HubSpotのCMS(Content Hub)とは?CMS機能と、自社でのWebサイト立ち上げステップを徹底解説!

HubSpot CMS(Content Hub)

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こんにちは、株式会社StartLinkの今枝です。

「ウェブサイトを内製化したい」「でも、プログラミングはわからない」「どうすれば、サイトを営業やマーケティングに活かせるのか」――多くの中小企業の経営者や実務担当者の方が、こうした悩みを抱えているのではないでしょうか。今回は、そうした課題を解決するための強力なツール、HubSpot Content Hubについて、その機能と具体的な活用ステップを徹底的に解説します。

HubSpot Content Hubは、WixやWordPressといった一般的なCMS(コンテンツ管理システム)と同様に、ウェブサイトを構築・運用するための機能です。しかし、その最大の違いは、単なるサイト作成ツールではなく、HubSpotの強力なCRM(顧客管理システム)と完全に統合されている点にあります。この「オールインワン」の特性こそが、ウェブサイトを単なる情報発信の場から、貴社のビジネス成長を加速させる「成長エンジン」へと変える鍵となります。

この記事では、ウェブサイトやブログ、ランディングページの作成から、独自ドメインの接続、さらにはSEO対策や顧客データ活用まで、HubSpot Content Hubの全貌を、実務ですぐに役立つように丁寧に紐解いていきます。

 

第1章:HubSpot Content Hubの主要機能

まずは、HubSpot Content Hubが持つ、ノーコードでのサイト制作を可能にする機能を見ていきましょう。

1.1 ドラッグ&ドロップで直感的なページ編集

プログラミングの知識がない方でも、ウェブサイトのページを自在に編集できるのがContent Hubの最大の特長です。ウェブサイトの文章や画像を修正したい場合、ページエディタ上で直接クリックするだけで、その場で編集が可能になります。変更内容はすぐにプレビュー画面に反映されるため、完成形を確認しながら作業を進めることができます。

また、コンテンツのブロック(セクション)の並び替えも簡単です。例えば、ウェブサイト上の「サービス紹介」セクションと「導入事例」セクションの順番を入れ替えたい場合、それぞれのブロックを掴んで上下にドラッグするだけで、レイアウトを自由に変更できます。セクション間の空白を調整したい場合も、スペース用のモジュールを挿入したり、ブロックのマージン値を変更したりするだけで、思い通りの見た目に仕上げられます。

 

1.2 テーマとモジュールでデザインを一貫させる

HubSpot Content Hubは、ウェブサイト全体を構築する際のテンプレート集である「テーマ」と、ページを構成する個々の部品である「モジュール」の組み合わせで成り立っています。

テーマ

HubSpotのマーケットプレイスには、数多くの無料テーマが公開されています。これらのテーマには、あらかじめプロフェッショナルなデザインが施されているため、デザインのひな形が整った状態でサイト制作を始められます。特にデザインに凝らない場合は、無料テーマをインストールして、テキストや画像を自社のものに差し替えるだけで、十分実用的なウェブサイトが完成します。

モジュール

モジュールは、テキスト、画像、ボタン、フォーム、カードといった再利用可能な部品です。ウェブサイトのページエディタ左側にある「+」ボタンをクリックすると、利用可能なモジュールの一覧が表示されます。これらをドラッグ&ドロップでページに挿入するだけで、デザインの一貫性を保ちながら、コンテンツを増やしていくことができます。例えば、メールマガジン登録フォームをページに追加したい場合も、フォームモジュールを挿入するだけで簡単に設置できます。


これらの機能を活用することで、従来なら外部の制作業者に依頼していたような細かな更新作業も、社内の担当者がノーコードで迅速に行えるようになります。

 

1.3 顧客の行動を可視化するCRM連携

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HubSpot Content Hubで制作したウェブサイトは、HubSpot CRMの顧客データベースと完全に連携しています。この連携により、ウェブサイトを訪問した一人ひとりの行動履歴が、CRMの担当者情報に自動的に記録されます。

例えば、ある見込み客がどのページをいつ閲覧したか、問い合わせフォームを開いたものの送信には至らなかった、といった具体的な行動が一目で把握できます。こうしたデータは、営業担当者にとって顧客の関心度を測る重要な手がかりとなり、マーケティング担当者はメールマーケティング機能(MA機能)と組み合わせて、顧客の行動をスコアリングすることも可能です。

ウェブサイトの閲覧履歴から顧客の関心度を測り、データに基づいて効果的な営業やマーケティング活動を行うことができる点が、Content Hubの大きな強みと言えます。

 

第2章:ウェブサイト制作の具体的なステップ

それでは、実際にHubSpot Content Hubを使ってウェブサイトを立ち上げるまでの流れを、ステップ形式で解説します。

 

ステップ1:テンプレートの選定と新規ページの作成

まずは、HubSpotの管理画面にログインします。

  1. 左側のナビゲーションメニューから、「コンテンツ」>「ウェブサイトページ」と進みます。

  2. 画面右上の「作成」ボタンをクリックし、新規ページを作成します。

  3. テンプレート選択画面が表示されるので、事前にインストールしておいたテーマの中から、ページのデザインテンプレートを選びます。

この時点で、選択したテーマのレイアウトを反映したページが生成されます。

 

ステップ2:ドラッグ&ドロップでコンテンツを編集

ページが作成されたら、いよいよコンテンツの編集です。

  1. ページエディタ上で、見出しや本文のテキスト部分をクリックすると、直接入力して内容を書き換えることができます。

  2. ページの左側にある「+」ボタンをクリックして、新しいモジュールやセクションをページにドラッグ&ドロップで追加します。

  3. 画像モジュールを挿入して画像をアップロードしたり、フォームモジュールを追加して問い合わせフォームを設置したり、自由にページを構成していきましょう。

  4. 既に配置されたモジュールは、ドラッグ&ドロップで順番を入れ替えたり、複製したりすることも可能です。

 

ステップ3:ブログ・ランディングページの作成と公開

企業サイトにブログやランディングページを追加したい場合も、ウェブサイトページと同様のノーコード操作で作成できます。

  1. ブログを作成するには、「コンテンツ」>「ブログ」メニューから新規投稿を作成します。ブログ記事の編集画面も、ウェブサイトページと同じエディタで直感的に操作できます。

  2. ランディングページ(LP)を作成するには、「コンテンツ」>「ランディングページ」メニューから同様の手順で作成します。

これらのページは、テーマのテンプレートに沿って自動的にデザインが適用されるため、デザインが崩れる心配なくコンテンツを増やせます。

 

ステップ4:会員制ページ(メンバーシップ機能)の構築

特定の人にだけ見せたいコンテンツ(例えば、顧客向けの資料や会員限定のFAQ)がある場合は、メンバーシップ機能を活用します。

  1. まず、通常のウェブサイトページを一つ作成します。

  2. ページの設定画面にある「オーディエンスとアクセス」セクションで、公開範囲を「パスワードが必要」または「特定の連絡先グループのみ閲覧可」に変更します。

  3. 閲覧を許可したいユーザーを、HubSpotの「コンテンツ」>「メンバーシップ」設定画面でグループとして登録します。

これだけで、パスワードを知っているユーザーや、特定の顧客リストに登録されたユーザーだけがアクセスできる、会員専用ページが完成します。

 

ステップ5:独自ドメインの接続と公開

ウェブサイトが完成したら、自社のドメインに接続して公開します。

  1. HubSpotの管理画面の歯車アイコンから、「ドメインとURL」の設定画面にアクセスします。

  2. 「ドメインを接続」を選び、ウェブサイトやブログに利用する自社のドメインを登録します。

  3. HubSpotから発行されるCNAMEなどのDNSレコード情報を、自社ドメインの管理画面に追加します。

  4. 設定が完了すれば、自社ドメインでウェブサイトが公開できるようになります。

注意点として、すでに別のサイトで利用中のメインドメインを切り替える際は、システム担当者と綿密に連携し、元のサイトが表示されなくなるリスクを回避してください。

 

第3章:高度なカスタマイズと運用支援機能

Content Hubは、ノーコードでの運用だけでなく、より高度なカスタマイズにも対応しています。

3.1 開発者向けのデザインマネージャー

マーケットプレイスのテンプレートをさらに自社用に作り込みたい場合や、標準モジュールにはない機能を追加したい場合は、開発者向けの「デザインマネージャー」ツールを活用します。

  • 子テーマの作成: マーケットプレイスからダウンロードしたテーマは直接編集できないため、まずは「子テーマを作成」して複製します。

  • HubLによるカスタムモジュール開発: HubSpot独自のテンプレート言語であるHubL(ハブル)を使って、オリジナルのモジュールを開発できます。例えば、動的な情報(日付、著者情報など)を自動で表示するモジュールや、外部データと連携するモジュールなど、機能的に複雑なブロックも作成可能です。

これらのカスタマイズにはプログラミングの知識が必要となりますが、一度カスタムモジュールを作成しておけば、マーケティング担当者はその後もノーコードでそのモジュールを繰り返し利用できます。

 

3.2 HubDB:動的コンテンツをデータベースで管理

HubDBは、ウェブサイト上で頻繁に更新される情報(ウェビナー、事例、サービス一覧など)をデータベースとして一元管理し、ウェブページ上に動的に表示させる機能です。

例えば、最新のウェビナー情報をHubDBに登録しておけば、ウェブサイト上の「最新ウェビナー」ブロックが自動で更新されます。これにより、手動でページを更新する手間が省け、サイト運用の効率が飛躍的に向上します。

 

3.3 SEO・分析ツールとの連携

ウェブサイトを公開した後も、HubSpotには効果的な運用を支援する様々な機能が組み込まれています。

  • 内蔵SEOツール: ドメインを接続してスキャンするだけで、タイトルタグの重複やモバイル対応の問題、読み込み速度の遅延など、SEO上の改善点を自動でリストアップし、解決策を提案してくれます。

  • 分析機能: Google Search ConsoleやGoogle Analyticsと連携することで、検索からの流入状況や、ページごとのアクセス数をHubSpotのダッシュボード上で一元的に確認できます。

  • Google AMP対応: ブログ記事などをモバイルで高速表示させるための「AMP(Accelerated Mobile Pages)」の設定も、ワンクリックで有効化できます。

 

結論:HubSpot Content Hubで実現する「成長する」ウェブサイト

Content Hub

HubSpot Content Hubは、単なるサイト制作ツールではなく、ウェブサイトを「成長する資産」に変えるためのプラットフォームです。

  • ノーコードでの内製化:プログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップとモジュール活用で、迅速かつ低コストでサイトを構築・更新できます。

  • CRMとの連携:顧客の行動データを可視化し、ウェブサイトを営業やマーケティング活動の中核に据えることができます。

  • 拡張性と運用効率:高度なカスタマイズやHubDBを活用すれば、サイト運用をさらに効率化し、ビジネスの成長に合わせてスケールさせることが可能です。


Content Hubを導入することで、ウェブサイトは顧客とつながり、確度の高いリードを生み出し、営業活動を加速する、強力なビジネスツールへと進化します。今日からContent Hubの機能を試し、ウェブサイトの運用を内製化し、成長するウェブサイトを育てていきましょう!

 


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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLink(スタートリンク)の代表取締役。
学生時代に地域活性化事業のスタートアップを共同創業し事業立ち上げを経験。 広告戦略支援会社にてSEO設計/Web広告戦略・運用等の総合マーケティング支援に従事。 その後、DX/CRM戦略支援会社の株式会社H&Kにて、HubSpot(世界的CRMプラットフォーム)のCRM戦略/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
現在はパーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM戦略/人材法人営業・AI戦略の業務に従事しつつ、 株式会社StartLinkでCRMを軸にした経営基盤DXのコンサルティング/AIを活用した戦略設計を支援。