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「HubSpotを導入したいが、自社だけで設定・運用を進められるか不安」「導入支援会社に依頼したいが、どこを選べばいいのかわからない」——こうした悩みを持つ企業は少なくありません。
HubSpotパートナー(HubSpot Solutions Partner)とは、HubSpot社から公式に認定された導入支援企業のことで、CRMの設計・構築からマーケティング施策の運用支援までを専門的にサポートしてくれる存在です。ただし、パートナー企業ごとに得意領域・実績・サービス範囲は大きく異なるため、自社に合った会社を正しく選ぶことが結構ミソになってきます。
この記事では、HubSpotパートナーの種類やティア制度の仕組み、選定時に見るべき比較ポイント、そして依頼時の注意点まで体系的に解説します。
この記事でわかること
- HubSpotパートナー制度の仕組みとティア(Gold / Platinum / Diamond / Elite)の違い
- 導入支援会社を選ぶ際に確認すべき7つのポイント
- パートナーに依頼するメリットと、自社導入との使い分け
- 失敗しないための依頼フロー・注意点
- よくある質問(FAQ)
HubSpotパートナー制度とは?
出典: HubSpot Ecosystem (ecosystem.hubspot.com)
HubSpot Solutions Partnerとは、HubSpot社が公式に認定した導入支援・コンサルティング企業のことです。パートナー企業はHubSpotの各種資格(認定資格)を取得し、導入実績に基づいてティア(等級)が付与されます。
パートナーを通じてHubSpotを導入する場合、単なるライセンス販売だけでなく、CRMの設計思想からパイプライン構築、ワークフロー自動化、レポート設計まで一気通貫で支援を受けられるのが大きなメリットです。
パートナーティアの種類と意味
HubSpotのパートナーは、販売実績と管理実績に基づいて以下の4ティアに分類されます。
| ティア | ポイント閾値 | 特徴 |
|---|---|---|
| Gold | 243ポイント以上 | パートナープログラムの入口。基本的な導入支援が可能 |
| Platinum | 645ポイント以上 | 一定の実績と専門性を持つ。HubSpot社のイベントへの招待あり |
| Diamond | 2,020ポイント以上 | 豊富な導入実績。高度なカスタマイズ・大規模案件に対応 |
| Elite | 5,950ポイント以上 | 最上位ティア。グローバルレベルの大規模導入・複雑な要件に対応 |
ポイントは「Sold Points(販売ポイント)」と「Managed Points(管理ポイント)」の合計で算出され、毎月15日に更新されます。
ここが1個ポイントになるのですが、ティアが高い=自社に最適とは限りません。ティアはあくまで「HubSpotの販売・管理実績の規模」を示すものであり、自社の業種・規模・課題にフィットするかどうかは別の基準で判断する必要があります。
パートナーに依頼するメリットとデメリット
メリット
1. 設計段階からの支援で「作り直し」を防げる
HubSpot導入でよくある失敗は、パイプラインやライフサイクルステージの設計が自社に合わず、後から大幅な再設計が必要になるケースです。パートナーに依頼すれば、自社のビジネスモデルに合わせた初期設計を一緒に進められます。
やっぱり自社に最適なパイプラインを設計するというところが結構ミソになってくるので、ここを最初の段階で専門家と一緒に考えられるのは大きなメリットかなと思います。
2. 運用定着までの伴走支援
ツールを導入しただけでは成果は出ません。営業チームへの入力ルール浸透、ワークフローの段階的な構築、レポートの設計と改善——こうした「運用の仕組み化」までサポートしてくれるパートナーを選ぶと、定着率が大きく変わります。
3. 最新機能・ベストプラクティスの共有
HubSpotは四半期ごとに大きなアップデートがあり、新機能のキャッチアップだけでも相当な工数がかかります。パートナーは常に最新情報を追っているため、自社にとって有効な新機能を的確に提案してもらえます。
デメリット・注意点
- コスト: 導入支援費用が数十万〜数百万円かかるケースがある
- 依存リスク: パートナーに任せきりにすると、社内にノウハウが蓄積されない
- ミスマッチ: パートナーの得意領域と自社の課題が合わないと効果が薄い
通常こういうところを結構業者さんに頼むと高かったりすると思うので、パートナーに頼む部分と自社で内製する部分を明確に分けるのが大事かなと思います。
導入支援会社を選ぶ7つの比較ポイント
1. 自社と同じ業種・規模の導入実績があるか
これが最も重要な判断基準です。B2BとB2Cでは設計が根本的に異なりますし、企業規模によって必要な機能セット・プランも変わります。
例えば製造業の展示会管理やSaaS企業のMRR管理など、業種特有の要件に対応した実績があるかを必ず確認してください。
2. どこまで支援してくれるか(サービス範囲)
パートナーによって、支援の範囲は大きく異なります。
| サービス範囲 | 内容例 |
|---|---|
| 戦略設計 | カスタマージャーニー設計、KPI設計、パイプライン設計 |
| 初期構築 | プロパティ設定、ワークフロー構築、フォーム作成 |
| データ移行 | 既存CRM/スプレッドシートからのデータインポート |
| コンテンツ制作 | ブログ、LP、メールテンプレートの制作 |
| トレーニング | 管理者向け・ユーザー向けの操作研修 |
| 運用支援 | 月次レポーティング、改善提案、定例ミーティング |
自社に必要な支援がどこまでカバーされるか、契約前に明確にしておきましょう。
3. HubSpotのどのHubに強いか
HubSpotは Marketing Hub / Sales Hub / Service Hub / Content Hub / Operations Hub と多岐にわたります。パートナーによって得意分野が異なるため、自社が最も強化したい領域と合致しているかを確認してください。
例えば、マーケティング施策の自動化を最優先にしたいのに、Sales Hubの構築がメインのパートナーだと、期待する成果が出にくいケースがあります。
4. 自社内製化への移行を支援してくれるか
パートナーに依存し続けるのではなく、最終的には自社内でPDCAを回せる状態を目指すことが理想です。
- 操作マニュアルの整備
- 社内管理者の育成
- 段階的な引き継ぎプラン
こうした「出口戦略」まで含めて提案してくれるパートナーかどうかは、重要な判断ポイントです。
5. 担当者のHubSpot認定資格
HubSpotには複数の公式認定資格があります。担当者がどの資格を保有しているかで、専門性のレベルを判断できます。
- HubSpot Marketing Software Certification
- HubSpot Sales Software Certification
- HubSpot CMS for Developers Certification
- HubSpot Solutions Partner Certification
特にCMS開発やAPI連携が必要な場合、開発者向け認定資格を持つエンジニアがいるかどうかは要確認です。
6. 料金体系の透明性
導入支援の費用は、パートナーによって大きく異なります。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 初期構築費 | 30万〜200万円(規模・要件による) |
| 月額運用支援費 | 10万〜50万円/月 |
| トレーニング費 | 10万〜30万円(1回〜数回) |
| スポットコンサル | 5万〜15万円/回 |
見積もりの内訳が明確で、追加費用の発生条件が事前に説明されているかどうかを確認しましょう。
7. コミュニケーションのスタイルと頻度
導入プロジェクトは通常3〜6か月の期間を要します。その間のコミュニケーション方法も重要な選定基準です。
- 定例ミーティングの頻度(週次 / 隔週 / 月次)
- チャットツールでの質問対応可否
- プロジェクト管理ツールの共有
- 緊急時の対応体制
HubSpot社の直接支援 vs パートナー支援の使い分け
| 項目 | HubSpot社直接 | パートナー企業 |
|---|---|---|
| 初期設定ガイド | オンボーディング支援あり(有料プラン) | より詳細な設計・構築支援 |
| カスタマイズ | 標準的なアドバイス | 業種・規模に特化した設計 |
| コンテンツ制作 | なし | ブログ・LP・メール制作も対応可能 |
| 外部連携 | 標準連携の案内 | API開発・iPaaS連携の実装 |
| 日本語対応 | 日本語サポートあり | 日本市場に特化した提案 |
| 費用 | プランに含まれる / 有料サービス | 別途契約(数十万〜) |
HubSpot社の直接サポートは基本的な設定ガイドや製品知識に強みがありますが、自社のビジネスに合わせたカスタマイズ設計や、Webサイト構築・コンテンツ制作まで含めた包括支援はパートナーの方が手厚いケースが多いです。
失敗しないための依頼フロー
ステップ1: 自社の課題・目的を整理する
パートナーに相談する前に、以下を社内で整理しておくと話がスムーズです。
- 現状の課題(例: リード管理がExcelで限界、営業の活動が見えない)
- HubSpotで実現したいこと(優先順位をつけて3つ程度)
- 利用予定のHub(Marketing / Sales / Service等)
- 想定ユーザー数
- 希望の導入スケジュール
- 予算感
ステップ2: 複数のパートナーから提案を受ける
最低でも2〜3社から提案を受けることを推奨します。HubSpotの公式パートナーディレクトリ(Solutions Marketplace)から、地域・業種・ティアで絞り込んで候補を選定できます。
ステップ3: 提案内容を比較する
提案書の比較では、以下の観点でチェックしてください。
- 自社の課題をどれだけ理解しているか
- 具体的な設計方針が示されているか(パイプライン設計・ライフサイクルステージの提案等)
- スケジュールとマイルストーンが明確か
- 成果指標(KPI)が設定されているか
- 料金の内訳と追加費用の条件
ステップ4: スモールスタートで関係構築
いきなり全機能のフル構築を依頼するのではなく、まずはパイロットプロジェクト(例: Sales Hubのパイプライン設計だけ)から始めて、パートナーとの相性を確認するのがおすすめです。
なかなか全てを一気に進めるのは難しいかなと思うので、自社で活用できそうなものとか、効果が出そうなものを見極めていただいて優先順位をつけて、トライいただければなと思っています。
パートナー選びでよくある失敗パターン
失敗1: ティアだけで判断してしまう
「Eliteパートナーだから安心」と考えて依頼したが、実際の担当者が自社の業種に詳しくなく、汎用的な設計になってしまったケースがあります。ティアはあくまで企業全体の実績指標であり、個別プロジェクトの品質を保証するものではありません。
失敗2: 要件を曖昧にしたまま依頼する
「とりあえずHubSpotを入れてほしい」という曖昧な依頼では、パートナー側も最適な提案ができません。結果として、汎用テンプレートそのままの設定になり、自社にフィットしないCRMができあがってしまいます。
企業様によって最適な設計は異なるので、自社のビジネスプロセスを言語化して共有することが重要です。
失敗3: パートナーに丸投げして社内ノウハウが育たない
導入時はパートナーに頼るのが合理的ですが、運用フェーズに入ってからも全てを外部に任せ続けると、社内にCRM運用のナレッジが蓄積されません。
パートナーとの契約段階で「いつまでに内製化するか」のロードマップを決めておくことをおすすめします。
まとめ
HubSpotパートナーを選ぶ際は、ティアの高さだけでなく、自社の業種・規模・課題に合った実績があるかを重視してください。
まずは自社の課題と目的を整理した上で、複数のパートナーから提案を受け、設計方針の具体性やコミュニケーションスタイルを比較するのが最善のアプローチです。
導入はスモールスタートで始め、段階的に活用範囲を広げていくのが成功の鍵です。CRMにデータが蓄積されるほど、レポートやワークフローの精度が上がり、より効果的な営業・マーケティング戦略を立てられるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. HubSpotパートナーに依頼すると費用はどれくらいかかりますか?
初期構築費は30万〜200万円、月額運用支援費は10万〜50万円が一般的な目安です。企業規模や要件の複雑さによって大きく変動するため、必ず複数社から見積もりを取得して比較してください。
Q2. パートナーを使わずに自社だけでHubSpotを導入できますか?
可能です。HubSpotは直感的なUIで設計されているため、Starterプランでの基本的な活用であれば自社導入も十分に現実的です。ただし、Professionalプラン以上でワークフローやカスタムレポートを本格活用する場合は、初期設計だけでもパートナーに相談する価値があるかなと思います。
Q3. パートナーのティアが低いと品質も低いのでしょうか?
必ずしもそうではありません。Goldパートナーでも特定の業種に非常に強い企業があります。ティアは販売・管理の実績規模を示すものであり、個別プロジェクトの品質とは直接的に連動しません。実際の導入事例や担当者の専門性で判断してください。
Q4. パートナーを途中で変更することはできますか?
可能です。HubSpotのライセンス契約はHubSpot社との直接契約であり、パートナーとの支援契約は別です。パートナーを変更しても、HubSpot内のデータや設定はそのまま残ります。ただし、引き継ぎの際にドキュメントが整備されていないと移行コストが高くなるので注意が必要です。
Q5. パートナーに依頼するタイミングはいつがベストですか?
最も効果的なのは「HubSpot導入を検討し始めた段階」です。プラン選定やHub構成の判断から一緒に進められるため、後から「プランが合わなかった」「設計を作り直す必要がある」といった手戻りを防げます。すでに導入済みで運用に課題がある場合も、リアーキテクチャ(再設計)の支援を受けることは可能です。
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。