CRM料金の相場と費用対効果|主要6ツールの価格体系を徹底比較【2026年版】

  • 2026年2月24日

ブログ目次


「CRMの導入を検討しているが、月額費用がツールによって全然違ってよくわからない」

「初期費用は安いのに、運用を始めたら想定外のコストが次々と発生した」

「結局、CRMのトータルコストはいくらかかるのか、稟議に必要な数字が出せない」

——CRM導入を検討する際、料金体系の複雑さに戸惑う担当者は少なくありません。

CRMの料金相場は、無料プランから月額数十万円まで非常に幅広く、単純な月額比較だけでは本当のコストは見えてきません。日本のCRM市場は2024年時点で約4,190億円規模に成長しており、多くの企業がCRM導入を進めていますが、「想定外のコスト増」で予算超過するケースも後を絶ちません。

本記事では、主要6ツール(HubSpot、Salesforce、Zoho CRM、kintone、eセールスマネージャー、Mazrica Sales)のCRM料金を、月額費用だけでなくTCO(総保有コスト)の観点で徹底比較します。隠れコストを含めた実質的なCRM費用を可視化し、経営層への稟議に使える判断材料を提供します。

この記事でわかること

  • CRM料金の相場感と価格帯別の特徴(2026年最新版)
  • 主要6ツールの月額費用・初期費用・オプション費用の詳細比較
  • 見落としがちな「隠れコスト」5つとその対策
  • TCO(総保有コスト)で比較する正しいCRM費用の算出方法
  • 企業規模別のCRM価格比較シミュレーション
  • 費用対効果(ROI)を最大化するためのプラン選定の考え方

CRM料金の全体像:価格帯別の特徴

CRMの料金体系は大きく4つの価格帯に分類できます。自社の規模と要件に合った価格帯を把握することが、CRM費用の最適化の第一歩です。

4つの価格帯と代表的なツール

価格帯 月額/ユーザー 特徴 代表的なツール
無料〜フリーミアム 0円〜 機能制限あり、小規模チーム向け HubSpot無料プラン、Zoho CRM無料版
エントリー 1,000〜3,000円 基本的なCRM機能、中小企業向け HubSpot Starter、Zoho CRM Standard
ミドル 3,000〜15,000円 自動化・レポート強化、成長企業向け Mazrica Sales、eセールスマネージャー
エンタープライズ 15,000〜50,000円以上 高度なカスタマイズ、大企業向け Salesforce Enterprise、HubSpot Enterprise

料金モデルの種類

CRMの課金モデルは主に以下の3パターンがあります。

  • ユーザー課金型: 1ユーザーあたりの月額が発生(Salesforce、Zoho CRMなど)
  • シート課金型: 有償シートの数に応じた課金。閲覧のみは無料の場合もある(HubSpotなど)
  • プラットフォーム課金型: ユーザー数に関わらず一定額(kintoneなど、ただし上限あり)

CRM価格比較をする際は、この課金モデルの違いを理解しておかないと、正確なコスト試算ができません。

主要6ツールのCRM料金比較【2026年版】

各ツールの基本料金一覧

以下は、2026年2月時点の公開情報に基づく主要6ツールの料金比較です。最新の正確な価格は各社の公式サイトをご確認ください。

ツール名 無料プラン エントリー ミドル 上位プラン 課金単位
HubSpot あり(機能制限) 約1,800円/月〜 約10,800円/月/シート〜 約18,000円/月/シート〜 シート単位
Salesforce なし(30日間無料トライアル) 約3,000円/月/ユーザー〜 約9,600円/月/ユーザー〜 約19,800円/月/ユーザー〜 ユーザー単位
Zoho CRM あり(3ユーザーまで) 約1,680円/月/ユーザー〜 約2,760円/月/ユーザー〜 約5,040円/月/ユーザー〜 ユーザー単位
kintone なし(30日間無料トライアル) 約1,000円/月/ユーザー〜 約1,800円/月/ユーザー〜 ユーザー単位(5名〜)
eセールスマネージャー なし 約3,500円/月/ユーザー〜 約6,000円/月/ユーザー〜 約11,000円/月/ユーザー〜 ユーザー単位
Mazrica Sales なし(無料トライアルあり) 約5,500円/月/ユーザー〜(5名〜) 約11,000円/月/ユーザー〜 ユーザー単位

※上記は税抜の概算です。プランの改定や為替変動(海外ツール)により変動する可能性があります。

各ツールの特徴と料金のポイント

HubSpot:

CRM基盤は無料で利用可能。Marketing Hub、Sales Hub、Service Hubなど機能別のHub単位で課金されるシート型モデル。無料プランでも基本的な顧客管理は可能だが、自動化やレポートの高度な機能を使う場合はProfessional以上が必要。

Salesforce:

世界シェアNo.1のCRM。機能の豊富さとカスタマイズ性が強み。ただし、初期設定の複雑さと導入支援コストが高くなりやすい点に注意。ユーザー数が増えるとCRM費用が線形的に増加する。

Zoho CRM:

コストパフォーマンスが高く、月額単価が比較的安い。Zoho One(40以上のアプリがセット)にすると、1ユーザーあたりの単価はさらに下がる。日本語対応やサポート体制は年々改善中。

kintone:

サイボウズが提供するノーコード業務アプリ構築プラットフォーム。CRM専用ツールではないため、顧客管理アプリを自分で構築する必要がある。自由度は高いが、CRMとしての設計力が問われる。

eセールスマネージャー:

日本発のSFA/CRM。日本の営業スタイル(名刺管理、日報、稟議文化)に最適化された設計が強み。国産ツールならではの手厚い導入支援が特徴。

Mazrica Sales:

AIを活用した営業支援が特徴のSFA/CRM。案件のリスク分析や次のアクション提案など、データドリブンな営業支援機能が充実。

見落としがちなCRMの「隠れコスト」5選

CRM料金の相場を理解する上で最も重要なのが、月額費用以外に発生する「隠れコスト」の把握です。この隠れコストが、CRM費用の総額を2〜3倍に膨らませるケースもあります。

隠れコスト1: 初期導入支援・コンサルティング費用

規模 導入支援費用の目安 内容
小規模(10名以下) 30〜100万円 初期設定、データ移行、基本トレーニング
中規模(10〜50名) 100〜300万円 業務フロー設計、カスタマイズ、段階的トレーニング
大規模(50名以上) 300〜1,000万円以上 要件定義、大規模カスタマイズ、システム連携、チェンジマネジメント

特にSalesforceのように高度なカスタマイズが可能なツールほど、導入支援費用が高額になる傾向があります。

隠れコスト2: カスタマイズ・開発費用

標準機能で対応できない業務要件がある場合、追加のカスタマイズ開発が必要になります。API連携、独自帳票の作成、外部システムとのデータ連携など、個別開発は1件あたり数十万〜数百万円のコストが発生します。

隠れコスト3: データ移行・クレンジング費用

既存のExcelや旧CRMからのデータ移行は、想像以上に手間がかかります。データの重複排除、フォーマット統一、欠損データの補完など、データクレンジングには専門的な作業が必要です。

隠れコスト4: トレーニング・教育費用

初回のトレーニングだけでなく、新入社員への教育、機能アップデート時の再トレーニング、マニュアル作成・更新なども継続的に発生するコストです。

隠れコスト5: 連携ツール・アドオンの追加費用

メール配信ツール、名刺管理アプリ、BIツールなど、CRM単体ではカバーできない機能を補完するための外部ツール費用も考慮が必要です。

TCO(総保有コスト)で比較するCRM費用の正しい算出法

TCO計算フォーミュラ

CRM費用を正しく比較するためには、以下のTCO計算式を使います。

3年間TCO = (月額費用 x ユーザー数 x 36ヶ月) + 初期導入費用 + カスタマイズ費用 + データ移行費用 + トレーニング費用 + 連携ツール費用 + 運用保守費用

企業規模別シミュレーション(10名利用・3年間)

コスト項目 HubSpot(Professional) Salesforce(Enterprise) Zoho CRM(Professional)
月額費用(3年) 約389万円 約713万円 約99万円
初期導入支援 約100万円 約200万円 約50万円
カスタマイズ 約50万円 約150万円 約30万円
データ移行 約30万円 約50万円 約20万円
トレーニング 約30万円 約50万円 約20万円
3年間TCO合計 約599万円 約1,163万円 約219万円
月額換算/ユーザー 約16,600円 約32,300円 約6,100円

※上記は概算シミュレーションであり、実際の費用はプラン構成や要件により大きく異なります。

このように、月額のCRM料金だけでなくTCOで比較すると、ツール間の実質的なコスト差がより明確になります。

費用対効果(ROI)を最大化するプラン選定の考え方

CRM価格比較で最も重要なのは「安さ」ではなく「投資対効果」です。以下のフレームワークでプラン選定を行いましょう。

ROI算出の基本式

CRMのROI = (CRM導入後の売上増加額 + コスト削減額 - CRM総費用) / CRM総費用 x 100

ROI算出に使える具体的な指標

効果項目 算出方法の例 改善目安
成約率の向上 案件数 x 成約率改善幅 x 平均単価 5〜15%向上
営業リードタイム短縮 短縮日数 x 案件回転率向上 x 平均単価 10〜20%短縮
データ入力・報告業務削減 削減時間 x 人件費単価 x 対象人数 週2〜5時間/人
顧客離反率の低下 離反防止顧客数 x 年間LTV 5〜10%改善

予算別おすすめプラン選定ガイド

年間予算 おすすめの方向性 検討すべきツール
〜50万円 無料プラン+最小限の有償機能 HubSpot無料、Zoho CRM無料〜Standard
50〜200万円 エントリー〜ミドルプラン HubSpot Starter〜Professional、Zoho CRM Professional、kintone
200〜500万円 ミドル〜上位プラン(フル機能活用) HubSpot Professional、Salesforce Professional、Mazrica Sales
500万円以上 エンタープライズ+導入支援 Salesforce Enterprise、HubSpot Enterprise

CRM導入コストを抑える5つの実践テクニック

テクニック1: 無料プランからスモールスタート

HubSpotやZoho CRMは、無料プランでも基本的な顧客管理が可能です。まずは無料で試し、必要な機能が明確になってから有償プランにアップグレードすることで、不要な機能への投資を避けられます。

テクニック2: 年払いで月額コストを削減

多くのCRMツールでは、月払いと年払いで10〜20%の価格差があります。導入が確定しているなら、年払いを選択することでCRM費用を抑えられます。

テクニック3: 有償ユーザー数の最適化

全社員に有償ライセンスが必要かどうかを見直しましょう。閲覧のみのユーザーは無料シート(HubSpotの場合)で対応できるケースも多いです。

テクニック4: 段階的な機能導入

最初からすべてのHub・モジュールを契約するのではなく、まずはCRM+SFA(Sales Hub)から始め、成果が出てからMA(Marketing Hub)を追加するという段階的なアプローチが有効です。

テクニック5: IT導入補助金の活用

2026年に「デジタル化・AI導入補助金」としてリブランドされたIT導入補助金を活用すれば、CRM導入費用の最大1/2〜3/4の補助を受けられる可能性があります。対象ツールや申請条件の確認は必須です。

まとめ

CRM料金の相場を正しく理解するためには、月額費用だけでなくTCO(総保有コスト)の視点が不可欠です。

  • CRM費用は無料〜月額数万円/ユーザーまで幅広く、課金モデル(ユーザー課金・シート課金・プラットフォーム課金)の理解が前提
  • 主要6ツールのCRM価格比較では、月額単価だけでなく初期導入費用や隠れコストの差が大きい
  • 隠れコスト(導入支援、カスタマイズ、データ移行、トレーニング、連携ツール)がTCOを2〜3倍にする可能性がある
  • ROI(投資対効果)を算出し、「安いかどうか」ではなく「投資として回収できるか」で判断する
  • 無料プランからのスモールスタート、段階的導入、補助金活用でコストを最適化する

CRM導入は単なる費用ではなく「投資」です。本記事のTCO計算とROI算出フレームワークを活用し、自社にとって最適なCRM選定を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. CRMの月額費用の相場はいくらですか?

CRM料金の相場は、1ユーザーあたり月額1,000〜20,000円程度が一般的な範囲です。無料プランがあるツール(HubSpot、Zoho CRM)もあります。ただし、月額費用だけで比較するのは危険で、初期導入費用や隠れコストを含めたTCOで判断することが重要です。

Q. 無料のCRMでも十分使えますか?

利用人数が5名以下で、基本的な顧客管理と案件管理ができれば十分という場合は、無料プランでもビジネスに活用できます。ただし、マーケティングオートメーション(MA)や高度なレポート機能、APIによるシステム連携などが必要になると、有償プランへのアップグレードが必要になります。

Q. CRMの導入費用を稟議で通すためのコツはありますか?

稟議を通すためのポイントは3つあります。(1) 現状の課題を定量化する(Excel管理による工数、対応漏れによる機会損失額など)、(2) TCOを3年間で算出し、月額換算で提示する、(3) ROIの試算を示す(成約率5%向上 x 年間商談100件 x 平均単価200万円 = 年間1,000万円の売上増加見込み、など)。数字で語ることが経営層を説得する最大のコツです。

Q. CRMの乗り換え(リプレイス)にはどれくらいのコストがかかりますか?

CRMの乗り換えコストは、データ移行費用(50〜200万円)、新CRMの初期設定(50〜150万円)、再トレーニング費用(30〜100万円)が目安です。加えて、移行期間中の二重運用コストや生産性低下も考慮する必要があります。そのため、最初のCRM選定を慎重に行い、リプレイスを避けることがCRM費用の最適化につながります。

Q. SFAとCRMは別々に費用がかかりますか?

多くの現代的なCRMツール(HubSpot、Salesforce、Mazrica Salesなど)は、CRM機能とSFA機能を統合して提供しています。別々のツールを導入すると二重コストが発生するだけでなく、データ連携の手間も増えます。CRMとSFAが一体型のツールを選ぶことで、トータルのCRM費用を抑えられるケースが多いです。

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著者情報

7-1

今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。