

ブログ目次
こんにちは。株式会社StartLinkの今枝です。
お客様からのご質問やご相談、メールや電話、ウェブサイトの問い合わせフォーム、さらにはSNSやチャットなど、窓口がバラバラで対応漏れがあったり、進捗がわからなくなったり、なんてこと、ありませんか?
中小企業の皆さんだと、一人の担当者が複数の窓口を兼務しているケースも多いので、こうした「困った」は日常茶飯事だと思います。
今回ご紹介するHubSpotのService Hubは、そんな顧客対応の課題を根本から解決するための強力なツールです。単なるヘルプデスクツールではなく、顧客との関係を強固にし、ビジネス成長を後押しするための「顧客対応の司令塔」だと考えています。
この記事を読めば、Service Hubの全貌が理解でき、どうすれば自社の顧客対応を劇的に効率化できるのか、その具体的なヒントがきっと見つかると思いますよ。
顧客対応の「困った」を解決!Service Hubがもたらす変革
HubSpot Service Hubの最も重要な核となる機能は「チケット」です。このチケットという概念を理解することが、Service Hubを使いこなす第一歩になります。
メール、ウェブサイトの問い合わせフォーム、電話、チャット、メッセンジャーといった、あらゆるチャネルから入ってくるお客様からの問い合わせを、すべてチケットとして集約・管理する。これがService Hubの根本的な考え方です。この仕組みによって、何が起こるのでしょうか?
例えば、
- 今対応が必要な問い合わせが何件あるのか
- すでに完了した問い合わせが何件あるのか
が、一目で把握できるようになります。
バラバラだった問い合わせが、すべて一つの画面に集約されることで、対応の進捗状況がチーム全体で可視化され、致命的な「対応漏れ」を劇的に減らすことができるんです。
さらに、Service Hubの大きな強みは、HubSpotのCRMと深く統合されている点にあります。問い合わせで作成されたチケットは、HubSpotに登録されている顧客情報(コンタクトや会社)と自動的に紐づきます。例えば、過去にそのお客様が何を問い合わせたか、どんなウェブページを閲覧したか、営業担当者とのやり取りはどうだったか、といった情報がすべてチケットに紐づいて表示されるんですよ。これにより、サポート担当者は顧客の全体像を瞬時に把握でき、よりパーソナライズされた、質の高い対応が可能になります。
これは、単なるヘルプデスクツールにはない、HubSpotだからこそ実現できる大きな価値だと思います。
Service Hubのここがすごい!実践的な主要機能を解説
ここからは、Service Hubの主要な機能について、一つずつ具体的に解説していきます。
問い合わせ窓口を一元化する「受信トレイ・ヘルプデスク」
「うちの問い合わせ窓口は、メールアドレス、ウェブフォーム、メッセンジャーといくつもあって管理が大変なんです…」という声はよく聞きます。Service Hubの「受信トレイ・ヘルプデスク」機能は、そんな窓口をすべて一つの場所に集約できる機能です。
具体的には、GmailやOutlookの共有アドレス、HubSpotで作成したフォーム、さらにはFacebookメッセンジャーなどのチャネルを接続することで、そこから入ってきたすべての問い合わせが、一つの共有受信トレイに届くようになります。そして、それらは自動的にチケットとして管理されるため、問い合わせ窓口がいくつあっても、対応する場所はここ一つで完結します。
受信トレイの画面
さらに便利なのが、顧客対応の質を向上させるための設定です。
例えば、「サポートチームの担当者」といったチーム署名を事前に決めておけば、誰がメールに返信しても自動的に署名が挿入され、プロフェッショナルで統一された印象を保てます。また、問い合わせを受信した際に「お問い合わせありがとうございます」といった内容のメールを自動返信する設定もできるので、お客様に「問い合わせが届いた」という安心感を即座に与えられます。
初動対応をさらに効率化するために、割り当て条件も設定できます。
例えば、既存のお客様からの問い合わせは「コンタクトの担当者」に自動的に割り振ったり、新規のお客様からの問い合わせは「今空いている担当者にランダムに割り振る」といったルールを事前に決めておけるので、手動での振り分け作業が不要になり、対応のスピードが劇的に向上します。
24時間365日対応も夢じゃない「チャットフロー」と「顧客対応エージェント」
チャットボットの実装
お客様からの簡単な質問に、24時間365日いつでも自動で回答してくれる。そのような体制を、Service Hubは実現できます。そのカギを握るのが、「チャットフロー」と、HubSpotの生成AI機能「Breeze」を搭載した「顧客対応エージェント」です。
顧客対応エージェント
この顧客対応エージェントは、チャットボットとしてお客様からの問い合わせに自動で回答してくれる優れものです。多くのチャットボットが事前に用意されたシナリオやFAQにしか答えられないのに対し、HubSpotの顧客対応エージェントは、自社が持つさまざまな情報を学習ソースとして、文脈に合わせた柔軟な回答を生成できるんです。
顧客対応のAIエージェントによる自動回答
自社専用のAIボットは、驚くほど簡単に作成できます。AIの参照元として、以下のような情報を設定するだけです。
-
公開しているウェブサイトやブログ: 自社サイトやブログの情報を学習させ、サービス内容やよくある質問に回答させます。
-
社内のPDFファイルやドキュメント: 非公開の社内マニュアルや製品資料を読み込ませることで、AIがそれらの情報を基に回答できるようになります。
-
HubSpotのナレッジベース: 後ほど詳しく解説しますが、ナレッジベースに公開しているマニュアルやFAQをAIの知識源として活用できます。
これによって、お客様からの簡単な質問はAIが自動で回答してくれるようになります。サポート担当者は、これまで対応に追われていた簡単な問い合わせから解放され、より複雑で、人間ならではの対応が必要な業務に集中できるようになるんです。これは、単なる効率化ツールではなく、チームの働き方そのものを変革する「戦略的ツール」だと言えるでしょう。
もちろん、AIが回答できない場合もありますよね。そんな時は、自動で担当者へ**エスカレーション(引き渡し)**するルールを設定できます。例えば、「料金」や「担当者」といった特定のキーワードがメッセージに含まれていた場合、自動的に担当者へと引き継ぎ、お客様に「担当者におつなぎしています」といったメッセージをカスタマイズして表示できるので、顧客体験を損なう心配もありません。
情報を共有し、顧客満足度を向上させる「ナレッジベース」と「カスタマーポータル」
ナレッジベースの画面
顧客満足度を高める上で重要なのが、「自己解決」を促すことです。お客様は、ちょっとした疑問であれば、待つことなく自分で答えを探したいと考えていることが多いからです。
ナレッジベース
Service Hubの「ナレッジベース」機能を使えば、顧客向けのオンラインマニュアルやFAQサイトを簡単に作成・公開できます。HubSpotのブログと同じ要領で記事を作成し、公開するだけで、お客様はいつでも、どこからでも必要な情報にアクセスできるようになります。これにより、お客様は疑問を自己解決でき、サポートチームへの問い合わせ工数も大幅に削減されるという、双方に大きなメリットが生まれます。
このナレッジベースをさらに賢くする機能が「ナレッジギャップ」です。顧客対応エージェントが回答できなかった質問は、ナレッジギャップとして一覧で可視化されます。これは、お客様が求めているにもかかわらず、自社のナレッジベースに情報が不足している部分、つまり「知識のギャップ」を示しています。この情報をもとに、新しい記事を作成してナレッジベースに追加すれば、AIの回答精度と自己解決率が継続的に向上します。これは、顧客対応の効率化と改善を無限に回せるPDCAサイクルの構築そのものなんですよ。
カスタマーポータルの画面
カスタマーポータル
また、お客様自身が自分のチケットの進捗状況をリアルタイムで確認できる「カスタマーポータル」も非常に便利な機能です。ログインすると、自分が過去に送った問い合わせが「対応中」なのか「完了済み」なのかを一覧で確認できます。
これにより、「今、どうなっているんだろう?」というお客様の不安を解消し、企業と顧客間の透明性の高いコミュニケーションが可能になります。
攻めのサポートを実現する「カスタマーサクセスボード」
顧客対応は、問い合わせに受動的に答える「守りのサポート」だけではありません。Service Hubの「カスタマーサクセスボード」を使えば、能動的に顧客を支援する「攻めのサポート」を実現できます。
カスタマーサクセスボードでは、顧客の健全性をスコア化し、サポート状況を一覧で管理できます。顧客の最近のアクティビティや、担当者とのコミュニケーション状況などに基づいて、顧客の状態を「良好」「普通」「リスクあり」といった形で可視化できます。
この機能の最大のメリットは、サポートが手薄になっている顧客や、何らかのリスクを抱えている顧客を事前に特定できることです。これにより、顧客が不満を抱えてから対応するのではなく、問題が顕在化する前にこちらから積極的に働きかける**Proactive(能動的)**な対応が可能になります。
例えば、しばらく連絡がないお客様に「最近いかがですか?」とこちらから声をかけるなど、顧客との関係を強化し、顧客のLTV(生涯価値)を高めるための強力なツールなんです。
まとめ:Service Hubは「顧客対応の司令塔」
ここまで見てきたように、HubSpot Service Hubは、バラバラだった顧客対応を一箇所に集約し、AIや自動化機能で効率化し、さらにナレッジベースやカスタマーポータルで顧客の自己解決を促すことで、サポートチームと顧客双方の体験を向上させるツールです。
チケットを起点に、問い合わせの集約、自動化、自己解決支援、そしてカスタマーサクセスボードによる顧客の成功支援までを、一気通貫でサポートします。
Service Hubは、単なる「ヘルプデスクツール」や「問い合わせ管理ツール」ではありません。顧客との関係を根本から強化し、顧客満足度を向上させ、ひいてはビジネス全体の成長を後押しする「顧客対応の司令塔」です。
たったこれだけのツールと仕組みで、御社の顧客対応は劇的に変わるはずです。ぜひ、HubSpot Service Hubの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社StartLinkは、事業推進に関わる「販売促進」「DXによる業務効率化(ERP/CRM/SFA/MAの導入)」などのご相談を受け付けております。 サービスのプランについてのご相談/お見積もり依頼や、ノウハウのお問い合わせについては、無料のお問い合わせページより、お気軽にご連絡くださいませ。
著者情報

今枝 拓海 / Takumi Imaeda
株式会社StartLink(スタートリンク)の代表取締役。
学生時代に地域活性化事業のスタートアップを共同創業し事業立ち上げを経験。
広告戦略支援会社にてSEO設計/Web広告戦略・運用等の総合マーケティング支援に従事。
その後、DX/CRM戦略支援会社の株式会社H&Kにて、HubSpot(世界的CRMプラットフォーム)のCRM戦略/構築を軸として、
国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
現在はパーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM戦略/人材法人営業・AI戦略の業務に従事しつつ、
株式会社StartLinkでCRMを軸にした経営基盤DXのコンサルティング/AIを活用した戦略設計を支援。