「営業担当者がフォローアップの電話を忘れて、せっかくのリードを失ってしまった」
「マネージャーが毎週タスクの進捗を手動で確認するのに時間がかかりすぎている」
——こうした問題は、タスク管理が属人的な運用に依存している組織で頻繁に発生します。
HubSpotのタスク機能は、営業活動の「やるべきこと」をCRM内で一元管理し、ワークフローによる自動作成・リマインド通知・タスクキューによる効率的な消化を実現します。手動のToDoリストやスプレッドシートでの管理と異なり、コンタクト・取引・会社のレコードと紐づいた状態でタスクが管理されるため、文脈のある行動がとれます。
この記事では、HubSpotのタスク機能の基本から、ワークフローによる自動化設計、タスクキューの活用法、チームの生産性を可視化するレポートまで、営業の抜け漏れを防ぐ具体的な方法を解説します。
この記事でわかること
本記事はStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。
HubSpotのタスクは、営業活動における「次のアクション」を管理するための機能です。3種類のタスクタイプが用意されています。
| タスクタイプ | アイコン | 用途 |
|---|---|---|
| To-Do(やること) | チェックマーク | 一般的な作業(資料送付、提案書作成など) |
| Call(電話) | 電話 | 架電タスク(フォローアップ、ヒアリングなど) |
| Email(メール) | メール | メール送信タスク(フォローメール、お礼メールなど) |
タスクは以下の場所から作成・管理できます。
| 機能 | 無料プラン | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 手動タスク作成 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
| タスクキュー | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
| ワークフローによるタスク自動作成 | 不可 | 不可 | 可能 | 可能 |
| シーケンスによるタスク自動作成 | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 |
| タスクの繰り返し設定 | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 |
| タスク完了レポート | 基本 | 基本 | 高度 | 高度 |
すべてのタスクを自動化する必要はありません。自動化の効果が高いのは、以下の条件を満たすタスクです。
#### パターン1: リード発生時の初回フォローアップ
トリガーはフォーム送信(資料請求フォーム)です。タスクタイプを「Call」に設定し、担当者をコンタクト担当者に、期限をフォーム送信から24時間後に、優先度を「高」に設定します。タスクメモには「資料DL済み。関心テーマ:(フォーム回答)」と自動挿入します。
#### パターン2: 取引ステージ変更時の次アクション
トリガーは取引ステージの「提案中」への変更です。タスクタイプを「Call」に設定し、期限をステージ変更から3営業日後に設定します。提案書の確認状況をヒアリングするためのタスクが自動作成されます。
#### パターン3: 既存顧客の定期チェックイン
トリガーは取引のクローズ日から90日経過です。アカウント担当者に「90日チェックイン」タスクが自動作成され、利用状況の確認と追加ニーズのヒアリングを促します。
#### パターン4: 不在時のリダイヤルリマインド
通話アクティビティの結果が「不在」の場合に、翌営業日のリダイヤルタスクを自動作成します。「時間帯を変えてリダイヤル」というメモを自動挿入し、リダイヤル忘れを防ぎます。
| 項目 | 推奨設定 | 理由 |
|---|---|---|
| タスク期限 | 具体的な日数(1日後、3日後) | 「なるべく早く」は曖昧で実行されない |
| 担当者 | レコード担当者に自動割当 | マネージャーが手動で割り当てる必要をなくす |
| 優先度 | トリガーの種類で自動判定 | フォーム送信=高、定期チェック=中 |
| タスクメモ | パーソナライゼーションを使用 | コンタクト名・会社名・過去の行動を自動挿入 |
タスク作成時に通知設定を有効にすることで、期限前にリマインド通知が送信されます。通知方法は以下の3つです。
タスクの種類に応じて、リマインドのタイミングを変えることが重要です。
期限を過ぎてもタスクが完了しない場合のエスカレーションは、ワークフローで実装できます。タスクの期日から2日経過しても未完了であれば、マネージャーに通知メールを自動送信し、同時にSlackチャンネルにも通知する仕組みを構築します。
最もシンプルな方式です。担当者がタスクを実行した後、HubSpot上で「完了」をクリックします。自由度が高い反面、完了操作を忘れるリスクがあります。
特定のアクティビティ(メール送信、通話記録、ミーティングの記録)が完了すると、関連タスクを自動的に完了済みにするパターンです。ワークフローで「アクティビティが記録されたらタスクのステータスを更新」というロジックを組みます。
取引のプロパティが特定の値に更新された場合(例:取引ステージが「契約締結」に変更された場合)にタスクを自動完了するパターンです。クロージング関連のタスクに適しています。
タスクキューは、同じ種類のタスクをまとめて連続的に処理するための機能です。営業担当者がコールブロック(集中架電の時間帯)を設定し、タスクキューに登録されたタスクを1件ずつ順番に処理していくことで、タスクの切り替えコストを削減し、生産性を向上させます。
| キュー名 | 含めるタスク | 実行タイミング |
|---|---|---|
| 朝一の重要架電 | 優先度「高」の電話タスク | 9:00〜10:00 |
| 午後のフォローアップ | 提案後のフォロー電話 | 14:00〜15:00 |
| メール処理 | フォローメール・お礼メール | 16:00〜17:00 |
| 週次チェックイン | 既存顧客への定期連絡 | 金曜 10:00〜11:00 |
| 指標 | 計算方法 | 目標値目安 | 改善アクション |
|---|---|---|---|
| タスク完了率 | 完了タスク数 ÷ 全タスク数 | 85%以上 | 未完了の原因を個別にヒアリング |
| 期限内完了率 | 期限内完了数 ÷ 全完了タスク数 | 90%以上 | 期限設定の見直し |
| 平均タスク消化時間 | 作成〜完了の平均日数 | 2日以内 | タスクキューの活用促進 |
| 担当者別タスク数 | 担当者ごとのオープンタスク数 | 20件以下 | 業務量の再配分 |
HubSpotのレポートビルダーで「タスク」をデータソースとして選択し、以下のレポートを作成します。
はい、HubSpotのStarter以上のプランでタスクの繰り返し設定が可能です。「毎週月曜日」「毎月1日」「隔週」など、定期的に発生するタスクを自動的に再作成できます。既存顧客の定期チェックインや、月次レポートの作成リマインドなどに便利です。
はい、タスクの担当者はいつでも変更可能です。タスクの詳細画面から「担当者」フィールドを編集し、新しい担当者を選択してください。ワークフローを使って、特定の条件(担当者が休暇中など)に基づいて自動的に再割り当てすることも可能です。
タスクキューは既存タスクを連続処理するための「実行支援ツール」、シーケンスはメール・タスク・LinkedInアクションを時系列で自動実行する「営業プロセスの自動化ツール」です。シーケンスは新規のアウトリーチやフォローアップの自動化に適し、タスクキューは日々の業務タスクの効率的な消化に適しています。
完了したタスクはHubSpotのCRM内に無期限で保持されます。コンタクト・取引のタイムラインにも記録されるため、過去のフォローアップ履歴をいつでも確認できます。レポートでは過去のタスクデータを使った期間比較分析も可能です。
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