HubSpotのNPS・顧客満足度アンケート機能|フィードバック収集からスコア改善施策まで

  • 1970年1月1日

ブログ目次


「顧客の満足度を定量的に把握したいが、外部のアンケートツールを別途契約するのはコストがかかる」

「NPS調査を始めてみたものの、スコアをどう改善につなげればいいかわからない」

——こうした課題は、フィードバック収集の「仕組み」と「活用」の両方に原因があることが多いです。

HubSpotの顧客フィードバック機能とは、Service Hub上でNPS(ネットプロモータースコア)、CSAT(顧客満足度)、CES(顧客努力指標)、カスタムアンケートを作成・配信・分析できる統合的な顧客フィードバック管理機能です。 CRMのコンタクトデータと連動するため、アンケート結果と顧客属性を掛け合わせた深い分析が可能です。

この記事では、各アンケートタイプの違い、設定手順、スコアの分析方法、改善施策への活用まで詳しく解説します。


この記事でわかること

  • NPS・CSAT・CES・カスタムアンケートの違いと使い分け
  • 各アンケートの作成・配信手順
  • フィードバックデータの分析方法
  • スコアを改善施策につなげるワークフロー設計
  • 注意点とベストプラクティス

HubSpotのアンケート機能の全体像

HubSpotでは4種類のアンケートを作成できます。

アンケートタイプ 質問内容 スケール 主な用途
NPS(顧客ロイヤルティー) 「この企業を友人や同僚にすすめる可能性は?」 0〜10の11段階 顧客の推奨度・ロイヤルティ測定
CSAT(顧客満足度) 「今回のサポート対応に満足しましたか?」 1〜不満 / 7〜満足 個別の体験・対応の評価
CES(顧客努力指標) 「問題を解決するのにどれくらい労力がかかりましたか?」 1〜非常に難しい / 7〜非常に簡単 サービスの使いやすさ評価
カスタムアンケート 自由設計の質問 星評価・ラジオ・テキスト 製品フィードバック、要望収集

利用可能なプラン

プラン NPS CSAT CES カスタム
Free / Starter × × × ×
Professional
Enterprise

フィードバック機能はService Hub Professional以上で利用できます。


NPS(顧客ロイヤルティー)アンケートの設定

フィードバックアンケート

NPSとは?

NPS(Net Promoter Score)は、顧客が自社の製品やサービスを他者に推奨する可能性を0〜10の11段階で評価する指標です。回答者は以下の3グループに分類されます。

グループ スコア 特徴
推奨者(Promoter) 9〜10 積極的に推奨してくれるロイヤルカスタマー
中立者(Passive) 7〜8 満足しているが積極的には推奨しない
批判者(Detractor) 0〜6 不満を持ち、ネガティブな口コミの可能性

NPS = 推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%)

例えば推奨者50%、批判者20%ならNPSは+30です。

NPS アンケートの作成手順

  1. 「サービス」→「フィードバックアンケート」→「アンケートを作成」
  2. 「顧客ロイヤルティー」を選択
  3. 配信方法を選択: Eメール / Webページ
  4. NPS質問のカスタマイズ(質問文やフォローアップ質問の編集)
  5. Eメール配信の場合:件名、送信者名、本文を設定
  6. 対象者の設定: コンタクトリスト、ライフサイクルステージなどでセグメント
  7. 配信スケジュール: 即時 / 定期(四半期ごとなど)

フォローアップ質問のカスタマイズ

スコアのグループごとに異なるフォローアップ質問を設定できます。

  • 推奨者(9-10): 「特にどの点を評価いただけましたか?」
  • 中立者(7-8): 「改善すべき点があれば教えてください」
  • 批判者(0-6): 「不満に感じた点を具体的にお聞かせください」

このフォローアップ質問の設計が結構ミソになってくるかなと思います。数値だけでは改善の方向性がわかりませんが、自由回答を組み合わせることで具体的なアクションにつなげられます。


CSAT(顧客満足度)アンケートの設定

CSATはチケットのクローズ後やサポート対応後に送信し、個別の体験に対する満足度を測定します。

設定手順

  1. 「フィードバックアンケート」→「顧客満足度」を選択
  2. 配信方法を選択(Eメール / Webページ / チャット)
  3. 質問文とスケールをカスタマイズ
  4. トリガー設定: チケットステータスが「解決済み」に変更されたタイミング
  5. 配信タイミング: チケット解決直後 or 1日後

CSATはチケット管理と連動させることで、サポート品質のモニタリングに活用できます。チケット管理のワークフローに組み込むことで、完全に自動化された満足度調査が実現します。


カスタムアンケートの設定

NPS・CSAT・CESのどれにも当てはまらない調査は、カスタムアンケートで対応します。

利用可能な質問タイプ

  • 星評価: 5段階の星で評価
  • ラジオセレクト: 単一選択の選択肢
  • チェックボックス: 複数選択
  • ドロップダウン: プルダウンメニューから選択
  • 一行テキスト: 短い自由回答
  • 複数行テキスト: 長い自由回答
  • NPS: 0-10スケール
  • CSAT: 満足度スケール

活用シーン

  • 製品ロードマップへのフィードバック収集
  • イベント・ウェビナー後の満足度調査
  • オンボーディング完了後の評価
  • 契約更新時の満足度・要望聞き取り

フィードバックデータの分析と活用

カスタムレポート一覧

ダッシュボードでの分析

フィードバックデータは「フィードバックアンケート」の分析タブで確認できます。

  • NPSスコアの推移: 時系列グラフで改善/悪化トレンドを把握
  • 回答分布: 推奨者・中立者・批判者の割合
  • 自由回答のテキスト分析: フォローアップ質問の回答一覧
  • セグメント別分析: プラン・業種・利用期間ごとのスコア比較

ワークフローと連携した自動アクション

フィードバック結果をもとに自動的にアクションを起こすワークフローを設計できます。

批判者への即時フォロー

トリガー: NPSスコアが0-6
→ カスタマーサクセス担当者にSlack通知
→ タスク作成: 「NPS批判者フォロー」
→ 3日後: フォローメール送信

推奨者への紹介依頼

トリガー: NPSスコアが9-10
→ 1週間後: 事例インタビュー・紹介プログラムの案内メール

CSAT低評価のエスカレーション

トリガー: CSATスコアが3以下
→ サポートマネージャーに通知
→ チケットの優先度を「高」に変更

こうした自動化を組むことで、フィードバックを「集めて終わり」にせず、具体的な改善アクションにつなげられます。


注意点・ベストプラクティス

配信頻度を適切に保つ

NPSアンケートは四半期に1回程度が適切です。毎月送信すると顧客に負担がかかり、回答率の低下やネガティブな印象につながります。

全顧客に一律送信しない

顧客の利用状況やフェーズに応じてセグメントを分けて配信しましょう。オンボーディング中の顧客にNPSを送っても、まだ価値を実感していない段階では正確な評価が得られません。

回答後のアクションを必ず設計する

アンケートを送るだけでフォローアクションがないと、顧客の期待を裏切ることになります。特に批判者には72時間以内のフォローを目標にしましょう。

ベンチマークを意識しすぎない

NPSの「良いスコア」は業界によって異なります。SaaS業界ではNPS +30〜50が一般的なベンチマークですが、重要なのは自社の改善トレンドです。前回比でスコアが上がっているかどうかに注目しましょう。


まとめ

HubSpotのフィードバック機能を使えば、NPS・CSAT・CES・カスタムアンケートをCRMと連動した形で運用できます。アンケート結果が顧客レコードに自動的に蓄積されるため、「どの顧客が満足し、どの顧客が不満を感じているか」を一元的に把握できるのが最大の強みです。

まずはNPSアンケートを四半期に1回のペースで始め、ワークフローで批判者への自動フォローを設定するところから取り組んでみてください。データが蓄積されるほど、顧客の声に基づいたプロダクト改善・サービス改善のPDCAが回せるようになります。


よくある質問(FAQ)

Q1. フィードバック機能はどのプランから利用できますか?

Service Hub Professional以上で利用できます。Free・Starterプランでは顧客フィードバック機能は利用できません。

Q2. NPS・CSAT・CESのどれを先に始めるべきですか?

まずはNPSから始めることをおすすめします。NPSは顧客全体のロイヤルティを俯瞰的に把握でき、四半期ごとのトレンド分析に適しています。CSATはチケット管理と連動させて個別の対応品質を測定する用途に適しています。

Q3. アンケートの回答率を上げるコツはありますか?

件名に「1分で完了」など所要時間を明記する、送信者名を個人名にする、配信タイミングを体験直後にする、といった工夫が効果的です。一般的にNPSメールの回答率は15〜30%程度が目安です。

Q4. フィードバック結果はレポートで分析できますか?

はい、フィードバックデータはレポート・ダッシュボードで分析できます。NPSスコアの推移、セグメント別のスコア比較、回答率の推移などをグラフ化して経営会議や定例ミーティングで共有できます。

Q5. Webページ上にアンケートを表示する方法は?

Webページ配信タイプを選択し、HubSpotのトラッキングコードがインストールされたページにポップアップ形式でアンケートを表示できます。表示条件(URL、訪問回数、スクロール率など)を細かく設定できるので、適切なタイミングで顧客にアンケートを提示できます。


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。