CRMダッシュボード設計の極意|経営・営業・マーケが見るべきKPIと構築パターン

  • 2026年2月24日

ブログ目次


「CRMを導入したのにダッシュボードを誰も見ていない」「レポートは作ったが、数字を見て何をすればいいのかわからないと営業から言われた」「経営会議で毎回『その数字の定義は?』という議論になり、CRMのレポートが信用されていない」「マーケ、営業、CSがそれぞれ独自のExcelダッシュボードを作っていて、全社の数字が一致しない」

CRMダッシュボードの設計は、CRM導入プロジェクトの中で最も見落とされやすく、同時に活用度に最も大きな影響を与える領域です。優れたダッシュボードは意思決定を加速させますが、設計が不適切なダッシュボードは「見ないレポート」として放置され、結局Excelに回帰してしまいます。

CRM ダッシュボード 設計の成功の鍵は、見る人(ペルソナ)によって表示するKPIと粒度を変えることにあります。経営層が見るべきKPIと、営業個人が毎日確認すべき指標はまったく異なります。本記事では、経営・営業・マーケ・CSの4つのペルソナ別にダッシュボードの設計テンプレートを提示し、KPIの選定基準からレイアウト設計、構築手順、運用の仕組みまでを体系的に解説します。

この記事でわかること

  • CRMダッシュボードが活用されない3つの構造的原因と対策
  • ペルソナ別ダッシュボード設計の考え方と4つのテンプレート
  • 経営層向けKPI(売上推移、パイプライン総額、Win Rate、CAC/LTV)の設計方法
  • 営業向けKPI(個人成績、商談進捗、活動量)の設計方法
  • マーケ向けKPI(リード獲得数、CVR、MQL数、施策別ROI)の設計方法
  • CS向けKPI(NPS、チャーンレート、ヘルススコア分布)の設計方法

CRMダッシュボードが活用されない3つの原因

ダッシュボード一覧(CRMダッシュボード画面の例:KPIダッシュボードとカスタムレポート)

CRMダッシュボード画面の例:KPIダッシュボードとカスタムレポート(出典:HubSpot)

原因1:ペルソナを考慮しない「全部盛り」設計

すべてのKPIを一つのダッシュボードに詰め込む「全部盛り」は、CRM ダッシュボード 設計で最もよくある失敗パターンです。

問題 具体的な症状
情報過多 20以上のグラフ・数値が並び、何を見ればいいかわからない
表示速度の低下 データ量が多すぎてダッシュボードの読み込みに時間がかかる
目的の不明確化 「このダッシュボードは誰のためのものか」が定義されていない

原因2:KPIの定義が曖昧

CRM KPI ダッシュボードの信頼性を損なう最大の原因は、KPIの定義が部門間で統一されていないことです。

よくある定義の不一致 影響
「リード」の定義がマーケと営業で異なる リード数の報告値が部門間で一致しない
「商談」のカウント基準が営業担当者ごとに異なる 商談数・Win Rateのレポートが正確でない
「売上」の計上タイミングが営業と経理で異なる 経営ダッシュボードの売上と会計の売上が一致しない

原因3:構築して終わり(運用設計がない)

ダッシュボードは構築した瞬間から陳腐化が始まります。KPIの追加・変更、データの増加、ビジネス環境の変化に対応するための運用設計がなければ、時間とともに「見ないダッシュボード」になります。

ダッシュボード設計の基本原則

原則1:1ダッシュボード=1ペルソナ

ダッシュボードはペルソナ(利用者)ごとに分割して設計します。1つのダッシュボードに複数ペルソナのKPIを混在させないことが基本です。

ペルソナ 閲覧頻度 意思決定の内容 KPIの粒度
経営層(CEO/CRO) 週次〜月次 戦略的判断、リソース配分 集約・マクロ
営業マネージャー 日次〜週次 チーム運営、パイプライン管理 チーム・個人
営業担当者 日次 自身の活動計画、優先順位付け 個人・ミクロ
マーケ責任者 週次〜月次 施策の最適化、予算配分 チャネル・施策
CS責任者 週次〜月次 解約リスク管理、顧客対応 顧客・セグメント

原則2:「見て→考えて→動く」の導線設計

優れたダッシュボードは、見た人が「次に何をすべきか」がわかる設計になっています。

設計要素 内容
見る(Awareness) 現在の状況を一目で把握できるサマリー指標を上部に配置
考える(Analysis) 要因分析に必要なブレイクダウン(推移、内訳、比較)を中部に配置
動く(Action) 具体的なアクションにつながるリスト・アラートを下部に配置

原則3:比較基準を必ず設ける

数値は比較基準がなければ評価できません。すべてのKPIに以下いずれかの比較基準を設定します。

比較基準 用途
目標値(ターゲット) 達成度の評価 月次売上目標に対する進捗率
前期比 トレンドの把握 前月比、前年同月比
平均値 相対評価 チーム平均との比較
ベンチマーク 業界水準との比較 業界平均Win Rateとの比較

テンプレート1:経営ダッシュボード

対象ペルソナと閲覧シーン

項目 内容
対象者 CEO、COO、CRO、経営企画
閲覧頻度 週次の経営会議、月次の経営レビュー
意思決定内容 戦略の方向性、リソース(人員・予算)の配分、四半期計画の修正
KPIの特徴 集約されたマクロ指標。詳細よりもトレンドと達成度を重視

経営ダッシュボードのKPI構成

上段:サマリー指標(ヘッダーKPI)

KPI 定義 表示形式 比較基準
売上(当月/当四半期) 受注済み売上の合計 数値+目標進捗バー 目標値、前年同期比
パイプライン総額 未受注商談の加重金額合計 数値 目標達成に必要な金額
Win Rate 受注件数 ÷ 商談件数 × 100 パーセンテージ 前月比、6ヶ月平均
平均営業サイクル 商談作成から受注までの平均日数 日数 前月比

中段:トレンド分析

KPI 定義 表示形式
売上推移 過去12ヶ月の月次売上推移 折れ線グラフ+目標ライン
パイプライン推移 過去12ヶ月のパイプライン総額推移 積み上げ棒グラフ(ステージ別)
CAC(顧客獲得コスト) 営業・マーケ費用 ÷ 新規顧客獲得数 折れ線グラフ(月次推移)
LTV / CAC比率 顧客生涯価値 ÷ 顧客獲得コスト 数値+推移グラフ(目安3.0以上)

下段:アクションにつながる情報

KPI 定義 表示形式
大型商談リスト 金額上位10件の商談一覧 テーブル(商談名、金額、ステージ、担当者、予定日)
リスク商談 停滞中または予定日超過の商談 テーブル+アラート表示
部門別の目標達成率 営業・マーケ・CSそれぞれの目標進捗 横棒グラフ

経営ダッシュボードの設計ポイント

ポイント 内容
数値の信頼性 経営会議で使う数値は、定義を明文化し、全部門で合意を得ておく
表示間隔 月次・四半期の集約値が中心。日次データは不要
ドリルダウン サマリーから詳細(部門別、営業担当別)に掘り下げられる設計にする
レイアウト グラフ数は10以内に抑える。1画面で全体が俯瞰できるサイズ

テンプレート2:営業レポート ダッシュボード

営業マネージャー向けダッシュボード

項目 内容
対象者 営業マネージャー、営業部長
閲覧頻度 日次(朝会)、週次(チーム定例)
意思決定内容 チームのパフォーマンス管理、リソース再配分、案件フォロー指示

営業マネージャー向けKPI構成:

セクション KPI 表示形式
サマリー チーム売上(目標比) 数値+進捗バー
サマリー 商談件数(新規/進行中/受注/失注) 数値4つ並列
サマリー 今月のWin Rate パーセンテージ(前月比)
パイプライン ステージ別商談分布 ファネルグラフまたは横棒グラフ
パイプライン 商談の滞留状況 ステージごとの平均滞留日数
個人成績 担当者別の売上・商談数・活動量 テーブル(ランキング形式)
個人成績 担当者別Win Rate 横棒グラフ
アクション 今週クローズ予定の商談 テーブル+予想金額
アクション フォロー漏れアラート 直近7日間活動なしの商談リスト

営業担当者向けダッシュボード

項目 内容
対象者 営業担当者(個人)
閲覧頻度 日次(毎朝の自己確認)
意思決定内容 今日の活動計画、優先すべき商談の判断

営業担当者向けKPI構成:

セクション KPI 表示形式
自分の成績 個人売上(目標比) 数値+進捗バー
自分の成績 個人の商談件数と金額 数値
自分の成績 個人のWin Rate パーセンテージ(チーム平均比)
商談進捗 自分の商談一覧(ステージ別) カンバンビューまたはテーブル
商談進捗 今週アクションが必要な商談 テーブル+次のステップ
活動量 今週の活動件数(架電、メール、商談) 数値+目標比
活動量 活動量の週次推移 折れ線グラフ

営業ダッシュボードの設計ポイント

ポイント 内容
アクション志向 「見るだけ」ではなく「次のアクション」が明確なダッシュボードにする
リアルタイム性 営業担当者向けはリアルタイム(または当日反映)のデータが必須
シンプルさ 営業担当者向けはグラフ数を5〜7に限定。情報を絞る
モバイル対応 外出の多い営業はスマートフォンでの閲覧を前提に設計

テンプレート3:マーケティングダッシュボード

カスタムレポート一覧(CRMダッシュボード画面の例:KPIダッシュボードとカスタムレポート)

CRMダッシュボード画面の例:KPIダッシュボードとカスタムレポート(出典:HubSpot)

対象ペルソナと閲覧シーン

項目 内容
対象者 CMO、マーケ部長、マーケ担当者
閲覧頻度 週次の施策レビュー、月次の成果報告
意思決定内容 施策の継続/停止、予算の再配分、チャネル戦略の最適化

マーケティングダッシュボードのKPI構成

上段:サマリー指標

KPI 定義 表示形式 比較基準
リード獲得数(当月) 新規リードの総数 数値+目標進捗バー 目標値、前月比
MQL数 Marketing Qualified Leadの数 数値 目標値、前月比
MQL→SQL転換率 SQLに転換されたMQLの割合 パーセンテージ 前月比、6ヶ月平均
リード獲得単価(CPL) マーケ費用 ÷ リード獲得数 金額 前月比、チャネル別

中段:チャネル・施策分析

KPI 定義 表示形式
チャネル別リード獲得数 オーガニック、広告、SNS、ウェビナー等のチャネル別内訳 横棒グラフまたは円グラフ
施策別CVR 各施策(LP、フォーム、CTA)のコンバージョン率 テーブル(CVR順ソート)
コンテンツ別パフォーマンス ブログ記事・ホワイトペーパー別のリード獲得数 テーブル(上位10件)
施策別ROI 各施策の投資金額と獲得売上(商談ベース) テーブル+棒グラフ

下段:ファネル分析とアクション

KPI 定義 表示形式
リード→MQL→SQL→商談→受注ファネル 各ステージの件数と転換率 ファネルグラフ
今月の施策カレンダー 予定されている施策の一覧 カレンダービュー
マーケ貢献売上 マーケ起点の商談から生じた受注金額 数値+推移グラフ

マーケティングダッシュボードの設計ポイント

ポイント 内容
施策別の効果測定 「何にいくら使って、いくら獲得したか」が施策単位で見える設計
ファネル全体の可視化 リード獲得だけでなく、商談化・受注までのファネル全体を追跡
アトリビューション マルチタッチのアトリビューション(最初の接点、最後の接点、加重配分)を考慮
営業へのフィードバック MQLの引き渡し後のフォロー率・転換率を可視化し、営業との連携を改善

テンプレート4:カスタマーサクセスダッシュボード

対象ペルソナと閲覧シーン

項目 内容
対象者 CS責任者、CSマネージャー、CS担当者
閲覧頻度 週次のチーム定例、月次の解約分析
意思決定内容 解約リスクへの対応、アップセル機会の特定、CS施策の最適化

CSダッシュボードのKPI構成

上段:サマリー指標

KPI 定義 表示形式 比較基準
NPS(Net Promoter Score) 顧客推奨度 数値+ゲージ 前回調査比、業界平均
チャーンレート 月次/四半期の解約率 パーセンテージ 前月比、目標値
NRR(Net Revenue Retention) 既存顧客の純収益維持率 パーセンテージ(100%超が目標) 前月比
ヘルススコア平均 全顧客のヘルススコアの平均値 数値+推移 前月比

中段:顧客分析

KPI 定義 表示形式
ヘルススコア分布 顧客を「Good/Neutral/At Risk」の3段階で分布表示 積み上げ棒グラフまたはドーナツグラフ
解約理由の内訳 解約した顧客の理由別集計 円グラフまたはパレート図
オンボーディング完了率 新規顧客のオンボーディング完了割合 パーセンテージ+推移
アップセル/クロスセル金額 既存顧客からの追加売上 数値+目標進捗バー

下段:アクションリスト

KPI 定義 表示形式
At Riskの顧客リスト ヘルススコアが低い顧客の一覧 テーブル(顧客名、スコア、契約更新日、最終接触日)
契約更新予定リスト 今月/来月に契約更新を迎える顧客 テーブル+更新までの日数
未完了オンボーディング オンボーディングが遅延している顧客 テーブル+経過日数

CSダッシュボードの設計ポイント

ポイント 内容
予防的アクション 「解約してから分析」ではなく「解約リスクを事前に検知」する設計
ヘルススコアの設計 プロダクト利用頻度、サポート問い合わせ数、NPSなどを複合的に評価
契約更新の先行管理 更新の3ヶ月前から準備できるよう、更新予定リストを先行表示
CS活動のROI CS施策(QBR、トレーニング等)と解約率・NRRの相関を可視化

ダッシュボード構築の手順

ステップ1:KPIの定義と合意形成

ダッシュボード構築の第一歩は、表示するKPIの定義を関係者間で合意することです。

定義すべき項目 具体的な内容
KPIの名称と計算式 「Win Rate = 受注件数 ÷ 商談件数 × 100」のように明文化
分子と分母の範囲 「商談件数」には何を含むか(テスト案件は除外か、等)
計測期間 月次、四半期、通年のどれか
データソース CRMのどのオブジェクト・プロパティから取得するか
目標値 各KPIの目標値とその根拠
更新頻度 リアルタイム、日次、週次のいずれか

ステップ2:データの準備と品質確認

ダッシュボードの信頼性は、元データの品質に直結します。構築前に以下を確認してください。

確認項目 チェック内容
データの完全性 必須項目(金額、ステージ、担当者等)の入力率は十分か
データの正確性 商談ステージの定義が遵守されているか。古い商談が放置されていないか
データの一貫性 命名規則が統一されているか。表記揺れがないか
データ量 有意な分析に十分なデータ量があるか(最低3ヶ月分を推奨)

ステップ3:レイアウト設計

ペルソナの閲覧シーンと意思決定内容に基づき、レイアウトを設計します。

設計原則 具体的な実装
上から下への優先順位 最も重要なサマリー指標を最上部に配置
左から右への流れ 結果指標を左、原因指標を右に配置
グラフ数の制限 1ダッシュボードあたり7〜12グラフが上限目安
色の統一 良い状態=緑、注意=黄、警告=赤の3色を統一使用
余白の確保 グラフ間に十分な余白を設け、視認性を確保

ステップ4:構築とレビュー

CRMのレポート・ダッシュボード機能を使い、設計どおりに構築します。構築後、対象ペルソナに実際に使ってもらい、フィードバックを反映します。

ステップ5:運用ルールの策定

運用項目 内容
レビュー頻度 四半期ごとにダッシュボードの有効性をレビュー
KPIの見直し 事業フェーズの変化に応じてKPIを追加/削除/修正
データ品質の維持 月次のデータ監査と連動し、ダッシュボードの元データを確認
アクセス権限 ペルソナごとに閲覧権限を設定し、必要な人が必要なダッシュボードを見られるようにする
トレーニング 新メンバーへのダッシュボード利用方法の教育を定型化

ダッシュボード活用を定着させる仕組み

会議体との連動

ダッシュボードを「見る仕組み」として組織に定着させるために、既存の会議体と連動させます。

会議 使用ダッシュボード 使い方
経営会議(月次) 経営ダッシュボード 売上進捗・パイプラインの報告をダッシュボードで行う
営業マネージャー定例(週次) 営業マネージャー向け チームの成績・パイプラインレビューに使用
営業朝会(日次) 営業担当者向け 各自の当日の活動計画を確認
マーケ定例(週次) マーケティングダッシュボード 施策の進捗・リード獲得状況をレビュー
CS定例(週次) CSダッシュボード At Risk顧客のフォロー状況を確認

ダッシュボードの「使われない」兆候と対策

兆候 原因 対策
アクセス頻度が低下 KPIが業務と直結していない ペルソナへのヒアリングを行い、KPIを見直す
会議でExcelが使われる ダッシュボードにない指標が必要 必要な指標をダッシュボードに追加する
数字の信頼性を疑問視 データ品質の問題 データクレンジングを実施し、KPIの定義を再周知
「見方がわからない」 トレーニング不足 部門ごとの使い方研修を実施

まとめ

CRM ダッシュボード 設計の成功は、ツールの機能ではなく、「誰が・何のために・どのKPIを見て・何を判断するか」の設計にかかっています。

本記事の要点を振り返ります。

  • 1ダッシュボード=1ペルソナを原則とし、経営・営業・マーケ・CSの4つのダッシュボードを分離して設計する
  • 経営ダッシュボードは売上推移、パイプライン総額、Win Rate、CAC/LTVをマクロ視点で俯瞰する設計
  • 営業レポート 設計は、マネージャー向け(チーム管理)と担当者向け(個人の活動計画)を分離する
  • マーケダッシュボードはリード獲得からMQL→SQL→商談→受注までのファネル全体を追跡する設計
  • CSダッシュボードはヘルススコア分布、チャーンレート、契約更新予定を中心に「予防的アクション」を促す設計
  • KPIの定義を関係者間で合意し、ダッシュボードの数値を「全社の共通言語」にすることが最重要
  • 会議体との連動によりダッシュボードの閲覧を業務プロセスに組み込み、定着化を図る

ダッシュボードは構築がゴールではなく、活用され続けてはじめて価値が生まれます。まずはペルソナの特定とKPIの定義合意から着手し、小さく始めて段階的に拡張していくアプローチを推奨します。

なお、HubSpotにはカスタムダッシュボード機能が標準搭載されており、ドラッグ&ドロップでレポートの配置やフィルタリングが可能です。CRM KPI ダッシュボードの構築手順については、HubSpotのレポート・ダッシュボード機能も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. CRMダッシュボードに表示するKPIは何個が適切ですか?

A. 1つのダッシュボードに表示するKPIは7〜12個が目安です。心理学の「マジカルナンバー7±2」の原則に基づき、人間が一度に認知できる情報量を超えない設計にすることが重要です。サマリー指標を3〜4個、分析指標を3〜5個、アクション指標を2〜3個の構成がバランスの良い配分です。これを超える場合は、ダッシュボードを分割するか、タブで切り替える設計にしてください。

Q. ダッシュボードの更新頻度はどのくらいが適切ですか?

A. ペルソナと意思決定の緊急度によって異なります。営業担当者向けはリアルタイムまたは日次更新が必要です。営業マネージャー・マーケ向けは日次〜週次、経営ダッシュボードは週次〜月次で十分です。すべてをリアルタイム更新にすると、CRMのパフォーマンスに影響する場合があるため、ペルソナごとの閲覧頻度に合わせた更新頻度の設計を推奨します。

Q. ダッシュボードを経営会議で使いたいのですが、信頼性を確保するにはどうすればよいですか?

A. 3つの施策が有効です。(1) KPIの定義と計算式を全関係者で合意し、文書化する(「売上」「商談件数」等の定義を明文化)。(2) ダッシュボードの元データとなるCRMのデータ品質を維持する(定期的なデータクレンジングの実施)。(3) 経営会議で初めてダッシュボードを使う前に、経理や営業企画の数値と突合し、乖離がないことを確認する。信頼性は一朝一夕では確立できないため、数回の会議を通じて徐々に定着させていくアプローチが現実的です。

Q. ExcelのダッシュボードからCRMダッシュボードへの移行はどう進めればよいですか?

A. 一気に切り替えるのではなく、段階的に移行することを推奨します。まず、Excelで管理しているKPIのうち、CRMのデータだけで算出可能なものを特定し、CRMダッシュボードに再現します。次に、2〜4週間の並行運用期間を設け、CRMダッシュボードの数値がExcelと一致することを確認します。一致が確認できたら、Excelの更新を停止し、CRMダッシュボードに一本化します。

Q. 複数のCRM/SFAツールを使っている場合、ダッシュボードはどうすればよいですか?

A. 複数ツールにまたがるデータを一元的に可視化するには、BIツール(Tableau、Power BI、Looker Studio等)をダッシュボードレイヤーとして活用するアプローチが有効です。各CRM/SFAのデータをBIツールに集約し、統一されたダッシュボードを構築します。ただし、長期的にはCRM/SFAの統合自体を検討し、データソースを一本化するのが理想的です。

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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。