インテントセールスとは?データドリブンな営業手法でアポ率を上げる方法

  • 2026年3月3日

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「テレアポをしても担当者に取り次いでもらえない」「メールを送っても返信がない」——BtoB営業における従来型のアウトバウンドアプローチは、年々効率が低下しています。その背景には、買い手がオンラインで十分な情報収集を済ませてから売り手に接触する「バイヤー主導の購買行動」へのシフトがあります。

この課題を解決するのが「インテントセールス」です。インテントセールスとは、見込み客の購買意図(インテント)をデータで検知し、最適なタイミングで、最適な相手に、最適なメッセージを届ける営業手法です。「今まさに自社の製品カテゴリに関心を持っている企業」にアプローチするため、従来の闇雲な営業活動と比較して、アポ率・商談化率が大幅に向上します。

本記事では、インテントセールスの定義から実践ステップ、活用ツール、導入事例まで、BtoB営業チームがすぐに取り入れられる内容を解説します。

この記事でわかること

  • インテントセールスの定義と従来営業との違い
  • インテントセールスが注目される背景
  • 実践の4ステップ
  • 活用できるツール(Sales Marker、FORCAS、HubSpot等)
  • アポ率を上げるためのメッセージ設計
  • HubSpotでインテントセールスを実装する方法
  • 導入時の注意点と成功のポイント

インテントセールスとは

インテントセールスとは?データドリブンな営業手法でアポ率を上げる方法

インテントセールスとは、インテントデータ(購買意図データ)を活用し、見込み客が購買検討を行っているタイミングを検知して営業アプローチを行う手法です。

従来営業との違い

項目 従来型アウトバウンド インテントセールス
アプローチ対象 リスト上の全企業 購買意図がある企業のみ
タイミング 営業都合 見込み客の検討タイミング
メッセージ 汎用的な提案 関心テーマに即した提案
アポ率 1〜3% 5〜15%
商談化率 10〜20% 25〜40%
営業の心理負担 高い(断られ続ける) 低い(相手のニーズに合致)
データ活用 企業属性のみ 属性+行動+意図データ

インテントセールスの基本構造

インテントセールスは以下の3つの要素で構成されます。

  1. インテントデータの収集: 見込み客の購買意図を示すシグナルを収集
  2. シグナルの解釈: どの企業が、いつ、何に関心を持っているかを分析
  3. 最適なアクション: タイミング・チャネル・メッセージを最適化してアプローチ

インテントセールスが注目される3つの背景

1. バイヤーの購買行動の変化

BtoBの購買担当者は、営業に会う前に購買プロセスの57〜70%を完了しているという調査結果があります。見込み客が情報収集をしている「今」を捉えることが、競合に先んじる鍵です。

2. アウトバウンド営業の効率低下

テレアポのアポ率は年々低下しており、多くの業界で1〜2%台にまで下がっています。「数をこなす」営業は、もはや持続可能な戦略ではありません。

3. データ活用技術の進化

AI・機械学習の発展により、大量のオンライン行動データからインテントシグナルを高精度で検出できるようになりました。これまで「勘と経験」に頼っていた「誰に、いつアプローチすべきか」の判断が、データで裏付けられるようになっています。

インテントセールス実践の4ステップ

ステップ1: インテントデータを収集・統合する

まず、インテントデータの収集基盤を整えます。

データソース 種類 取得方法
自社サイト訪問データ ファーストパーティ HubSpot、GA4
メール開封・クリック ファーストパーティ HubSpot、MAツール
フォーム送信・DL ファーストパーティ HubSpot、MAツール
Web検索行動 サードパーティ Sales Marker
業界メディア閲覧 サードパーティ Bombora、FORCAS
競合サイト訪問 サードパーティ Sales Marker、6sense
SNSエンゲージメント サードパーティ LinkedIn Sales Navigator

実践のコツ: まずはファーストパーティデータ(HubSpotで取得可能なデータ)から始め、効果を実感してからサードパーティデータを追加しましょう。

ステップ2: インテントスコアリングを設計する

収集したインテントデータを「スコア」として定量化し、アプローチの優先順位を決めます。

インテントスコアの設計例:

アクション スコア
関連キーワードの検索(サードパーティ) +10
自社ブログ記事の閲覧 +5
事例ページの閲覧 +15
価格ページの閲覧 +20
資料ダウンロード +25
競合比較記事の閲覧(サードパーティ) +15
ウェビナー参加 +20
問い合わせフォーム送信 +50

スコア閾値とアクション:

スコア ステータス 推奨アクション
0〜30 低インテント ナーチャリングコンテンツの配信
31〜60 中インテント パーソナライズドメールの送信
61〜80 高インテント 営業担当による個別アプローチ
81以上 超高インテント 即時の電話アプローチ

ステップ3: パーソナライズドアプローチを実行する

インテントデータに基づいて、相手の関心テーマに合わせたアプローチを行います。

メール文面の設計例(高インテント企業向け):

件名: [企業名]様の[関心テーマ]に関するご提案

[担当者名]様

お世話になっております。[自社名]の[営業担当名]です。

[業界名]における[関心テーマ]について、御社でもご検討を
進めていらっしゃるのではないかと存じます。

弊社では[同業種]のお客様を中心に、[関連ソリューション]の
導入を支援しており、平均[成果指標]の改善を実現しています。

御社のご状況に合わせた具体的なご提案をさせていただければと
思いますが、15分程度のお時間をいただけないでしょうか。

[CTA: 日程調整リンク]

アプローチチャネルの使い分け:

インテントレベル 推奨チャネル 理由
超高インテント 電話→メール 即時性が重要
高インテント メール→LinkedIn→電話 マルチタッチで接触確率を上げる
中インテント メール→コンテンツ配信 まだ検討初期なので押しすぎない

ステップ4: 効果測定と改善を行う

KPI 計測方法 目標値
アポ率 アプローチ数÷アポ獲得数 10%以上
商談化率 アポ数÷商談数 30%以上
インテント起点の受注率 インテント経由商談÷受注数 非インテント比1.5倍以上
営業サイクル短縮 初回接触〜受注の日数 20%以上短縮

主要インテントセールスツール

Sales Marker

日本発のインテントセールスプラットフォームです。Web検索行動のインテントデータをリアルタイムで検知し、「今、特定のキーワードを検索している企業」を特定できます。部署・担当者レベルでのアプローチリストを自動生成する機能も搭載しています。

FORCAS

企業データベースとインテント分析を組み合わせたABMプラットフォームです。150万社以上のデータベースからICPに合致する企業を特定し、行動データと掛け合わせてターゲットリストを精緻化します。

LinkedIn Sales Navigator

LinkedInのプレミアム営業ツールです。ターゲット企業の人事異動、投稿、エンゲージメントなどのシグナルをモニタリングし、最適な接触タイミングを見極められます。

HubSpot Sales Hub + Breeze

HubSpotのCRM/営業ツールにAI機能「Breeze」を組み合わせることで、インテントセールスの基盤を構築できます。

  • 自社サイト訪問企業のリアルタイム検知
  • コンタクトの行動履歴に基づくスコアリング
  • Breezeによるバイヤーインテントの検出
  • 営業担当への自動アラート通知
  • シーケンス(ステップメール)の自動化

HubSpotでインテントセールスを始める手順

  1. HubSpot CRMにコンタクト・企業情報を整備: 既存のリードや企業情報をCRMに集約
  2. リードスコアリングを設定: 行動ベースのスコアリングルールを構築
  3. 通知ワークフローを設定: スコアが閾値を超えた際に営業担当に自動通知
  4. シーケンスを設計: インテントレベル別の自動メールシーケンスを構築
  5. Breeze Intelligenceを活用: 企業データのエンリッチメントとインテント検出を自動化
  6. ダッシュボードでKPIをモニタリング: アポ率・商談化率・受注率を継続追跡

導入の注意点

「気持ち悪い」と思われないアプローチを

インテントデータの活用で「なぜこの企業は私たちの行動を知っているのか」と不信感を持たれるリスクがあります。直接「御社が〇〇を検索しているのを確認しました」と伝えるのではなく、「〇〇業界で〇〇の課題が増えており」のように業界課題として自然に話題にするのがベストプラクティスです。

営業チームのマインドセット変革

インテントセールスは「数をこなす」営業から「質を追求する」営業への転換です。最初は営業担当の中に「アプローチ数が減ることへの不安」が生まれがちですが、成果データ(アポ率の向上)で説得しましょう。

まとめ

インテントセールスは、BtoB営業を「量」から「質」へ進化させるデータドリブンな手法です。

  1. 定義: インテントデータを活用し、購買意図のあるタイミングでアプローチする営業手法
  2. 効果: アポ率3〜5倍、商談化率1.5〜2倍の改善が期待できる
  3. 4ステップ: データ収集→スコアリング設計→パーソナライズドアプローチ→効果測定
  4. 始め方: まずはHubSpotのファーストパーティデータから開始し、段階的にサードパーティデータを追加
  5. 注意点: 相手に「監視されている」と感じさせない自然なアプローチが重要

HubSpotは、CRM・MA・Sales Hubが統合されているため、インテントセールスに必要な「データ収集→スコアリング→アプローチ自動化→効果測定」の全工程を一つのプラットフォームで実現できます。

インテントセールスの導入や営業プロセスのDXにご関心のある方は、StartLinkにご相談ください。貴社の営業体制に最適なインテントセールス戦略をご提案いたします。

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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。