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マーケティングの世界では、具体的の成功事例を学ぶことで大きなインサイトを得ることができます。「企業がどのようにしてマーケティング戦略を立て、実行し、成功を収めたのか」を理解することで、自社のマーケティング戦略に応用できるポイントが見えてきます。
マーケティング事例から成功エッセンスを学ぶ
成功したマーケティング事例には、共通する要因があります。これらの要因を理解することで、自社のマーケティング戦略をより効果的にし、戦略立てや売上の急拡大を行える可能性が高くなります。施策ベースで「とにかくアクション」という形でマーケティングのチームを動かしても効果が出る可能性は低くなってしまうので、必ず【仮説思考】で戦略立てが必須になります。
まずは、徹底的な「顧客理解」
必ず自社のペルソナや、すでに顧客になっている企業様(ToCの場合は、ユーザー)の理解を深く行いましょう。「なぜ、うちのサービスを使ってくれるのか?」を徹底的に考える必要があります。マーケティング用語ではインサイトと呼ばれたりますが、ユーザーアンケートでは見えてこないユーザーのニーズまで深掘りして検討・調査する必要があります。
グロースハックでの急成長企業でも必ず行う業務です。
データドリブンな数値的アプローチ
データドリブンなマーケティングは常に有効です。PDCAを行うために、仮説検証の結果を数値から分析し、データドリブンな戦略策定・判断を行い、施策のを継続的に改善しています。
ユーザーをファン化するクリエイティブコンテンツ
成功企業は、常に魅力的で顧客の関心を引くコンテンツの制作をし、ブランドの価値を高めています。クオリティの低いコンテンツを量産しても、デジタル上のデータが多すぎるため、顧客のファン化は難しくなります。
最近トレンドになってきている「ビジネスコンテンツ」の考え方はかなり重要になっています。興味のある方はぜひチェックしてみてください↓
成功事例12選 / 企業戦略・施策の紹介
それでは、実際に成功したマーケティング事例を12社紹介します!これらの事例を通じて、具体的な成功ポイントを学び、自社の戦略に活かしましょう。
1. ヤッホーブルーイング「よなよなエール」
引用リンク:ヤッホーブルーイング
ヤッホーブルーイングの「よなよなエール」は、日本のクラフトビール市場で成功を収めた代表的な事例です。同社は、コンテンツを通じた顧客とのコミュニケーションを重視しており、ファンイベントやSNSでの積極的な情報発信が特徴です 。
※参照:SATORI
コンテンツを通じた顧客とのコミュニケーション
ヤッホーブルーイングは、単にビールを販売するだけでなく、ビールに関する情報やストーリーを提供することで、顧客との深い関係を築いています。ブログやSNSでの投稿、ビデオコンテンツなどを通じて、顧客とのコミュニケーションを活発に行っています。
ファンイベントの成功
さらに、同社はファンイベントを開催し、顧客との直接の交流を大切にしています。これにより、顧客のロイヤルティを高め、リピーターを増やしています。ファンイベントのチケットは常に抽選販売となるほどの人気を誇っています。
2. 北欧、暮らしの道具店
引用リンク:北欧、暮らしの道具店
株式会社クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」は、ECサイトを中心に多様なコンテンツを提供し、成功を収めています。InstagramやYouTubeなどのオウンドメディアを活用し、年間2,000万人のリーチを達成しています 。
※参照:SATORI
オウンドメディアの活用
「北欧、暮らしの道具店」は、ECサイトだけでなく、ブログやSNSを通じて多様なコンテンツを提供しています。これにより、ブランド認知を高め、顧客との接点を増やしています。特に、スタッフによる丁寧な着用レビューは、顧客の購買意欲を高める上で大きな効果を発揮しています。
動画コンテンツの展開
最近では、YouTubeでの長尺トーク番組『あさってのモノサシ』をスタートし、さらに深い顧客関係を築いています。この番組は、ブランド認知や販売促進を超え、顧客に喜んでもらうことを目的としたコンテンツです。
3. icotto / 株式会社カカクコム提供
引用リンク:北欧、暮らしの道具店
icotto(イコット)は、株式会社カカクコムが運営する観光旅行・地域グルメ紹介・宿泊予約サイトです。SNSを活用し、ターゲット顧客に対して効果的なマーケティングを展開しています
※参照:SATORI
地域グルメ紹介と宿泊予約の統合
icottoは、地域グルメや観光情報を提供することで、旅行者の関心を引きつけ、宿泊予約につなげる戦略を取っています。これにより、旅行計画の段階から顧客を取り込み、予約へと誘導しています。
SNSを活用したターゲティング
また、SNSを活用してターゲット顧客に対する広告配信を行い、効率的なマーケティングを実現しています。これにより、特定の興味関心を持つユーザーに対してピンポイントでアプローチすることができます。
3. アドビ株式会社
引用リンク:Adobe
アドビ株式会社は、SEO対策に注力することで、リード獲得数を約150%向上させるという成果を達成しました。同社は、ビッグキーワードでの順位獲得をメインにしたコンテンツ制作と、ページ内の回遊率を高めるための施策を実施しました。
ビッグキーワードを狙ったコンテンツ制作
アドビは、検索エンジンでの上位表示を目指し、特定のビッグキーワードをターゲットにした記事を制作しました。このアプローチにより、SEOの観点からリードを効率的に獲得し、ビジネスチャンスを増加させました。
ページ内の回遊率向上策
さらに、ウェブサイト内での回遊率を高めるために、関連するコンテンツへのリンク設置を強化しました。これにより、ユーザーが求める情報にスムーズにアクセスできるようになり、SEO経由での商談件数も約130%向上しました。
4. ライオン株式会社
引用リンク:ライオン株式会社
ライオン株式会社は、BtoB専用サイトの構造を見直し、ユーザー体験を向上させることで、フォーム到達率を1.5倍に引き上げました。サイトのカタログ型構造から目的別の商品検索ページへの移行が成功の鍵となりました。
BtoB専用サイトの構造再設計
ライオンは、カタログ型のサイト構造を改め、ユーザーが目的別に商品を検索できるページを構築しました。これにより、ユーザーの検索行動がスムーズになり、フォーム到達率が向上しました。
フォーム誘導の強化
また、商品詳細ページに掲載する情報を必要最低限に絞り、問い合わせフォームへの誘導を強化しました。この結果、問い合わせ件数が1.3倍に増加し、BtoBマーケティングの成果が顕著に現れました。
5. キヤノンマーケティングジャパン株式会社
引用リンク:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、Webサイトの強化とデジタルマーケティングの徹底的な運用により、売上を年間20%以上増加させました。同社は、訪問営業からWebを活用した営業活動へのシフトに成功しました。
デジタルマーケティングの運用強化
キヤノンマーケティングジャパンは、BtoCのWebサイト運営において成功を収めていましたが、BtoB向けのサイト運営にも力を入れることにしました。伴走型のデジタルマーケティング戦略を採用し、PDCAを徹底的に実施することで、サイトのパフォーマンスを向上させました。
資料ダウンロードの導線の構築と、売上の向上
その結果、資料請求の導線強化によってサイトのPVが5~6倍に増加し、一部の製品では売上の約25%がWebからのもので占められるようになりました。
6. 富士電機株式会社
引用リンク:富士電機株式会社
富士電機株式会社は、Webサイトをユーザー目線でリニューアルすることで、業務効率を大幅に向上させました。同社は、カスタマージャーニーマップの作成により、ウェブを基盤としたマーケティング強化を図りました。
カスタマージャーニーマップの作成
富士電機は、外部の専門家を招いてカスタマージャーニーマップの作成ワークショップを実施しました。これにより、ユーザーがWebサイトをどのように利用しているかを可視化し、サイトのリニューアルに役立てました。
効率の向上と働き方改革
この取り組みにより、業務効率化が進み、働き方改革などの新たな変化に対応できるようになりました。結果として、ユーザー体験が向上し、企業全体の効率が改善されました。
7. 株式会社ストライク
引用リンク:株式会社ストライク
株式会社ストライクは、M&A関連情報を無料で公開するオウンドメディアを展開し、月間PVが100万を突破するという成果を達成しました。同社は、消費者の情報ニーズに応じたコンテンツ戦略を積極的に展開しました。
オウンドメディアの充実化
ストライクは、M&Aデータベースや大量保有データベース、TOBプレミアムなど、関連情報を無料で公開するオウンドメディアを構築しました。この施策により、業界内での認知度が大幅に向上しました。
月間PV100万を達成
これらの取り組みにより、オウンドメディアの月間PVは100万を超え、業界内での影響力を拡大させました。情報ニーズに応じたコンテンツ戦略が、マーケティング成果を最大化する要因となりました。
8. 太陽パーツ株式会社
引用リンク:太陽パーツ株式会社
太陽パーツ株式会社は、ホームページ経由の問い合わせを2倍に増加させ、コロナ禍におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しました。
ホームページ経由の問い合わせ増加
同社は、ホームページを最適化することで、問い合わせ件数を2倍に増加させました。これにより、オンラインでの顧客接点を強化し、営業活動の効率を高めました。
コロナ禍におけるDXの活用
コロナ禍において、デジタルトランスフォーメーションを推進することで、オンラインでのビジネスチャンスを拡大しました。これにより、リモートワークの環境下でも効果的な営業活動を継続することができました。
9. GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
引用リンク:GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社は、広告効果測定ツールを導入することで、CPA(顧客獲得単価)の50%改善とCV数(コンバージョン数)の最大化を実現しました。
広告効果測定ツールの導入
同社は、CVに至るまでのユーザー行動を詳細に分析するため、広告効果測定ツールを導入しました。このツールを活用して、ユーザーが広告に接触する回数や、初回接触から最終接触までの潜伏期間を詳細に分析しました。
成果の最大化
その結果、Web全体のCPAが50%改善され、CV数が最大化されました。これにより、広告投資の効率が大幅に向上し、ROI(投資対効果)が飛躍的に改善されました。
10. 株式会社マネーフォワード
引用リンク:株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードは、SEO対策を強化し、リード数を前年比で約4倍に増加させるという成果を達成しました。同社は、目標の明確化と重要項目の設定に注力し、効果的なSEO施策を実施しました。
目標の明確化
マネーフォワードは、メインキーワードの順位向上を目標として設定し、SEO対策を強化しました。特に、YMYL(Your Money or Your Life)とEAT(Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)を重要な要素とし、サイトコンテンツを最適化しました。
リード数の増加
この取り組みにより、自然検索からの流入が大幅に増加し、リード数が前年比で約4倍に達しました。また、BtoBサイトとしては非常に高い月間1000万PVを突破するなど、SEO対策の効果が顕著に現れました。
11. パナソニック「オーブントースター ビストロ」
引用リンク:パナソニック「オーブントースター ビストロ」
パナソニックの「オーブントースター ビストロ」は、SNSを活用したプロモーションで大きな成功を収めました。同社はInstagramを活用し、消費者インサイトを調査分析することで、売上を前モデルの2倍に増加させました 。
SNSを活用したプロモーション
パナソニックは、InstagramアカウントPanasonic Cookingを活用して、レシピ紹介やキッチン家電の使い方を提案することで、顧客の関心を引きました。このアプローチにより、広範な顧客層にリーチし、製品の認知度を高めました。
消費者インサイトの調査分析
さらに、Instagramを活用して消費者インサイトを調査分析し、投稿すべきキーワードや製品需要を明確にしました。これにより、精度の高いキャンペーンを実施し、売上を大幅に増加させました。
12. ショップジャパン
引用リンク:ショップジャパン
ショップジャパンは、動画広告の強化を通じて、ECでの販路拡大に成功しました。同社はAIBACフレームワークを活用し、動画経由のROASを1.5倍に改善しました。
動画広告の強化
ショップジャパンは、多様なデジタルメディアを活用し、動画広告を強化しました。これにより、幅広い顧客にリーチし、商品の魅力を効果的に伝えることができました。
AIBACフレームワークの活用
同社は、AIBACフレームワーク(Attention、Interest、Benefit、Action、Call to Action)を活用し、動画コンテンツの質を高めました。これにより、顧客の関心を引きつけ、購買行動を促進し、一気に購買まで繋げる動線を設計しました。
事例から学ぶマーケティング戦略
今後のマーケティングの方向性
今後のマーケティングでは、テクノロジーの進化とともにさらに多様なアプローチが求められるでしょう。AIやビッグデータの活用、パーソナライズされたマーケティング、エクスペリエンスの重視などが重要な要素となります。これらのトレンドを踏まえ、常に最新の事例を学びながら、柔軟な戦略を立てることが求められます。
パーソナライズされたマーケティングの重要性
パーソナライズされたマーケティングは、顧客一人ひとりのニーズや嗜好に合わせたアプローチを行うことが求められます。これにより、顧客との関係を強化し、ロイヤルティを高めることができます。例えば、メールマーケティングでは、顧客の購買履歴や閲覧履歴を基にしたパーソナライズされたコンテンツを提供することで、開封率やクリック率を向上させることができます。
AIとビッグデータの活用
AIとビッグデータを活用することで、マーケティング施策の効果を最大化することができます。データ分析を通じて顧客の行動パターンや嗜好を理解し、それに基づいた戦略を立てることで、より効果的なマーケティングが実現します。例えば、チャットボットを活用したカスタマーサポートや、リコメンデーションエンジンを活用した商品提案などが考えられます。
まとめ
本記事で紹介したマーケティング事例を基に、自社のマーケティング戦略を見直し、効果的な施策を実行してみてください。
成功したマーケティング事例から学ぶことで、新たなアイデアや戦略を見つけ、自社のビジネスに応用することができます。顧客理解の徹底、データドリブンなアプローチ、クリエイティブなコンテンツ、マルチチャネル戦略など、成功の鍵となる要素を取り入れて、効果的なマーケティングを実現しましょう。
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今枝 拓海
株式会社StartLink(スタートリンク)の代表取締役。
学生時代に地域活性化事業のスタートアップを共同創業し事業立ち上げを経験。
広告支援会社にてSEO設計/Web広告戦略・運用等の総合マーケティング支援に従事。
その後、DX/CRM戦略支援会社の株式会社H&Kにて、HubSpot(CRMプラットフォーム)のCRM戦略・構築を軸として、
国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。
現在はパーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM戦略/人材法人営業・マーケティング戦略の業務に従事しつつ、
株式会社StartLinkでCRMを軸にした経営基盤DXのコンサルティング支援を行う。