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マーケティングROI測定の実践ガイド|施策別の費用対効果を正しく計算・改善する方法

作成者: |2026/02/24 2:19:18

「マーケティング施策に年間数千万円を投資しているが、どの施策が実際に売上に貢献しているのかわからない」

「経営層から"マーケの費用対効果を見せてくれ"と言われるたびに、説得力のある数字を提示できない」

「SEO、広告、ウェビナー、展示会...施策ごとのROIを比較したいが、計算方法がバラバラで統一的に評価できない」

マーケティング投資の費用対効果を正確に把握できないまま、感覚ベースで予算配分を続けている企業は少なくありません。しかし、マーケティング ROI 測定の仕組みを構築することで、「効いている施策」と「効いていない施策」を客観的に識別し、予算配分を最適化することが可能になります。

はじめに

マーケティングROI分析画面の例:ダッシュボードとキャンペーン(出典:HubSpot)

マーケティング ROI 測定とは、マーケティング施策に投下したコスト(投資額)と、その施策が生み出した収益(リターン)の比率を定量的に評価するプロセスです。単なる費用対効果の計算にとどまらず、「どの施策が、どのくらいの収益に貢献したか」を可視化し、マーケティング予算の最適配分を実現するためのフレームワーク全体を指します。

日本のBtoB企業では、マーケ 費用対効果の測定が十分に行われていないケースが大半です。その原因は主に3つあります。

  1. 施策と収益の因果関係が複雑:BtoBの購買プロセスは長期にわたり、複数の施策が影響するため、どの施策が収益に貢献したかを特定しにくい
  2. データが分散している:MA、CRM、SFA、広告管理ツール、Excelなどにデータが散在し、統合的な分析が困難
  3. アトリビューションの知識不足:マルチタッチアトリビューションモデルの概念や計算方法が浸透していない

本記事では、施策別のROI計算式、アトリビューションモデルの比較、MA/CRMデータを活用した算出方法を体系的に解説します。CMO/マーケ責任者が経営層にマーケティング投資の効果を説明するための実践的なフレームワークをお届けします。

この記事でわかること

  • マーケティング ROI 測定の基本公式と、BtoBにおける計算の注意点
  • マルチタッチアトリビューション vs ファーストタッチ/ラストタッチモデルの違いと使い分け
  • 施策別(SEO、広告、ウェビナー、展示会、コンテンツ)のROI計算式と目標値
  • マーケティング KPIの階層設計と、ROIにつながるKPIフレームワーク
  • MA/CRMデータを活用したROI算出の具体的な手順
  • 経営層へのROIレポーティングの方法と報告テンプレート

マーケティングROIの基本公式と考え方

ROIの基本公式

マーケティングROIの基本公式は以下のとおりです。

マーケティングROI(%)=(マーケティング施策による収益 - マーケティング投資額)÷ マーケティング投資額 × 100

例えば、年間マーケティング投資額が2,000万円で、マーケティング施策経由の収益が8,000万円であった場合、ROIは300%((8,000万 - 2,000万)÷ 2,000万 × 100)となります。

BtoBにおけるROI計算の3つの難しさ

難しさ 内容 対処法
長い購買サイクル リード獲得から受注まで数ヶ月〜1年以上かかる コホート分析で期間を揃えて計測
複数タッチポイント 1件の受注に複数の施策が関与 アトリビューションモデルで貢献度を配分
オフライン接点 展示会、電話、対面商談などのデータ取得が困難 CRM/SFAへの活動記録を徹底

ROI vs ROAS vs CPA の違い

マーケ 効果測定で使われる指標を整理しておきましょう。

指標 定義 計算式 主な用途
ROI 投資対効果(利益ベース) (収益 - 投資額)÷ 投資額 × 100 マーケティング全体の投資判断
ROAS 広告費用対効果(売上ベース) 広告経由売上 ÷ 広告費 × 100 広告施策の効率評価
CPA 顧客獲得単価 総コスト ÷ 獲得顧客数 施策のコスト効率比較
CPL リード獲得単価 総コスト ÷ 獲得リード数 リード獲得施策の効率評価
LTV:CAC比率 顧客生涯価値と獲得コストの比 LTV ÷ CAC 投資回収の健全性判断

アトリビューションモデルの比較と選び方

アトリビューションモデルとは

BtoBの購買プロセスでは、1人のリードが「ブログ記事を読む→ホワイトペーパーをDLする→ウェビナーに参加する→事例を閲覧する→デモを申し込む→受注に至る」というように複数の接点を経由します。この複数の接点のうち「どの接点にどのくらい収益貢献を配分するか」を決めるのがアトリビューションモデルです。

主要アトリビューションモデルの比較

モデル 配分方法 メリット デメリット 適するケース
ファーストタッチ 最初の接点に100%配分 シンプル、リード獲得チャネルの評価に最適 育成・商談化フェーズの貢献が無視される リード獲得施策の評価
ラストタッチ 最後の接点に100%配分 シンプル、商談化直前の施策を評価 認知・育成フェーズの貢献が無視される 商談化施策の評価
リニア(均等配分) 全接点に均等配分 全施策の貢献を公平に評価 重要な接点の影響力が薄まる 全体俯瞰
U字型(ポジションベース) 最初と最後に40%ずつ、中間に20%配分 獲得と商談化の両方を重視 中間フェーズの評価が弱い 獲得+商談化の両方を評価
W字型 最初・MQL化・SQL化に30%ずつ、残り10%を中間に配分 BtoBのファネルに最適 設計と計測が複雑 BtoBの多段階ファネル
タイムデケイ(時間減衰) 受注に近い接点ほど高配分 直近の施策効果を重視 認知フェーズの過小評価 短期的な施策効果の測定
データドリブン 統計モデルで配分を自動算出 最も精度が高い 十分なデータ量が必要 データ蓄積が豊富な企業

自社に適したモデルの選び方

判断基準 推奨モデル
まだアトリビューション分析を始めていない ファーストタッチ+ラストタッチの併用
リード獲得施策と育成施策の両方を評価したい U字型
BtoBの多段階ファネルを正確に評価したい W字型
十分なデータ(月間100件以上のコンバージョン)がある データドリブン
短期キャンペーンの効果を測定したい タイムデケイ

施策別のROI計算式と目標値

SEO(検索エンジン最適化)

項目 内容
投資額の内訳 コンテンツ制作費、SEOツール費用、外注費、人件費
収益の計測方法 オーガニック流入→コンバージョン→商談→受注を追跡
ROI計算式 (オーガニック経由受注額 - SEO投資額)÷ SEO投資額 × 100
目標ROI 初年度:100〜200%、2年目以降:300〜500%以上
計測の注意点 効果発現まで3〜6ヶ月。コホート分析で長期的に評価

SEOのROI計算例:

  • 年間SEO投資額:600万円(コンテンツ制作400万+ツール100万+人件費100万)
  • オーガニック経由リード数:月100件 × 12ヶ月 = 1,200件
  • MQL転換率:20% → 240 MQL
  • SQL転換率:25% → 60 SQL
  • 受注率:20% → 12件受注
  • 平均受注額:200万円 → 受注額合計2,400万円
  • ROI = (2,400万 - 600万)÷ 600万 × 100 = 300%

Web広告(リスティング広告・SNS広告)

項目 内容
投資額の内訳 広告出稿費、クリエイティブ制作費、運用代行費
収益の計測方法 広告クリック→LP→コンバージョン→商談→受注を追跡
ROI計算式 (広告経由受注額 - 広告投資額)÷ 広告投資額 × 100
目標ROI 200〜400%(ROAS 300〜500%相当)
計測の注意点 UTMパラメータで流入元を正確に追跡

ウェビナー・オンラインセミナー

項目 内容
投資額の内訳 ツール費用、集客広告費、登壇者人件費、運営人件費
収益の計測方法 参加者→MQL→SQL→受注を追跡
ROI計算式 (ウェビナー経由受注額 - ウェビナー投資額)÷ ウェビナー投資額 × 100
目標ROI 300〜600%
計測の注意点 参加者をCRMに連携し、商談との紐付けを行う

展示会・オフラインイベント

項目 内容
投資額の内訳 出展費用、ブース設営費、交通費、人件費、ノベルティ
収益の計測方法 名刺交換→CRM登録→MQL→SQL→受注を追跡
ROI計算式 (展示会経由受注額 - 展示会投資額)÷ 展示会投資額 × 100
目標ROI 200〜400%(受注までのリードタイムが長い点に留意)
計測の注意点 名刺データのCRM登録を徹底し、ソースを正確に記録

施策別ROI比較のサマリー表

施策 平均CPL MQL転換率目安 受注までの期間 ROI目安 特徴
SEO 2,000〜5,000円 15〜25% 3〜12ヶ月 300〜500% 長期的に安定、初期投資が必要
リスティング広告 5,000〜15,000円 10〜20% 1〜6ヶ月 200〜400% 即効性あり、コストは高め
SNS広告 3,000〜10,000円 5〜15% 3〜9ヶ月 150〜300% 認知拡大に強い
ウェビナー 3,000〜8,000円 15〜30% 2〜6ヶ月 300〜600% エンゲージメントが高い
展示会 10,000〜30,000円 10〜20% 3〜12ヶ月 200〜400% 対面の信頼構築が強み
コンテンツ(WP等) 2,000〜6,000円 10〜20% 3〜9ヶ月 300〜500% 資産として蓄積

マーケティングKPIの階層設計

マーケティングROI分析画面の例:ダッシュボードとキャンペーン(出典:HubSpot)

KPIピラミッドフレームワーク

マーケティング KPIは、経営層向けの「結果指標」から現場の「活動指標」まで階層的に設計する必要があります。

Level 1:経営指標(四半期・年次)

KPI 計算式 報告先
マーケティングROI (マーケ経由収益 - マーケ投資額)÷ マーケ投資額 × 100 経営層
マーケティング寄与率 マーケ経由パイプライン ÷ 全パイプライン × 100 経営層
CAC(顧客獲得コスト) マーケ+営業コスト ÷ 新規顧客数 経営層
LTV:CAC比率 顧客生涯価値 ÷ 顧客獲得コスト 経営層

Level 2:ファネル指標(月次)

KPI 計算式 報告先
リード獲得数 月間の新規リード数 マーケ部門長
MQL数・転換率 MQL数 ÷ リード数 × 100 マーケ部門長
SQL数・転換率 SQL数 ÷ MQL数 × 100 マーケ+営業部門長
パイプライン金額 マーケ経由の商談金額合計 マーケ部門長

Level 3:施策指標(週次)

KPI 計算式 報告先
施策別リード数 各施策経由のリード獲得数 マーケ担当者
施策別CPL 施策コスト ÷ 獲得リード数 マーケ担当者
チャネル別CVR コンバージョン数 ÷ 流入数 × 100 マーケ担当者
コンテンツ別DL数 各コンテンツのDL数 マーケ担当者

KPIからROIへの接続

マーケティング KPIの各層が最終的なROIにどうつながるかを明確にしておくことが重要です。

Level 3(施策別リード数)→ Level 2(MQL数・SQL数)→ Level 1(マーケティングROI)

この接続が明確になっていれば、ROIが目標を下回った場合に「どのLevel、どの施策に問題があるか」を素早く特定し、改善アクションを取ることができます。

MA/CRMデータを活用したROI算出の手順

ステップ1:データ基盤の整備

ROI測定の前提として、以下のデータがMA/CRMに正確に記録されている必要があります。

データ項目 記録先 記録のポイント
リードのソース(流入元) CRM:コンタクトプロパティ UTMパラメータ、フォーム別にソースを自動記録
施策・キャンペーン紐付け MA/CRM:キャンペーン リードが接触した施策をキャンペーンとして記録
ライフサイクルステージ CRM:コンタクトプロパティ リード→MQL→SQL→顧客の遷移を自動更新
商談金額・受注金額 CRM/SFA:取引 商談と受注の金額を正確に記録
施策別コスト MA/CRM or スプレッドシート 広告費、制作費、人件費を施策単位で記録

ステップ2:アトリビューションの設定

MA/CRMのアトリビューション機能を設定し、各施策の収益貢献度を算出します。

設定項目 内容
アトリビューションモデルの選択 自社のファネルに適したモデルを選択(初期はファーストタッチ+ラストタッチの併用を推奨)
アトリビューション対象の定義 「コンタクト作成」「取引作成」「収益」のどれを評価対象とするか
アトリビューションウィンドウの設定 接触から受注までの最大期間(BtoBでは90〜365日が一般的)
除外条件の設定 既存顧客、パートナー、競合、自社社員などを除外

ステップ3:ROIレポートの構築

レポート種別 内容 頻度
施策別ROIレポート 各施策の投資額、収益、ROIを一覧表示 四半期
チャネル別ファネルレポート 流入→リード→MQL→SQL→受注の転換率をチャネル別に表示 月次
キャンペーン別パフォーマンスレポート キャンペーン単位のリード数、CPL、商談貢献 月次
アトリビューションレポート 各タッチポイントの収益貢献度を可視化 四半期

ステップ4:分析と改善

分析パターン 発見すべきインサイト 改善アクション
ROIが高い施策の特定 投資額に対して最も収益を生んでいる施策 予算の増額配分
ROIが低い施策の特定 コストはかかっているが収益貢献が小さい施策 施策の見直しまたは縮小
ファネルのボトルネック 転換率が大幅に低下している段階 該当段階の施策・コンテンツの強化
隠れた貢献施策 ラストタッチでは見えないが、ファーストタッチで高い貢献 認知施策の適正評価と継続投資

経営層へのROIレポーティング

経営層が求める情報

マーケ 費用対効果の報告において、経営層が求めているのは施策の詳細ではなく「投資判断に使える情報」です。

経営層の関心事 提供すべき情報 レポート形式
マーケティング投資は回収できているか マーケティングROI、LTV:CAC比率 数値+前期比トレンド
どの施策に予算を集中すべきか 施策別ROIランキング 棒グラフ+テーブル
来期の予算はいくら必要か 目標受注額から逆算した必要投資額 シミュレーション表
競合と比べてどうか 業界ベンチマークとの比較 比較表

レポートテンプレートの構成

セクション 内容 ページ数目安
エグゼクティブサマリー 期間全体のROI、主要KPIのハイライト、前期比 1ページ
施策別パフォーマンス 施策ごとの投資額・リード数・MQL・SQL・受注・ROI 2〜3ページ
アトリビューション分析 どの施策がどのくらい収益に貢献したかの可視化 1ページ
ファネル分析 各段階の転換率と改善ポイント 1ページ
来期の計画と予算提案 目標達成に必要な投資額と施策ミックス 1〜2ページ

予算シミュレーションの作り方

経営層への予算提案では、「目標受注額から逆算したファネルシミュレーション」が最も説得力を持ちます。

逆算シミュレーション例:

ファネル段階 必要数 転換率 根拠
目標受注件数 24件 事業計画から設定
必要SQL数 120件 受注率20% 過去実績ベース
必要MQL数 480件 SQL転換率25% 過去実績ベース
必要リード数 2,400件 MQL転換率20% 過去実績ベース
必要投資額 1,200万円 CPL 5,000円 × 2,400件 施策ミックスに基づくCPL

ROI測定の精度を高めるための実践ポイント

よくあるROI測定の落とし穴

落とし穴 内容 対処法
短期的な視点での評価 SEOやコンテンツの効果が出る前に「ROIが低い」と判断 コホート分析で12ヶ月以上のスパンで評価
直接効果のみの測定 ブランド認知向上やSEO資産の蓄積などの間接効果を無視 直接ROI+間接効果の両方を報告
コスト計上の不統一 人件費や間接費を施策コストに含めない フルコスト計上のルールを統一
ラストタッチ偏重 商談化直前の施策だけが高評価され、認知施策が過小評価 複数のアトリビューションモデルを併用
サンプル不足 少ないデータでROIを断定 統計的に有意なサンプルが蓄積されるまでは傾向として報告

ROI測定の成熟度モデル

レベル 状態 次のステップ
Level 1 施策コストとリード数は把握しているが、ROIは未計測 CPLの計算から開始
Level 2 CPLは計算しているが、商談・受注との紐付けがない CRMでソース別の受注追跡を開始
Level 3 ファーストタッチ/ラストタッチでROIを計測している マルチタッチアトリビューションへ移行
Level 4 マルチタッチアトリビューションでROIを計測し、予算最適化に活用 データドリブンアトリビューションの検討
Level 5 データドリブンでROIを自動計測し、リアルタイムで予算配分を最適化 予測分析(Predictive Analytics)の導入

まとめ

マーケティング ROI 測定は、マーケティング投資の効果を可視化し、予算配分を最適化するための不可欠なプロセスです。成功のポイントを改めて整理します。

  1. 基本公式の理解:ROI=(収益 - 投資額)÷ 投資額 × 100 を全施策に統一的に適用する
  2. アトリビューションモデルの選択:BtoBの多段階ファネルに対応するため、ファーストタッチ+ラストタッチの併用から始め、段階的にマルチタッチモデルへ移行する
  3. 施策別ROIの計測:SEO、広告、ウェビナー、展示会など施策ごとにROIを算出し、横並びで比較する
  4. KPIの階層設計:経営指標→ファネル指標→施策指標の3層で設計し、ROIにつながるKPIを日常的にモニタリングする
  5. MA/CRMデータの活用:リードソース、施策紐付け、商談金額のデータをMA/CRMに正確に記録し、ROI算出の基盤を整備する
  6. 経営層への報告:施策の詳細ではなく「投資判断に使える情報」を、逆算シミュレーション付きで提示する

マーケ 効果測定の精度は一朝一夕には向上しませんが、まずはCPLの計算と主要施策のROI試算から始め、データが蓄積されるにつれてアトリビューション分析を高度化していくのが現実的なアプローチです。

よくある質問(FAQ)

Q. マーケティングROIの目標値はどのくらいに設定すべきですか?

A. BtoB企業の場合、マーケティングROI 300%以上(投資額の3倍以上のリターン)が一つの目安です。ただし、施策の種類や計測期間によって大きく異なります。SEOやコンテンツマーケティングは初年度はROI 100%程度でも、2年目以降にストック効果で300〜500%に到達するケースが多いです。重要なのは、自社の過去実績をベースに現実的な目標を設定し、継続的に改善していくことです。

Q. アトリビューション分析を始めるにはどのくらいのデータ量が必要ですか?

A. ファーストタッチやラストタッチのシングルタッチモデルであれば、月間30件以上のコンバージョンがあれば分析を開始できます。マルチタッチアトリビューションでは月間100件以上のコンバージョンが望ましく、データドリブンモデルでは月間500件以上が推奨されます。データ量が不足する場合は、四半期や半期のデータを集約して分析するのも有効です。

Q. 人件費はマーケティング投資額に含めるべきですか?

A. 厳密なROI測定のためには、マーケティング担当者の人件費(または工数按分)を含めるべきです。ただし、社内で初めてROI測定に取り組む場合は、まず外部コスト(広告費、制作費、ツール費用)のみでROIを計算し、次の段階で人件費を加えるという段階的なアプローチも現実的です。重要なのは「コストに何を含めているか」の定義を明文化し、期間ごとに統一することです。

Q. 展示会やオフラインイベントのROIはどう測定すればよいですか?

A. 展示会のROI測定で最も重要なのは、名刺データをCRMに確実に登録し、リードソースとして「展示会名」を記録することです。その上で、展示会経由のリードがMQL→SQL→受注に至った件数と金額を追跡します。展示会は受注までのリードタイムが長い(3〜12ヶ月)ため、開催直後ではなく、6ヶ月後・12ヶ月後に改めてROIを再計算することを推奨します。

Q. ROI測定の結果、特定の施策のROIが低い場合、すぐに中止すべきですか?

A. 即座に中止する前に、3つの観点で確認してください。第一に、アトリビューションモデルによる偏りはないか(ラストタッチで低くても、ファーストタッチでは高い場合がある)。第二に、計測期間は適切か(SEOは最低6ヶ月、展示会は12ヶ月で評価すべき)。第三に、ROI以外の貢献(ブランド認知、人材採用、パートナーシップ構築など)はないか。これらを考慮した上でなおROIが低い場合は、施策の改善(ターゲティング精度、コンテンツの質、フォローアップの速度など)を試みてから中止を判断しましょう。

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