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「Salesforceを導入したが、機能が多すぎて使いこなせない」
「ライセンスコストが年々上がり、中小企業の規模では投資対効果が合わなくなってきた」
——Salesforceは世界最大のCRMプラットフォームですが、中小企業にとっては必ずしも最適解ではないケースが少なくありません。
Salesforceが中小企業に合わないというのは、製品自体が悪いという意味ではありません。むしろ大企業向けの高度なカスタマイズ性・拡張性を持つがゆえに、中小企業にはオーバースペックになりやすいという構造的な問題があります。
本記事では、Salesforceが中小企業にフィットしにくい理由を率直に分析し、代替CRMを選ぶ際の判断基準を解説します。
この記事でわかること:
- Salesforceが中小企業に合わない具体的な理由
- 中小企業がCRM選定で重視すべき5つの基準
- 代替CRMの選択肢と比較
- 乗り換え時の注意点
Salesforceが中小企業に合わない5つの理由
理由1: コストが高い
Salesforceは全ユーザーに有料ライセンスが必要です。
| プラン | 月額/ユーザー(目安) |
|---|---|
| Essentials | 約3,000円 |
| Professional | 約9,600円 |
| Enterprise | 約19,800円 |
| Unlimited | 約39,600円 |
例えば10名でEnterprise(約19,800円/ユーザー)を利用すると月額約198,000円。さらにPardot(MA)を追加すると月額15万円以上が加算されます。
中小企業にとってこの規模の固定費は重く、年間240万〜400万円以上のCRM投資を正当化するだけのリターンを得られているか、冷静に検証する必要があります。
一方、HubSpotであればProfessionalプラン(約96,000円/月)でCRM+MA+SFA+レポートが含まれ、表示のみシート(経営層のレポート閲覧等)は無料です。法人のCRMでここまで安くて高機能というのはなかなかないかなと思っています。
理由2: 導入・運用に専門知識が必要
Salesforceの設定・カスタマイズには、Apex(プログラミング言語)やVisualforceなどの専門技術が必要になるケースがあります。中小企業では専任のSalesforce管理者を確保するのが難しく、外部コンサルタントに依頼するとさらにコストが膨らみます。
結果として、「導入したが設定が不十分で、結局Excelと併用している」という状態に陥りやすいです。
理由3: 機能過多によるUIの複雑さ
Salesforceは非常に多機能ですが、中小企業で使う機能はその一部です。よくあるSFAのあるあるで、全然使っていない項目が大量にあったり、ほぼ使っているのは一部だけ、という状況になりがちです。
項目が少ない方が営業は集中できます。中小企業の営業チームにとっては、必要な機能だけがシンプルに揃っているUIの方が定着率は上がります。
理由4: MAが別製品(別コスト)
Salesforceでマーケティングオートメーションを行うには、Pardot(Account Engagement)やMarketing Cloudを別途契約する必要があります。CRMとMAが別製品のため、契約コストも運用の手間も増えます。
HubSpotの場合、Professionalプラン1つでCRM+MA+SFA+レポートがすべて含まれており、マーケティングから営業まで一気通貫で管理できるのが大きな違いです。
理由5: 段階的なスケールが難しい
Salesforceは「まず小さく始めて段階的に拡張する」というアプローチが取りにくいです。最初からある程度の設計・カスタマイズが必要で、初期導入コストも高額になりがちです。
中小企業がCRMに求めるのは、「まず営業管理を始めて、軌道に乗ったらMAやレポートを追加する」というスモールスタート型のアプローチです。
中小企業がCRM選定で重視すべき5つの基準
基準1: トータルコスト
月額ライセンス費だけでなく、以下を含めたトータルコストで比較しましょう。
- ライセンス費(全ユーザー分)
- 導入・設計コスト(外部コンサルタント費用)
- MA・CMS等の追加ツール費用
- 運用・保守コスト(管理者の人件費含む)
基準2: 導入・定着の容易さ
専任管理者なしでも設定・運用できるか。営業チームが直感的に使えるUIか。学習コストは許容範囲か。
基準3: 機能の統合性
CRM、SFA、MA、CMS、レポートが1つのプラットフォームに統合されているか。ツールが分散するとデータの一元管理が崩れ、運用コストも増えます。
基準4: スケーラビリティ
無料 or 低コストのプランから始めて、事業成長に合わせて段階的に機能を追加できるか。
基準5: エコシステム・サポート
日本語のサポート、パートナー、コミュニティ、学習リソースが充実しているか。
代替CRM比較
| 項目 | HubSpot | Zoho CRM | kintone |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | あり(充実) | あり(3名まで) | なし |
| 最低月額 | 1,800円/シート | 約1,800円/ユーザー | 約1,500円/ユーザー |
| MA統合 | ○ 標準搭載 | △ 別製品(Zoho Marketing Hub) | × なし |
| SFA | ○ 本格的なパイプライン管理 | ○ パイプライン管理 | △ カスタマイズで対応 |
| CMS | ○ Content Hub | × | × |
| カスタマイズ性 | 中〜高 | 中 | 高(ノーコード) |
| 日本語サポート | ○ 日本法人あり | ○ 日本法人あり | ○ 国産 |
| 拡張性 | ○ 1,700以上のアプリ | ○ Zohoエコシステム | ○ プラグイン |
Microsoft Dynamics 365
Microsoft 365との統合に強みがあり、Outlookとの連携がネイティブです。大企業向けの機能が充実しており、Salesforceと同等以上の高度なカスタマイズが可能です。月額/ユーザーは8,750円〜。
Dynamics 365が向いている企業:
- Microsoft製品を全面的に使っている大企業
- ERPとの統合が必要な企業
- 高度なカスタマイズが必要な企業
Pipedrive
営業パイプライン管理に特化したシンプルなSFAです。直感的なUI、かんばんボード型のパイプライン表示が特徴で、営業チームの使いやすさに定評があります。月額$14.90〜。
Pipedriveが向いている企業:
- 営業パイプライン管理に集中したい企業
- シンプルで使いやすいSFAを求める小規模チーム
- MA機能が不要な企業
Salesforce vs HubSpot 詳細比較
| 比較項目 | Salesforce | HubSpot |
|---|---|---|
| UI/操作性 | 高機能だが複雑 | 直感的で学習コスト低い |
| 料金体系 | ユーザー課金(高額) | シート課金(比較的安価) |
| MA統合 | Pardot別契約(追加費用) | Marketing Hub標準搭載 |
| CMS | なし(外部CMS必要) | Content Hub搭載 |
| カスタマイズ | 非常に高度(要管理者) | 適度(非エンジニアでも可) |
| 無料プラン | なし(30日トライアル) | あり(永年無料) |
| AI機能 | Einstein AI | Breeze AI |
| API | 充実 | 充実 |
HubSpotが最有力な理由
中小企業のSalesforce代替として、HubSpotが最有力な選択肢になるのには理由があります。
- 無料プランから始められる: リスクゼロでCRMの基本機能を試せる
- CRM+MA+SFA+CMS統合: Salesforce+Pardot+外部CMS相当の機能が1つのプラットフォームに
- 直感的なUI: 専任管理者なしでも営業チームが使いこなせる
- 段階的スケール: Starter→Professional→Enterpriseと段階的にアップグレード可能
- Salesforceとの比較: HubSpotも最近進化がすごく、Salesforceと結構遜色ないぐらいの機能が構築できます
HubSpotのStarterプラン(月1,800円/シート)は、3名利用で月6,000円程度。Salesforceの同等機能と比較すると、コスト差は歴然です。
乗り換えの判断フレームワーク
ステップ1:現在の利用状況を棚卸し
- 使っている機能と使っていない機能を洗い出す
- 月間のログインユーザー数を確認
- カスタムオブジェクト・カスタムフィールドの数を把握
- 連携している外部ツールの一覧を作成
ステップ2:移行コストの試算
| コスト項目 | 内容 |
|---|---|
| データ移行 | CSV/APIでのデータ移行作業 |
| 再設定 | ワークフロー・レポートの再構築 |
| トレーニング | 新CRMの操作研修 |
| 一時的な生産性低下 | 慣れるまでの期間(1〜3ヶ月) |
| 新CRMのライセンス費用 | 月額/年額 |
ステップ3:「Salesforceに残る」選択肢も検討
乗り換えが必ずしも正解ではありません。Salesforceのプラン見直し(Enterprise → Professional)や、不要機能の削除で解決できるケースもあります。
Salesforceからの乗り換え時の注意点
データ移行
Salesforceのデータはデータローダーやレポート機能でエクスポートできます。HubSpotへのインポートはExcel/CSV形式で行え、コンタクト・会社・取引の基本データは問題なく移行できます。
注意点として、Salesforceのカスタムオブジェクトのデータはそのままインポートできないため、HubSpot側でカスタムオブジェクト(Enterpriseプラン)を作成するか、既存のオブジェクトにマッピングする必要があります。
ワークフロー・プロセスの再構築
SalesforceのProcess BuilderやFlowで構築した自動化は、HubSpotのワークフローで再構築します。この機会にフローを見直し、本当に必要な自動化だけを再構築するのがおすすめです。
チームへの説明
Salesforceから別のCRMへの乗り換えに抵抗感を持つメンバーもいるかもしれません。乗り換えの理由(コスト削減、運用効率化、機能統合等)を明確に伝え、新CRMのメリットを実感できるデモやハンズオンを実施しましょう。
HubSpotへの移行パスとして、「まずStarterから始めてSalesforceと並行運用し、問題なければ完全移行する」というアプローチが安全です。
「セールスフォースとか本当にガチガチに固めていきたいっていうご意向がある場合は逆にHubSpotのスターターからセールスフォースに移行するみたいなこともできたりする」——HubSpotからSalesforceへの逆方向の移行パスも確保されているため、リスクを最小化した移行が可能です。
データ移行の基本ステップ
- データの棚卸し: 移行するデータと破棄するデータを選別
- データクレンジング: 重複排除、名寄せ、フォーマット統一
- テスト移行: サンプルデータで移行テスト
- 本番移行: 全データの移行実施
- 検証: データの整合性チェック
- 並行運用: 新旧CRMの並行運用期間を設ける
よくある移行の落とし穴
- カスタムオブジェクトのマッピング不備: Salesforceのカスタムオブジェクトが移行先CRMに対応するかを事前確認
- ワークフロー・プロセスビルダーの再構築漏れ: 自動化設定は手動での再構築が必要
- レポート・ダッシュボードの喪失: 既存レポートは移行できないため、新環境で再作成
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まとめ
Salesforceは優れたCRMプラットフォームですが、中小企業にとっては「コスト」「運用の複雑さ」「機能過多」「MA別売り」「スモールスタートの難しさ」が障壁になりやすいのが現実です。
中小企業に最適なCRMは、「必要十分な機能が統合されていて」「低コストで始められて」「段階的にスケールできる」ツールです。
HubSpotはこの条件をすべて満たすプラットフォームとして、Salesforceからの乗り換え先として最有力です。まずは無料プランでHubSpotを試してみて、自社の業務フローに合うか確認するところから始めてみてください。
HubSpotの導入・活用についてお気軽にご相談ください
StartLinkでは、HubSpotの導入設計から運用定着まで、企業様の状況に合わせた支援を行っています。
「自社に合ったCRMの選び方がわからない」「HubSpotを導入したが活用しきれていない」——そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. SalesforceからHubSpotへの移行にはどのくらいの期間がかかりますか?
中小企業(〜50名)の場合、2〜3ヶ月が目安です。データ移行に2〜4週間、環境構築に2〜4週間、並行運用と定着に2〜4週間です。Salesforceのカスタマイズが複雑な場合はさらに期間を要します。
Q. Salesforceのカスタムオブジェクトのデータも移行できますか?
HubSpotのEnterpriseプランであればカスタムオブジェクトを作成でき、データ移行は可能です。Professional以下のプランの場合は、既存のオブジェクト(コンタクト・会社・取引等)にマッピングするか、メモとして情報を保持する方法が現実的です。
Q. HubSpotはSalesforceと比べて機能が劣りませんか?
HubSpotも近年大幅に機能が強化されており、中小企業が必要とする機能はほぼカバーしています。大企業向けの超高度なカスタマイズ(Apex開発等)が必要な場合はSalesforceの方が適しますが、中小企業の業務には十分すぎるほどの機能を備えています。
Q. SalesforceとHubSpotの並行運用は可能ですか?
可能です。HubSpotにはSalesforceとの連携コネクタがあり、データの双方向同期ができます。移行期間中はSalesforceを読み取り専用にし、HubSpotで実務を行う並行運用が現実的です。
Q. HubSpotの無料プランだけでSalesforceの代替になりますか?
基本的なCRM機能(コンタクト管理、パイプライン管理)は無料プランでも利用可能です。ただし、ワークフロー自動化やカスタムレポートが必要な場合はProfessionalプランが必要です。Salesforceの全機能を代替するにはProfessional以上のプランが推奨されます。
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著者情報
今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。