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「HubSpotの月額費用が思ったより高い」「契約しているけど使っていない機能がある気がする」——こうした課題を感じている企業は少なくありません。
HubSpotのコスト最適化とは、自社の利用状況を正確に把握した上で、プラン構成・シート数・マーケティングコンタクト数を適正化し、投資対効果(ROI)を最大化することです。HubSpotは機能が豊富な反面、プラン設計を誤ると「使っていない機能に毎月支払い続ける」状況に陥りがちです。
この記事では、HubSpotの費用構造を整理した上で、具体的なコスト削減テクニックとプラン最適化の方法を実務目線で解説します。
この記事でわかること
- HubSpotの費用構造(プラン × シート × コンタクト)の全体像
- すぐ実践できるコスト削減テクニック7選
- プランのダウングレード判断基準
- シート数の最適化方法
- マーケティングコンタクトの課金最適化
- よくある質問(FAQ)
HubSpotの費用構造を理解する
HubSpotの費用は、大きく3つの要素で構成されています。
| 費用要素 | 内容 | 変動要因 |
|---|---|---|
| プラン料金 | 各Hub(Marketing / Sales / Service / Content / Operations)のプラン(Free / Starter / Professional / Enterprise) | 選択するHubとプランの組み合わせ |
| シート料金 | 有料機能を使うユーザー数に応じた課金 | Sales Hub / Service Hubの有料シート数 |
| コンタクト料金 | マーケティングコンタクトの上限数 | Marketing Hubのマーケティングコンタクト数 |
この3つの要素を個別に最適化することで、全体のコストを大幅に削減できるケースがあります。
プラン別の費用感
| プラン | 月額目安(1シート) | 主な追加機能 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | 基本CRM、フォーム、メール(制限あり) |
| Starter | 月1,800円〜 | HubSpotロゴ除去、カスタムプロパティ拡張、基本自動化 |
| Professional | 月数万円〜 | ワークフロー、カスタムレポート、シーケンス、MA自動化 |
| Enterprise | 月十数万円〜 | カスタムオブジェクト、高度な権限、サンドボックス |
コスト削減テクニック7選
出典: HubSpot (hubspot.jp/pricing)
テクニック1: シート構成の見直し
HubSpotには「表示のみ」の無料シートがあります。レポートやダッシュボードの閲覧だけでよいユーザーは、有料シートを割り当てる必要がありません。
| シート種別 | 対象ユーザー | 費用 |
|---|---|---|
| 表示のみ | 経営層・管理部門(レポート閲覧のみ) | 無料 |
| コアシート | マーケ担当・基本機能利用者 | 有料 |
| Sales Hub有償シート | 営業担当者(シーケンス、見積もり等を利用) | 有料 |
| Service Hub有償シート | CS担当者(ヘルプデスク、チケット管理等) | 有料 |
代表や副社長もレポートとかだけ見ていればいいよっていうものであれば無料でご利用いただけます。まずは各ユーザーが実際にどの機能を使っているかを棚卸しして、本当に有料シートが必要な人だけに絞り込むことが第一歩です。
テクニック2: マーケティングコンタクトの最適化
Marketing Hubでは、マーケティングコンタクト数に応じて課金が発生します。メール配信対象にならないコンタクトを「マーケティング対象外」に設定することで、課金対象を最小限に抑えられます。
対象外にすべきコンタクト:
- オプトアウト(配信停止)済みのコンタクト
- バウンス(メールが届かない)コンタクト
- 90日以上メール未開封のコンタクト
- 競合他社・営業目的の問い合わせ
- 退職・転職でメールアドレスが無効になったコンタクト
ワークフローでの自動化がポイントになってくる:
- 対象化ワークフロー: フォーム送信→マーケティングコンタクトに設定
- 対象外化ワークフロー: オプトアウト・バウンス・90日間未開封→対象外に設定
リードとしてフォーム送信されたら通知を飛ばしたり営業担当を割り当てる。必要ないマーケティングコンタクトについては対象外にしていく。手動で毎回コントロールしなくても課金に関しては一定に抑えられます。
テクニック3: 「1つのProfessional」戦略
HubSpotの重要な仕組みとして、何らかのHubのProfessionalプランを1つでも契約していれば、ワークフロー機能がアカウント全体で使えるという点があります。
例えば、Sales Hub Professional + Marketing Hub Starter という組み合わせでも、ワークフロー機能は利用可能です。全てのHubをProfessionalにする必要はありません。
ワークフローとカスタムレポート、この2つで基本的にはProfessionalをご検討いただくというのが多いですが、どのHubでProfessionalを取るかは自社の優先度次第です。
テクニック4: 使っていないHub・アドオンの解約
契約時に「とりあえず全部入れておこう」として、実際にはほとんど使っていないHubがないか確認してください。
確認方法:
- 各Hubの設定画面で、実際に稼働しているワークフロー・レポート・シーケンス数を確認
- 過去3か月間のログイン状況と機能利用状況を確認
- Marketing Hub: 実際に配信しているメールの頻度を確認
- Content Hub: ブログ記事の更新頻度、ページ数を確認
テクニック5: 不要プロパティの整理
よくあるSFAのあるあるで、全然使っていない項目が大量にあったりとか、ほぼ使っているのはこの一部だけなんですという企業さんもいらっしゃったりします。
不要プロパティが多いと、CRMの操作性が下がるだけでなく、Enterprise以上のプランではプロパティ数がライセンスコストに影響するケースもあります。
確認方法:
- 「設定」→「プロパティ」からフィルレート(入力率)を確認
- 入力率が1%未満のプロパティは削除を検討
- プロパティのグループ分けを整理して管理しやすくする
テクニック6: バンドル割引の活用
HubSpotでは、複数のHubをまとめて契約する「バンドル」(旧CRM Suite)を利用すると、個別契約より割安になるケースがあります。
複数のHubを個別に契約している場合は、バンドルに切り替えることでコストが下がらないか、HubSpotの担当者に確認してみてください。
テクニック7: 年間契約での割引
HubSpotは月間契約と年間契約を選択できます。年間契約にすると、月間契約と比較して通常10〜20%程度のコスト削減になります。
ただし、年間契約は途中解約しても返金されないため、最低1年間は利用する見通しがある場合に検討してください。
プランのダウングレード判断基準
「本当にProfessionalプランが必要なのか」を判断するためのチェックリストです。
Professional → Starter へのダウングレードを検討すべきケース
- [ ] ワークフローをほとんど使っていない(稼働中のワークフローが5個未満)
- [ ] カスタムレポートを作成していない(標準レポートで十分)
- [ ] シーケンスを使っていない
- [ ] MAの自動メール配信を行っていない
- [ ] ABM機能を使っていない
上記の大半に該当する場合、Starterプランで十分な可能性があります。ただし、ダウングレード前に必ず稼働中のワークフローを確認し、業務への影響を評価してください。
Enterprise → Professional へのダウングレードを検討すべきケース
- [ ] カスタムオブジェクトを使っていない
- [ ] サンドボックス環境を使っていない
- [ ] 高度な権限設定(フィールドレベル権限等)が不要
- [ ] カスタムレポートが100件以内で収まる
コスト削減の優先順位
全てのテクニックを一度に実行する必要はありません。効果が大きいものから段階的に取り組んでください。
| 優先度 | テクニック | 想定削減効果 | 実施難易度 |
|---|---|---|---|
| 高 | シート構成の見直し | 月数千〜数万円 | 低(設定変更のみ) |
| 高 | マーケティングコンタクトの最適化 | 月数千〜数万円 | 中(ワークフロー構築) |
| 高 | 使っていないHub・アドオンの解約 | 月数万〜十数万円 | 低(契約変更) |
| 中 | 1つのProfessional戦略 | 月数万円 | 中(プラン再設計) |
| 中 | 年間契約への切り替え | 月10-20%削減 | 低(契約変更) |
| 低 | バンドル割引の活用 | ケースバイケース | 低(HubSpotに確認) |
| 低 | 不要プロパティの整理 | 間接的なコスト削減 | 中(棚卸し作業) |
まとめ
HubSpotのコスト最適化は、まずシート構成の見直しとマーケティングコンタクトの最適化から始めるのが最も効果的です。
プランのダウングレードを検討する前に、現在の利用状況を正確に把握し、本当に必要な機能とそうでない機能を仕分けしてください。ワークフローとカスタムレポートを頻繁に使っているならProfessionalプランの価値は高いですし、使っていないなら見直しの余地があります。
コスト削減と同時に、HubSpotの活用度を上げて投資対効果を高めることも重要です。使っている機能からしっかり成果を出していくことが、結果的に最も効率的なコスト最適化かなと思います。
よくある質問(FAQ)
Q1. HubSpotの費用を最も手軽に下げる方法は何ですか?
まず有料シートの見直しが最も手軽です。レポート閲覧のみのユーザーを「表示のみ」の無料シートに変更するだけで、シート単位の月額費用を削減できます。次に、マーケティングコンタクトの対象外化をワークフローで自動化すると、コンタクト数の増加に伴う追加課金を抑えられます。
Q2. Professional プランをやめても大丈夫ですか?
ワークフローとカスタムレポートを日常的に使っていなければ、Starterへのダウングレードは現実的な選択肢です。ただし、ダウングレードすると作成済みのワークフロー・カスタムレポートは全て停止・非表示になるため、事前に業務への影響を確認してください。
Q3. マーケティングコンタクトの上限を超えたらどうなりますか?
契約上限を超えた場合、追加のコンタクト枠が自動的に課金される仕組みです。超過を防ぐために、定期的にマーケティングコンタクトの対象数を確認し、不要なコンタクトを対象外に設定するワークフローを運用してください。
Q4. バンドル契約と個別Hub契約、どちらがお得ですか?
3つ以上のHubを利用する場合は、バンドル契約の方がコストメリットが出るケースが多いです。ただし、1〜2つのHubしか使わない場合は個別契約の方が安くなることもあります。具体的な見積もりはHubSpotの担当者に確認してください。
Q5. 費用対効果をどう測ればいいですか?
HubSpotの費用対効果は、「HubSpot経由で創出したリード数・商談数・受注金額」と「HubSpotの月額費用 + 運用工数」を比較して測定します。HubSpotのダッシュボードでファネル分析を行い、リード→商談→受注の各ステージでの変換率と金額を可視化することで、定量的なROIを算出できます。
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。