HubSpot × GA4連携ガイド|マーケティングアトリビューションを正確に計測する

  • 1970年1月1日
HubSpot × GA4連携ガイド

ブログ目次

 

「広告やSEOに投資しているのに、どのチャネルから受注につながっているかわからない」

「GA4のデータとCRMのデータが別々に管理されていて、突合作業がExcelで大変」

——こうした課題は、HubSpotとGA4の連携で解決できます。

HubSpotとGoogle Analytics 4(GA4)を連携させることで、ウェブサイトのトラフィックデータとCRMの顧客データを紐づけ、マーケティングアトリビューションを正確に計測できるようになります。

この記事では、HubSpotとGA4の連携方法から、アトリビューション分析の設計、運用上の注意点まで解説します。


この記事でわかること

  • HubSpot × GA4連携の全体像とメリット
  • 連携の設定方法(GA4タグの埋め込みとトラッキング設定)
  • UTMパラメータの設計とアトリビューション分析
  • CRMデータとの突合で見える「本当のROI」
  • 運用上の注意点と限界

HubSpot × GA4連携とは?

HubSpotとGA4の連携とは、HubSpotが管理するコンタクト・取引データとGA4が収集するウェブ行動データを組み合わせ、マーケティング施策の効果を一気通貫で測定する仕組みです。

GA4だけでは「5件コンバージョンしました」という数字はわかっても、それが「誰で、その後商談になったか、受注に至ったか」まではわかりません。一方、HubSpotだけでは流入元の詳細なデータ(セッション数、ページ遷移、滞在時間など)は取得しきれません。

この2つを組み合わせることで、「どのチャネルから来たリードが、最終的にいくらの受注につながったか」というエンドツーエンドのROI分析が可能になります。


連携の特徴とメリット

1. チャネル別のROIが可視化される

Google広告、SEO、SNS、メール——それぞれのチャネルが「リード獲得」だけでなく「商談化」「受注」にどれだけ貢献しているかを可視化できます。

例えば、Google広告からのリードは件数が多いがCPAが高く受注率も低い、一方でSEO経由のリードは件数は少ないが受注率が高い——こうした分析ができると、マーケティング予算の最適配分が可能になります。

2. UTMパラメータでの流入追跡

HubSpotはUTMパラメータ(utm_source、utm_medium、utm_campaign等)を自動的にコンタクトレコードに記録します。GA4のキャンペーンデータとHubSpotの流入元データを統一的なUTM設計で管理することで、分析の一貫性が保てます。

3. ファネル全体の可視化

GA4のファネル分析(ウェブサイト内の行動フロー)とHubSpotのライフサイクルステージ(リード→MQL→SQL→商談→顧客)を組み合わせることで、マーケティングファネルの全体像を見渡せます。


設定方法

ステップ1: HubSpotトラッキングコードの確認

HubSpotは独自のトラッキングコードを持っています。HubSpotのCMS(Content Hub)を使っている場合は自動的に埋め込まれますが、WordPressなど外部CMSを使っている場合は手動での設置が必要です。

  1. HubSpot設定画面(歯車マーク)→「トラッキングとアナリティクス」→「トラッキングコード」
  2. トラッキングコードをコピーして、ウェブサイトの全ページのタグ直前に設置

WordPressの場合、プラグインで埋め込む方法もありますが、GTM(Googleタグマネージャー)経由での設置の方が管理しやすいです。

ステップ2: GA4の測定IDをHubSpotに接続

  1. GA4の管理画面で測定ID(G-XXXXXXXXXX)を確認
  2. HubSpot設定画面→「トラッキングとアナリティクス」→「トラッキングコード」
  3. 「Google Analytics統合」セクションでGA4の測定IDを入力

これにより、HubSpotのフォーム送信やCTAクリックなどのイベントがGA4にも送信されるようになります。

ステップ3: UTMパラメータの設計

GA4とHubSpotの両方で一貫したUTMパラメータ設計が重要です。

パラメータ設計例用途
utm_sourcegoogle / facebook / linkedin流入元の媒体
utm_mediumcpc / organic / email / socialチャネル種別
utm_campaignspring2025 / webinar-crmキャンペーン名
utm_contentbanner-a / text-linkクリエイティブの識別
utm_termhubspot-crm / crm-comparisonキーワード(検索広告用)

命名規則を統一しないと「google」「Google」「GOOGLE」が別チャネルとして集計されてしまうので、ルールを決めて社内で共有しましょう。HubSpotの「トラッキングURL作成ツール」を使えば、統一的なUTMパラメータ付きURLを簡単に生成できます。

ステップ4: HubSpotのアトリビューションレポートを設定

  1. HubSpotのレポート機能→「アトリビューションレポート」を選択
  2. アトリビューションモデルを選択(ファーストタッチ / ラストタッチ / マルチタッチ等)
  3. 分析対象の期間とチャネルを設定
  4. コンタクト作成・取引作成・収益のいずれをコンバージョンとするか選択

アトリビューション分析の設計

アトリビューションモデルの選び方

モデル特徴適する場面
ファーストタッチ最初の接点に100%の貢献を帰属認知獲得施策の評価
ラストタッチ最後の接点に100%の貢献を帰属直接的な受注貢献の評価
線形全接点に均等配分複数チャネルの全体評価
U字型最初と最後の接点に多く配分認知+コンバージョンの両方を重視

どのモデルが正解ということはなく、自社のマーケティング戦略に合わせて選択するのが重要です。まずは複数のモデルでレポートを作成し、それぞれの結果を比較してみることをおすすめします。

CRMデータとの突合で見える「本当のROI」

GA4だけでは「コンバージョン件数」で評価が止まりますが、HubSpotのCRMデータと組み合わせることで、チャネルごとの「受注金額」「LTV」まで追跡できます。

例えば以下のような分析が可能です。

  • Google広告: CPA 15,000円、リード100件、商談化10件、受注3件、受注金額900万
  • SEO: CPA 0円(コンテンツ制作費は別途)、リード50件、商談化8件、受注5件、受注金額1,500万

こうした分析ができると、「リード単価は高いがLTVで見ると元が取れる施策」と「リード単価は安いが受注につながらない施策」を識別でき、予算配分の判断がデータドリブンに行えます。


活用事例

BtoB SaaS企業

ウェブサイトへの流入チャネル(Google広告、SEO、SNS、メール)ごとのROIをHubSpotのアトリビューションレポートで可視化。SEO経由のリードが最も受注率が高いことが判明し、コンテンツマーケティングへの投資を倍増。6か月後にSEO経由の受注金額が3倍に成長。

製造業(展示会+デジタルのハイブリッド)

展示会で獲得したリードのウェブサイト行動をGA4で追跡し、HubSpotのライフサイクルステージと紐づけて分析。展示会後にウェブサイトを3回以上訪問したリードの商談化率が通常の4倍であることを発見し、展示会後のリターゲティング施策を強化。


注意点と限界

Cookieの制限に注意

ブラウザのCookie規制(Safari ITPなど)により、GA4のトラッキング精度が低下する傾向にあります。特にiOS/Safariユーザーの行動データは欠損しやすいため、GA4のデータだけでアトリビューションを完結させるのは限界があります。HubSpotのフォーム送信やメール開封などの1stパーティデータと組み合わせて評価するのが現実的です。

データの「ズレ」は避けられない

GA4とHubSpotでは計測ロジックが異なるため、数値が完全に一致することはありません。例えば、セッション数の定義やコンバージョンのカウント方法が異なります。両方のデータを参照しつつも、「どちらか一方を正とする」ルールを決めておくことが重要です。

設定ミスによるデータ汚染

UTMパラメータの命名ルールが統一されていない、トラッキングコードが一部ページに設置されていない、フィルター設定で自社アクセスを除外していない——こうした設定ミスは分析データの信頼性を著しく損ないます。導入時に一度しっかり設計し、定期的にデータの整合性を確認しましょう。


まとめ

HubSpotとGA4の連携により、ウェブサイトのトラフィックデータとCRMの顧客データを紐づけ、マーケティングアトリビューションを正確に計測できるようになります。

まずはトラッキングコードの設置とUTMパラメータの設計から始めて、段階的にアトリビューションレポートの構築へ進めましょう。CRMにデータが蓄積されるほど、チャネルごとのROI分析が精緻になり、マーケティング投資の最適化が実現できます。


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よくある質問(FAQ)

Q1. HubSpotのトラッキングコードとGA4のタグは両方必要ですか?

はい、両方設置することをおすすめします。HubSpotのトラッキングコードはCRMとの連携(コンタクトの行動追跡)に必要で、GA4のタグはウェブサイト全体のトラフィック分析に必要です。GTMで一元管理すると運用がスムーズです。

Q2. GA4のイベントデータをHubSpotに直接取り込めますか?

直接的なネイティブ連携では、GA4のイベントデータをリアルタイムにHubSpotに取り込む機能は限定的です。より詳細なデータ連携が必要な場合は、Zapierなどの連携ツールやGoogle BigQueryを経由したデータパイプラインの構築が選択肢になります。

Q3. アトリビューションレポートはどのプランで使えますか?

マルチタッチアトリビューションレポートはMarketing Hub Professional以上のプランで利用可能です。Starterプランでは基本的なトラフィック分析のみ対応しています。

Q4. UTMパラメータの設計テンプレートはありますか?

HubSpotには「トラッキングURL作成ツール」が内蔵されており、統一的なUTMパラメータ付きURLを簡単に生成できます。社内のUTM命名規則をスプレッドシートでまとめ、全員が同じルールでURLを発行する運用にすると、データの一貫性が保てます。

Q5. GA4以外のアナリティクスツール(Adobe Analytics等)との連携は?

HubSpotはGA4以外にも、Adobe AnalyticsやMixpanelなどのツールとGTM経由で連携可能です。ただし、ネイティブ連携の手厚さではGA4が最も充実しているため、特別な理由がなければGA4との連携を第一選択にするのがよいかなと思います。

この記事は2025年3月時点の情報に基づいています。HubSpotの機能は定期的にアップデートされるため、最新情報はHubSpot公式サイトでご確認ください。

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著者情報

7-1

今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。