HubSpot受信トレイの使い方|共有メールの一元管理・設定方法・チーム対応を実演で徹底解説

HubSpot受信トレイの使い方

ブログ目次

 

企業の問い合わせ対応で、こんな課題を感じたことはないでしょうか。サポート用の共有メールアドレスに届いた問い合わせを、誰が対応するのか毎回社内チャットで確認しています。対応漏れや二重返信が起きます。過去のやり取り履歴が個人のメールボックスに散らばっていて、担当者が変わると引き継ぎができません。

HubSpotの「受信トレイ」機能は、こうした共有メール管理の問題をまるごと解決します。Gmail・Outlook・Messenger・フォーム・電話など、あらゆる顧客接点を一つの画面に集約し、チームで分担して対応できる仕組みです。

この記事では、HubSpot受信トレイの基本概念から、実際の設定手順、メール返信のワークフロー、CRMとの連携活用まで、実画面を使って徹底解説します。


HubSpot受信トレイとは何か

HubSpotの受信トレイは、チームで共有するコミュニケーション管理ツールです。個人のGmailやOutlookの受信ボックスとは別に、support@info@のような共有メールアドレスをHubSpotに接続し、チーム全員が同じ画面で問い合わせを確認・対応できます。

HubSpot受信トレイの画面構成

なぜ受信トレイが必要なのか

多くの企業では、共有メールアドレスに届いた問い合わせを以下のように処理しています。

  • グループメールで全員に通知が届きます
  • 社内チャットで「これ誰が返信する?」と確認します
  • 返信した人が個別にメールで対応します
  • 対応済みかどうかの管理はスプレッドシートやSlackで行います

この運用では、対応漏れ・二重返信・履歴の散逸が避けられません。HubSpotの受信トレイを使えば、問い合わせ単位で担当者を割り当て、対応状況をリアルタイムで共有し、すべてのやり取りをCRMに記録できます。

対応可能なチャネル

受信トレイには以下のチャネルを接続できます。

  • Eメール — Gmail、Outlook、その他のメールサーバーの共有アドレス
  • Messenger — Facebook Messengerとの連携
  • フォーム — HubSpotで作成した問い合わせフォームの送信
  • コール — 電話による問い合わせ記録
  • WhatsApp — WhatsApp Businessとの連携
受信トレイのチャネル一覧(Eメール・Messenger・フォーム・コール)

従来はメールはメールボックス、MessengerはMessenger、電話は電話と、それぞれ別々に管理していたコミュニケーションを一元化できるのが最大の強みです。


受信トレイでの問い合わせ対応フロー

実際にメールが届いてから対応を完了するまでの流れを見ていきましょう。

メールの受信と確認

共有メールアドレスに問い合わせが届くと、HubSpotの受信トレイに自動的に表示されます。左側のメールリストから該当のメールを選択すると、右側に本文が表示されます。

受信トレイでのメール確認画面

通常の受信ボックスと同じ感覚で操作でき、送信元のメールアドレス、件名、本文がすべて確認できます。ここで重要なのは、このメールをチームの誰が対応するかを明確にできる点です。

担当者の割り当てとコメント

受信したメールに対して、チーム内で担当者を割り振ることができます。メール画面の下部には「メール」と「コメント」の切り替えがあります。

コメント機能で社内の担当割り振り

コメント機能は社内向けの連絡用です。「このメールは私が対応します」といった内容をコメントとして投稿すると、メンション(@指名)で特定のメンバーに通知できます。顧客には見えない社内コミュニケーションなので、対応方針の相談にも使えます。

メールの返信

担当者が決まったら、受信トレイから直接メールを返信します。

受信トレイからのメール返信画面

返信時には以下のポイントがあります。

  • 発信元アドレスの選択 — 共有メールアドレス(例:support@startlink.jp)から返信できます
  • テンプレートの呼び出し — 事前に作成した定型文を挿入でき、毎回同じ文面を手打ちする手間が省けます
  • パーソナライズトークン — 宛名など動的な情報を自動差し込みできます

返信メールは共有アドレスから送信されるため、顧客からは個人メールではなくサポートチームとしての返信に見えます。

コミュニケーションのクローズ

問い合わせへの対応が完了したら、「コミュニケーションクローズ」ボタンで処理を終了します。クローズされたメールは「クローズ済み」カテゴリに移動し、未対応の問い合わせだけがオープンリストに残ります。

コミュニケーションクローズと処理完了

これにより、対応漏れを防ぎ、チーム全体の処理状況を可視化できます。


CRMとの自動連携

HubSpotの受信トレイが他のメール管理ツールと決定的に異なるのは、CRMとの完全な連携です。

コンタクト情報の即座確認

受信トレイでメールを開くと、右側のパネルに送信者のコンタクト情報が自動表示されます。姓名、メールアドレス、電話番号、所属会社などの基本情報に加え、過去のやり取り履歴もすべて確認できます。

コンタクト情報とCRMデータの連携

アクティビティ履歴の一元管理

受信トレイでやり取りした内容は、すべてコンタクトのアクティビティ(タイムライン)に自動記録されます。つまり、受信トレイで返信した内容は、そのコンタクトの画面からも確認できます。

担当者が変わった場合でも、過去のやり取りを遡って確認できるため、引き継ぎの手間が大幅に減ります。

ページビュー・行動データの活用

HubSpotではコンタクトのウェブサイト閲覧履歴も追跡できます。問い合わせが来た際に、そのコンタクトがどのページを閲覧したかを確認することで、問い合わせの背景を推測でき、より的確なサポートが可能になります。

たとえば、料金ページと導入事例ページを見た後に問い合わせが来た場合、購入検討段階にあると判断して営業にエスカレーションする、といった運用ができます。


受信トレイの設定方法

ここからは、受信トレイの初期セットアップ手順を解説します。

チャネルの接続

受信トレイ設定画面(チャネル接続)

HubSpotの設定画面(歯車アイコン)から「受信トレイ」セクションに移動します。現在接続されているチャネルの一覧が表示されるので、「チャネルを接続」をクリックして新しい接続を追加します。

接続できるチャネルの種類は以下の通りです。

  • チームの共有アドレス — Gmail、Microsoft(Outlook)、その他のメールアカウント
  • フォーム — HubSpotフォームからの問い合わせ
  • Messenger — Facebook Messenger
  • WhatsApp — WhatsApp Business
  • コール — 電話

Gmailの共有アドレス接続

Gmail・Outlook・その他メールの接続選択

共有アドレスがGmailの場合、Googleアカウントで認証するだけで接続が完了します。Outlookの場合も同様に、Outlookアカウントで認証すればよいです。

その他のメールサーバーの接続(転送設定)

Googleアカウントを持たない共有メールアドレス(独自ドメインのメールサーバーで運用しているケースなど)の場合は、「その他のメールアカウント」を選択します。

転送設定によるメール接続

この場合、メールの転送設定が必要になります。HubSpotが発行する転送先アドレスに対して、共有メールアドレスからの受信メールを転送するよう設定します。具体的には以下の手順です。

  1. HubSpotの接続画面で転送先アドレスを取得します
  2. メールサーバー(Google Workspace管理画面など)で、共有メールアドレスのメンバーとしてHubSpotの転送先アドレスを追加します
  3. 共有メールアドレスに届いたメールがHubSpotにも転送される設定を完了します
Google Workspaceでのメンバー追加設定

この転送設定が完了すれば、共有メールアドレスに届いたメールがリアルタイムでHubSpotの受信トレイにも表示されるようになります。

メールの自動割り当て設定

接続後の受信トレイ設定(割り当てルール)

チャネル接続後、メールの自動割り当てルールを設定できます。新しい問い合わせが届いた際に、特定の担当者やチームに自動で割り振ることが可能です。これにより、メールが届くたびに「誰が対応する?」と確認する手間がなくなります。

受信トレイのビュー管理

受信トレイのフィルターとビュー管理

受信トレイでは、メールのステータスに応じたビューが用意されています。

  • 未割り当て — 担当者がまだ設定されていない問い合わせ
  • 担当メール — 自分に割り当てられた問い合わせ
  • クローズ済み — 対応完了した問い合わせ
  • スパム — 自動分類されたスパムメール

通常のメールボックスと同じ感覚でフィルタリングできるため、チーム全体の対応状況を一目で把握できます。


受信トレイの活用シーン

HubSpotの受信トレイは、以下のような部門・用途で特に効果を発揮します。

カスタマーサポート(CS部門)

サポート用共有メールアドレスに届く技術的な問い合わせ、不具合報告、使い方の質問などを一元管理します。チケット機能と組み合わせれば、対応状況の可視化とSLA管理まで可能です。

営業チームの共通メール管理

営業用の共有メールアドレス(sales@など)に届く問い合わせを、営業メンバーに均等に割り振ります。CRMとの連携により、問い合わせ元の企業情報や過去の商談履歴をすぐに確認できます。

リーガル・管理部門

契約関連の問い合わせや法務相談などを、チームで共有・管理します。対応履歴がすべてCRMに残るため、コンプライアンス上も安心です。


受信トレイとヘルプデスクの違い

受信トレイの全体ビュー

HubSpotには受信トレイの上位機能として「ヘルプデスク」があります。受信トレイとヘルプデスクの違いを整理しておきましょう。

機能 受信トレイ ヘルプデスク
プラン要件 全プラン利用可能 Service Hub Professional以上
メール一元管理 対応 対応
チケット管理 基本的な管理 高度なチケット管理・SLA設定
自動割り当て 対応 高度なルーティング
AIエージェント 非対応 対応(ナレッジベース連携)
レポート・分析 基本的 詳細なサービス分析

受信トレイは追加のプラン契約なしで利用できるため、まずは受信トレイで共有メール管理を始め、サポート業務が本格化した段階でService Hubのヘルプデスクに移行するのが合理的です。


まとめ

HubSpotの受信トレイは、共有メールのブラックボックス化を解消し、チーム全体の対応品質を底上げする機能です。ポイントを整理します。

  1. コミュニケーションの一元管理 — メール・Messenger・フォーム・電話をすべて一つの画面に集約
  2. 担当者の明確化 — 問い合わせ単位で担当者を割り当て、対応漏れ・二重返信を防止
  3. CRMとの完全連携 — やり取り履歴がコンタクトに自動記録され、顧客理解が深まります
  4. 追加コスト不要 — 受信トレイ機能はすべてのHubSpotプランで利用可能
  5. 段階的な拡張 — ヘルプデスクへの移行もシームレス

共有メールの管理に課題を感じている企業は、まずグループメールアドレス1つをHubSpotの受信トレイに接続してみることをお勧めします。設定は10分程度で完了し、即日からチームでの共有管理を始められます。


株式会社StartLinkは、事業推進に関わる「販売促進」「DXによる業務効率化(ERP/CRM/SFA/MAの導入)」などのご相談を受け付けております。 サービスのプランについてのご相談/お見積もり依頼や、ノウハウのお問い合わせについては、無料のお問い合わせページより、お気軽にご連絡くださいませ。

サービス資料を無料DL

著者情報

7-1

今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。