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「SEO対策に取り組みたいけれど、キーワード選定やコンテンツ構成をどう管理すればいいかわからない」「ブログ記事を書いているのに、なかなか検索順位が上がらない」——こうした課題を抱えているマーケティング担当者の方は少なくありません。
HubSpotのSEOツールとは、トピッククラスターモデルに基づいてコンテンツ戦略を設計・管理し、検索エンジンでのサイト評価を体系的に向上させるための機能です。キーワードリサーチ、コンテンツの構造化、検索パフォーマンスの分析までを一つのプラットフォームで完結できます。
この記事では、以下の内容を解説します。
- HubSpot SEOツールの概要と主要機能
- トピッククラスターモデルの基本概念と設計方法
- HubSpotでのトピッククラスター作成手順
- SEOレコメンデーション(最適化提案)の活用法
- Google Search Consoleとの連携方法
- SEOツールを活用した検索順位モニタリングの実践
HubSpot SEOツールとは?
HubSpot SEOツールは、Marketing Hub ProfessionalおよびContent Hub Professional以上のプランで利用できるSEO戦略支援機能です。従来のキーワード単体の最適化ではなく、トピッククラスターモデルというコンテンツ戦略に基づいて、サイト全体のSEO評価を高めるアプローチを採用しています。
主に以下の3つの機能で構成されています。
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| トピッククラスター | ピラーページとサブトピックの関係を可視化し、コンテンツ構造を設計・管理 |
| SEOレコメンデーション | ページごとのSEO最適化項目を自動チェックし、改善提案を表示 |
| 検索アナリティクス | Google Search Console連携による検索パフォーマンスの分析・モニタリング |
ここが結構ポイントになってくるのですが、HubSpotのSEOツールは単なるキーワード分析ツールではなく、CRMと一体化したマーケティングプラットフォームの中でSEOを管理できるという点が大きな強みです。コンテンツの検索パフォーマンスと、そこから生まれたリードの行動をCRMデータとして一気通貫で追跡できます。
トピッククラスターモデルとは?
トピッククラスターモデルとは、特定のテーマ(トピック)に関する包括的なコンテンツ群を体系的に構築し、内部リンクで結びつけることで、サイト全体の検索エンジン評価を向上させるコンテンツ戦略です。
モデルの構成要素
トピッククラスターは以下の3つの要素で構成されます。
| 要素 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| ピラーページ | トピック全体を網羅する包括的なページ。サブトピックへのリンクハブとなる | 「HubSpotの使い方 完全ガイド」 |
| サブトピックコンテンツ | ピラーページのテーマに関連する個別記事。各テーマを深掘りする | 「HubSpotワークフロー設定方法」「HubSpotレポート作成ガイド」 |
| 内部リンク | ピラーページとサブトピックを相互にリンクし、構造を検索エンジンに伝える | 各記事からピラーページへ、ピラーページから各記事へ |
なぜトピッククラスターが重要なのか
従来のSEO対策では、1つの記事で1つのキーワードを狙うアプローチが主流でした。しかし、検索エンジンのアルゴリズムが進化し、サイト全体のテーマ網羅性(トピカルオーソリティ)が検索順位に大きく影響するようになっています。
トピッククラスターモデルを採用することで、以下のメリットが得られます。
- サイトの専門性を検索エンジンに伝えられる: 関連コンテンツを体系的に整備することで、特定分野の専門サイトとして認識されやすくなります
- 内部リンクの最適化: ピラーページを中心にした構造的なリンク設計により、リンクジュース(SEO評価)が効率的に分配されます
- コンテンツの抜け漏れを防げる: トピックマップとして全体像を可視化することで、カバーすべきテーマの優先順位が明確になります
最近ではAIによる検索(AI Overview)も増えてきているので、Google検索の重要性は相対的に低くなっている面もありますが、やはりSEO対策は引き続き重要です。AIO(AI Optimization)対策の観点からも、構造化されたコンテンツは有利になるかなと思います。
HubSpotでのトピッククラスター作成手順
ステップ1: SEOツールにアクセスする
HubSpotアカウントにログインし、上部ナビゲーションから 「コンテンツ」>「SEO」 を選択します。トピッククラスターのタブが表示されます。
ステップ2: トピック(ピラーテーマ)を作成する
- 「トピックを調査」 ボタンをクリックします
- 自社の専門分野に関連するキーワードを入力します
- HubSpotが月間検索ボリュームと難易度(Difficulty)を表示します
- 適切なトピックを選択し、「トピックとして保存」をクリックします
トピック選定のポイントとしては、月間検索ボリュームがある程度あり(目安として月間100回以上)、かつ難易度が高すぎないキーワードを選ぶのが結構ミソになってきます。
ステップ3: サブトピックキーワードを追加する
- 作成したトピックの画面で 「サブトピックキーワードを追加」 をクリックします
- トピックに関連するロングテールキーワードを入力します
- 各サブトピックの検索ボリュームと関連性を確認します
- 最適なサブトピックを選択して追加します
サブトピックは1つのトピックにつき最大100個まで設定できます。ただし、すべてを一度に作る必要はありません。まずは優先度の高い10〜20個程度から始めて、段階的に拡張していくのがおすすめです。
ステップ4: コンテンツをサブトピックに紐づける
- 各サブトピックの 「コンテンツをアタッチ」 をクリックします
- 既存のブログ記事やウェブページを検索して紐づけます
- まだコンテンツがないサブトピックは、新規作成の優先リストとして管理します
ここで重要なのが、1つのサブトピックに対して1つのコンテンツのみを紐づけるというルールです。同じテーマで複数のページがあると、検索エンジンがどちらを優先すべきか判断できず(キーワードカニバリゼーション)、両方の順位が下がる可能性があります。
ステップ5: ピラーページとサブトピックを内部リンクで接続する
- ピラーページ内にサブトピック記事へのリンクを設置します
- 各サブトピック記事からピラーページへのリンクを設置します
- HubSpotのトピッククラスター画面で、リンク状態が緑色(接続済み)になっていることを確認します
HubSpotのSEOツールでは、内部リンクの接続状態が視覚的に表示されます。未接続のサブトピックはグレーで表示されるため、リンク漏れを簡単に発見できます。
SEOレコメンデーション(最適化提案)の活用法
HubSpotのSEOレコメンデーション機能は、サイト内のページをスキャンし、SEO最適化のための改善点を自動で提案してくれる機能です。
主なチェック項目
| カテゴリ | チェック内容 |
|---|---|
| タイトルタグ | タイトルの長さ、キーワードの含有、重複チェック |
| メタディスクリプション | ディスクリプションの長さ、設定漏れ |
| 見出し構造 | H1タグの有無、見出し階層の適切さ |
| 画像 | altテキストの設定、画像サイズの最適化 |
| 内部リンク | リンク切れ、内部リンクの不足 |
| モバイル対応 | モバイルフレンドリーかどうかの確認 |
| ページ速度 | 読み込み速度に関する改善提案 |
レコメンデーションの確認方法
- HubSpotの 「コンテンツ」>「SEO」 にアクセスします
- 「レコメンデーション」 タブを選択します
- 優先度の高い順に改善項目が一覧表示されます
- 各項目をクリックすると、具体的な改善方法が表示されます
SEOレコメンデーションは、特にSEOの専門知識がまだ十分でないマーケティング担当者の方にとって、結構有用な機能かなと思っています。何を改善すべきかが明確に示されるので、優先順位をつけて対応しやすくなります。
Google Search Consoleとの連携
HubSpotのSEOツールの効果を最大化するために、Google Search Console(GSC)との連携は欠かせません。
連携設定の手順
- HubSpotで 「設定」>「コンテンツ」>「SEO」 にアクセスします
- 「Google Search Consoleを連携」 ボタンをクリックします
- Googleアカウントでログインし、対象サイトのプロパティを選択します
- アクセス権限を許可して連携を完了します
連携後に確認できるデータ
連携が完了すると、HubSpotのSEOダッシュボード上で以下のデータを確認できるようになります。
- 検索クエリ: どのキーワードで検索されているか
- 表示回数: 検索結果に表示された回数
- クリック数: 検索結果からクリックされた回数
- CTR(クリック率): 表示回数に対するクリック率
- 平均掲載順位: 各キーワードの平均検索順位
これらのデータをHubSpotのCRMデータと組み合わせることで、「どのキーワードからの流入がリード獲得につながっているか」まで分析できるのが、HubSpotならではの強みです。
SEOツールを活用した検索順位モニタリングの実践
モニタリングダッシュボードの構築
HubSpotのレポート機能を活用して、SEOパフォーマンスを定期的にモニタリングする仕組みを構築しましょう。
おすすめのダッシュボード構成は以下の通りです。
| レポート | 用途 | 確認頻度 |
|---|---|---|
| オーガニックトラフィック推移 | SEO施策全体の効果を把握 | 週次 |
| トピック別セッション数 | 各トピッククラスターのパフォーマンス比較 | 月次 |
| キーワード順位変動 | 主要キーワードの順位トレンド | 週次 |
| コンバージョン率 | オーガニック流入からのリード獲得率 | 月次 |
| ページ別パフォーマンス | 高パフォーマンスページ・改善が必要なページの特定 | 月次 |
ダッシュボードは意味合いごとに分けていただくとシーンで使い分けができます。例えば「SEO週次確認用」「コンテンツ戦略月次レビュー用」のように分類すると運用しやすいかなと思います。
PDCAサイクルの回し方
SEOは一度設定して終わりではなく、継続的な改善が必要です。以下のサイクルで運用を回していきましょう。
- Plan(計画): トピッククラスターの設計、サブトピックの優先順位付け
- Do(実行): コンテンツの制作・公開、内部リンクの設置
- Check(確認): Search Consoleデータの分析、順位・トラフィックの推移確認
- Act(改善): 低パフォーマンスコンテンツのリライト、新規サブトピックの追加
特に「Check」の段階で重要なのは、時点データの固定化です。HubSpotのダッシュボード定期配信機能を活用して、週次や月次のSEOレポートをチームに自動配信しておくと、過去データとの比較がしやすくなります。
自社に合ったSEOツール活用のポイント
HubSpotのSEOツールは汎用的な機能ですが、企業様によって最適な使い方は異なります。以下のポイントを参考に、自社に合った活用方法を設計してください。
BtoB企業の場合
- ピラーページは自社サービスの主要カテゴリに対応させる
- サブトピックは顧客の検討段階(認知→興味→比較→導入検討)に合わせて設計する
- リードマグネット(ホワイトペーパー・ウェビナー)への導線を各記事に組み込む
コンテンツ量がまだ少ない場合
まずは1つのトピッククラスターに集中し、ピラーページ+5〜10本のサブトピック記事を目標にするのがおすすめです。なかなか全てを一気に進めるのは難しいかなと思うので、効果が出そうなテーマから優先的にトライいただければなと思います。
他のSEOツールとの併用
HubSpotのSEOツールはコンテンツ戦略の管理には強みがありますが、詳細なキーワード分析やバックリンク分析については、Ahrefs・SEMrush・Googleキーワードプランナーなど専門ツールとの併用が効果的です。HubSpotのSEOツールはあくまでコンテンツ戦略の管理基盤として活用し、リサーチ段階では専門ツールを補完的に使うのが現実的な運用かなと思います。
まとめ
HubSpotのSEOツールは、トピッククラスターモデルに基づいたコンテンツ戦略の設計・管理・分析を一つのプラットフォームで完結できる強力なツールです。
活用のポイントを整理すると以下の通りです。
- トピッククラスターを設計する: ピラーページとサブトピックの構造を明確にし、コンテンツの全体像を可視化する
- SEOレコメンデーションを活用する: ページごとの最適化項目をチェックし、優先度の高いものから改善する
- Google Search Consoleと連携する: 検索パフォーマンスのデータをHubSpot上で分析し、CRMデータと紐づける
- 定期的にモニタリングする: ダッシュボードの定期配信で、SEOパフォーマンスの推移をチームで共有する
まずは自社の主要事業テーマで1つのトピッククラスターを作成し、段階的にコンテンツを充実させていくところから始めてみてください。CRMにデータが蓄積されるほど、どのコンテンツがリード獲得に貢献しているかの分析精度が上がり、より効果的なコンテンツ戦略を立てられるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. HubSpotのSEOツールはどのプランで利用できますか?
SEOツール(トピッククラスター機能、SEOレコメンデーション)は、Marketing Hub ProfessionalまたはContent Hub Professional以上のプランで利用可能です。無料プランやStarterプランでは利用できませんのでご注意ください。
Q2. トピッククラスターはいくつ作成できますか?
作成できるトピッククラスターの数に上限はありません。ただし、各トピックに設定できるサブトピックキーワードは最大100個までです。まずは自社の主要事業テーマで2〜3個のトピッククラスターを作成し、段階的に拡張していくのがおすすめです。
Q3. HubSpot以外で作成したページもトピッククラスターに含められますか?
はい、HubSpot以外のCMS(WordPressなど)で作成したページも、URLを指定してトピッククラスターに含めることができます。ただし、SEOレコメンデーション機能はHubSpotで管理しているページに対してのみ動作します。
Q4. トピッククラスターとSalesforceのキャンペーンとの違いは何ですか?
Salesforceのキャンペーンはマーケティング施策ごとの成果を管理する機能ですが、HubSpotのトピッククラスターはコンテンツSEO戦略に特化した機能です。HubSpotでもキャンペーン機能は別途提供されており、トピッククラスターはあくまでSEOコンテンツの構造管理に使います。
Q5. SEO対策の効果が出るまでどのくらいかかりますか?
一般的に、新規コンテンツがGoogleにインデックスされ、検索順位が安定するまでには3〜6か月程度かかることが多いです。トピッククラスターを充実させていくことで、サイト全体の評価(トピカルオーソリティ)が徐々に高まり、個別記事の順位も上がりやすくなります。焦らずに継続的にコンテンツを追加・改善していくことが重要です。
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。