うMAを見極める評価フレームワーク【2026年版】

  • 2026年2月24日

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「MAツールの種類が多すぎて、何を基準に選べばいいのかわからない」「国産と海外製で何が違うのか、比較軸が定まらない」「導入コストだけで選んで失敗した経験がある」

MA(マーケティングオートメーション)ツールの市場は年々拡大し、2026年現在、国内で利用可能なMAツールは30種以上にのぼります。選択肢の多さは歓迎すべきことですが、CMOやマーケティング部長にとっては「自社に本当に合うMAをどう見極めるか」が最大の課題です。

本記事では、MAツール比較を体系的に行うための「評価フレームワーク」を提示し、BtoB/BtoC、企業規模、必要機能の3軸で最適なMAの選び方を解説します。国産MA(SATORI、BowNow、Kairos3)と海外MA(HubSpot、Marketo、Pardot)の特徴を俯瞰し、2026年版の最新情報をもとに比較ポイントを明確にします。

マーケティングオートメーション比較において重要なのは、「機能の多さ」ではなく「自社の課題解決に合致するか」です。MAおすすめランキングに惑わされず、自社の状況に合った選定ができるよう、実践的な評価手法をお伝えします。

この記事でわかること

  • MAツール選定で失敗しないための3軸評価フレームワーク
  • BtoB向け・BtoC向けMAツールの特徴と選定基準の違い
  • 国産MA vs 海外MAの比較(機能・コスト・サポート体制)
  • 企業規模別のMAツールマッチングガイド
  • 2026年版 主要MAツール8選の比較一覧
  • MAツール選定から導入決定までの実践プロセス

MA選び方の基本:3軸評価フレームワーク

MAツール比較を行う際に、機能リストを並べるだけでは正しい判断はできません。以下の3軸で総合的に評価することで、自社に合うMAを見極められます。

軸1:導入コスト(TCO:総所有コスト)

MAの費用はライセンス料だけではありません。3年間のTCO(Total Cost of Ownership)で比較することが重要です。

コスト項目 内容 見落としやすいポイント
初期費用 セットアップ、データ移行 無料のツールでも導入支援は有料の場合あり
月額ライセンス 基本料金+従量課金 コンタクト数増加に伴う段階的な料金上昇
導入支援費 ベンダーまたはパートナーへの委託費 初期設計の品質が運用成果を左右する
運用人件費 社内担当者の工数 高機能ツールほど専門人材が必要
コンテンツ制作費 メール、LP、ホワイトペーパー制作 MAの効果はコンテンツ品質に依存する

TCO算出式: 初期費用 +(月額費用 × 36ヶ月)+ 導入支援費 +(運用人件費 × 36ヶ月)

軸2:運用工数と定着のしやすさ

ツールの操作難易度や学習コストは、MA定着率に直結します。

評価項目 高評価の基準
UI/UXの直感性 ノーコードでワークフローが構築できる
学習リソース 日本語のマニュアル、動画、認定プログラムがある
導入支援 オンボーディングプログラムが体系化されている
カスタマーサクセス 専任担当がつく、定期的なレビューミーティングがある

軸3:機能適合度と拡張性

現時点の必要機能だけでなく、1〜3年先の事業成長を見据えた拡張性も重要です。

  • 必須機能: メール配信、フォーム/LP作成、スコアリング、ワークフロー、レポート
  • 推奨機能: CRM連携、広告連携、SNS管理、ABM機能
  • 将来機能: AI予測スコアリング、マルチチャネル対応、高度なアトリビューション

BtoB向け vs BtoC向け:MAツールの選定基準の違い

MAツールはBtoBとBtoCで求められる機能が大きく異なります。自社のビジネスモデルに合ったMAの選び方を理解しましょう。

比較項目 BtoB向けMA BtoC向けMA
リード単位 企業(アカウント)+個人 個人(消費者)
リード数の規模 数千〜数万件 数万〜数百万件
購買プロセス 長い(数ヶ月〜1年以上)、稟議あり 短い(即日〜数週間)
重視機能 スコアリング、SFA連携、ABM セグメンテーション、大量配信、EC連携
コンテンツ 専門的・教育的コンテンツ パーソナライズ・レコメンド
KPI MQL数、商談転換率、受注貢献額 CV数、LTV、購入頻度

BtoB企業がMAツール比較を行う際は、SFA/CRM連携の深さスコアリングの柔軟性を最優先で確認してください。日本のBtoB市場特有の稟議文化や、展示会での名刺交換からリード化する商習慣を考慮すると、名刺管理ツールとの連携も重要な評価ポイントです。

国産MA vs 海外MA:特徴と選定の判断軸

国産MAの特徴

ツール名 主な対象 強み 月額料金目安
SATORI 中小〜中堅BtoB 匿名リードへのアプローチ機能 14.8万円〜
BowNow 中小BtoB 無料プランあり、シンプル操作 無料〜
Kairos3 Marketing 中小〜中堅BtoB SFA一体型、手厚い国産サポート 月額1.5万円〜

国産MAを選ぶべきケース:

  • 社内にMAの運用経験者がいない
  • 日本語サポートの手厚さを重視する
  • 国内の商習慣(展示会、セミナー管理)への対応を求める
  • 予算が限定的で、まずはスモールスタートしたい

海外MAの特徴

ツール名 主な対象 強み 月額料金目安
HubSpot Marketing Hub 全規模 CRM一体型、スモールスタート可能 1,800円〜
Adobe Marketo Engage 中堅〜大企業 高度なスコアリング、大規模運用対応 15万円〜(目安)
Account Engagement(旧Pardot) 中堅〜大企業 Salesforceネイティブ連携 15万円〜

海外MAを選ぶべきケース:

  • グローバル展開を見据えている
  • 高度なマーケティング施策(ABM、予測分析)を実行したい
  • 既にSalesforceなど海外CRMを利用している
  • 長期的な拡張性を重視する

国産MA vs 海外MAの総合比較

比較軸 国産MA 海外MA
日本語対応 ◎ ネイティブ対応 ○ 日本語対応あり(一部不完全)
サポート体制 ◎ 日本法人の手厚いサポート ○〜◎ ツールにより差がある
機能の深さ ○ 基本機能は充実 ◎ 高度な機能が豊富
拡張性 △〜○ 成長に限界がある場合も ◎ グローバル規模でスケール可能
エコシステム △ 連携先が限定的 ◎ 連携アプリ・API が豊富
価格 ○ 中小企業向けプランが充実 △〜◎ 幅が広い

企業規模別 MAツールマッチングガイド

スタートアップ・小規模企業(従業員〜50名)

推奨条件 具体的なポイント
予算 月額5万円以下
運用体制 マーケ担当1名(兼務)
重視機能 メール配信、フォーム、基本的なスコアリング
おすすめ方向性 無料〜低価格で始められるツール、CRM一体型

中堅企業(従業員50〜500名)

推奨条件 具体的なポイント
予算 月額10〜30万円
運用体制 マーケ担当2〜3名(うち1名MA専任)
重視機能 ワークフロー自動化、CRM連携、レポート
おすすめ方向性 成長に合わせてスケールできるツール

大企業(従業員500名以上)

推奨条件 具体的なポイント
予算 月額30万円以上
運用体制 MA専任チーム(3名以上)、または外部パートナー併用
重視機能 ABM、予測分析、マルチブランド管理、高度なセキュリティ
おすすめ方向性 エンタープライズ対応のツール、カスタマイズ性重視

2026年版 主要MAツール8選 比較一覧

ツール名 種別 主な対象 月額料金 CRM連携 無料プラン 導入難易度
HubSpot Marketing Hub 海外 全規模 1,800円〜 標準搭載 あり 低〜中
Adobe Marketo Engage 海外 中堅〜大企業 15万円〜 外部連携 なし
Account Engagement 海外 中堅〜大企業 15万円〜 Salesforce連携 なし 中〜高
SATORI 国産 中小〜中堅 14.8万円〜 外部連携 なし
BowNow 国産 中小 無料〜 外部連携 あり
Kairos3 Marketing 国産 中小〜中堅 1.5万円〜 SFA一体型 なし
b→dash 国産 中堅〜大企業 要問合せ 内蔵CDP なし
Braze 海外 中堅〜大企業 要問合せ 外部連携 なし 中〜高

MAツール選定から導入決定までの実践プロセス

ステップ1:社内要件の整理(2週間)

マーケティングオートメーション比較を始める前に、まず社内の要件を整理します。

  • 現状の課題を3つに絞る(例:リード育成ができていない、営業連携が弱い、効果測定ができない)
  • 必須機能と Nice to Have 機能を区分する
  • 予算の上限を経営層と合意する
  • 運用体制の想定を明確にする

ステップ2:候補ツールの絞り込み(2週間)

本記事の比較表と評価フレームワークを使い、3〜5ツールに絞り込みます。

ステップ3:デモ・トライアル評価(4週間)

絞り込んだツールについて、以下の観点で実際に触って評価します。

評価項目 確認方法 重み
UIの操作性 トライアルで主要操作を実行
必須機能の動作確認 デモで具体的なシナリオを再現
CRM連携の実現性 技術検証(PoC)
サポートの応答品質 問い合わせへの回答速度と質
導入事例の確認 同業種・同規模の事例

ステップ4:稟議書の作成と社内承認(2〜4週間)

日本企業特有の稟議プロセスを円滑に進めるために、以下の要素を稟議書に盛り込みましょう。

  • 導入目的と期待効果(定量:商談数◯%増、定性:営業効率化)
  • 3年間のTCO比較表(候補ツール間の比較)
  • 投資回収シミュレーション(保守的・標準・楽観の3シナリオ)
  • リスクと対策(ツール乗り換えリスク、運用人材リスク)
  • 導入スケジュールと推進体制

まとめ

MAツール比較において最も重要なのは、「人気ランキング」や「機能の多さ」で選ぶのではなく、自社の課題・規模・体制に合致するツールを見極めることです。

本記事で紹介した3軸評価フレームワーク(導入コスト・運用工数・機能適合度)を活用し、BtoB/BtoC、企業規模、国産/海外の観点から候補を絞り込んでください。2026年のMA市場は選択肢が豊富になった一方、自社に合うMAの選び方を理解していれば、最適な一手を見つけることは十分に可能です。

MAツール選定は「導入がゴール」ではなく「運用で成果を出す」ための出発点です。本記事の評価フレームワークとプロセスを参考に、後悔のないMA選定を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 無料のMAツールでも十分な効果は得られますか?

A. 無料プランはリード数や機能に制限がありますが、リード管理とメール配信の基本機能で十分な企業も多いです。まず無料プランで運用を始め、成果が出てから有料プランにアップグレードするアプローチが堅実です。

Q. 既にSalesforceを利用している場合、MAは何を選ぶべきですか?

A. Salesforceとの連携を最優先にする場合、Account Engagement(旧Pardot)が最もシームレスです。ただし、HubSpot Marketing HubもSalesforceとの双方向連携に対応しており、操作性やコストの観点で有力な選択肢になります。自社の要件に合わせて比較検討してください。

Q. MAツールの乗り換え(リプレース)は大変ですか?

A. データ移行、ワークフローの再構築、学習コストなど、一定の負荷は発生します。一般的に2〜4ヶ月の移行期間が必要です。だからこそ、初回導入時に「3〜5年使えるツール」を選ぶことが重要です。

Q. MAツール導入にあたって、社内でどのような人材が必要ですか?

A. 最低限、マーケティング戦略を理解しMAの設計・運用を推進できる「MAマネージャー」が1名必要です。加えて、コンテンツ制作担当とデータ分析担当がいると理想的です。社内リソースが不足する場合は、導入・運用支援パートナーの活用を検討しましょう。

Q. MAツールの評価にどのくらいの期間をかけるべきですか?

A. 要件整理からツール決定まで、2〜3ヶ月が適切です。短すぎると比較が不十分になり、長すぎると機会損失が生じます。本記事のステップに沿って進めれば、2ヶ月程度で質の高い意思決定が可能です。

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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。