「どのキーワードを狙えばいいかわからない」「検索ボリュームだけで選んでしまい、リードにつながらない」――SEOの成否を決める最も重要な要素がキーワード選定です。特にBtoB企業では、検索ボリュームが小さくても購買意図の高いキーワードを的確に見つけ出すことが、リード獲得への近道となります。
本記事では、BtoB企業がSEOで成果を出すためのキーワード選定方法を5つのステップで解説します。ペルソナ分析からシードキーワードの抽出、キーワードの拡張、優先度評価、グルーピングまで、実践的なプロセスをツールの活用法とともにお伝えします。
キーワード選定を体系的に行うことで、限られたリソースで最大のSEO成果を得られるようになります。
この記事でわかること
- BtoB企業がキーワード選定で重視すべき指標
- キーワード選定の5ステップ(ペルソナ分析→シードKW→拡張→優先度評価→グルーピング)
- 無料・有料のキーワード調査ツールの使い分け
- BtoB特有のキーワード選定ポイント
- キーワードの優先度を判断する評価フレームワーク
- 選定したキーワードの整理・管理方法
BtoBキーワード選定で重視すべき3つの指標
BtoCでは検索ボリュームが最重要視されますが、BtoBでは以下の3つの指標をバランスよく評価することが重要です。
| 指標 |
内容 |
BtoBでの重要度 |
| 購買意図の強さ |
検索者が購買プロセスのどの段階にいるか |
最重要 |
| 自社サービスとの関連度 |
自社の製品・サービスに結びつくか |
重要 |
| 競合難易度(KD) |
上位表示の実現可能性 |
重要 |
検索ボリュームが少なくても狙うべきキーワードの例
| キーワード |
月間検索Vol |
購買意図 |
狙うべきか |
| 「CRM 比較 中小企業」 |
150 |
非常に高い |
最優先 |
| 「営業管理 エクセル 限界」 |
100 |
高い |
優先 |
| 「SFA 導入事例 製造業」 |
80 |
高い |
優先 |
| 「ビジネス 効率化」 |
10,000 |
低い |
後回し |
キーワード選定の5ステップ
ステップ1: ペルソナ分析(顧客理解)
キーワード選定の出発点は、ターゲット顧客の理解です。ペルソナが抱える課題と情報収集行動を深掘りします。
ペルソナの情報収集行動を分析する3つの方法
- 営業チームへのヒアリング
- 「お客様はどんな言葉で課題を表現していますか?」
- 「商談前にお客様が調べていることは何ですか?」
- 「よくある質問にはどんなものがありますか?」
- 既存顧客へのインタビュー
- 「当社を知ったきっかけは?」
- 「導入前にどんなキーワードで検索しましたか?」
- 「検討時に参考にした情報源は?」
- Web行動データの分析
- Google Search Consoleの検索クエリ
- GA4のランディングページ分析
- サイト内検索のキーワード
ステップ2: シードキーワードの抽出
ペルソナ分析を基に、起点となるシードキーワードを洗い出します。
シードキーワードの洗い出し方法
| 方法 |
具体的なアクション |
得られるKW例 |
| 自社サービスの特徴から |
自社の機能・強みをキーワード化 |
「CRM」「営業管理」「顧客管理」 |
| 顧客の課題から |
ペルソナの悩みをキーワード化 |
「営業 効率化」「リード管理 方法」 |
| 競合サイトから |
競合がどんなKWで流入しているか |
競合分析ツールで抽出 |
| 業界用語から |
業界特有の専門用語 |
「SFA」「MA」「インサイドセールス」 |
シードキーワードの例(CRM提供企業の場合)
- CRM、顧客管理、営業管理、SFA、営業DX
- リード管理、商談管理、パイプライン管理
- 営業効率化、顧客データ活用、営業支援
ステップ3: キーワードの拡張
シードキーワードを起点に、関連キーワードを網羅的に拡張します。
拡張の4つの方法
1. Googleサジェスト
検索窓にシードKWを入力して表示されるサジェストワードを収集します。
2. 関連検索キーワード
検索結果ページ下部の「関連検索」からキーワードを取得します。
3. People Also Ask(他の人はこちらも質問)
検索結果に表示される関連質問を収集します。これは記事のFAQセクションにも活用できます。
4. キーワード調査ツール
| ツール |
特徴 |
費用 |
| Google キーワードプランナー |
Google公式、検索ボリューム概算 |
無料(Google広告アカウント必要) |
| Googleサーチコンソール |
自サイトの実際の検索クエリ |
無料 |
| ラッコキーワード |
サジェスト一括取得 |
無料/有料 |
| Ahrefs |
競合分析、KD分析 |
月額$99〜 |
| Ubersuggest |
KWリサーチ全般 |
無料/有料 |
| HubSpot SEOツール |
トピッククラスター管理と連携 |
HubSpotライセンスに含む |
ステップ4: 優先度評価
拡張したキーワードに優先度をつけ、実際にコンテンツを制作する順番を決めます。
優先度評価フレームワーク(スコアリング方式)
各キーワードを以下の4軸で1〜5点でスコアリングし、合計点で優先度を判定します。
| 評価軸 |
5点(最高) |
3点(中) |
1点(低) |
| 購買意図 |
比較・導入検討系 |
手法・ノウハウ系 |
一般知識系 |
| 自社関連度 |
自社サービスに直結 |
間接的に関連 |
遠い関連 |
| 競合難易度 |
上位表示が容易 |
中程度の競合 |
大手メディアが独占 |
| 検索ボリューム |
月間500以上 |
月間100-500 |
月間100未満 |
スコアリング例
| キーワード |
購買意図 |
関連度 |
競合難易度 |
検索Vol |
合計 |
優先度 |
| CRM 比較 おすすめ |
5 |
5 |
3 |
4 |
17 |
A |
| CRM 導入 メリット |
4 |
5 |
3 |
3 |
15 |
A |
| 顧客管理 方法 |
3 |
4 |
4 |
4 |
15 |
A |
| 営業 効率化 ツール |
4 |
4 |
2 |
3 |
13 |
B |
| DX とは |
1 |
2 |
1 |
5 |
9 |
C |
ステップ5: グルーピング(トピッククラスター化)
優先度の高いキーワードをテーマごとにグルーピングし、トピッククラスターを形成します。
グルーピングの手順
- 類似の検索意図を持つキーワードをまとめる
- 各グループの中心となるピラーキーワードを決める
- クラスターキーワードをピラーの下に配置する
- 制作スケジュールを策定する
グルーピング例
[ピラー] CRMとは(月間8,100)
├── CRM 導入 メリット(月間500)
├── CRM 比較 おすすめ(月間400)
├── CRM 選び方(月間350)
├── CRM 費用 相場(月間300)
├── CRM SFA 違い(月間600)
├── CRM 導入事例(月間250)
├── 中小企業 CRM おすすめ(月間200)
└── CRM 活用 方法(月間150)
BtoB特有のキーワード選定ポイント
ポイント1: 購買ファネル全体をカバーする
| ファネル段階 |
キーワードタイプ |
優先度の考え方 |
| TOFU(認知) |
「○○とは」「○○ メリット」 |
流入の間口を広げる |
| MOFU(検討) |
「○○ 比較」「○○ 選び方」 |
リード獲得の主戦場 |
| BOFU(決定) |
「○○ 導入事例」「○○ 料金」 |
商談に直結する高CV率 |
ポイント2: 意思決定者別のキーワード
| 意思決定者 |
検索キーワードの傾向 |
例 |
| 経営層 |
ROI、戦略、経営課題 |
「CRM ROI」「DX 経営」 |
| 部門責任者 |
導入、比較、事例 |
「CRM 導入事例」「SFA 比較」 |
| 実務担当者 |
使い方、機能、方法 |
「CRM 使い方」「営業管理 方法」 |
ポイント3: 業界特化キーワードを狙う
「CRM 比較」のような一般的なキーワードは競合が激しいですが、「製造業 CRM」「不動産 顧客管理」のような業界特化キーワードは競合が少なく、上位表示しやすい傾向があります。
キーワードリストの管理方法
選定したキーワードはスプレッドシートで一元管理します。
管理シートの項目
| 項目 |
内容 |
| キーワード |
ターゲットKW |
| 検索ボリューム |
月間検索数 |
| 購買意図スコア |
1-5点 |
| 競合難易度 |
1-5点 |
| 優先度 |
A/B/C |
| トピッククラスター |
所属するピラーテーマ |
| コンテンツステータス |
未着手/制作中/公開済み |
| 現在の検索順位 |
公開後に追記 |
まとめ
BtoB企業のキーワード選定は、検索ボリュームの大きさではなく「購買意図の強さ」と「自社サービスとの関連度」を重視して行うことが成功の鍵です。
5ステップの復習:
- ペルソナ分析で顧客の検索行動を理解する
- 自社サービス・顧客課題からシードKWを抽出する
- ツールを活用してキーワードを網羅的に拡張する
- 4軸のスコアリングで優先度を評価する
- トピッククラスター単位でグルーピングする
HubSpotのSEOツールを活用すれば、キーワード選定からトピッククラスターの設計・管理、コンテンツの検索パフォーマンス追跡までを一元管理できます。キーワード推奨機能がサブトピックの洗い出しをサポートし、効率的なキーワード戦略の運用が可能です。
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