HubSpot解約・乗り換え・データエクスポートガイド|移行手順と注意点

  • 1970年1月1日

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「HubSpotの解約手続きはどうすればいい?」「他のCRMに乗り換える場合、データはちゃんと持ち出せるの?」——こうした疑問を持つ企業担当者は意外と多いかなと思います。

HubSpotの解約(サブスクリプションのキャンセル)とは、有料プランの自動更新を停止する手続きのことです。解約後はHubSpotの無料ツールに移行され、アカウント自体は残ります。データのエクスポートも標準機能で対応できるため、他のCRMへの乗り換え時もデータを持ち出すことが可能です。

この記事では、HubSpotの解約手順、データエクスポートの方法、他ツールへの乗り換え時の移行ステップと注意点を、実務目線で解説します。


この記事でわかること

  • HubSpotの解約(サブスクリプションキャンセル)手順
  • ダウングレードと完全解約の違い
  • データエクスポートの方法と対象データの一覧
  • 他CRMへの乗り換え時の移行手順
  • 解約・乗り換え前に確認すべき注意点
  • よくある質問(FAQ)

HubSpot解約の種類を理解する

HubSpotの「解約」には大きく3つのパターンがあります。目的に応じて最適な方法を選んでください。

パターン 内容 データへの影響
ダウングレード 有料プラン→下位プラン(例: Professional→Starter)に変更 データは残るが、上位機能で作成した一部のデータにアクセスできなくなる
無料プランへの移行 有料サブスクリプションをキャンセル→無料CRMに移行 コンタクト・取引等の基本データは残るが、ワークフロー等の有料機能は使えなくなる
アカウント削除 HubSpotアカウント自体を完全削除 全データが削除される(復元不可)

ここが結構ミソになってくるのですが、「解約=データが消える」わけではありません。サブスクリプションのキャンセルと、アカウントの削除は別の操作です。データを保持したまま無料プランに戻すことも可能です。


解約(サブスクリプションキャンセル)の手順

アカウントの既定値設定

ステップ1: アカウント管理画面にアクセス

HubSpotにログインし、右上のアカウント名をクリックして「アカウントと請求」を選択します。

ステップ2: 自動更新をオフにする

対象のサブスクリプション(Marketing Hub、Sales Hub等)の自動更新設定をオフに切り替えます。

ステップ3: キャンセル理由を入力

HubSpotからキャンセル理由のアンケートが表示されます。回答後、キャンセルが確定します。

ステップ4: 契約期間の満了を待つ

キャンセル手続き後も、契約期間の残り期間は引き続き有料機能を利用できます。契約満了後に無料ツールへ自動移行されます。

注意点

  • 年間契約の場合: 契約途中での返金は原則ありません。契約満了まで有料プランが継続します
  • 月間契約の場合: 翌月から無料プランに切り替わります
  • スーパー管理者権限が必要: キャンセル操作はスーパー管理者のみ実行可能です

ダウングレード時に失われる機能・データ

有料プランをダウングレードすると、上位プランで利用していた機能の一部が制限されます。ダウングレード前に必ず影響範囲を確認してください。

Professional → Starter へのダウングレード

失われる主な機能 影響
ワークフロー 作成済みのワークフローが停止。自動化が全て止まる
カスタムレポート カスタムレポートが閲覧不可に。標準レポートのみ利用可能
シーケンス 営業シーケンスが利用不可に
ABM機能 ターゲットアカウント機能が利用不可
カスタムプロパティ上限 Starterの上限(1オブジェクトあたり1,000件)に制限

ワークフローとカスタムレポートは、Professionalプランにアップグレードする最大の理由になるケースが多いので、ダウングレードの影響も最も大きい部分です。この2つの機能で作った設定や運用フローが止まることの業務影響を、事前に社内で確認しておきましょう。

Enterprise → Professional へのダウングレード

失われる主な機能 影響
カスタムオブジェクト カスタムオブジェクトのデータにアクセス不可
サンドボックス テスト環境が利用不可
高度な権限設定 権限セット・フィールドレベルの権限が制限
レポート上限 カスタムレポート500件→100件に制限

データエクスポートの方法

データインポート画面

HubSpotからデータを持ち出す方法は複数あります。乗り換え先のCRMに合わせて最適な方法を選択してください。

方法1: CRMデータのエクスポート(CSV/Excel)

最も一般的な方法です。コンタクト、会社、取引、チケットなどのCRMオブジェクトデータをCSVまたはExcel形式でエクスポートできます。

手順:

  1. 対象オブジェクトの一覧画面(例: コンタクト一覧)を開く
  2. エクスポートしたいビュー(フィルター条件)を選択
  3. 「エクスポート」ボタンをクリック
  4. エクスポートするプロパティ(列)を選択
  5. ファイル形式(CSV / Excel)を選択してダウンロード

エクスポート可能なデータ:

オブジェクト エクスポート可否 備考
コンタクト 可能 全プロパティを選択してエクスポート可能
会社 可能 関連コンタクト情報も含められる
取引 可能 パイプライン・ステージ情報も含まれる
チケット 可能 チケットパイプライン情報も含まれる
カスタムオブジェクト 可能 Enterprise プランのみ
アクティビティ(メール・通話等) 一部可能 エンゲージメントAPIでの取得が必要な場合あり

方法2: コンテンツデータのエクスポート

ブログ記事、ランディングページ、メールテンプレートなどのコンテンツもエクスポートできます。

手順:

  1. 「設定」→「アカウント管理」→「コンテンツとデータをエクスポート」を選択
  2. エクスポート対象を選択(ブログ、LP、メール等)
  3. エクスポートを実行→完了後にメールでダウンロードリンクが届く

方法3: API経由でのエクスポート

大量のデータや、アクティビティログ・関連付けデータなど、UI上ではエクスポートしにくいデータはHubSpot APIを使って取得できます。

技術的なリソースが必要ですが、最も柔軟にデータを取り出せる方法です。エンゲージメント(メール送受信履歴、通話記録等)やワークフローの実行ログなど、CSVエクスポートではカバーしきれないデータの移行に活用します。


他CRMへの乗り換え手順

連携アプリ一覧

Phase 1: 現状把握と計画(1〜2週間)

  1. 利用中の機能を棚卸し: どのHubを使っているか、ワークフロー数、レポート数、連携アプリ等を整理
  2. 移行先CRMの選定: 自社の要件に合ったCRMを比較検討
  3. 移行対象データの定義: 全データを移行するのか、アクティブなデータのみかを判断
  4. スケジュール策定: 移行期間は最低1〜2か月、複雑な場合は3〜6か月を見込む
  5. 移行担当者のアサイン: 社内の責任者と、必要に応じて外部パートナーを手配

Phase 2: データ準備とクレンジング(2〜4週間)

  1. 不要データの整理: 重複コンタクト、古い取引、使われていないプロパティを削除
  2. データのエクスポート: 前セクションの方法でCSV/Excelにエクスポート
  3. データマッピング: HubSpotのプロパティと移行先CRMのフィールドを対応付け
  4. データクレンジング: 表記揺れ、空白データ、フォーマット不一致の修正

データの品質が低いまま移行すると、新しいCRMでも同じ問題を抱えることになります。移行のタイミングはデータクレンジングの最良の機会でもあるので、しっかり整理してから移行することをおすすめします。

Phase 3: 移行実行(2〜4週間)

  1. テスト移行: 少量のサンプルデータで移行テストを実施
  2. 本番移行: 問題がなければ全データを移行
  3. 関連付けの再構築: コンタクトと会社、取引との紐付けを再設定
  4. ワークフロー・自動化の再構築: 移行先CRMで同等の自動化を設定
  5. 連携アプリの切り替え: メール、カレンダー、チャットツール等の再接続

Phase 4: 検証と並行運用(2〜4週間)

  1. データ整合性の確認: レコード数、金額の合計値等を照合
  2. 並行運用: 一定期間、旧環境と新環境を並行稼働して問題がないか確認
  3. ユーザートレーニング: 新CRMの操作方法を社内に周知
  4. HubSpotの解約/ダウングレード: 移行完了を確認後に実施

解約・乗り換え前のチェックリスト

解約やCRM乗り換えを実行する前に、以下を必ず確認してください。

  • [ ] 契約期間と更新日の確認: 年間契約の場合、更新日前に手続きしないと自動更新される
  • [ ] データのバックアップ: 全オブジェクトのデータをCSV/Excelでエクスポート済みか
  • [ ] コンテンツのバックアップ: ブログ記事、LP、メールテンプレートをエクスポート済みか
  • [ ] 連携アプリの確認: HubSpotと連携しているアプリの一覧と、乗り換え先での代替手段
  • [ ] ワークフローの棚卸し: 稼働中のワークフロー一覧と、移行先での再構築計画
  • [ ] フォームの代替: HubSpotフォームをWebサイトに埋め込んでいる場合の差し替え計画
  • [ ] トラッキングコードの除去: HubSpotのトラッキングコードをWebサイトから削除する手順
  • [ ] チーム内への周知: 解約日・移行スケジュールの共有

HubSpotに残る選択肢: プラン最適化

完全な解約や乗り換えの前に、プランの最適化(コスト削減)という選択肢も検討してみてください。

  • 使っていないHubの解約: Sales Hub + Marketing Hub を契約しているが、Marketing Hubはほとんど使っていない、など
  • シート数の見直し: 有料シートが必要なのは実際に機能を使う担当者のみ。レポート閲覧だけなら無料の表示のみシートで対応可能
  • コンタクト数の最適化: マーケティングコンタクトの対象外化で課金を抑える

代表や管理職の方がレポートだけ見ていればいいということであれば無料シートで対応できるので、本当に有料シートが必要な人数を精査するだけでもコストが変わってきます。


まとめ

HubSpotの解約は、サブスクリプションのキャンセル手続き自体はシンプルですが、データのエクスポートや移行先CRMへの移行には計画的な準備が必要です。

まずはデータのバックアップを確実に取った上で、移行先CRMの選定とデータマッピングを丁寧に進めてください。移行期間は最低1〜2か月を見込み、並行運用期間を設けることで、業務への影響を最小限に抑えられます。

また、完全な解約の前にプランの最適化(ダウングレードやシート数の見直し)で対応できないかも検討してみることをおすすめします。


よくある質問(FAQ)

Q1. HubSpotを解約するとデータはすぐに消えますか?

いいえ、サブスクリプションのキャンセルとアカウント削除は別の操作です。キャンセル後は無料CRMに移行され、コンタクトや取引などの基本データは残ります。アカウントを完全に削除した場合のみ、全データが消去されます。解約前に必ずデータをエクスポートしておくことを推奨します。

Q2. 年間契約の途中で解約できますか?

キャンセル手続き自体は可能ですが、年間契約の残存期間分の返金は原則ありません。契約期間の満了後に無料プランへ移行されます。次回の更新を防ぐため、更新日前にキャンセル手続きを完了しておく必要があります。

Q3. HubSpotからSalesforceへの乗り換えは大変ですか?

データの移行自体は、CSVエクスポート→Salesforceへのインポートで対応可能です。ただし、ワークフローの再構築、レポートの再作成、カスタムプロパティのマッピングなどが必要になるため、規模によっては3〜6か月の移行期間を見込んでください。移行支援に対応したパートナーに相談するのも一つの方法です。

Q4. 解約後もHubSpotの無料機能は使い続けられますか?

はい、使えます。HubSpotには恒久的な無料CRMが用意されており、コンタクト管理、取引管理、タスク管理、基本的なレポートなどの機能を無料で継続利用できます。ただし、ワークフロー、カスタムレポート、シーケンスなどの有料機能は使えなくなります。

Q5. データエクスポートに漏れがないか確認する方法は?

エクスポート前にHubSpot上で各オブジェクトの総レコード数を記録し、エクスポート後のCSVの行数と照合してください。また、関連付け(コンタクトと会社の紐付け等)は通常のCSVエクスポートでは完全に再現できないため、API経由での取得も検討してください。


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。