Cookie規制でBtoBマーケティングはどう変わる?対策と代替手法を解説

  • 2026年3月3日

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Webマーケティングの基盤技術であったサードパーティCookieが、プライバシー規制の強化とブラウザベンダーの方針転換により、急速に利用できなくなりつつあります。Safari、Firefoxでは既にサードパーティCookieがブロックされ、世界最大シェアのChromeでも廃止の方針が示されています。

BtoBマーケティングにおいても、リターゲティング広告、アトリビューション計測、オーディエンスターゲティングなど、サードパーティCookieに依存してきた施策の見直しが不可欠です。しかし、多くの企業がまだ具体的な対策に着手できていないのが現状です。

本記事では、Cookie規制の現状整理から、BtoBマーケティングへの具体的な影響、そして5つの対策と代替手法を実践的に解説します。

この記事でわかること

  • Cookie規制の最新動向と今後のスケジュール
  • BtoBマーケティングへの影響と影響を受ける施策の一覧
  • 5つの対策と代替手法の具体的な実行方法
  • 対策の優先順位と導入ロードマップ
  • 先進企業の対応事例
  • HubSpotを活用したCookie規制対策

Cookie規制の現状

Cookie規制でBtoBマーケティングはどう変わる?対策と代替手法を解説

ブラウザ別の対応状況

ブラウザ シェア(日本) サードパーティCookie ファーストパーティCookie
Chrome 約50% 廃止方針 利用可能(ITP影響なし)
Safari 約25% 完全ブロック済 ITPにより7日間制限
Edge 約10% 段階的制限中 利用可能
Firefox 約5% 完全ブロック済(ETP) 利用可能
その他 約10% 各社で対応中 利用可能

主要な法規制

規制 地域 Cookie関連の要件
GDPR EU 明示的な同意なきCookie使用は違法
ePrivacy Directive EU Cookieバナーでの事前同意が必須
CCPA/CPRA 米国カリフォルニア オプトアウト権の保障
改正個人情報保護法 日本 Cookie情報を個人関連情報に位置づけ
電気通信事業法改正 日本 外部送信規律(通知・公表義務)

BtoBマーケティングへの具体的影響

影響を受ける主な施策

施策 影響度 影響の内容
リターゲティング広告 サードパーティCookieに依存しており、配信対象が大幅縮小
ルックアライク配信 類似オーディエンス構築の精度が低下
マルチタッチアトリビューション クロスサイトのタッチポイント追跡が困難
DMP経由のオーディエンスデータ サードパーティデータの品質・量が低下
コンバージョントラッキング ビュースルーCVの計測精度が低下
ABM広告配信 IPアドレスベースは影響少、Cookie依存部分は影響あり
MAのWebトラッキング 小〜中 ファーストパーティCookieベースだが、Safari ITPの影響あり

影響を受けにくい施策

一方で、以下の施策はCookie規制の影響を受けにくいため、今後の比重を高めるべきです。

  • メールマーケティング(配信先リスト=ファーストパーティデータ)
  • コンテンツSEO(オーガニック流入はCookie不要)
  • ウェビナー・イベント(登録データ=ゼロパーティデータ)
  • 営業活動(CRM内データに基づくアプローチ)

5つの対策と代替手法

対策1:ファーストパーティデータの強化

自社で直接取得するデータの収集・活用基盤を強化します。

強化のポイント:

  • CRMへのデータ入力率を向上(目標:90%以上)
  • Webサイトのトラッキングコードを自社ドメインで管理
  • ログインベースの識別(会員エリア、マイページの提供)
  • フォームからのデータ収集を最適化

チェックリスト:

  • CRMのデータ入力率を計測しているか
  • 自社Webサイトにファーストパーティトラッキングを導入しているか
  • 会員登録・ログイン機能を提供しているか
  • プログレッシブプロファイリングを実装しているか

対策2:ゼロパーティデータの収集

顧客が自発的に提供するデータを戦略的に収集します。詳細は「ゼロパーティデータとは?」の関連記事をご参照ください。

BtoBでの主な収集手段:

収集手段 取得できるデータ 活用方法
課題診断ツール 課題の優先度 セグメント別コンテンツ配信
メール受信設定 関心テーマ、配信頻度 パーソナライズメール
ウェビナー登録 業種、役職、検討段階 フォローアップの個別最適化
NPS・フィードバック 満足度、改善要望 カスタマーサクセス施策

対策3:コンテクスチュアルターゲティング

ユーザーの行動履歴(Cookie)ではなく、閲覧中のコンテンツの文脈に基づいて広告を表示する手法です。

メリット:

  • Cookie不要でプライバシーに配慮
  • コンテンツとの関連性が高く、自然な広告体験
  • ブランドセーフティの向上

BtoBでの活用例:

  • IT系メディアの「CRM」関連記事にCRMソリューション広告を表示
  • 経営系メディアの「DX」特集ページにDXコンサルティング広告を表示

対策4:サーバーサイドトラッキング

従来のクライアントサイド(ブラウザ上)でのトラッキングに代わり、サーバー側でデータを収集・処理する方式です。

項目 クライアントサイド サーバーサイド
データ収集 ブラウザ上のCookie サーバー経由
ブラウザ規制の影響 大きい 小さい
データ精度 低下傾向 安定
導入難度 中〜高
プライバシー管理 困難 一元管理可能

導入のポイント:

  • Google Tag Manager Server-Sideの活用
  • 自社ドメインでのデータ中継サーバー設置
  • プライバシーポリシーの更新

対策5:CRM活用による脱Cookie

最も本質的な対策は、CRMに蓄積されたファーストパーティ・ゼロパーティデータを中心にマーケティングを再構築することです。

CRM中心のマーケティングで実現できること:

  • メールアドレスベースのカスタマーマッチ広告
  • CRMデータに基づくABMリストの作成
  • 購買段階に応じたナーチャリングの自動化
  • 商談データに基づく広告最適化

対策の優先順位と導入ロードマップ

フェーズ 期間 対策 優先度
Phase 1 即時 CRMデータ入力率の向上 最高
Phase 1 即時 コンテンツSEO・メールの比重を拡大 最高
Phase 2 1〜3ヶ月 ゼロパーティデータ収集の仕組み構築
Phase 2 1〜3ヶ月 コンテクスチュアル広告のテスト
Phase 3 3〜6ヶ月 サーバーサイドトラッキングの導入
Phase 3 3〜6ヶ月 CRMデータ連携のABM広告へ移行

まとめ

Cookie規制はBtoBマーケティングにとって脅威であると同時に、データ戦略を見直し、より本質的なマーケティングへと進化するチャンスでもあります。サードパーティデータに依存した「借り物のデータ」から、ファーストパーティ・ゼロパーティデータによる「自社のデータ資産」への転換が求められています。

最優先で取り組むべきはCRMのデータ基盤の強化です。HubSpotのCRM+MAプラットフォームは、ファーストパーティデータの管理からメールマーケティング、コンテンツ管理、広告連携まで、Cookie規制後のマーケティングに必要な機能を統合的に提供しています。

Cookie規制への対応やデータ戦略の見直しについて、StartLinkが貴社の状況に合わせた最適なプランをご提案します。お気軽にご相談ください


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
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