BCP(事業継続計画)の作り方|策定手順とテンプレート

  • 2026年3月4日

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title: "BCP(事業継続計画)の作り方|策定手順とテンプレート"

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metaDescription: "BCP(事業継続計画)の策定手順を解説。ビジネスインパクト分析、復旧優先順位の設定、BCPテンプレートの構成、訓練と見直しの方法まで実務的に紹介します。"

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keywords: ["BCP", "事業継続計画", "作り方", "策定"]

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自然災害、パンデミック、サイバー攻撃、サプライチェーンの断絶——企業活動を脅かすリスクは多様化・複雑化しています。こうした非常事態が発生した際に、事業の中断を最小限に抑え、早期に復旧するための計画がBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)です。

内閣府の調査(2024年)によると、BCPを策定済みの大企業は約70%ですが、中小企業ではわずか約20%にとどまります。しかし、取引先からBCP策定を求められるケースは増えており、サプライチェーン全体での事業継続力が問われる時代になっています。

本記事では、BCPの策定手順をステップバイステップで解説し、実務で使えるテンプレートの構成も紹介します。

BCPの基本概念

BCPは、非常事態が発生した際に「何を」「どの順番で」「どうやって」復旧するかを事前に計画しておくものです。

用語 意味
BCP 事業継続計画(ドキュメント)
BCM 事業継続マネジメント(BCPの策定・運用・改善を含む経営活動)
RTO 目標復旧時間(何時間/何日で復旧するか)
RPO 目標復旧時点(どの時点のデータまで復旧するか)
MTPD 最大許容停止時間(事業停止が許容される上限時間)

BCP策定の5ステップ

ステップ1:ビジネスインパクト分析(BIA)

自社の事業活動を洗い出し、各業務が停止した場合の影響を評価します。

業務 停止1日の影響 停止1週間の影響 停止1ヶ月の影響 MTPD
受注・出荷 売上減少 顧客流出開始 事業継続困難 3日
請求・入金管理 軽微 資金繰り悪化 資金ショートリスク 1週間
カスタマーサポート 顧客不満 解約増加 信頼の大幅低下 2日
社内システム 業務効率低下 業務停滞 全社停止 1日

ステップ2:リスクの特定と優先順位付け

自社を脅かすリスクを特定し、発生可能性と影響度で優先順位をつけます。

リスク 発生可能性 影響度 優先度
大規模地震 極大
サイバー攻撃
パンデミック 低〜中
主要取引先の倒産
停電・インフラ障害
キーパーソンの離脱

ステップ3:復旧戦略の策定

各リスクに対して、RTOを満たすための復旧戦略を策定します。

対象 復旧戦略 RTO目標
ITシステム クラウドバックアップ、リージョン冗長化 4時間
オフィス リモートワーク体制、代替オフィス確保 1日
通信 複数キャリアの利用、衛星電話の備蓄 2時間
人員 クロストレーニング、マニュアル整備 1日
サプライチェーン 複数調達先の確保、安全在庫の設定 3日

ステップ4:BCPドキュメントの作成

BCPドキュメントの推奨構成:

内容
1. 目的と適用範囲 BCPの目的、対象事業、対象リスク
2. 基本方針 人命最優先、事業継続の優先順位
3. 組織体制 対策本部の構成、役割分担、連絡体制
4. 初動対応 発生直後(0〜2時間)のアクション
5. 事業継続対応 優先業務の復旧手順(RTO順)
6. 復旧対応 通常業務への完全復帰手順
7. 連絡先一覧 緊急連絡先(社内・社外)
8. 付録 チェックリスト、システム構成図

ステップ5:訓練と見直し

BCPは作成しただけでは機能しません。定期的な訓練と見直しが不可欠です。

訓練の種類 内容 頻度
机上訓練 シナリオに基づくシミュレーション 年1回
連絡訓練 緊急連絡網の実動テスト 半年1回
IT復旧訓練 バックアップからのリストア 年1回
実地訓練 代替拠点での業務実施 年1回(可能なら)

中小企業のBCP策定のポイント

ポイント1:完璧を目指さず、まず作る

100ページのBCPを作る必要はありません。「最も重要な3つの業務」の復旧手順と、緊急連絡網だけでも、ないよりはるかにましです。

ポイント2:クラウド化はそれ自体がBCP対策

SaaSやクラウドサービスを活用することで、オフィスが使えなくてもリモートで業務を継続できます。CRM、会計ソフト、コミュニケーションツールのクラウド化は、BCPの観点からも優先度の高い施策です。

ポイント3:取引先への説明材料として活用

BCPの策定は、取引先からの信頼獲得にもつながります。大企業のサプライチェーンに入るための要件としてBCPが求められるケースも増えています。

CRM・SaaSの事業継続性

CRMは営業活動の基盤であり、その事業継続性はBCPにおいて重要な要素です。HubSpotのようなクラウドCRMは、データセンターの冗長化、自動バックアップ、99.99%のSLA(サービスレベル保証)を提供しており、オンプレミスのシステムと比較してBCPの観点で優位です。

リスクマネジメントのフレームワークで述べたERMの一環として、BCPを位置づけることで、組織全体のリスク管理体制が強化されます。経営管理とはで解説した経営管理の5領域のうち、リスク管理の具体的な実装がBCPです。


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。