HubSpot導入のROI・費用対効果を徹底検証|コスト削減と売上向上の実現シナリオ

  • 1970年1月1日

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「HubSpotの導入を検討しているが、投資に見合う成果が出るのか不安」「経営層にROIを示して稟議を通したい」——こうした課題は、CRM・MAツールの導入を検討するタイミングで必ず出てくるテーマです。

HubSpot導入のROI(費用対効果)とは、HubSpotへの投資額に対して得られるリターン(売上向上・コスト削減・業務効率化)の比率です。ROIの計算式は「(リターン − 投資額)÷ 投資額 × 100」で算出します。HubSpotの場合、ツール費用だけでなく導入・運用コストを含めたTCO(総所有コスト)で評価することが重要です。

この記事では、HubSpot導入のROIを「コスト削減」と「売上向上」の2つの視点から検証し、具体的な試算シナリオを紹介します。


この記事でわかること

  • HubSpot導入のROI計算の考え方
  • コスト削減の具体的な効果と試算
  • 売上向上の実現シナリオ
  • プラン別の投資額と回収期間の目安
  • 経営層への説明に使えるROI試算フレームワーク

HubSpot導入のROI計算フレームワーク

カスタムレポート一覧

ROIの基本計算式

ROI(%)=(年間リターン − 年間投資額)÷ 年間投資額 × 100

HubSpot導入のROIを正しく計算するには、以下の要素を整理する必要があります。

投資額(コスト)側:

コスト要素 内容
ツール費用 HubSpotの月額/年額ライセンス料
導入費用 初期設定、データ移行、パートナー支援費
運用人材コスト MA/CRM運用に関わる人件費の増分
トレーニング費用 社内教育、HubSpot Academy活用コスト
外部連携費用 iPaaS、追加アプリの費用

リターン(効果)側:

効果の種類 具体例
売上向上 リード増加、商談化率改善、受注率向上
コスト削減 ツール統合、手作業削減、外注費削減
業務効率化 自動化による時間削減、レポート作成の効率化
データ資産化 顧客データの蓄積による意思決定の精度向上

コスト削減の効果

HubSpot料金プラン一覧

出典: HubSpot (hubspot.jp/pricing)

1. 複数ツールの統合によるコスト削減

HubSpotの導入により、以下のような複数ツールを1つのプラットフォームに統合できる場合があります。

置き換え対象 月額目安 HubSpotでの代替
MA単体ツール 5〜15万円 Marketing Hub
メール配信ツール 1〜5万円 Marketing Hub
フォーム/LPツール 1〜3万円 Marketing Hub / Content Hub
CRM/SFA 5〜15万円 Sales Hub(CRMは無料)
カスタマーサポートツール 3〜10万円 Service Hub
CMSツール 1〜5万円 Content Hub
チャットボットツール 1〜5万円 Service Hub

例えば上記のツールをバラバラに導入している場合、月額20〜50万円程度かかっているケースも珍しくありません。HubSpot ProfessionalのCRM Suite(各Hub Professional)に統合することで、年間で100〜300万円のツール統合コスト削減が見込める場合があります。

2. 手作業の自動化によるコスト削減

スプレッドシートでの管理や手動でのデータ入力に費やしている時間をワークフローで自動化することで、大幅な工数削減が期待できます。

自動化対象 月間削減時間(目安) 人件費換算(時給3,000円)
リードの手動振り分け 10〜20時間 3〜6万円
ステータス更新・通知 5〜10時間 1.5〜3万円
レポート作成 10〜20時間 3〜6万円
メール配信の設定・管理 5〜15時間 1.5〜4.5万円
データ入力・更新 10〜20時間 3〜6万円

合計で月40〜85時間、年間で150〜300万円相当の人件費削減が見込まれます。これは営業やマーケの担当者が本来の業務(顧客対応や戦略立案)に集中できる時間が増えるという意味でもあります。

3. コンテンツ制作の内製化によるコスト削減

HubSpotのContent Hubを活用してブログ・LP・ウェブページを内製化すると、外注コストを削減できます。通常こうした制作を業者に頼むと高かったりしますが、ノーコードで内製化できるのが良い点です。

制作物 外注費(1件あたり) 内製化後
LP制作 10〜30万円 社内で作成
ブログ記事 3〜10万円 社内で作成
メールテンプレート 3〜5万円 社内で作成

月4本のブログ記事と月1本のLP制作を内製化した場合、年間で200〜500万円の外注費削減が見込めます。


売上向上の効果

取引一覧画面(リストビュー)

1. リード獲得数の増加

HubSpotのフォーム、LP、ブログ、SEOツールを活用することで、オーガニック流入やコンバージョンを改善できます。

導入事例では、導入後約6ヶ月でCV数が約400件に到達し、1年後にはオーガニック流入が5.6倍に増加したケースも報告されています。

2. ナーチャリングによる商談化率の改善

リードを獲得しただけでは売上にはつながりません。ワークフローによるステップメール、スコアリングによるホットリード抽出、シーケンスによる営業アプローチを組み合わせることで、商談化率を改善できます。

シーケンスの運用数値感としては、100名に登録してその中で10案件が商談化し、その中から2件受注するといったイメージです。

3. パイプライン管理による受注率の向上

パイプラインの適切な設計(ステージ・角度・定義・必須プロパティの4要素)により、営業プロセスを標準化し、受注率を向上させることができます。

また、必須入力プロパティの設定は、新人が何を確認・入力すべきかを教えるツールとしても機能し、人材育成の副次効果もあります。

売上向上の試算シナリオ

以下は、月間リード数100件の中堅BtoB企業を想定した試算です。

HubSpot導入前:

指標 数値
月間リード数 100件
MQL化率 15%
商談化率 20%
受注率 25%
平均受注単価 200万円
月間受注額 150万円(100×15%×20%×25%×200万=150万)

HubSpot導入後(6ヶ月〜1年後目標):

指標 数値 改善率
月間リード数 150件 +50%
MQL化率 25% +10pt
商談化率 30% +10pt
受注率 30% +5pt
平均受注単価 200万円 変更なし
月間受注額 675万円 +350%

差額:675万 − 150万 = 月間525万円の売上増(年間6,300万円)

もちろんこれは理想的なシナリオであり、実際の改善幅は企業様によって異なります。ただし、ファネルの各段階のCVRをそれぞれ少しずつ改善するだけでも、掛け算の効果で最終的な受注額は大きく変わります。これがBtoBマーケティングにおけるROIの考え方で、結構ミソになってくる部分です。


プラン別 投資額と回収期間の目安

Starterプラン(創業期・小規模企業)

項目 金額
月額料金 1,800円×3シート = 約6,000円
年間ツール費用 約72,000円
導入費用 ほぼゼロ(セルフセットアップ)
年間TCO 約10万円

創業時のコスパは非常に高く、法人CRMでここまで安くて高機能なものはなかなかないかなと思います。スプレッドシートよりも手軽に事業運営ができます。

回収期間の目安:1〜2ヶ月(手作業削減の効果だけでも回収可能)

Professionalプラン(中小〜中堅企業)

項目 金額
月額料金(CRM Suite Pro) 約20〜30万円
年間ツール費用 約240〜360万円
導入費用(パートナー支援) 50〜150万円
運用人材(増分) 50〜100万円
年間TCO 約350〜600万円

回収ライン:年間で350〜600万円以上のリターン(コスト削減+売上向上)が必要

前述のコスト削減効果(ツール統合100〜300万+自動化150〜300万+内製化200〜500万)だけでも、多くの企業で投資回収が見込める計算になります。売上向上効果を加えると、ROI 200〜500%も十分に現実的です。

回収期間の目安:6ヶ月〜1年

Enterpriseプラン(中堅〜大企業)

項目 金額
月額料金 50〜100万円以上
年間ツール費用 600〜1,200万円
導入費用 100〜300万円
運用人材 100〜200万円
年間TCO 約800〜1,700万円

Enterprise投資は大きいですが、カスタムオブジェクト・権限管理・サンドボックスなどの機能により、大規模な組織運用が可能になります。100社〜200社超の顧客を管理するカスタマーサクセス機能や、プロパティの権限制御など、規模が大きくなってこそ価値を発揮する機能です。

回収期間の目安:6ヶ月〜1年半


経営層への説明に使えるROI試算テンプレート

稟議を通すためには、以下のフレームワークで試算を整理すると効果的です。

項目 金額
A. 年間投資額(TCO) ○○万円
B. コスト削減効果
B-1. ツール統合 ○○万円
B-2. 自動化による工数削減 ○○万円
B-3. 内製化による外注費削減 ○○万円
B合計 ○○万円
C. 売上向上効果
C-1. リード増加による売上増 ○○万円
C-2. CVR改善による売上増 ○○万円
C合計 ○○万円
D. 年間リターン(B+C) ○○万円
ROI =(D−A)÷ A × 100 ○○%

このテンプレートに自社の数値を当てはめることで、具体的なROI試算が可能です。


注意点・現実的な期待値

すぐに効果が出るわけではない

HubSpot導入の効果が本格的に現れるまでには、通常3〜6ヶ月の立ち上げ期間が必要です。特にコンテンツマーケティング(SEO・ブログ)の効果は6ヶ月〜1年かけて積み上がっていきます。

データの蓄積が成果を左右する

CRMにデータが蓄積されるほど、スコアリングの精度が上がり、レポートの信頼性が高まり、AI機能の効果も向上します。初期の数ヶ月はデータ蓄積期間と割り切って、地道にデータを入力することが重要です。

ツールだけでは成果は出ない

HubSpotは強力なツールですが、それだけで成果が出るわけではありません。コンテンツの質、営業プロセスの設計、組織の運用体制が揃って初めてROIが最大化されます。


まとめ

HubSpot導入のROIは、「コスト削減」と「売上向上」の両面から評価します。

  1. コスト削減:ツール統合(年間100〜300万円)+自動化(年間150〜300万円)+内製化(年間200〜500万円)
  2. 売上向上:リード増加+CVR改善の掛け算効果
  3. 投資回収:Professionalプランで6ヶ月〜1年が目安

まずはStarterプランやCRMの無料版でスモールスタートし、効果を確認しながら段階的に投資を拡大していくアプローチがおすすめです。データが蓄積されるほどROIは向上していきますので、早めに始めることが最大のリターンにつながります。


よくある質問(FAQ)

Q1. HubSpotの無料版でもROIは出ますか?

はい、CRMの基本機能(コンタクト管理・パイプライン管理・メールトラッキング)は無料で利用できるため、スプレッドシート管理からの脱却による業務効率化だけでもROIは出ます。本格的なMA機能によるROIを求める場合はProfessional以上のプランが必要です。

Q2. ROIが出るまでにどのくらいかかりますか?

コスト削減効果は導入直後から見えやすいですが、売上向上効果が本格化するまでには3〜6ヶ月かかるのが一般的です。コンテンツマーケティング(SEO・ブログ)の効果は6ヶ月〜1年で積み上がっていきます。

Q3. 小規模企業でもHubSpot導入のROIは成立しますか?

はい、スタータープランは月1,800円(1シート)から始められるため、投資額が小さい分、ROIは比較的出やすいです。3名で利用しても月6,000円程度なので、手作業の削減効果だけでも1〜2ヶ月で回収可能です。

Q4. 経営層にROIを説明する際のポイントは?

「ツール費用」だけでなく「TCO(総所有コスト)」で投資額を算出し、「コスト削減」と「売上向上」の両面でリターンを示すのが効果的です。特に「ファネルの各CVRを少しずつ改善するだけで、掛け算で大きな売上増になる」という構造を数値で見せると説得力が高まります。

Q5. HubSpotと他ツール(Salesforce等)のROIはどう比較すべきですか?

同一条件でTCOを比較してください。HubSpotはCRM標準搭載・無料シート・HubSpot Academy(無料トレーニング)があるため、TCOベースで見るとコストメリットが大きいケースが多いです。ただし、既にSalesforceに大きく投資している企業の場合は、移行コストも含めて総合的に判断する必要があります。


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。